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オーディオオフ、広島遠征 [オーディオ]

昨今ずっと、鳴くことを忘れたカナリア状態であったが、久しぶりに本業のオーディオに復帰した。
広島のオーディオ友人のアテンドのもと、4軒のオーディオファイルのお宅を回ってきた。

毎年恒例でやってきた地方遠征オフ。

どちらかというと、近辺にいる者との切磋琢磨するオフというより、親交を深めるセレモニー的な意味合いが強いオフといったほうがいい。

幸せなことに、自分には地方のオーディオの友人さんが多いことから、1度も顔を合わせないで、オンラインだけで付き合っているより、1度お会いしてお互い大好きなオーディオでオフしましょう、ということで出向くというのが主旨なのだ。

これを済ませると、不思議と以前よりも、”つながっている”という感覚が強くなるから、不思議なのだ。

四国遠征×2回、関西遠征、九州遠征とやってきて、今回ついに広島遠征。

今回を最後に、この遠路オフ、一応完結しようかな、とも考えている。

今回のコンタクト・パーソンは、ひでたろうさん。

いろいろ根回し、事前準備していただき、本当にありがとうございます。(毎度、地方遠征するときは、このコンタクト・パーソン様には、本当に頭があがらない想いなのです。)

広島に行くなら、必ず寄らなければいけない場所であった原爆ドーム。

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ここで、将来にわたって不戦の誓いを自分の心に刻んだのであった。

原爆投下という悲劇があった場所の割には、周りが木々、草原の緑が多く、また川も前に流れていることから、結構、風光明媚な場所にあるんだなぁと思った。

たくさんの人が集まっていて、さすがに観光名所である。


広島市内は、プロ野球の広島東洋カープの25年振りのセリーグ優勝(V7)で、垂れ幕があちらこちらに下がっており、否が応でも賑わいを見せていた。

今回の広島オフはとても信じられないようなハイエンドなシステムを持っているお宅を回ることができた。

常々思うことなのだが、一般庶民の感覚から、あまりに金銭感覚的に離れているハイエンドなシステムというのは、たぶん普段のオーディオファンからすると、実際聴くチャンスというのは、ほとんどないであろう。

あったとしてもショップかオーディオショーくらい。

でもショップといっても、SPだけ、とか、アンプだけとか、の個別で入荷しているくらいで、それも店頭にポン置きで調教もなく、ただつなげている状態だけ。良心的なショップであれば、試聴に向けて、ある程度セッティングしてくれるところもあると思うが、周りの環境もリスニング環境として、適切とはいいがたいところも多く、せっかくのハイエンドも、きちんと鳴っているところなんて、なかなかないだろう。

これはオーディオショーにも言える。さすがにポン置きとまでは、いかないまでも展示会場は再生環境に適していないし、短時間でセッティングしただけのはずだから、きちんと鳴るはずもない。

オーディオの調教というのは、持ち主が長年かけて、試行錯誤で努力した結果で、ハイエンドであればあるほど、調教に時間がかかるし、エージング含め、鳴るようになるには時間がかかるはずだ。

そういう点で、このようなオーディオオフ会でそのようなハイエンドのフルシステムを持っていらっしゃるお方のお宅を回れるというのは、十分に調教されたシステムの音を十分に出し尽くしたサウンドを聴ける、つまりそのハイエンドのポテンシャルを十分に聴くことができる最高の幸せなのだ。

(さらにホストの方は、このオフ会に向けて、当日に最高潮ボルテージになるように調整をしているはず。)

そういう意味で、こういうお宅を訪問できて、その音、サウンドを聴けるというのは、オーディオファンにとって人生の宝といってもいいし、そのようなお宅と知り合っている友人を持っていること自体、人生の宝だと思うのだ。

そんなことを実感した今回のオフ会であった。


もうひとつ感じたことは、やはり地方のオーディオマニアの方のオーディオにかける情熱、財力がハンパでないこと。みなさん、社会的ステータスの高い職業でいらっしゃり、収入も高い。これだけのハイエンドな機器を購入できるならそれも納得のいくところ。それでいながら、お会いしたら、みなさんとても紳士的で、人格者な方ばかりなのだ。

やっぱり人徳とお金って結びつくものなのだな、と感じた。
(だから、ハイエンドオーディオを趣味にしている方は、全国でも人数が限られていて、とても狭い世界なのだ。)

我々首都圏のオーディオマニアは、もちろん素晴らしいリスニングルームを持っていて、ハイエンドなシステムを持っていらっしゃる方もいるが、やはり首都圏は土地代、リスニング環境にハンデがある。

それを補ってくれるのが、コンサートホールがたくさん集中していて、生演奏に接する機会が容易であるということ。生の音を知っている、というところがアドバンテージになるのでは、と常日頃思っているところ。

自分もそれを唯一の心の支えにして、これからもオーディオをやっていくのかな?


そして、これもとても大切なことなのだが、オーディオの場合、やはり他人の音を聴いてみること。それもたくさん聴くこと。他人の音を聴くと、自分には持っていないサウンド、自分にはなにが足りないのか、さらにその反対で、ここは自分のほうが優れていて、自分のサウンドの長所がわかるものなのだ。

自分の音しか知らないと、これは永遠に解決しないし、井の中の蛙。

他人の音をたくさん聴いてみて、こういうところを自分のサウンドにも取り入れたい、という欲が出てきて、そのためにどういう風にすればいいのか考えて、さらに調教をして切磋琢磨するものなのだ。

素晴らしいオーディオサウンドというのは、やはり経験値がものをいう。

これは自分がコンサートホールをたくさん経験したい、とコンサート通いする理由にも当て嵌まる。

やっぱり数多く通うしか解はない。いろいろなホールを通って、回数多く通うと、自分の耳の感覚に、あるリファレンスというものが出来てくるものなのだ。回数、経験が少ないと判断できないと思う。

なにを持ってホールの音響をジャッジするのか、音響がいいホール、音響がよくないホール、自分の好みの響きのホールとか、響きの質という判断は、いろいろなホールを通い尽くして、自分の耳に"ある基準"が出来てきて、その経験に基づいて、判断できるようになる。

あと、この音響をどのように表現するか、”意識して聴く”ということだろうか?自分が心がけているのは。。。

音響だけじゃない、コンサートホール(内装、外観、などいろいろな点)に対する着眼点なども、数多いホールを通い尽くすと、いろいろなところに対してピンと自分の感覚、アンテナに反応するものなのだ。(あっこういうところが、このホールは面白い、とか。)

そのアンテナの敏感な感度も、経験値がものをいう。


コンサートホールでの生演奏のサウンドを多く聴いていると、自分のオーディオルームでどのようなサウンド造りを目指せばいいのか、という基準が自分の頭の中にイメージされるので、そういうメリットでコンサート通いをしていることも確かだ。

コンサートホールのサウンドを、自分の部屋で再現するというのも、もちろん定説なことで、異論はない。でも、最近の自分の考え方は、生演奏は、生演奏、オーディオはオーディオというように、楽しみ方を分けて考えたほうがいいという方向にある。

生演奏なら、あの低域の再現力、そして信じられないくらいの広大なダイナミックレンジ、空間表現力の豊かさ、これはオーディオでは適わない。でも生演奏は、定位が甘いというか、雑というか、オーディオを聴いているほうが遥かに気持ちがいいと思うことも数多くある。

オーディオのほうが完璧な理想形の演奏でもある。録音は編集に編集を重ねているから、臨場感がなくてイヤだという人もいるが、自分は全く反対。オーディオのような完璧な演奏を聴いているほうが快感である。また録音というプロセスについて評価する楽しみというか、録音のいいディスクに出会うと、それを作成した録音エンジニアたちの苦労を心から讃えたくなる、そういう楽しみもあるのだ。録音は一種の芸術作品。その過程、作品を称賛するという姿勢を常に持ち続けたい。

オーディオは、限られた制約の中で、自分の好みのサウンドに仕立て上げていく、その過程が面白いし、オーディオ機器という所有感(男性にとっての車と同じ。)を楽しみながら、人生、心を豊かにしてくれる、そんな大切な趣味だと思っている。


生演奏は、その日の演奏の出来不出来も多く波がある。

でも反面、生演奏は、その瞬間に立ち会えている、という、その臨場感を楽しむもので、公演が大成功した場合のその瞬時の感動は爆発的なものがあるだろう。一生の思い出に残る。

もう、やめておこう。生演奏派か、オーディオ派か、という話題になると、ウルトラ長文になるので。(笑)


今回の広島遠征オフで、勉強になったのは、ホーン型SPを勉強できた、ということだろうか?
ドライバーというユニットの存在をお恥ずかしながら、知った。要は、現代SPでいうならミッドレンジのことなのだが、ドライバーにホーンを取り付けて、ウーハーとツィーターといっしょに組み上げる。そしてクロスオーバー周波数調整する。

こんなホーンSPでは当たり前のことを、いままで薄っすら認識していた程度であったが、はっきり理解できたことであった。ゴローさんのGOTOのSPの形態がやっと理解できた。(笑)

そして、今回のお宅(ホーン型SP利用の方はみんなそうなのかも?だが)は、SPについている既存のネットワークを使わず、外部でチャンデバを利用して、ユニットごとにマルチアンプ駆動されておられた。

いわゆる自作SPの原点ともいえるものなのだが、みんな筋金入りだと思った。こういうオーディオ友人を持てて(いまのご時世じゃこういうマニアは皆無でいないだろう。)、幸せだと思った。

今回廻った4軒は、以下の布陣。

●ALTEC A5とアキュのホーン型マルチアンプ駆動。

ALTECのホーン型SPは、都内でA7を聴いたことがあるのだが、今回のA5で組まれたシステムの音は、経験してた、予想していたALTECの音とは違って、かなり美音系で驚いた。いい意味でALTECらしくない音といおうか・・・そしてなによりも34畳ある広大なエアーボリュームを見事に埋めていたし、定位感が抜群であった。

●JBL4550系を4組組み合わせた38cmウーハー8発のホーン型マルチアンプ駆動。

38cmウーハー8発と聴いていたので、さぞかし低音過多と想像していたが、予想をはるかにいい方向に裏切る中高域ふくめて帯域バランスの取れたいい秀逸なサウンドであった。波長の長い低域を再生するには、十分すぎる30畳のエアーボリューム。このとき感じたのは、低域がしっかりしていて土台を支えると、その上に乗る中高域が逆にもっと煌びやかに映えて聴こえるものだ、ということ。オーディオ再生では、部屋スペースが大きく取れないために低域の再生ってボトルネックになるものなのだが、それが見事にクリアされていた。

なによりもいままで聴いたことのない初めて体験するスケールの大きいサウンドであった。音場が広いのとはちょっと違う感じなのである。

●オリジナルノーチラスと純正チャンデバおよび自作4chアンプ×2台で駆動。

オーディオマニアになって生まれてはじめてB&Wのオリジナルノーチラスを聴く。やはりB&Wらしい、細やかで繊細な解像度の高いサウンドで、これは普段自分が聴いているB&Wサウンドの延長線上にある等身大のサウンドだと感じた。オリジナルノーチラスは低域が鳴らないSPということで有名だそうだが、きちんと低域は出ていたし、音場も豊かであった。やはりクラシックをかけると、とてもよく鳴っていたというか、クラシック再生にぴったりだと感じた。オリジナルノーチラスは、ネットワークがついていない。どうやって駆動しているか、というと、初期の頃のオリジナルノーチラスについていた純正チャンデバと、なんと自作の4chアンプを2台で駆動していた。部屋は8畳のニアフィールドリスニング。

●初期型パラゴンを真空管アンプで駆動。

パラゴンというSPほど鳴らすのが難しいSPはないだろう。
都内の知り合い宅でパラゴンは見たことがあるのだが、調子がいまいちで、音は聴けなかった。今回はじめてパラゴンを聴く。友人のコメントでは、パラゴンのバックキャビティって凄く小さいので難易度メチャ高い。 ユニットもまるで前期と後期の性質がまるで違うし、部屋も含め、調整は大変らしいとのこと。 ほんとうに美しいデザインで、珍しいSPだが、貴重な体験であった。このお宅のは初期のパラゴン。サウンドは、あまりにも素晴らしかった。音場がすごく豊かで低域から高域まで隈なく出し尽くしていたと感じた。ほんとうに鳴っている、という感じ。こんな難しいSPで、こんなに鳴っているのを聴けたのは、貴重な体験であっただろう。


オーディオオフ訪問記は、詳しくは、写真付きも含めてmixiのほうで。。。

しかし、これだけのシステム、サウンドを聴いて、空港の帰路で考えたことは、確かに、いまのご時世、若い世代を含め、低額でオーディオライフを楽しめる、オーディオを身近にするという考えが基軸になっていて、それ自体、なんら異論はないし、マーケット的には正しいことだとも思うが、いまのハイレゾ&ヘッドフォンのスタイルの方向に進んでいくのを見ていると、自分は、今回の経験を踏まえて、やはり音楽は、ちゃんとスピーカーで聴こうよ!と思ったことも確かである。


広島でのひととき。。。

広島お好み焼き。

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これは最高にウマイ!関西風となにが違うかというと、具を混ぜるのが関西風だとのこと。あと空気の入れ方も微妙に違う。広島の方からすると、お好み焼きは広島が元祖で、関西のが、あくまで「関西風」、「広島風」と言ったら広島市民に怒られてしまうとのことでした。(笑)

そして、瀬戸内海での名産物の小いわしと広島産牡蠣。

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うますぎ!都内でも出店あるかもですが、意識しないと行かないし、地元名物を堪能できてよかった。

ひでたろうさん、本当に今回の貴重な体験の調整、アテンドをありがとうございました!


ベルギービールウィークエンド東京2016 [グルメ]

ベルギーは人口約1,000万人の小さな国であるが、168のビール醸造所で1,500種類以上のビールが造られている世界最高の「ビール王国」。世界遺産「グランプラス」広場で毎年9月に開催される「ベルギービールウィークエンド」は、世界中のビールファンでにぎわっている。

このベルギービールウィークエンドは、じつは日本でも開催されていて、なんと8都市で開催!
名古屋、福岡、横浜、金沢、大阪、札幌、仙台、そして東京。

東京でのベルギービールウィークエンドは、世界的にも1番最後となる。
六本木ヒルズでの饗宴。

個性豊かな113種類のビールと美食国ベルギーの伝統料理を、ライブミュージックとともに楽しむ、という指向。

自分もこんなイヴェントがあるなんて、去年までまったくノーケアで、今年の日本&ベルギー友好150周年イヤーにちなんで、今年はじめて知った次第で、さっそく行ってきた。

チケットは入り口のところで。
まずは、スターター・セットを購入する(3100Yen)。そこで、マイグラスとコイン11枚と交換する。

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会場内は現金のやりとりをせずに、必ずこのコインでやりとりをして、ビールや食べ物の売値の値段も、なぜか3コインとか5コインとかの表示になっている。

ビールは大体3~5コインくらいが相場。ベルギー料理は、2~11コインと幅広い。

気を付けないといけないのは、マイグラスは、もちろんみんな同じものを使うので、みんなで共有する立ちテーブルで、グラスをそのまま置きっぱなしにしてお店に行って戻ってくると、みんな同じグラスなので、自分のグラスがどれなのか、わからなくなってしまうのだ。(笑)テーブルを離れるときは、グラスを必ず持参しながらがポイントですね。

コインは、当然足りなくなるので、コインだけ追加購入できる仕組みになっている。

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そして、いよいよ会場入りで、東京にてベルギービールの饗宴の場。まず第一印象は、客層若いよな。いい感じ、いい感じ。ステージでは、このセレモニーの紹介のほかに、ベルギーからバンドが来日していて、このステージ上でライブをおこなうなど、盛りだくさん。

今年ベルギーに行って、本場のベルギービールを堪能してきたとはいえ、これは、これで、スゴイいい雰囲気。とても興奮してくる。聴こえてくる話し声は、結構マルチリンガルで、多国籍。とにかく密集っ!という感じで、この写真からでも、その熱気が伝わってくるだろう。

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みんなビールと食事で雑談する中で、パソコンやっているお方も。(笑)このエリアは、WiFiがカバーされているのでしょうか?

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逆にステージ側から客席側を捉えたアングル。もうすごい熱気。正直窒息する感じで暑苦しかった。(笑)

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ステージの裏側は、こうやって座りながら宴を楽しむお客さんがいっぱいいる。

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いや、この裏側じゃなくても、座っているお客さんはいる。(笑)床が木で出来ているので、汚くないので、いいっか。

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なんせ、113種類のビールが売られているのだから、銘柄を見ても、ちんぷんかんぷん。

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もちろんベルギービールだけではない。ベルギー伝統料理もある。
フリッツ、ワッフルや、牛肉のビール煮込み、ムール貝などなど。
フリッツ、つまりフライドポテトは、ベルギーがまさに発祥の国なので、そのアピール度もすごい。(笑)

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さっそくビールを頼む。(結局4~5杯飲んだだろうか。下戸なのに、帰るときはベロンベロンで意識不明でした。(^^;;おつまみに、チョリソーソーセージ盛り合わせ(って言っても4本のみ。)

赤いビールは、ベルギー・ブリュッセルのビール博物館で飲んだときは、なんかファンタのグレープにビール味がついている感じだったが、ここで飲んだほうが、よりビールっぽい感じがした。

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酔いがかなり回ってきたので、ちょっと涼むうえでも周囲を散歩。

ベルギービールお持ち帰りの出店もある。

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なにやらVIPが集う専用のエリア。

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とにかくビールの好きな人には堪らない催しでしょう。
いろいろな種類のベルギービールが楽しめる。

人混みが嫌いな人には、ちょっと厳しいかも、です。かなりの密集度で、窒息する感じです。

今年は日本&ベルギー友好150周年記念イヤーということで、自分的には盛り上がったし、実際夏休みのお盆には、現地ブリュッセルに、フラワーカーペットを見に行ったりした。ベルギーっていまいちマイノリティかもしれないが、いいんだ、自分が楽しければ。。。(笑)

今年、十二分にそのセレブレイト・イヤーを楽しんだと思う。
これで、余は十分に満足です。


帰路についたとき、六本木ヒルズを歩いていた時に、会場を上から撮影。
その密集度と熱気が伝わるでしょう。

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ベルギービールウィークエンド東京2016は、今日開幕で、10日間やっているそうですから、ぜひ興味のある方、ビールのお好きなお方は、行かれてみてはいかがでしょうか。


ストラディヴァリウス・コンサート2016 [国内クラシックコンサート・レビュー]

ストラディヴァリウス13挺の饗宴。一同に集まったスター演奏家たち。艶やかな音色。なんとも贅沢なコンサート。

自分の中では、出演者の中で、諏訪内晶子さん、アラベラ・美歩・シュタインバッハー、そしてハーゲン・クァルテットなどがお目当てのアーティストであった。 


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今日のコンサートで配布されたプログラム。
かなり分厚くて、詳細な情報が詰め込まれた丁寧に作られた資料で、正直お金を取ってもおかしくないものと感じた。

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公演が始まる前に、このプログラムに目を通す。
浅識な自分にとって、とても新鮮な情報が飛び込んでくる。



日本音楽財団は、現在所有しているアントニオ・ストラディヴァリとバルトメオ・ジュゼッペ・グァルネリが制作した世界最高クラスの弦楽器20挺(ヴァイオリン14挺、チェロ3挺、ヴィオラ1挺、グァルネリ・デル・ジェス製ヴァイオリン2挺)を国籍問わず、国際的に活躍する演奏家や若手演奏家に無償で貸与している。

そして、日本音楽財団は、その楽器貸与者を集めて、国内外で演奏会を行い、特に10挺以上のストラディヴァリウスと、その貸与者が一同が会する「ストラディヴァリウス・コンサート」は、世界的に稀なコンサートして話題になっていて、チケットの売上金は、演奏会開催地のNPO等が実施する音楽振興や福祉活動に寄付されるのだそうだ。

このプログラムに書いてある日本音楽財団会長の塩見和子さんのインタビューが大変興味深い。誰に貸与するかは、楽器貸与委員会が決定するだとか、楽器のメンテナンスは、管理者として財団が管理、楽器貸与終了の難しさ、など、本当にここでしか読めない貴重な内容が記載されている。

現在、この日本音楽財団の楽器貸与委員会の委員長は、あのベルリンフィル音楽監督&首席指揮者のサー・サイモン・ラトル氏なのだ。前任者で、20年間務めたロリン・マーゼル氏より引き継ぐ形となった。

ラトル氏は、さっそく今回のプログラムにも寄稿を寄せている。

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年表を見てみると、1998年にスタートして、貸与者の出演者を見ると、蒼々たるメンバー。日本音楽財団が貸与してきた方たち。

もうこの頃から諏訪内晶子さんは常連ですね。他に国内だけでも徳永二男氏、樫本大進氏、石坂団十郎氏、竹澤恭子さん、庄司紗耶香さん、などなど。

自分は、お恥ずかしながら、いままでこのコンサートに行ったことがなかった。今回が初体験。だから、このプログラムを読んで、はじめてこういう歴史・経緯を知ったのである。

なぜ、このコンサートに行こうとしたか、というと、我が愛すべきアラベラ・美歩・シュタインバッハーさんが出演するため。アラートで発覚したのである。(笑)

年表を見ると、彼女は2008年にも出演しているようである。

通称ストラドと呼ばれるこの楽器、なにもヴァイオリンとは限らないんですね。アントニオ・ストラディヴァリが制作したのは、他にもヴィオラとか、チェロもある。

ちなみに、今回出演された出演者と、そのストラドの使用楽器のリストを書き出してみる。

ハーゲンクァルテット    パガニーニ・クァルテット
            
ヴェロニカ・エーベルレ   ストラディヴァリウス 1700年製ヴァイオリン「ドラゴネッティ」
セルゲイ・ハチャトリアン  ストラディヴァリウス 1709年製ヴァイオリン「エルグルマン」
スヴェトリン・ルセフ    ストラディヴァリウス 1710年製ヴァイオリン「カンポセリーチェ」
諏訪内晶子         ストラディヴァリウス 1714年製ヴァイオリン「ドルフィン」
レイ・チェン        ストラディヴァリウス 1715年製ヴァイオリン「ヨアヒム」
アラベラ・美歩・シュタインバッハー ストラディヴァリウス 1716年製ヴァイオリン「ブース」
有希・マヌエラ・ヤンケ   ストラディヴァリウス 1736年製ヴァイオリン「ムンツ」
パブロ・フェランデス    ストラディヴァリウス 1696年製チェロ   「ロード・アイレス
フォード」
石坂団十郎         ストラディヴァリウス 1730年製チェロ   「フォイアマン」

そして、ピアノはスタインウェイ共通で江口玲さん。

この中で、やはりファンである諏訪内さんとアラベラさんのヴァイオリンだけ簡単に記載を抜粋して紹介。

ストラディヴァリウス 1714年製ヴァイオリン「ドルフィン」(諏訪内晶子)

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音色並びに楽器の保存状態が優れており、1715年製「アラード」、1716年製「メシア」に並ぶ世界3大ストラディヴァリウスのひとつと呼ばれているそうだ。なんでも、あの巨匠ヤッシャ・ハイフェッツが愛用していたことでも有名である。

確かに、この夜の諏訪内さんの音色は、他を抜きんでていた。音量、音圧が他と比べて圧倒的だったような気がする。



ストラディヴァリウス 1716年製ヴァイオリン「ブース」(アラベラ・美歩・シュタインバッハー)

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1855年頃にイギリスのブース夫人が所有したため、現在の名が付けられている。彼女はヴァイオリンの才能を発揮した2人の息子たちのためにクァルテットを形成しようと試み、この楽器を購入した。1931年にアメリカの名高いヴァイオリン奏者ミッシャ・ミシャコフの手に渡り、1961年にはニューヨークのホッティンガー・コレクションの一部となった。音色の美しさ、音の力強さにおいて知名度が高く、保存状態も優れている。

贔屓目と言われるかもしれないけれど、今宵の饗宴の中では、アラベラさんのヴァイオリンの音色が一番鳴っていたような印象だった。なによりもヴァイオリンの命である倍音の出方がハンパではなかった。

ところで、確かNHKの特集番組だったと思うが、ストラドのことを特集していて、最新のCG技術を使って、ストラドを完璧なまでにコピーして同じ音色が出るか、という実験をやっていたのを思い出した。

同じ音色は出なかった。やはりエージングというか、木製の筐体自体の経年による熟れ具合というか、それによる音色の豊潤さは、最新技術で形だけコピーしても再現できないものなのだ。

特に呼称は忘れてしまったが、ヴァイオリンの音色を決定しているところのエリアというのがあって、そこの経年度合が大きいようだ。


今宵の饗宴のコンサートホールは、サントリーホール。

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いつもと雰囲気が違っていて、ステージにお花が飾られていてこんなに華やかな雰囲気であった。この写真は自分の座席から撮ったもので、なんと3列目真正面のかぶりつきだった。(ストラドの音色を堪能の他に、ヴィジュアル的に前で見たいという理由がありました。(^^;;

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それにしても、サントリホールのホール内装空間は本当に美しい。自分の感性では、日本国内のホールの中で、1番内装空間のデザインに高級感があって品格があると感じる。


コンサートは、出演者が数名づつカップリングされて、合奏で演奏するため、個々の楽器の音色を聴き分けるということはできなかった。

演目は、ハーゲン・クァルテットによる構成。 

華麗な饗宴であったことは確かなのだが、正直言うと、前半は自分の座席で聴いている分には、思ったほどヴァイオリンやチェロ特有の倍音が出ていなかったような気がした。ストラディヴァリウスにしては、もうちょっと潤いがあってもいいんだけれどなぁ、という印象だった。

でも後半になって一変した。前半が信じられないような感じで倍音出まくりで、弦の発音時にふっと浮かび上がるような粒子の細やかな響きというか潤いがあって、こうでなくっちゃという感じで、気分が一新した。

ホールの湿度や空気の変化により響きがよく透るというか馴染んできたのか、前半とはまったく聴こえ方が違っていた。

特に圧巻だったのが、前半ラストの6人のヴァイオリンとピアノで演奏するリベルタンゴ。

これはもう最高!

これは自分の好みによるところが大きいのだが、アルゼンチン音楽で、ピアソラだとかタンゴを、クラシックの弦楽器で演奏すると、あの独特のリズム感、情熱、もう体の中が燃えたぎってくるというか、堪らなく快感になる。

今回、1st Vnにアラベラさん、2nd Vnに諏訪内さん、で他4人のVnと、江口さんのPfで、これを演奏するのだが、華麗というか、格好良すぎるというしか言葉が見つからなかった。

そして、後半の最後のメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。
これも最後を締めるにふさわしい壮大な弦楽奏となった。

特に1st Vnの諏訪内さんが主旋律を唄い、グイグイ引っ張っていく感じで他の人よりもはっきりと音色が聴こえてくるのが印象的であった。

そしてVnは対向配置だったのだが、諏訪内さんの主旋律の音色に対して、対向の有希さんの異なる旋律で、輪唱のように重なっていくのが、なんとも美しいと感じた曲だった。

アラベラさんは、京都ツアーの前にご対面できて、相変わらず麗しく、そしてなによりも弦がよく鳴っていたと感じた。調子はよさそう。

そしてコンサート全般を見ると、やっぱり諏訪内さんの存在は大きいな、と感じるところが大きかった。

華麗な饗宴という言葉しか思い浮かばないくらい、贅沢な一夜であった。



 


。。。そして帰国。 [海外音楽鑑賞旅行]

帰国。毎度恒例ながら、日本人の自分にはやはりこちらがよく似合う。

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今回は、”よくできました”ご褒美で、さらにこちらも!

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テロやスリなどのトラブルもなく、万事計画通りに終了。
渡航前の3週間前に発案したとは思えないほど、すべてがうまくいって濃厚だった。


正直、ロンドン滞在3日目かな。明日が最終のグラインドボーン音楽祭の前夜、

「はやく無事に終わってくれないかな?」
「早く日本へ帰る機上の人になりたい」

という弱気が持ち上がった。

この1週間の間、あまりに内容が濃すぎて、消化不良気味。
相当疲れていた。

なにせ、グラインドボーンはアクセスが厄介なので、前夜から憂鬱。(笑)

帰国後、ずっと会社で出勤していたが、いまだから話すが、朝9:00~昼の14:00まで、信じられない睡魔で廃人と化していた。

2,3日前にようやく気づく。あっ時差ボケかってな感じ。

今回の旅行日記を急いで書き上げた。

これから始まるイヴェントが、この後ぎっちり詰まっていて、いつまでもヨーロッパのことをひきづっていては、その方々に迷惑がかかると判断。

綺麗にかたづけて、サッパリして、新しいイヴェントに集中&応援していきたいと決意。

初頭でも述べましたが、旅行会社スタッフには、本当に突発な企画を受けていただいて感謝する次第です。

来年はどこに行くか、もう決まっています。
秋に決行します。

洪水のような情報ふくめ、本当にお騒がせしました。

よしっ!これですべてケリがついた。申し訳ないが、これから、ちょっと冬眠に入る・・・・・zzzzZZZZZ


青春の想い出のロンドンを堪能してきました。 [海外音楽鑑賞旅行]

ベルギーからロンドンへは、エアーを使わず、昔からぜひ乗ってみたいとずっと思っていた憧れのユーロスターで。ドーバー海峡をくぐり抜け、一気にロンドンへ。

EU大陸圏外に出るためか、空港並みに、パスポートコントロール、セキュリティチェックがあって、出発の1時間以上前に駅に着かないといけなかった。

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無事手続きを経て、朝早くから来たので、自分もかなりお疲れモードでの待合室。

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憧れのユーロスター。

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ICEと違って、カートの格納エリアがあるのですね。(本来そうあるべき!)
(ICEは、きちんとしたカート格納エリアというのがなくて、単に座席の後方に広いスペースがあって、そこに置いておくという感じ。)

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車両内はこんな感じ。

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車窓からの風景をのぞみながら、素敵なロンドンまでの旅路を体験できました。

到着の駅。(名前忘れてしまいました。)これでようやくロンドンに到着という新たな想い。
ロンドン滞在は、今回のツアーで最長4日間。最後の試練であります。

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タクシーでホテルまで。
ホテルは、ROYAL NATIONAL HOTEL。

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レセプション

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部屋

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まぁ、いままでの滞在ホテルがあまりにゴージャスだったということもあるが、今回のホテルはリーズナブルな普通のホテルのように思われた。

とにかくホテルの規模がすごい巨大ホテル。海外からの観光客向けのマンモス・ホテルというイメージでしょうか?部屋に空調がまったくついていなかったり、バスルームにシャンプーがついていなかったりで、シャンプーについては、別室のハウスクリーニング担当部屋にいただきにいけないといけなかった。

WiFiの線も細かったですね。自分のケアレスミスで、UKの電源ジャックって、大陸のC-Typeと違ったんですね。ホテルの同じハウスクリーニング担当部屋に変換アダプタが置いてありました。

朝食、毎日ここのホテルのレストランで食べましたが、まぁイギリスといえば、ローストビーフだろう、ということで、頼んでみましたが、まぁこのようなてんこ盛りで、かなりラフでした。(笑)

美味しいけれど、上品ではないよね。

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ロンドン・・・じつに懐かしい。20年以上ぶり。

昔、ロンドン近郊のベージングストークという街に赴任して生活していたことがありました。ロンドンから車で高速使って1時間くらい。ベージングストークという街は、アメリカ・カルフォニア州のサンノゼ版のようなところで、いわゆるイギリスでのIT/電機メーカーなどの企業オフィスが集まっている街で、前職の会社のイギリスブランチもそこにありました。放送局に納入する業務用機器などの開発がメインのオフィスでしたが。。

ロンドンと言えば、このかぶとむしタイプのロンドン・タクシー。”ブラックキャブ”というやつですね。やっぱり、どこでも走っているのは、このタイプのタクシー。他のタイプは見たことがなかった。

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なんでも不況下にて、中国企業に買収されて傘下にある、という話をニュースで見ましたが。さっそく乗ってみると懐かしい。昔と違うのは、テロ含めセキュリティ強化されていて、運転席と後部座席は完璧な防弾ガラス。時代だなぁ、と思いました。

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あと、ロンドンの街の景観を決定づけるのは、この赤い2階立てバス、いわゆる”ダブルデッカー”というやつですね。新型と旧型と2種類あるらしいですが、そのときはわかる由もなし。

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そして、なんといっても今回大活躍したのは、地下鉄”Underground”。

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ロンドンの街を移動するには、もう絶対これですね。これは大変便利!じつは赴任時代は、マイカーでロンドン市内をグルグル回っていたので、地下鉄はほとんど使わなかった。実際、本格的に地下鉄を使うのは今回が初めて、というか久し振りだったりした。

とにかくわかりやすくて使いやすい。ロンドンの観光名所って、大体地下鉄の最寄り駅が近くにあるので、地下鉄乗り継いでスイスイと。

どのラインを使って、どっち方向に行くの?どっちのホーム?

どのラインを使うの?は簡単だけれど、どっち方面のホーム?じつは、必ず駅にはこういう看板があって、下車駅の路線図の標示板が壁についているので、どっちのホームなのか簡単にわかる。

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あるいは、こうやってホーム側の壁にもついている。

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これってすごい重宝するなぁ。日本の地下鉄や、パリのメトロよりもずっと使いやすいんじゃないの?(笑)もう滞在4日間は、1日中地下鉄を使っていて移動しまくりで、もうガイド本の路線図マップはボロボロになってちぎれそうでした。

いま日記を書く前に、いろいろガイド本を読んでみたら、ロンドンの地下鉄って、世界で1番歴史が古いんですね。なのに、この使い勝手の良さ。

駅の地下通路では、こんな掲示板があって、ロンドン地下鉄100周年のロゴ変遷などが表示されていました。

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自動販売機でチケットを買うが、使用頻度が高いので、もちろん1日券を買う。

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まず、グラインドボーン音楽祭のチケットは、現地ロンドン支社での直接受取だったので、そこまでたどり着く。その途中の街の景観を観て、いやぁ~これこそ、ロンドンの街の景観だなぁと本当に郷愁の念。

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そして無事、グラインドボーン音楽祭のチケットを引き取り。

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去年は、パリでスリに会い、現地パリ支社でお世話になりましたが、今年は、いい用事(笑)でロンドン支社を訪問することが出来ました。


さっそく想い出のロンドン散策開始。

まず、目指すはタワーブリッジ。自分にとってロンドンの街の景観の代表的な建物なんですよね。

最寄駅から歩いていると、いきなり写真のような建物が突然目の前に現れて、ぐぉぉぉ~と思ってしまう。(笑)
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現在橋を通過中。

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やはり、タワーブリッジは、このアングルでしょうか?

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昔、ポール・マッカートニー&ウィングスが、ロンドンタウンというLPを出したときに、そのジャケットが、背景に、このタワーブリッジで、それを後ろに、3人が写っているというモノクロジャケットを思い出しました。


このアングルで写真を撮影したところは、こんな公園になっていました。

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そして橋を渡って、また最寄り駅に帰還中。

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また、この付近にはロンドン塔があって、これも世界遺産です。

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つぎに、国会議事堂、ビッグベンを目指す。ここも世界遺産。
ウエストミンスター駅が最寄り駅。

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天気も快晴に恵まれ、本当に素晴らしい景観ですねぇ。

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国会議事堂のほうも。

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プロの写真は、ビッグベンと国会議事堂を横から撮るアングル(テムズ対岸からの姿)が一般的のようで、そのときはまったく思いつきませんでした。


じつは、ここもいろいろマイカーでグルグル回っていた想い出があって、それはビッグベンの裏側にある、パーラメント・スクエアという場所に車を止めていた記憶があって、ぜひそこに行きたかった。希望が叶いました。

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パーラメント・スクエア

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近くのウエストミンスター寺院を見学。素晴らしい!

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つぎに向かったのは、Waterloo。

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この地名は、あまりみなさん、馴染みがないと思うが、ベージングストークからロンドンまで高速ハイウエイで来ると、ロンドンに最初に出るところが、このWaterlooなのだ。自分は、ここを起点にロンドン市内をマイカーでグルグル回っていたのでした。

ちょっと残念なのは、記憶では、橋からテムズ河をのぞんでいた風景が頭から離れられず、どこだったかなぁ、とずっと悩んでいて、結局夢かなわずだったのだが、いま帰国後にガイド本を見直すと、Waterlooの橋でした。間違いない。


そして、ロンドンに入るポイントが、Waterlooだった場合、帰りの道は、かならずピカデリーサーカスから帰っていった記憶があるのでした。

懐かしのピカデリーサーカス。

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ここは、よくたむろっていました。日本からの出張者を、よくここで接待していた記憶も残っています。この風景、全然変わっていない。

もしや!と思い、20年以上前に、このピカデリーサーカスにあったドーナッツ屋さん、まだあるのか!?

これが、あったりするんだなぁ。(笑)

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やっぱりヨーロッパ。東京は流れが速いから、あっという間に、建物がどんどん変わっていくけれど、ヨーロッパ、それがたとえ、ロンドンのような大都会でも、意外と変わっていないんだなぁ、という感じ。

なんで、単なるドーナッツ屋さんなの?もっといいもの食えよ!という感じかもしれないが(笑)、そこが青春なんだな。

さっそくドーナッツをいただきます。

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つぎにバッキンガム宮殿。ここも有名な観光名所ですね。大変な観光客でした。

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近衛兵のお仕事って大変ですね。全く微動だにしない姿勢で長時間ずっと立っているんですから。

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この近衛兵の交替式が名物ですので、ぜひ見学しようと思ったら、今日は中止ですと。(>_<)

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バッキンガム宮殿からの帰り道の横のほうに一面に広がる公園がなんとも美しいこと!

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そして大英博物館。ここは1日かけても全部観きれませんね。最初からあきらめモードでした。ほどほどに見て退散。

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大英博物館の前のカフェの前、視覚的にビビッとくるショットが目に入ってきて、思わずパチリ。ロンドンらしい、いい雰囲気。

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そしてロンドン散策の1番最後が、これまた、なぜかこんなところなの?と言われるかもしれないが。最後にここだけは見ようと。。。歴史と世界のマネーを動かしてきた、シティ周辺。王立取引所前の風景。

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ここはビジネス街で、観光客も少ないのだが、住んでいた時、マイカーで市内をグルグルしていたときに、どうしてもここにでく会わすというか、マイカーの運転席から眺めた風景では、1番見てきた風景なのでした。これを最後に見れて、本懐といったところです。


これがロンドン滞在で、回ってきた全名所。もう地下鉄の路線マップ、ボロボロでちぎれそう。

コンサート、オペラ鑑賞も含めると、この滞在4日間で、ずいぶん歩いたなぁという感じでした。

食事控えめでこれだけ歩けば、それは痩せるわな。(笑)


ロンドンのコンサートホール事情。 [海外音楽鑑賞旅行]

今回のロンドン滞在では、コンサート鑑賞は、すでに日記に書いたBBC Proms(ロイヤル・アルバート・ホール)とグラインドボーン音楽祭だけで、それはクラシック業界は、長い夏休みのオフシーズンに入っているので、ある意味仕方がないところでもあった。

もしレギュラー・シーズンであれば、せっかくロンドンに来たなら、いろいろなコンサートホールを訪問して、コンサートを聴いてみたいホールがいっぱいあった。

だったら、コンサートはないので、ホールの中には入れないけれど、せめて外観だけでも拝むのはどう?とある日、ふっと思いつき、それを実行に移すことにした。

BBC Promsのロイヤル・アルバート・ホールと、グラインドボーン歌劇場は、この日記では省略する。

こういうことを言うと、大変失礼になり、申し訳ないのだが、自分の浅い知識の中では、ロンドンでは魅力的なクラシック専用のコンサートホールというのが、あまり思い浮かばないのだ。

もし思い浮かぶなら、もうとっくに過去の音楽鑑賞旅行で行っているはずだし。

でもホールマニアで、世界のホールを制覇したいなら、このロンドンのホールもぜひ制覇しないといけない。

自分は一般社会人なので、要は先立つものが限られているし、年間の中で休みも簡単には取れなく、これも限られたタイミングで取るしかない。そうなるとどうしても先に行きたいホールの優先度って決まってしまう訳で、そこがロンドンのホールにとって悲しい運命でもある。

そんな想いもあり、せめて、ということで外観ツアーを敢行することになった。

ただし、日記では撮影してきた外観、もしくはホワイエの写真だけで、ホール内装の写真は掲載しません。やろうと思えば、ネットからの拾い絵で、できるかもしれませんが、それじゃきちんとしたケジメがつかないし、ホール内装の写真は、きちんと訪問した時に撮影する証だと思いますので。


●ロイヤル・フェスティバル・ホール

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最寄りの地下鉄は、Waterloo。ロンドンのベスト・コンサート・ホールという位置づけで、毎日でもコンサートが開かれている。コンサート(というより音楽イベント)が開催されている数からすると、どのコンサートホールよりもその数が多い、という異名もとる。

キャパは、2900席なので、かなりの大容積。

以下、ホールの音響について書くが、これは自分が調べ上げた内容に過ぎず、自分の耳で聴いた感想ではない。これ以降の各ホールの音響コメントも全部そう思っていただきたい。(なにせホール内でじかに聴いていない訳ですから。)

このホールは、「響きが不足」しており、特に低音の残響感が十分でないこと、そして低音が弱いことが、ずっと聴衆に認識されていたことだったらしい。その主な原因は、ホール設計時に、観客席に着席した聴衆による「吸音」の効果のことを考えていなかったためと言われている。

音質については、明瞭性に優れていて、ピアノ、室内楽、現代音楽には非常に良好。でも後期古典派とロマン派の音楽には向いておらず、低音の不足が最大の問題である。

それ以前に、なんと言っても、ホールの外観が、なんか萌えないんだよねぇ。(笑)

裏側から見たホール外観。
手前にテラス席がある。

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オフ・シーズンとはいえ、1Fのフロアには入れる。フロア面積はかなり広い。クラシック専門ホールという風情より、どちらかというと総合施設という趣なのだが。。。

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チケット・オフィス

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●クィーン・エリザベス・ホール

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ロイヤル・フェスティバル・ホールのすぐ隣に立っているホール。こちらも毎日のようにコンサートが開かれているようなのだが、どちらかというと、ピアノやヴァイオリンといった小編成の室内楽中心のコンサートである。

さらにこのクィーン・エリザベス・ホールの建物内にあるのが、パーセル・ルーム。サウスバンクに集まっているホールの中では一番規模が小さいホール。

室内楽の演奏が中心で、また新人のリサイタルや音楽学校の生徒たちなど、アマチュアやセミプロの演奏も聴くことができる。



●バービカン・ホール

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最寄り駅は、Barbikan。比較的、駅のすぐそばにあって徒歩5分くらい。目の前に現れた建物が上の写真。映画館、劇場などがある総合施設バービカン・センターで、コンサートホールは、この施設の中の一施設という位置づけで入っている。

バービカン・ホールは、そもそも会議場・コンファレンス会場として計画されたもので、音楽ホールとしてではないのだ。だから、できるだけステージの近くに聴衆を配置することに主眼が置かれ、その残響時間も1.4秒と短く設定された。

これがある意味、このホールの悲しい運命の始まりでもあった。

その後、コンサートホールとして使用することが決まったが、その時点で残響時間を増やすために天井を高くしたり、シューボックスに近づけるべく、横幅を狭くして奥行きを増やすという工程も無理だった。

さらに音響的な障害として、ホール天井の横方向全域に深さ3.7mの大梁が走っているのだ!

「梁」というのは建築用語で、たとえば床の下に、床の上からの重みに耐えられるように、補強する仕掛け部材のことで、その重みのエネルギーを逃がしてやるようなものでしょうか。

ふつうは床の下なのだけれど、もちろん屋根裏部屋のようなものもあって、その屋根の重さがある場合、その屋根の下(つまり下の部屋からすると天井)にこのような「梁」という仕組みを重み・振動逃しのために組み込むこともあるのだ。

今回のバービカン・ホールは、この屋根側に相当すると言っていい。バービカン・ホールの場合、屋根とその上部の屋外プラザの重みを支持するために、この「梁」という仕掛けが、ホールの天井を走っている。

だから、その内装写真を見るとあきらかなのだが、天井からの反射音を客席に返すなどというクラシックホールの基本構造は難しいのである。

これじゃあかん、ということで、1994年と2001年に大規模な改修工事があって、ステージ天井と客席上部に反射パネルが取り付けられた、ということで、かなりの改善はあったものの、残響時間1.4秒は変わらず。

なんか、ここまでくると、元々がクラシックコンサートホール専用設計ではないので、それをその用途に使うための弊害が、あっちこっちで出てきていて、無理があり、厳しいなぁという印象を感じる。

自分の周りの方やネットでの、このホールの印象も、このホールは、みんな音響がデッドだというので、上記のような過去の歴史事実を知ると、なまじっか納得のいくところでもある。


ロンドン交響楽団(LSO)とBBC交響楽団の本拠地である。


ベルリンフィルを2018年に退任予定のサー・サイモン・ラトル氏。次期職場として、LSOの首席指揮者に就任予定で、もう実際LSOのSACDを出すなど活動を始めている。

ラトルほどの輝かしい経歴を持った指揮者で、今後は、このホールをホームとして演奏と言うのも、なんか可哀想な気がする。もうちょっといいホールで活躍させてあげたいみたいな。。。


このホールが入っているバービカン・センターというのは、いわゆる総合施設そのもの。ヨーロッパ最大の文化施設だそうで、コンサートホール、劇場、映画館、アートギャラリーや、公共図書館、3つのレストランほか大学の音楽学部などが入居している。

女王エリザベス2世の名の下に「国民へのプレゼント」として建てられた。以来コーポレーション・オブ・ロンドンにより運営されているのだそうである。

もちろんフロアの中に入ることが出来て、1Fだけではあるけれど、写真に収めてきました。

フロアを歩いてみて、フロアの内装空間の印象は、とても綺麗でモダンな造りで、少し造形アートを感じるようなデザインになっている、ような気がした。

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ホールへのゲート。あちらこちらにある。

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バービカン・ショップ。

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店内は、こんな感じ。

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なんと! LSO Liveがぁぁぁあああ!

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このバービカン・ショップのすぐ横にホールへのゲートがあったりする。

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かなり近代的でモダンな施設だと思いました。

野外のテラス。

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やっぱり、コンサートホールだけは、なんとかしてあげたいなぁ、という気持ち。(笑)


●ロイヤル・オペラ・ハウス (ROH)

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最寄り駅は、Covent Garden。

この街はとても雰囲気があって、いい感じの街だなぁと思いながら歩いていた。
ちょっと自分の視覚にビビッと来るショットは、思わずパチリ。

なんでも、Covent Gardenは、ミュージカル、そして映画化もされた「マイ・フェア・レディ」の舞台となったところだそうで、その歴史事実が十分納得できるぐらい洗練された、素敵な街並みであった。このことをコメントで後で知らされたときは、それを知らずして、自分が最初にこの街に抱いた感覚が間違っていなかったことがうれしかった。 

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まさにイギリスを代表する、最も由緒あるオペラハウスでもある。

エントランスのところ。

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伝統的な馬蹄型もしくは円形の劇場で、すべて原語上映(大半はイタリア語)で、ステージ上方の幕に英語の字幕が出る。

こんなに美しい神殿のような造りとは思いもよらず感激した。その場にいると、この神殿の造りのオブジェがど~んと目の前にそびえ立つ感じで圧倒される。

ROHのオペラやバレエは、結構いままで家でDVDで観てきているので、内装空間もわかるし、ぜひ近い将来、ここでじかにオペラ観劇してみたいものです。

ちなみに、イギリスでは、オペラといえば、上流階級の楽しみということで相場が決まっているそうだ。


●ウィグモア・ホール

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今回宿泊したホテルの比較的近いロケーションにあった。

伝統的な室内楽ホールで、かなりフォーマルな雰囲気のホール。
自分がロンドンのホールでぜひ行ってみたいと思うのは、敢えて言えばこのウィグモア・ホール。

ホール内のアールヌーヴォー調のキューボラ(丸屋根)の天井画が超有名で、ぜひ直接観てみたい!

友人の投稿写真で、内装空間とか見たりしているが、なかなか雰囲気があって、自分好み。音響もよさそう。ただ、床には赤い絨毯が敷き詰められているそうで、音響的に気になることは確か。でもそんなマイナスファクターを取り除いても、素晴らしい音響なのは間違いない。

それは、このホール自体、自主制作レーベルを所有していて、ウィグモアホール自主制作ライブというCDを世に出してきている。そのCDを聴く限り、とてもいい響き、ホールトーンが、そのディスクの中に格納されていて、実際のその場の空間でもいい響きがするんだろうなぁ、ということが容易に想像できるからだ。

最近のアーティストでは、お気に入りのアリーナ・イブラギモヴァさんのCDが、ウィグモアホール自主制作ライブのCDですね。



以上、ロンドンのコンサートホール事情で、中に入れなかったホールを、実際目の前に行ってきて、特集してみました。

いつぞやか、ホールでコンサート&オペラを鑑賞したいけれど、やはりヨーロッパ&世界のホール事情の優先度からするとロンドンのホールは厳しいかなぁ。(笑)




 


グラインドボーン音楽祭 [海外音楽鑑賞旅行]

グラインドボーン音楽祭は、いまやウィンブルドンと並ぶ英国の夏の風物詩。ロンドン郊外の喉かな田園地帯のオペラハウスと、幕間ブレイクのときに楽しむピクニック・ディナー。とても英国流というか、エレガントな世界でふだんの自分とは似合わないような世界だった。(笑)

そもそも、今回の旅行は、昔住んでいたロンドンに行くことが目的で、そのときに夏の音楽祭でイギリスでやっているもの、という選択肢、そして松本音楽祭で観た小澤征爾さんの「ラヴェルの子供と魔法」の演出が、このグラインドボーンの演出と全く同じだったことなどから選んだだけであった。

でも、いろいろ準備していくにつれて、かなり英国貴族社会風な、とてもセレブな音楽祭であることがわかってきて、少し緊張したりもした。

気候に恵まれた5月から8月に開かれ、やや敷居が高い音楽祭という位置づけでもあり、そのセレブな世界は、じつに素晴らしい体験であった。

なによりも、自分が一番感動したのは、その自然の豊かさ、緑の多い、本当に田園地帯という美しい景観の中に、そこにポツンとオペラハウスが立っているという感じ。そして単にオペラを鑑賞するという目的だけではなくて、幕間休憩のときのピクニック・ディナー(これは今回教えてもらってはじめて知ったセレモニーだったのですが。)のような一種独特な英国風エレガンスな究極的な時間の過ごし方、楽しみ方があるんだな、という経験ができたことだった。

超セレブで、とてもエレガントな音楽祭だと思います。

雰囲気、その場の空気がとてもイギリス的。日本では意外と知られていない音楽祭のようなので、それが、とても残念。

さっそく、その模様をレポートしてみたい。

この音楽祭の一番のネックは会場へのアクセスだろうか?

地元の人は、自家用車で来る人も多いようなので、そういう人たちは問題ないのだろうが、私のような旅行者は結構ハードルが高い。

ロンドン郊外の南下したところにあり、ロンドンのVictoria駅からLewes駅まで、大体1時間くらい列車で揺られて移動する。そして、そのLewes駅には、音楽祭用ということでシャトルバスが待っているのだ。それに乗って会場まで行く。

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ただし、行きだけという訳にはいかず、必ず帰りの往復利用することが前提。会場に着いて、バスを降りるとき、こんな復路のチケットをもらうのだ。(でも終演後にバスに乗るとき、この復路のチケットの確認などはやっていませんでした。)

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復路のバスの出発時間は、終演後あまり余裕がないので、乗り過ごさないように注意が必要。もし、このシャトルバスを逃したら、超田舎のポツンとしたところなので、Lewes駅までの足がなく、途方に暮れてしまう。

これがグラインドボーン音楽祭の会場であるグラインドボーン歌劇場。歌劇場前の一面に広がる草原から撮影しています。

歌劇場は、手前の建物の、その後ろに映っている円形上の建物。

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右横からのアングル。

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左側には、さらにこのような建物が連なっており、これはなんなのでしょうね?

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そして、これらの建物の前は一面に素晴らしい景観の草原が広がっている。
ここで、ピクニックを楽しむわけだ。

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まず開演前に、この草原で場所取りをして、とか一連の作業をやる段取りだったのであるが、この日は、なんとあいにくの雨。それもかなり強烈な雨。まことに残念。

なので、開演前の儀式のピクニックはいっさいなし、ということになってしまった。

代わりにみなさん、開演まで、どこで過ごしたか、というと、建物の中になる。歌劇場の前のところが、いわゆる室内のホワイエ空間のようになっていて、その外側に、さらに屋根にテントを張って、その端のほうがバーカウンターやショップのようになっている、という感じである。

このオレンジ色の壁が歌劇場の建物になる。(正確には、ホワイエの部分。)

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2Fの部分はホワイエでの室内レストランのようなエリアになっている。

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左側が歌劇場、そして屋根がテントの歓談エリアがあって、その端に、バーカウンターやショップがある。

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こちらは歌劇場の建物の中のホワイエというか、歓談エリア。

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ここがグラインドボーン・ショップ。

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ショップ内はこんな感じ。

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ドレスコードは写真を見てもらえばわかるように、完璧正装。男性はタキシードが多いし、女性はドレス。自分は礼服&ネクタイでのぞんだが、問題なし。ダークスーツでも一切問題なし。

ただし、絶対に正装必須で、カジュアルはいっさい不可ということ。基本、超セレブな音楽祭なのである。


オペラハウスへの入り口は、原則地下にある。
絵画が壁に飾られている。

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地上にも入り口がある。ゲートは木製でこんなにクラシック!

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そして、いよいよオペラハウスの中に潜入。

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じつは音楽祭創設当時のオペラハウスを立て直し、現在の建物は1994年に建て替えられたもの。キャパは、1243客席。オペラハウス自体、円形状の形になっていて、オペラハウスでは、よくみかける馬蹄型の全体の枠ラインをまん丸の円形にしたような感じ。

正直、ホール内装の写真を撮影するのに、こんなに難しいホールはない、と感じた。

全体がわかるようなフレーム撮りが、わからなくて試行錯誤で、結局、これ!という感じの写真は撮れなかった。

内装は、全体に木でできているのか、木目調な色彩で、木独特の暖かい空間が漂っていた。中は薄暗く照明が落とされていて、オレンジ色~黄色のライトニングがされている感じであった。

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天井。

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ピット~普通の開放型ピット。

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ステージ~比較的広いステージだと思ったが、印象的だったのは、高さがかなり普通のオペラハウスよりある、ということ。自分の直感ではあるが、感じたことだった。

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客席形状が円形というのは、音響コンサルタント的には、歌手の声をホール内に均一に伝わらせることに関して、結構難しいらしいのだそうだが、随所に反響面の設置など工夫がされている。

最初の前奏曲のときのオケの演奏を聴いたとき、なんたることか、ちょっとドライな響きに聴こえて、焦ったことも確かだが、全曲通して、そんなに違和感のないノーマルな音響であると感じた。

スペック的には、満席時の残響時間が1.25秒とのことであるから、自分の感じた感覚もそんなに外れでもないであろう。

今日は、ここでベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」を鑑賞する。

自分は、このオペラハウスで何回もオペラを観たなどという経験は、もちろんなくて、今回が初めてであるが、演出ともに非常にクオリティの高いオペラ作品を上演することに定評がある。

公演の感想は、またあとで。


そして幕間ブレイクのピクニック・ディナー。

今回自分ははじめて知ったのであるが、この音楽祭は、オペラ本番も大切だが、ある意味、目玉といえるのが、この幕間のピクニックディナーなのだそうである。 幕間の休憩は1時間20分。この間に、おもいおもいにピクニック・ディナーを楽しむ。

さきほど写真で示したように、オペラハウスの前は、一面の草原になっていて、ここで、テーブルをセットして、正装姿の紳士淑女が、この大自然の中で、ピクニック・ディナーを楽しむ。食事の準備をしてくれるポーターさん(かわいい学生の男の子や女の子がバイトでやっているようです)が料理をセッティングしたり、飲み物を注いでくれるんだそう。

草原には羊などが放牧されているときもあって、なんとも長閑。これが英国流エレガンスな過ごし方なのだそうである。

ところがあいにく、この日は雨だった!(自分の普段の行いが悪いのですね。)

ネットからの拾い絵で失礼しますが、本来であるならこんな図が展開されるはずだった。

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雨なので、主催者側も今日は、みんな室内のレストラン、というように方針転換したようである。誠に残念極まりない。


さっそくPicnic Collection Point(ピクニック貸出所)に出向く。

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予約番号とかあるのだが、自分の名前を言っただけで、すべてわかってくれた。

アシスタントさんが、私の分のバスケット(この中に、食事や食器が入っている。)を持って、2Fの室内レストランの予約場所まで案内してくれる。

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こちらのバスケットがナイフ、フォークなどの食器とかが入っているやつだったかな?

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そして、こちらが食事の入っているほう。

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食事のメニューの決め方は、時代に応じていろいろあるらしいけれど、今回の自分は、あらかじめ事前にメニューをもらって、その中から選んでおくという方法だった。

前菜は野菜中心、メインは牛フィレのステーキ、デザートはラズベリークリームといったメニューを決めていた。


そして、こんな感じ。グラインドボーンのシャンペンもついています。(^^)

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確かに火は使えないので、冷たい食事なのだが、そこそこに美味しかったと思う。



ディナーが終わったら、散歩がてらに劇場の前の草原を散歩してみた。

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雨は止んでいた。主催者側の判断で室内ということになってしまったが、でも歩いてみたら、数人の方が草原の自然の中での食事を楽しまれていた。食事も必ずオーダーしないといけないのか、というと、そうでもなくて、各自お弁当を持参して、というのも十分にあり。この風景だと、みなさんお弁当かな、とも思いました。わずか数人しかいないけれど、こういう自然との調和の中でのディナーって、これぞ!まさにピクニックですよね。やはりイギリス的でスゴイ素敵だなと思うところ。これはグラインドボーン音楽祭じゃないと体験できないことですね。

他の音楽祭では類をみないと思います。


これはイギリス伝統の遊びなのでしょうかね? (ふつうにゲートボールかな?)

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雨というアクシデントはあったけれど、散歩しながら、ほんの少し英国流エレガンスな雰囲気を楽しめた、というところであった。



さぁ、オペラ後半。

ここからオペラの公演内容の感想を少し。ベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」というオペラは、巷では、ほとんど予習素材がない珍しい演目である。でも去年の小澤さんの松本音楽祭のオペラで上演され、自分は観に行っていた。

さらに、そのときTVで放映されたものの録画を持っていたので、それできっちりと予習していった。この松本のオペラは、それは、それは、舞台芸術が、あまりに素晴らしくて、原色がくっきりの鮮やかな色どりの舞台装置で、オペラそのものに華を添えていた。

それと比較すると、今回のグラインドボーンの演出は、とてもモノトーンというかシルバー系で統一されたシンプルな色使いで、舞台全体に統一感があったように思う。すべてにおいて、ものすごいシンプル。

舞台装置や照明の使い方も、とてもシンプル。ただでさえ高さが異常に高いステージいっぱいに大きな箱が3つ現れて、その中に歌手がたくさん入っているという、ちょっとメルヘンチックな演出。

なんか松本音楽祭とは対極になるような作品に出来上がっていて、微笑ましい、可愛らしい感じの演出だった。

歌手も、みなさん個性的でよかった。

正直ツアー最終日のこの日、あまりに濃い体験の連日で、体調は最悪で、はやくツアー自体終わってくれないかな(早く日本への機上の人になりたいという気持ち)、という弱音を前日から感じていた、ことも確か。

願わくは、もう少しよい体調で、記念すべきこの演目を鑑賞したかった。

でも、田園地帯の中でオペラとピクニック・ディナーを楽しむ、という英国流エレガンス、十分堪能できて、一生の記念になりました。

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グラインドボーン音楽祭2016
2016/08/19  17:20

エクトル・ベルリオーズ
ベアトリスとベネディクト

制作チーム
指揮:アントネッロ・マナコルダ
演出:ロラン・ペリー
舞台:バルバラ・デ・リンブルフ
衣装:ロラン・ペリー
照明:ドゥエイン・シューラー


出演者
ベアトリス:ステファニー・ドゥストラック
ベネディクト:ポール・アップルビー
エロー:アンヌ=カトリーヌ・ジレ
クラウディオ:フィリップ・スライ
ソマローネ:ライオネル・ロート
ドン・ペドロ:フレデリック・カトン
ユルシュール:カテリーナ・ブラディック

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
グラインドボーン合唱団



BBC Proms & ロイヤル・アルバート・ホール [海外音楽鑑賞旅行]

正式名が、「ヘンリー・ウッド・プロムナード・コンサート(通称プロムス)」というもので、指揮者ヘンリー・ウッドが、貧乏な人たちにも良質なコンサートを、という主旨で、いまから100年以上も前に始められた夏の音楽祭。約2か月にわたり、リラックスした雰囲気の中で楽しんでもらおうという趣旨のとてもカジュアルな音楽祭なのだ。

2005年あたりからプロムスは、どんどんエンターティナー化していき、現在では国営放送BBCの運営にも関わらず、スポンサーがたくさんついた大がかりなイベントになっているようである。

会場は、ロイヤル・アルバート・ホールなのだが、それのみならずイギリス全国に拡大。スコットランド、アイルランド、ウェールズ、北イングランドの野外会場がロンドンと中継で結ばれるなど、本当にすごいエンターティメントぶりなのである。

登場するのは、クラシックのみならずで、ジャズやポップスも含まれていたりする。

創始者のヘンリー・ウッドは、日頃、クラシックに触れる機会も関心もない庶民を教育しよう、という使命を受けてはじめたものなのであるが、実際のところ、それに反して、どんどんエンタメ化していっているというのが実情だろう。

そういう趣旨の音楽祭なので、客層は本当にカジュアル。みんなで気軽にクラシックを楽しんでいこうという雰囲気がはっきりわかる様子だったように思う。

会場のロイヤル・アルバート・ホールには、地下鉄(Underground)の最寄り駅は、South Kensington。じつはこの駅から徒歩でかなりの距離歩く。

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手元に持っていた地図が、心もとないので、駅の前にあった地図掲示板をデジカメで撮影して、その地図のもとに歩いて行った。

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最初ちょっと曲がるが、あとはひたすら直進。でも歩いても歩いても、いつまでも姿が見えないので、確かに不安になってくる。(笑)

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そしてついに、ロイヤル・アルバート・ホール。

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カジュアルな客がたくさん長蛇の列を並んでいる。

さらにこんな感じ。(^^;;

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これは?

プロムスでは、平土間、つまりグランドフロアの座席は、すべて取り払われ、アリーナ(立ち聴き)として解放されているのだ。このチケットは、”スタンディング・チケット”の名で売られているのだが、当日券のみ。値段も5ポンド程度と安く、今日のような有名な曲、演奏家が出る日には、2時間以上も前から長蛇の列ができるらしい。

だからこの長蛇の列は、その平土間立ち聴きのための当日券の並びなんだね。

自分は歳なので、とてもコンサート中オールスタンディングは腰に来て無理だと思うが、この立ち聴きがまたいっそうコンサートのカジュアル感を醸し出している、と言っても過言ではなかった。



このホールの入り口は、やはり両サイドからだと思うのだが、自分は正面のこの入り口から、スルスルと中に入ってしまう。

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そこには、BOX OFFICEや、カフェスタイルなどがあったが、さらに進んでいくと、こうやってチケット持っている人のみのプレートが。

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まずこの前で、たぶん会場の中には、まだ入れないけれど、ホワイエなら解放というところなのだろう、チケットを係員にバーコードでスキャンしてもらって、中に入っていく。

なにせ、円形ドームなので、ホワイエ空間というものより、全体的にこんなスタイルの通路が延々と続く。

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自分のゲートはここだ!

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ここで、よく状況を把握できていなかった自分は、施錠されていないので、中にスルスルと入っていき、近くにいたホールの撮影機材スタッフと思われる人に、この座席シートってどこなの?と聞いてみたりしたのだ。

なにせ、座席表なんて気の利いたものは見つからなく、他人任せ。

そうしたらスタッフは、この扉を開けて、中に入って、最前列のほうに行ってみな?その番号あるよ。とにかく中に入ってみろ!と言うではないか!

自分は、あくまでその指示通りにしたにすぎず、中に入ると、中にいきなり空席のホール空間が一面に現れる。びっくりして大興奮。


これは、またしても、やっぱり音楽の神様が、ホール愛に満ちた自分にくれたご褒美なのか、と勝手に勘違いして(笑)、また空席のホール空間を撮影できるチャンスをものにすることができたのだ。

たぶん、まだ開場前だったと思うんだが。。。(笑)

6000人くらいのキャパの大容積。でも場内を一周して撮影してみたのだが、意外や小さく感じて、あっという間にグルッと一周できてしまう広さ。東京ドームよりももちろん全然小さいと感じる。

そして空席のホール内を一周しながら撮影した。でもプロムスは、やはり観客が入って、照明がついたほうが遥かに華やかで素晴らしい。

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天井がぶら下がっている、これはなにか?というのは後で説明する。

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これが大オルガン。

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撮影したら、満足がいって、開場までにホワイエで座って休憩したいと思い、こういう場所を見つけて休ませてもらった。

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ホール側、音楽祭側のスタッフたちが開場前で忙しく準備している。

その中で、特に右手側の白ジャケットの女性。華麗なキング・イングリッシュを流暢に話し、それが相まって見た目・スタイルともに、超カッコイイ。異性の男性である自分から見ても、いやぁイケているなぁ、と惚れてしまいました。やっぱり英語って周りがパッと明るくなる、明るいトーンというか聴き映えして、全体のオーラを輝かせると思ったひとこまであった。

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そうすると時間が来て、開場。両サイドの扉から、ぞくぞくと入場。

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ホール内は、みるみる内に観客で埋まっていき、照明もついてきて、スゴイいい雰囲気。なんか、かなり華やかな空間にいるのではないか、という印象に陥る。

これぞ、まさにBBC Proms!!!

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ブレイクのときのひとこまであるが、こんな感じ。

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そして私の座席からステージを見た光景。

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今日は、ここで、アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団の演奏を聴く。もちろんプラチナ・チケット完売だ。

まず、自分のお仕事であるホールの音響面の印象について、実際、自分の耳で聴いた印象と、帰国後、この日記を書く上でいろいろ調べた結果を書いてみたい。


なにせ、ご覧のように、生音主義の直接音&間接音のクラシック専門ホールとは、まったく無縁のドーム型のホール。そして、なによりも6000人キャパの大容量。自分は完璧にPA主導型のサウンドだと思い込んでいた。

でも実際、自分の座席で聴いた印象は、Non-PAではないか?というものだった。

まずなによりもオケの音量が小さ過ぎる!ステージ周辺で鳴っているような感じで、この大空間の対容量比を満たしているものとは、到底思えなかった。

もし、PAを通しているなら、もっとホール内のあっちこっちのSPから聴こえて、ホール充満度があるからだ。またクラシックホール内でのPAにありがちな音の出どころがわかってしまう、音離れしていない、という感じでもなかった。

自分はステージで鳴っているサウンドの音を聴いて、たしかに音量は小さいけれど、この大容量のホールでふつうに演奏しているだけではないのか?PAかかっているかなぁ?と何回も思ったほど。

また音を聴いていても、いわゆるPA臭さというのも感じない。

もしくは、PAエンジニアが優秀なだけかもしれない。BBC Promosは、BBCを始め、いろいろメディアで収録、放映されているので、やはりPAを通している可能性も強い。でも自分にとって、全く違和感を感じないほど、シームレスで、終始、これPAかかっているのかなぁ?という感じで頭をひねること、しきりだった。

あくまで、ステージ周辺で鳴っている感じで、この大空間を満たしていないなぁ、と思うだけで。。。サウンドの質感も、そんなに違和感はなかった。許容範囲だった。

正直バリバリの電気くさいPAサウンドをイメージしていたので、ちょっと拍子抜けという感じでもあった。

この大容量のドーム空間の音響は、この100年以上、ずっとエコーとの闘いと言ってもいいものだった。

なにせ、この大空間、ステージからの直接音に対して、初期反射音がホール内で長い距離を伝搬するために、音量エネルギーが失われ、遠方の壁からホール前方に戻る初期反射音が、非常に大きい遅れ時間を持つので、いわゆる”エコー”が発生するのだ。

まさに大容量、大空間ならではの悩み。

ホールの音響って、やはりステージ上の発音体に対して、適切なホール容積というものがあって、直接音に対して反射音の時間差がある程度の時間差内、短いほうが心地よい、そういう許容範囲があるものなのだ。あまりお互いが分離しているというか時間差があり過ぎると、わずらわしい”エコー”になってしまう。

このロイヤル・アルバート・ホールでのウェールズ公のはじめてのスピーチでも、「すべての座席に聴こえるように、明瞭な声で発声されたところ、多くの場所で、その声が二重に聴こえ、奇妙なエコーのために次に始まる言葉に、その声が重なった」、とこのホールの歴史資料には書いてあるそうだ。(笑)

もうそこからはエコーとの闘い。

いろいろ改修デザインを試みるもエコーはなかなか解決できず、エコーが完全に解消したのは、この天井からぶらさがっている音響拡散体(フライングソーサー(空飛ぶ円盤))を設置してからなのだ。

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このソーサーの上には吸音材が貼られていて、天井からの余分な反射音を吸収する(中音域で過剰に長い残響時間のf特のフラット化)という問題解決と、あと、これは、いまのホールでも当たり前で行われているホール上空での反響板に相当する役割。。。天井までの距離が長いので、反射音が遅れてしまうので、それを、そこまで到達する前に、このソーサーで早くいち反射してしまうこと。

などが対策された。このソーサーが設置されたおかげで、遠方の座席からすると初期反射音が遠い、とか薄いというエコーの原因の最たる弱点も解消される。

満席での残響時間は、2.4秒。

やっぱり決定的なのはオケの音が弱いというか小さいということ。これは、やはり6000人も周りが人で囲んでいては、音を吸っちゃうよなぁ、というのは当たり前に思ってしまうことだ。

いまでこそ、こういうパラドックスがわかってきているから、最初から無茶なホールは設計しないけれど、このロイヤル・アルバート・ホールが設計されたのは、1800年代のこと。当時はそんな理論なんてわからないわけだから、作ってしまったものに対して、やはり試行錯誤で、ここまでつじつまを合わせてきた、という感じであろうか。

もちろん自分が聴いていた分には、このエコーは発生していなかった。

さて、いよいよ本題のBBC Promsの演奏会に移ろう。
この日の演奏会は、プロムス43というプログラム。

アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団の演奏会。
アルゲリッチの大ファンでもあるし、バレンボイムも好きだ。
もうこの2人は大の仲良しですね。

この日の演奏曲は、なんとワーグナー一色なのだ。

アルゲリッチはリストのピアノ協奏曲なのだが、今回いろいろ日記を書いているうちに、よく考えると、リストって、ワーグナーの妻コジマのお父さんであるから、親戚な訳で、そうすると結局全演目ワーグナーづくし、ということだったのかなぁ、と思ったりする。

アンコールも、トリスタンとイゾルデと、ローエングリンの第3幕の前奏曲だった。(笑)

バレンボイムとワーグナーというと、自分がいつも思い出すのは、ワーグナー音楽がタブー視されているイスラエル圏内にて、強硬演奏するというチャレンジングな試みを過去に幾度かやってきた、という想い出。

話が逸れてしまうが、自分の過去の日記でも何回か、取り上げたことがある。


ワーグナーは、19世紀後半に音楽界だけでなくヨーロッパ文化に広く影響を及ぼした文化人として知られる一方で、じつは反ユダヤ人思想を持つと言われる彼の音楽は、ヒトラーのユダヤ人絶滅思想にも利用されてきた。 そのため、イスラエルにおいてはワーグナーの音楽そのものが長らくタブー視され、 今日においてもその見方が強いのだ。

現在バイロイト音楽祭の総監督で、ワーグナーの子孫にあたるカタリーナ・ワーグナーさんは、

「ワーグナーはいつも狂気の中で生きていた。常に自己崇拝しており、世間から天才として認められることを期待していた。だから自分以外に高く評価されている人は言うまでもなくライバルであり、敵であった。 若きワーグナーの前に立ちはだかる男たちがいて、メンデルスゾーンやマイヤーベイアーを代表とするユダヤ人作曲家。

彼らに対する妬みは、ワーグナーを人種差別主義者に変えていった。。。」

とインタビューで答えている。

バレンボイムという人は、こういう問題を抱える中で、2001年にエルサレムで開かれた 「イスラエル・フェスティバル」の中で、ベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮した彼が、アンコールにワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」の一部を強行に演奏して、彼はアンコールの前に、「私は誰の感情も害したくはない。もし聴きたくない人がいるのならばこの会場を去って欲しい」とヘブライ語で語り演奏を始め、アンコールはスタンディング・オベイションを受けたものの、一部の観衆は「ファシスト!」などと叫んで席を 立ち、騒然となり後日大変な騒動となったという有名な事件がある。

自分は、バレンボイムとワーグナーとのかかわりの時を考えるとき、バレンボイムのイスラエル方面への力の入れ方も強い人だっただけに、どうしても、こういうチャレンジングな彼の過去の勇気ある行動をいつも思い出してしまうのだった。

今回の旅行は、なにかとワーグナーと関連性、所縁のある旅だと感じるので、ワーグナーのいい面ばかりではなく、こういうマイノリティーな部分も触れないといけないと感じた。



今日の演奏。タンホイザー序曲、神々の黄昏より-夜明けとジークフリートのラインへの旅、神々の黄昏より-葬送行進曲、ニュルンベルクのマイスタージンガー 序曲、とワーグナーづくし。もうとても満足できる演奏であった。

オーケストラの演奏レベルとしては、正直まだまだ粗削りのところもあるな、と感じるところも多々あったが、お祭りムードに支えられて、素晴らしく感動できた。観衆は、もう大歓声であった。

(コンサートマスターが、風貌を見る限り、昔ベルリンフィルにコンサートマスターをやっていて、安永さんの後任として樫本大進をベルリンフィルに誘った、あの方じゃないかな、と思った、名前はど忘れしちゃったけれど。。。~・ガイという名前だったかな?)

そして、アルゲリッチのリストのコンチェルトも素晴らしかった。彼女、ここに健在!この後のアンコールでは、なんとバレンボイムとの連弾も披露。もう自分にとってはこれ以上ないご褒美となった。BBC Promsでのこのコンビによる演奏。最高の想い出になった。

一生忘れ得ることのできない、素晴らしい夏の一夜を過ごすことが出来た。

写真は、Twitterで、Argerichfanさんの投稿のそのときの写真をお借りしています。

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BBC Proms

2016年8月17日 19:30
Royal Albert Hall  ロイヤル・アルバートホール
プログラム43

<曲目>
イェルク・ヴィトマン
コン・ブリオ

フランツ・リスト
ピアノ協奏曲第1番

リヒャルト・ワーグナー
タンホイザー序曲
神々の黄昏より-夜明けとジークフリートのラインへの旅
神々の黄昏より-葬送行進曲
ニュルンベルクのマイスタージンガー 序曲

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団
ダニエル・バレンボイム(指揮)



大都会で多様民族の集まりであるブリュッセル。 [海外音楽鑑賞旅行]

品格のいいバイロイトから、ブリュッセルに移動してきたときに、あきらかに、その街の風情というのが違うことが、自分の肌でわかる。目に入ってくる街の景観、通行人の”なり”から明らかに感じが違うのが、はっきりわかる。

ブリュッセルに入ってきたときは、なにか、こう退廃的というか(笑)、荒んでいる感じがしてならなかった。

やはりテロ厳戒態勢下にある感じがして、駅を始め、市街のあちこちで、通行禁止になっていて、おびただしい警官、軍隊メンバーがいたりするのを頻繁に見かけた。

なにを隠そう、我がホテルにも、たくさんの軍人が出入りして、なにごとか!と思わず聞いたら、いや、ただ休憩しているだけだ、ということだったが。(笑)

でも時間が経つにつれて、慣れてきて、いわゆるブリュッセルの街独特の雰囲気に溶け込んできて、自分も同化してくるような感覚になってくる。

やっぱり都市間の移動した瞬間は、その差というのがどうしても気になるのだが、数日間滞在していると、慣れてくる。

ベルギーではフレミッシュという言語とフランス語が話される。フレミッシュというのは、オランダ語と同じ種類の言語だが、アクセントが異なるらしい。同じベルギーの中でもフレミッシュを話す地域と、フランス語を話す地域が分かれている。

でも、このフレミッシュ、ブリュッセルなどベルギーの南に行くと使われなくなり、南側の人々はほぼフランス語しか話せないのだそうだ。

22年前、自分が住んでいたときは、ブリュッセルの街の中のレストラン・メニューは、ほとんどがフランス語で書かれていたような気がする。今回体験したレストランでは、英語&フランス語であった。

ベルギー人はほとんど英語を話すことができる。英語はきちんと通じるし、うまいと思う。

英語の普及率は高いが、授業が始まるのは日本と同じくらいのタイミングなのだそうだ。

正式には、ベルギーの公用語としては、フランス語、オランダ語、ドイツ語の3か国語となっていて、(ザーベンタム)空港の標識なんかもそういうトライリンガルな表示になっている。

わずか2日間の滞在だったが、その間にすっかり22年前の感覚を完璧に取り戻し、今回ベルギーを訪問した甲斐があったというものだ。

ブリュッセル北駅で下車して、タクシーを使って、自分のホテルに行こうとして、ホテル情報を運転手に伝えたところ、いきなり”10ユーロ!”と言われ、そのときは、意味がよくわからなかったのであるが、途中で気がついた。料金メーターがついていないことに。。。かなりラフ。(笑)

でもブリュッセル名誉回復のために、言っておくと、その後頼んだタクシーはすごい近代的で素晴らしかったです。スマホをカーオーディオのヘッドユニットにデザリング接続していて、スマホでナビをしていた。単独のナビは使っていないですね。カー業界の最先端ですね。

さて、今回宿泊したホテルは、バイロイトについで、これまた、ブリュッセルの中でも最高級クラスのホテルと思われるほどゴージャスだった。近代ホテルというより、歴史感ある感じ。


Hotel Metropole

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部屋

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フロント

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朝食をとる軽食レストラン

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エレベーターもこんなにクラシック!

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居心地は最高だった。なによりもWiFiが、かなりブロードバンドでサクサクだった。
溜まっていた写真を一気にアップロード。


ホテルから、グランプラスは本当に近い。徒歩7分程度。

ホテルからまっすぐ歩いていくと、証券取引所が現れる。

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証券取引所手前の道路は、歩行者天国状態であった。

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これを手前に左折するとすぐにグランプラスに到着。

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今回は、滞在期間が短いし、目的はフラワーカーペットなので、グランプラスから大きく離れる散策をするつもりは到底なかった。だからグランプラス周辺を散歩程度にぶらぶらした程度。

第一目標のフラワーカーペットを見た後、グランプラスから出る枝道をぶらぶら。歩いていて思い出したのだが、こちらの道路は、石畳が多いんですよね。歩いていて、足の裏がすごい痛くなってくる。

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とりあえず、その辺でベルギービールを1杯!暑いときに最高にウマい!

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天気がいいので、みんな外でカフェスタイル。ヨーロッパだねぇ。

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さらにグランプラス周辺と言えば、この定番は行かないと。

小便小僧。小さいねぇ。いや、ナニがという意味ではなく、全体が、という意味です。(^^;;

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もう大変な観光スポットで、すごい人だかりでございました。



グランプラス内にベルギービール博物館というのがある。入ってみた。

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中は、ちょっと貯蔵庫的な薄暗いアングラな雰囲気で、なかなかよい。ここに入るには、入場料的な意味合いとして、まずベルギービールを頼まないといけないのだ。

今回は、ちょっと嗜好を凝らして、レッド・ビールを。。。なんかファンタのグレープにアルコールが入っているような味がしました。

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さらに別室に行くと、ベルギービールができるまでの映画が上映されているのと、パネル展示があったりする。でも、それだけ。(笑)

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グランプラスは、それこそ、フラワーカーペットで大盛況であったが、そこは、やはりこういう感じで、軍人の方が常にパトロールしていて、テロ厳戒態勢下であることを感じさせてくれる一幕もある。

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でも、なぜか背後にGODIVA。(笑)

ベルギーと言えば、ベルギービール、GODIVAのチョコレート、ワッフル、レースなどが挙げられるだろう。

このお店もグランプラス広場に面したお店なのだが、レースのお店。

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このお店、間違いなく22年前も存在した。あきらかに覚えている。まったく変わっていないで、このまんま残っているなんて、なにか、やっぱり進化が激しい東京に住んでいると、信じられないくらい、ヨーロッパは、いつまでたっても変わらないんだなぁ、としみじみ。


グランプラスから出て、ちょっと歩いたところに、ギャルリー・サン・チュベールというショッピングアーケード街がある。ここも昔よく歩いたところだった。懐かしくて寄ってみたくなった。

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中は、まったく変わっていなかった!

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ところがなんと!驚いたことに、このアーケード街の天井に、過去20年間のフラワーカーペットの花絨毯の模様が1年単位の布製パネルになって、上からぶら下がっていたのだ!

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昔、ブリュッセルに住んでいた時に、自分が遭遇したフラワーカーペットの模様がどんな模様だったかを調べたくて、ネットでいろいろググってみたのだが、うまく見つけられず、書籍&写真集にもなっていないようだった。

それが、こんな形でお目見えしようとは。

そして見つけてしまった。
これです!

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自分が住んでいたのが、1994年。このときに開催されたフラワーカーペットの花絨毯の模様。まさに間違いない。あの当時、夜と昼の両方観たのだが、とにかく頭の中は、一面真っ黄色の記憶が、頭にこびりついてたので、このデザインを見たとき、まさにこれだ!という感じでひらめき、蘇った!

感無量です。

そうしたら、後日、フラワーカーペットの公式HPを発見しました。

http://www.flowercarpet.be/en

こちらには、過去20回のカーペット模様が全部掲載されていました。
普通に考えれば、当たり前ですよね。

こうやって過去20回の花絨毯の模様を、ずっと一気に眺めていくと、その模様は、年々洗練されていっているのがよくわかるのが面白い。


このショッピングアーケード街にとても素敵なレストランを発見。

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ムール貝を食べなあかんな、と思っていたところに、外のテラスで、老夫婦がボールのムール貝を食べているのを見つけて、おっこれだ、という感じで、このお店に入ったのでした。

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店内は、とても綺麗。ベルギー・ブリュッセルは、富裕層、貧困層含め、あらゆる階級の人が混在して、レストラン、というよりカフェスタイルも庶民的なところが多いのだが、このレストランは、客層がとても上品で上流階級の人が多そうな感じでいい。なによりも清潔感がある。そして値段も安い。

このレストランは、とても気に入りました。

さっそくボール単位のムール貝を注文。ベルギービールも。あと、ベルギーはフライドポテトも有名ですね。

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おいしかった。白ワインに貝のエキスがしみ込んでいて、最後の残された白ワインを飲むのがとても美味しい。もちろんスプーンですくう訳で、間違ってもボールごと口に持っていくことはしません。(^^)


夜のライトニングのフラワーカーペットを見るために、夜の9時頃にならないと、あたりが暗くならないので、ホテルで休養していたりしていたが、腹が減ってきたので、ガッツリいきたい気分で、結局このレストランの印象がよかったので、再訪。

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ご覧のようにガッツリいかせてもらいました。もちろんベルギービールも。結局この日1日だけでも5~6杯は飲んだのではないだろうか?下戸なのに。(笑)

いままで朝食はしっかり取って、夕食は少な目、という感じだったので、常に空腹感という感じであったが、さすがにこれには満足。

このレストラン、おススメです。ショッピングアーケード街にあります。偶然見つけました。


ブリュッセルに入った時は、退廃的なんて、大変失礼な言葉を発してしまったが、2日間過ごしてみて、すっかり慣れてきて、22年前にワープできたのと、やはりブリュッセル、すなわちベルギーという国は、いろいろな人種の多様民族の集まりだということが、通行人を眺めているだけでも、それがはっきりわかる。

そして、なによりも大都会。

こんなに道路をたくさんの人がぎっしり歩いているなんて、やはり観光都市なんだなぁ、と感じたことだった。

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ベルギー・フラワーカーペット2016 [海外音楽鑑賞旅行]

2年に1回、ベルギー・ブリュッセルの世界遺産であるグランプラスで、開催されるフラワーカーペット。

今年が第20回目(40年)の開催で、今年は、日本&ベルギー友好150周年を記念して、花絨毯模様が、日本をテーマにデザインされる。日本人デザイナー 鈴木不二絵さんのデザインによる「花鳥風月」。

1994年ころにブリュッセルに住んでいた自分は、当時このフラワーカーペットを偶然経験したことがあって、今年日本がテーマということで、ぜひ行きたい、音楽旅行とはもう別物で、音楽抜きでぜひ行ってみたいと思っていたところ、夢が叶った。

今年は8/12~8/15の期間で開催されて、実際広場に花を敷き詰める作業は、8/12の早朝から行われたそうだ。実際始まる初日の朝にやるものなんですね。

今年の絨毯模様は日本がテーマということで、たくさんのブリュッセル在住の日本人の方が、この花の敷き詰め作業を手伝ったそうである。

じつに22年振りのグランプラス。

ホテルから徒歩7分位でグランプラスに着くのだが、この広場に入った時の興奮と言ったら、それはもう!

こんな花一面で出迎えてくれた。

広場の花絨毯に沿って一周してみる。やはり思うのは、地上から眺めている分には、花鳥風月のデザインがわかりくいな、と思ったこと。

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フラワーカーペットに使われる花は主にベゴニアの花を中心に使われる。

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このフラワーカーペットのデザインがわかるように見るには、建物の中に入って上から眺めないと、デザインがわからない。渡欧前に旅行会社スタッフと事前に打ち合わせたところ、この建物、市立博物館の2Fが外を臨むベランダになっていて、ここから見れるんではないか、という作戦を立てていた。

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実際入ってみたら博物館なので入場料8ユーロ。こちらのベランダは、あまり知られていないというか、穴場なのか、ガラガラで空いていた。

2Fから花絨毯を覗いてみたら、こんな感じで見えました。ちょっと慣れていなくて、絨毯を1枚のフレーム・アングルの中に納まりきらなくて分断で申し訳ない。

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じつは、グランプラスに居たら、この花絨毯を上から覗くのは、この市立博物館の反対向かい側にある、こちらの市庁舎のほうでも2Fのベランダを開放していることが現場でわかりました。こちらのほうは、じつは、かなり本格的で、フラワーカーペットのオフィシャル・スポンサーではないか、という感じがしました。

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なにせ、このような正式なゲートがある。そして長蛇の大行列。仕方がないので、私も並んだ。

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入場料は4ユーロ。こちらでは入場料を払うと、こんなフラワーカーペット特集の冊子も、もらえた。

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冊子の中では、過去の20回の花絨毯の模様の特集も組んでいたりする。

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この市庁舎のほうの2Fのベランダは、ご覧のように常に満員で、1日中満員御礼で空いているときがなかった。さらに、こちらのほうは、夜のライトニングのときも開放しているのだ。

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市立博物館のほうは、夕方5時で閉まってしまうので、夜はこちらの市庁舎しかソリューションがない。でも、市庁舎のほうは、いつも大変な行列で、かなり効率が悪く、市立博物館のほうが穴場だと思いました。撮れるアングルは、ほとんど同じ。

市庁舎から撮影したものは、こちら。

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さて、結局この日は、グランプラスにずっと居たり、散策したとしてもグランプラス周辺くらいしか動かなかった。早朝誰もいないときに絨毯を撮影できてよかった。

この日が最終日ということで、日中深くなってくると大変な人混みになってきた。あちこちから日本語が聞こえてくる。日本人もたくさん来ている。

地上から見ているとデザインがよくわからいので、こんなふうに撮影している方もいらっしゃいました。(笑)

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そして特設会場という感じで、高さがある程度ある台座を設置して、そこにみなさん登って撮影。今回思ったことは、自撮り棒って、スゴイ普及しているな、と思ったこと。(笑)みんな絨毯をバックに自撮り棒で撮影していた。

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日が深くなっていくにつれて、もうグランプラスは、ごった煮状態と化してきた。

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じつは、フラワーカーペットは、夜のライトニングされたほうが、さらにもっと美しいのだ!ライトニングの仕掛けは、絨毯のサイドの地面に設置されている、このライト群。このライト群がいっせいに光ることで、絨毯が闇の中で浮かび上がるようになるのだ。

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さらに市庁舎の上階のほうには、このようにライトが設置されている。これは後で説明するが、夜のあるショーのためである。

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さて、こちらヨーロッパは夏は日が長いので、暗くなるのは大体夜の9時くらい。それまで、周辺を散策したり、ホテルに帰還してひと休みしたりして時間をつぶした。


暗くなってから、ふたたびグランプラスに行くと、闇にライトニングされた花絨毯があった。感動!

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やはり、これは上から見ないといけないだろう、ということで、再び夜もやっている市庁舎の2Fのベランダに直行。みんな思いは同じで、大変な行列。写真は、手前向こう側にベランダがある。その手前の行列。

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そしてようやく、2Fベランダから撮影に成功。

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もう思い残すことなし。

再び、広場地上に降りたところ、夜のショーが始まった。グランプラスいっぱいに広がるPAサウンドで、和琴や尺八の音色で、”さくら・さくら”が流れる。そして市庁舎の上部に設置されたライトで、赤、青のビームが乱射する大サービスのショー。

もうグランプラスは大変な盛り上がりでした。

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これで、このフラワーカーペットを見に、ベルギー・ブリュッセルのグランプラスまで日本からやってきたミッションもコンプリート。

思い残すことはありません。記念すべき、2016/8/15でした。

このイベント終了後、この花絨毯をどうするか、というと掃除機でグァァ~とバキュームしてあっという間だそうです。(笑)


 


ベルギー・ブリュッセルのラーメン屋「やまと」。 [海外音楽鑑賞旅行]

後ろ髪魅かれる想いで、バイロイトを後にして、1日中、列車の旅。車窓からの美しい眺めに心癒される。バイロイトからニュルンベルグに出て、そこからICEでフランクフルトで乗り換えてベルギー、ブリュッセルへ。

昔住んでいたベルギー・ブリュッセル。

いまでこそ、ブリュッセルに日本料理屋と言えば、二桁の数の店舗はあると思われるが、22年前に住んでいた時は、ラーメン屋の「やまと」とお寿司屋&海鮮丼の「三辰」の2店舗しかなかったように思う。

もちろん随分入り浸してもらった。

和党の人なので、この2店舗はかなり重宝させてもらった。

22年以上経過しても、店内の様子とか、その想い出は、くっきりと頭の中に刻まれていて、今回ブリュッセルに行くなら、ぜひ寄りたいと思っていたお店だ。今回の影の主役だったりした。(笑)

当時30歳代の自分の青春時代を過ごした街で、この2店舗は外せない思い出だった。

ブリュッセルに到着したのは、18時半。
ホテルにチェックインして、部屋で一息ついて19時半くらいには出発した。

まず、向かうは、ラーメン屋「やまと」。

ホテルからは、かなり遠く、足なしでは、無理なのでタクシーで行った。

タクシーから見える風景は、ずいぶん懐かしかった。はっきり覚えていた。自分のマイカーの運転席から見ていた街の風景。

昔は、「やまと」には、マイカーで通っていた。
いま思うには、どこに車を止めていたのか覚えていないのだが。(たぶん路駐。)

そして、「やまと」到着。

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おぉぉぉ~!まったく変わっていない!
まったく、そのまんま!

ただいま、夏シーズンということで、外でも食べられるようになっている!
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店内もまったく、これっぽっちも変わっちゃいない。
22年前に自分の頭に中に刻まれていた通りの姿であった。


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スキンヘッドの方が、2代目日本人店長の若旦那。
(他のスタッフ2名は現地人。)


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お客さんは、昔からそうなのだが、じつは在住の日本人というより、現地のベルギー人の方が圧倒的に多いのだ。


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ここに待っている間の本棚があったり、待合の座席も、まったく昔の通り。


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メニュー。昔と比べてレパートリーが増えただろうか?
昔は、もっと簡単なメニューだった。


店内に入った時は、カウンター席満席で、待合座席で待っていた。
そして席が空いて、カウンターに座った時に、このスキンヘッドの日本人の方に話しかけてみた。

ノンノン「じつは22年前に、ここブリュッセルに住んでいたんですよね。そして、この「やまと」
             
によく通っていたんですよ。今回22年振りに訪れてみて、ぜひこのお店に来てみたかっ
             
たんです。」

若旦那「あ~そうなんですか?じつは、このお店を開いて開店以来ずっとやっていたオーナーの
     初代ご主人が一昨年にやめて、いったん閉店になったのですが、私が、その後を継い
     で、スープの味も引き継いでお店を再開したんですよ。店内もまったくそのまんま
              です。」

この話を聞いて合点が行った。じつは渡欧前に「やまと」のことをネットでいろいろ調べていた時に、ほとんどの記事で、「閉店した」と記載されていて、もう残念至極だったのだが、FBでは彼らの公式ページがあるし、そのTLを見ていると、なんか普通に毎日営業しているみたいなので、どこか半信半疑だったのだ。(でもぜったいお店はやっている、という確信はあった。)

三辰のことも聞いてみたが、ご主人はサマーバカンスのようでお店自体はお休みだそうだ。

これはショック!

でも、やまとの若旦那は、三辰さんは相変わらずですよ、お客さんがいらっしゃった時とな~んにも変わっていませんよ、と仰っていた。何を隠そう、この若旦那、三辰にも勤めていたらしいのだ。

じつに久しぶりに感じるこの空間。
自分がいまこの場にいることが、限りなくうれしい。

このお店のこの空間のことは、はっきり頭の中に刻まれているのだけれど、不思議とラーメンの味は、まったく思い出せないんですよね。人間の味覚って、記憶力はないと思います。(笑)


さっそくオーダー。

なにが、このお店の看板なのですか?と聞いたら、一応ウチは味噌かつラーメンが売りなんですよね、と言っていたので、それをオーダー。

「やまと」の看板メニューの味噌かつラーメン。

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食べてみたら、失礼であるが、予想以上に、かなり美味しい!

日本では、かなりの頻度でラーメンを食べているかなり麺通の自分。(かなり偏った趣味ですが。。。(^^;;)

麺は縮れ麺の細麺だったような記憶。味噌スープが、見た目よりも味噌の味が濃厚で、かなり美味しいと思った。そりゃあ、ふだん日本で美味しいラーメンを食べ尽くしている自分からすると、「美味しいラーメン」というレベルから比較すると可哀想かもしれないが、ヨーロッパでなかなかラーメンが食べれない環境下では、十分美味しいと思いました。

現地ベルギー人にも固定した人気を持っているのでしょう? もう30年以上もベルギーで活躍している老舗のラーメン屋です。

現地人は、相変わらずラーメンを食べるのが下手。(笑)

音を出して食べれないし、箸の使い方もどこかぎこちなく、麺をレンゲの中にクルクル巻いて、ふうふう冷ましながら食べている。これじゃ、回転率悪い訳だ。(笑)

私が、ラーメンの食べ方はこうするんだ!とばかり、箸で麺を大盛につまんで口に持って行って「ずずっー!」と大きな音ですする。(笑)そうやって、さっさと食べ終わったのでした。(笑)


22年振りの「やまと」。ご主人は変わっていたけれど、店内ふくめ、なんら変わっていなかったお店。ラーメンも美味しかったし、十分満足して、今回のベルギー訪問の影のミッションを完遂したのでした。

あっ、ここは餃子も美味しいらしいよ!


Yamato(ラーメン やまと)

address:Rue Francart II, 1050 Brussel
TEL: 02-502-2893


バイロイトって、こんな街。 [海外音楽鑑賞旅行]

パリCDGからニュルンベルグへのフライト。小さい飛行機なので、カートをすぐにピックアップして、そこからタクシーで、ニュルンベルグ中央駅までタクシー。そしてDB(Deutsche Bahn)在来線に乗る。その間、わずか1時間の早業。(笑)

それで、ようやくバイロイトに着いたのが、夜中の2時頃。


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バイロイト中央駅(Bayreuth Hbf)

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雨が降っていた。タクシーが1台だけ止まっていた。助かった!こんな夜中で、もしタクシーが1台もなかったら、雨に濡れて、途方にくれて最悪だったろう。

タクシーに乗って、自分のホテルまで行く。

この間がすごく嫌なのだ。見知らぬ土地に行くとき、自分のホテルまでタクシーで行く間が、なにか見知らぬ土地にふっと投げ出されたような感覚になり、方向感覚がマヒして、とても恐怖感に襲われる。

バイロイトって、すごい小さい街なのに、タクシーはグルグルといろいろ道を曲がりながら行くので、すごい恐怖感だ。


バイロイトでのホテル。

ARVENA KONGRESS HOTEL

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バイロイト市内でも超有名で高級ホテル。
お値段も素晴らしく高かった。

渡航の3週間前に捜したのに、奇跡的に空いていたバイロイト市内のホテル。祝祭劇場まで徒歩圏内ということであったが、いやはや、中央駅からかなり歩くので、そこからさらに祝祭劇場まで徒歩は厳しいものがある。でも送迎バスがある。

フロント

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そして部屋。

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なかなか雰囲気があって、とても素敵。居心地は素晴らしくよかったが、唯一の不満だったのは、WiFiが細かったことであろうか?結局パソコンで写真をアップロードできず、今回の旅行は、つぶやき中心で進めることに決定。でも結果的それがよかった。旅行中は、つぶやきぐらいがちょうどいい。


朝食、昼食を食べるレストランが、すごい豪華!
驚いてしまった。(右に映っているのがワーグナー像です。(笑))

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ピアノも置いてある。

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欧州テイストのお洒落感満載で、超高級ホテルだなぁ、という実感。
過去の音楽鑑賞旅行で、こんなに豪勢なホテルはなかったと思う。

ホテルの前には、なんとワーグナーさんが!(笑)

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さっそくバイロイトの街の散策。

バイロイトって、どんな街ということを一言で言うと、音楽祭が開催される街としては、たとえばルツェルンのような自然の風光明媚な美しさ、とか、ザルツブルクのような女性に好まれる華やかさ、という煌びやかさという輝きは、ないけれど、独特の味というか、非常に雰囲気のある、とても素敵な街だという実感。

とにかくワーグナー一色なのである。

マイスタージンガー通りだとか、タンホイザー薬局だとか、通りの名前や建物など、いろいろなところにワーグナーに関連する名前がついているし、このように、至る所にワーグナーさんの銅像が立っていたりするのだ。

実際自分はそういう類のショップに寄ることはできなかったけれど、ワーグナーの楽譜、書籍、記念グッズなど、ワグネリアンにとっては、とてもお宝となるようなものが、いっぱいある素敵な街なのだ。

女性が、自分の部屋にぬいぐるみなど、自分の好きなものでいっぱい囲まれる幸せ感、といおうか、自分の好きなワーグナー関連のもので、周りがいっぱい囲まれている幸福感というか、そんな街なのだ、バイロイトって。。。

さっそくホテルから中心街へ歩く。
観光処が集まっている中心街へはかなり歩くことになる。

ずばり中心街、つまり最初にきっかけで、中央駅まで行く基準とした通りは、この通り。

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最初、こんな風景が続くので、ずいぶん地味な街だなぁ、と。(笑)

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いきなりタンホイザー薬局。(笑)

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そして本屋を見つける。ウィンドウを覗くと、1930年代のバイロイト音楽祭のプログラムなのだろうか、ずいぶん古くて貴重な書物が陳列されている。指揮にフルトヴェングラーと書いてある。

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かなり歩いて中央駅付近の十字路に出たら右折で、中心街に向かう。

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ちょっと自分の視覚にビビッと来る建物があったら、すかさずパシャリ。いい感じのホテル。

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この通りが、たぶんバイロイトの街の中で一番大きな通りで自動車がバンバン通っている。

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さらに歩いていくと、教会のようなものが見える。
ガイド本には、お城としか書いていない。

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この教会の鐘が街に鳴り響く音って、やっぱり堪りませんね。素敵すぎる。

そうこうする内に、バイロイトの辺境伯歌劇場を見つける。

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1747年に完成したドイツに現存する唯一のバロック式劇場。絢爛豪華な装飾で埋め尽くされ、美しい内装空間を誇り、ヨーロッパで最も美しいバロック劇場のひとつとして世界遺産に登録されているのだ。

ここはぜひ観覧してみたかった。残念ながら現在修復閉館中で、外観から撮影するのみ。ワーグナーも、その昔、ここでベートーヴェンの第九を振っているのだ。

その向かいにギリシャ神話風の彫刻。

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ここから最初に目指すは、ハウス・ヴァーンフリート。

この辺境伯歌劇場のある通りであるOperanStr.をずっと登っていくと、こんな景観。

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ここのホテル&カフェはお天気のいい昼間は、テラスでお客さん、いい雰囲気。

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坂を上りきった反対から見下ろすと、こんな感じ。

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そして再び十字路。ここにも大きなテラスがある。

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ここを左折すると、ハウス・ヴァーンフリートのあるRichard Wargner Streetに出る。

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ここからRichard Wargner Streetの景観の様子。

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途中でワーグナーさんと愛犬、発見!

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あの奥に音楽祭の旗が立っている所が、ハウス・ヴァーンフリート。

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ここは、すでに前回の日記で紹介しているので、また元に十字路のところに戻って、Richard Wargner Streetと反対方向のMaximilianStr.ほうを散策する。

いきなりこの美しい景観。

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たぶん、この十字路からこのMaximilianStr.のほうを俯瞰した、このショットがバイロイト散策した中で一番気に入っている。


さきほど述べたガイド本にお城としか書いていない建物だと思うのだが、この通りまで伸びてきていて一面に大きな敷地を占めている。なんか外装が美しい。

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そこで、こんな風景も。。。

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そしてさらに歩いていく。

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歩いていると、喉が渇いたなぁ、と思っていたら、こんなところにこんなものがぁぁああ。自動販売機は助かるのだけれど、その横の屋台店が全体が赤くてお洒落。

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このBRATWURSTEってなんなのだろうなぁ?とそのときは思っていた。(ドイツ語で焼ソーセージのことなんですね。)

そうしたら、反対方向のRichard Wargner Streetでも同じような屋台店を発見!ここにもBRATWURSTE(ブラートブルスト)とある。

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はて?買って食べているお客さんの手元にあるものを見てみると、ハンバーガーの2枚のパンの中に焼ソーセージが2本くらい挟んであって、それを調味料をつけて食べるファーストフードみたいだ。ドイツでは、有名な焼ソーセージのファーストフードみたいで、あとでガイドブックで確かめてみたらきちんと載っていました。


さらに歩いていくと・・・こちらは、いまだにvodafoneなのでしょうか?(笑)

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そしてランチ用レストランということで、狙いをつけていた、オスカーというビアレストランを発見。築600年以上という館の中にあって、気軽なビアレストラン。

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さっそく中に入る。

とても素敵なお店の内装。

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ここで、まずビールを一杯、グイッと。ウマい!!

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フランケン風焼ソーセージとザウアークラウトを頼もうと思ったのであるが、ちょっと朝早すぎて、また朝食時間タイムらしく、ふつうのメニューには、あと1時間半かかると言われて、あっそう、じゃあいいや(笑)という感じ。

店を出て、さらにMaximilianStr.の奥のほうに歩いてく。

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そうすると、Marketといって、ちょっとした広場に出る。

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なんと、ここで野外バスケットをやっていた。クラシックな街だと思っていたが、なかなか。同性から見ても、たくましい体をしたお兄さんたちが、汗水流してバスケットやっていました。


ただで、やっている訳ではありません。DJの方がヒップホップの音楽をかけながら、ノリノリでやっているのです。バイロイトのイメージがぁぁあああ!(笑)

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通りに行きついたところで、教会(Spitalkirche)に遭遇。

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ここを左折する。

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雰囲気のいいカフェを発見。

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ふらっと歩いているうちに音楽祭に時間が近づいてきて、タイムアウト。Uターンしていま来た道を戻っていく。


そうするとワーグナーさん、化粧品売っていました。(笑)

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路上で、古楽器を使って喉かな演奏会。
いい雰囲気です。

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バイロイトって、こんな感じの街です。滞在期間2日間ですので、回れるところが限られましたが、十分街の雰囲気が味わえたと思います。やはり、華やかさというより、いい味出している街という表現が合っていることがわかるでしょう?(笑)

ワーグナー一色の街で小さな街ですが、とても雰囲気があって、私は大変気に入りました。音楽祭に限らず、オフシーズンでも寄ってみたい街だと思いました。


ハウス・ヴァーンフリート [海外音楽鑑賞旅行]

ワーグナー好きにとって、バイロイトの街に来たら、祝祭劇場に次いで大切なのは、ハウス・ヴァーンフリートだ。

呼称として、ヴァーンフリートだけでいいと思うのだが、現地の方に道を尋ねたときに、ヴァーンフリートでは、わかってもらえなくて、「あぁぁ、ハウス・ヴァーンフリートね!」という感じだったので(笑)、ハウス付きの呼称で今後、統一する。

自分のホテルは、中央駅から結構距離があるロケーションで、バイロイトの街で、観光処の集まっている市街地に行くには、かなり歩かないといけない。

ガイド本の地図を見ているだけでは、どうしても地理感が養えなくて、結局通行人の方に結構聞いた。

そして、辿り着いたハウス・ヴァーンフリート。

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祝祭劇場を建てるために、バイロイトに移り住んだワーグナーの住んでいた館である。

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館の前には、ワーグナーの創作活動のパトロンだったルートヴィヒ2世の胸像が立っている。ルートヴィヒ2世がいなければ、ワーグナーも後世にこれだけの功績を残せなかったであろう。

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さっそく、ハウス・ヴァーンフリートの裏庭のほうに移動する。

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ここには、ワーグナー、そして妻コジマ、さらに愛犬が眠っているのだ。

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心の中でこのように祈った。「あなた様のオペラを愛し、とうとうこの聖地までやってきました。これを機会に、より一層、陶酔感のある、あなた様の作品に向かい続けていくことを誓います。」

目的達成。もうこれで十分。(笑)

あっという間の出来事であった。

このお墓のさらに奥の裏側には、緑一面の公園が広がっている。
素晴らしい環境。

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ハウス・ヴァーンフリートの正面向かって左側の横には、息子のジークフリートの家がある。

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もう少し拡大して撮影してみると、下のほうにジークフリードの家と書いてある。
                                                                                                                                                                                         
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そして右側の横には、ワーグナー博物館とカフェがあるのだ。ワーグナー博物館のほうは後でまた説明する。お天気の中、カフェのお客さん、気持ちよさそう。

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ワーグナー博物館の中の受付で、観覧のチケットを購入して、緑のシールを胸に貼って、館内を見学する。

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ハウス・ヴァーンフリートは、ワーグナーが暮らしていた書斎やリビングなどの生活空間をそのまま残し、遺品などを展示して見学する博物館のようになっている。

館内撮影OKのようで、みなさん、バシャバシャやっていましたので、私も撮影することにしました。どうしても人が写ってしまい、肖像権NGだが、仕方がない。。。申し訳ない。


ハウス・ヴァーンフリートの最大の見どころは、ワーグナーの書斎。
入り口にワーグナーとコジマの胸像。

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入ってみると、これが、じつに素晴らしい!

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赤のカーテンに白の壁というツートンカラーの組み合わせが素晴らしく、さらに裏窓のある高級感のある雰囲気。

左右両サイド、そして背面には書籍がびっしり。
その本棚の上には、自画像の肖像画や、コジマ、ジークフリート、リストの肖像画もある。

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そして立て掛け型の大きなコジマの肖像画。

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天井は、豪勢なシャンデリアとセンスのある塗装のカラーリング。

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なんとも素晴らしい書斎空間。

驚いたのは、ここで室内楽コンサートを模様しているのだ。

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ヴァイオリンとハープの室内楽で、30分くらいのコンサートを繰り返して演奏する、という感じ。(ヴァイオリン奏者は東洋人の方のようでした。)

これが、またじつに音が素晴らしくて驚くのだ。下手な室内楽ホールよりも素晴らしいと思えるほどだ。音がすごい濃厚で、ハープの下から上までのとても広い音域を隈なく出し尽くしているという感じで、ボロロンというなんとも心地よい響きが部屋中に広がる。ヴァイオリンの音色も妖艶だ。2人のハーモニーのアンサンブルは、それは、それはとても美しい音色であった。

ここで聴いたタイスの瞑想曲は一生忘れることができないでしょう。

贅沢な瞬間。。。


さて、書斎以外の部屋も見学。


妻コジマの父は、ピアニストのフランツ・リスト。このバイロイトにもリスト博物館があり、ワーグナーとリストは切っても切れない関係にある。

所蔵のピアノの上に、ワーグナーとリストの肖像画。

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ワーグナー一家が使っていたと思われるワイングラス、コーヒーカップ、スプーンなどの食器。
博物館の中の展示は、大抵が、外気に遮断するための容器をかぶせられている。

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食卓。

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2階のほうに上がる。

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ソファ。

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椅子。

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ローエングリンの衣装。

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パルジファルの衣装。

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ワーグナーの肖像写真。

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ワーグナーとジークフリートの写真。

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直筆譜。

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そしてワーグナー一家の家系図。

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感無量である。


つぎに、このハウス・ヴァーンフリートの正面向かって右側にワーグナー博物館がある。

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受付。(ここで入館のチケットの胸のシールをもらう。)

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受付のフロア。

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展示物は、地下にある。

時代の古いもののために、暗幕で覆われていて、太陽の光、照明はいっさい入らないような部屋になっている。

まず、祝祭劇場のミニチュア。

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プロジェクター投影。

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そしてパルジファル、ローエングリンなど、一連の楽劇に使われた衣装がケースに保管されている。

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これはなんだろう?そのときはわからなかったのであるが、当時の舞台芸術のミニチュアなのだろうか?

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そしてバイロイト音楽祭で指揮をしてきた往年の名指揮者たち。(写真ボケてしまいました。)

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フルトヴェングラーやトスカニーニの姿もある。

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なぜか、日本流和風な庭園を観ながら、おそらくワーグナー音楽を聴いているリスニングルーム。

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そして往年(最近?)のバイロイト音楽祭での名シーンを撮影したショットが展示されている。

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祝祭劇場の他に、ここを観れただけで、自分はもう十分だと思いました。ワーグナーの聖地バイロイトに来たなら、このハウス・ヴァーンフリートとワーグナー博物館は、必ず訪れないといけないスポットであることは間違いなし。

もう思い残すことはありません。


バイロイト音楽祭 「トリスタンとイゾルデ」 [海外音楽鑑賞旅行]

ワーグナーの楽劇の中でも、「トリスタンとイゾルデ」はとても大好きな演目で、拙宅オーディオオフ会でも有名な第1幕への前奏曲は、よくおかけするのだ。もちろんPENTATONEのヤノフスキ&ベルリン放送響であることは言うまでもない。

この第1幕への前奏曲、そして第3幕の終結部(イゾルデの愛と死)は、ワーグナーのオペラでは、示導動機といって、この前奏曲の部分に使われた動機(モティーフ)がオペラ全体の中で何回も登場してくる。(ワーグナーの手法)

とても情感的で、美しい旋律で、この楽劇のテーマである「官能的な愛」が、とても色濃く表現されている。なにか、大きな「うねり」のようなものを感じて、大河のごとく壮大な美しさを感じる。ワーグナー音楽の代表格とも言えるドラマティックな展開なのである。

オペラ自体は、劇としては意外や動きは少なくて、延々とトリスタンとイゾルデとの熱烈な愛をお互い語り合う、愛し合うというところが多い、ある意味、ちょっと重たい部分もあるのだが、ワーグナーが「最高」としただけの作品の完成度はあると思う。

愛聴盤のPENTATONE ヤノフスキ盤では、トリスタンにシュテファン・グールド、そしてイゾルデにニーナ・ステンメというキャストで、この盤をずっと聴いてきた自分にとっては最高の当たり役というか、これが自分のリファレンスにもなっている。

今回のバイロイトでも、トリスタンは同じシュテファン・グールドで、これが楽しみで仕方がなかった。

「トリスタンとイゾルデ」は、バイロイトだけではなく、東京二期会やMETでも上演されるようで、なにか今年のひとつのキーになっている演目なのかな、と感じていて、注目の演目なのだと思うようになってきた。

東京二期会の公演もさっそくチケット購入して、観劇に行く予定である。


今回のバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」は、バイロイト音楽祭の総監督のカタリーナ・ワーグナーさんが演出を担当、そして指揮が、クリスティアン・ティーレマン。ティーレマンは同音楽祭の音楽監督でもあって、鉄壁の両コンビで挑む。

カタリーナさんの演出家としての腕前は、どのようなものなのか?去年も披露されている演出だが、自分は敢えて情報集めはしないで頭を白紙で臨んだ。


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写真提供:Bayreuther Festspiele


第1幕。とても幾何学的&無機質なデザインな鉄筋で出来た格子状の階段&通路オブジェ。

やっぱりバイロイトの演出だなぁ、という第1印象。とても抽象的で、どういう意味があるのか観客に考えさせる舞台装置。なんでも、このセットは18世紀、イタリアの建築家で版画家としても活躍したジョヴァンニ・バティスタ・ピラネージの名作「(幻想の)牢獄」をモティーフに考案されたものなのだそうだ。

歌手たちは、この階段&通路を動きながら、ある場面になると、その心理表現に同期して、この階段&通路が縦方向にスライドしたりして、観ている側をスリリングな気持ちに陥れる。

本当に不思議な空間、そして演出効果だ。


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写真提供:Bayreuther Festspiele

トリスタンとイゾルデが「愛の薬」を飲み合う場面では、なぜか2人は薬を飲まずに捨て、薬に頼らなくても、お互い深い愛に満ちているかの如く、抱き合い、愛を確かめ合う。

ここも、原作とは一味違うスパイスを加えたカタリーナさんの演出効果なのだろうか?


じつは、この場面に限らず、数多くの部分で、原作とは違う解釈、登場人物のキャラクター設定などの妙を加えているのだが、それが決して破綻した内容ではなく、許容範囲でいい方向に作用しているように思えた。



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写真提供:Bayreuther Festspiele



第2幕のトリスタンとイゾルデの密会の場面、そして瀕死の重傷を負ったトリスタンが、イゾルデの幻影に想いを寄せ語り掛ける部分の第3幕とも、非常に簡素な舞台装置で、特に第3幕は、装置はいっさいなかった。闇の中で、写真のような投影技術をうまく使った光の三角錐の投射イメージの中に、イゾルデの幻影を映し出し、そこにトリスタンが語り掛ける。

バイロイト祝祭劇場は、ものすごい古い劇場なのだけれど、舞台装置や照明などのIT化は、近代的というか確実に進んでいて、いまの時代に合っている印象を受ける。特に第3幕での闇の中での、この光の投射効果は、とても美しくて印象的だった。

全3幕とも正直照明は、ほとんどないと言ってよく、闇の中で、そこに少ない光を巧みに使って効果を出していたようなそんな照明演出だった、ように思う。

イゾルデがかけつけると同時に絶命するトリスタン。
最大のヤマ場である「愛の死」をイゾルデが歌う。


抽象的で奇抜な演出が多いバイロイト演出の中では、演出、舞台装置、照明ともに、とてもシンプルな構成で、ある意味普通のオペラっぽいところが、とても自然でよかった。でも第1幕のようなバイロイトらしい、ちょっとした山椒のピリッと効いた仕掛けもあって、単に平凡で終わらないところが、自分にはカッコよい感じがして素晴らしい演出だと思った。

素直に感動できました。

カタリーナさんの狙いも深いところは、もちろん、もっとあるのだろうが、才能あると思います。(笑)(前回の演出のマイスタージンガーでは散々なブーイングだったようですが。。。)

バイロイトの聴衆は、かなり乱暴というか、はっきりと意思表示する、と思った。終演後の最初の歓声がブーだった。(笑)そして、その後、割れんばかりの大歓声、ブラボーと足踏み鳴らし。

ヨーロッパのオペラ聴衆は、いいものはいい、悪いものは悪いとはっきり意思表示する、と聴いてはいたが、オペラ鑑賞歴の浅い自分は、ブーを初めて聞いた。

どういう意味でのブーだったのかは、不明だが、その後の大歓声を聞くと、やや意味不明でもある。やっぱり品行方正の日本のオペラファンの聴衆とは、かなり温度感が違うと感じたところである。



歌手陣。 

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シュテファン・グールド(トリスタン)
写真提供:Bayreuther Festspiele

トリスタンのシュテファン・グールド。同役では自分のリファレンスであることを言ったが、本番の生を観てもやはりよかった。バイロイトで、自分の本懐を遂げられたと感じた。小柄ながら、いわゆる馬力型のヘンデルテノールなのかも。この人の実演は、近年では、東京・春・音楽祭でのN響ワーグナーの「タンホイザー」演奏会形式でも聴いた。ワーグナー歌手としては、もう脂が乗りきった人ですね。カーテンコールでは、出場歌手の中でダントツの大歓声、ブラボーを集めていました。 

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ペトラ・ランク(イゾルデ)
写真提供:Bayreuther Festspiele

ある意味、泣かせる官能的な旋律である「愛と死」は、このイゾルデが担わないといけない、この楽劇では本当に決め処の役。十分その大役を演じ切り、歌い切ったと思った。声質も声量も十分。安定した歌唱力。ただ、煩い自分にとって(笑)、敢えて言えばもう一息、この楽劇で大切な「うねり」の感覚、ぐぅ~っと腹の底からホール内を圧するような馬力、粘着力というか”濃さ”みたいなものがもう少し欲しい感じがした。ニーナ・ステンメはヴィブラートが強い歌手ですが、その点が、イゾルデに関しては、自分を満足させてくれる歌手なのでした。


そしてティーレマン。 

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およそ4時間の長丁場、見事にオケをドライブしてコントロール下において、素晴らしいサウンドを醸し出していた。同音楽祭の音楽監督ということもあって、ワーグナー解釈の第1人者でもある、その実力を見事に発揮していたと思う。ティーレマンという指揮者は、よく独自解釈&独特のテンポ感、うねり感を持つ人で、それが聴いている人にとっては違和感を感じる場合が多いという話もよく遭遇するのだが、今宵に関しては、まったくそういうことを感じなかった。まさに王道のトリスタンとイゾルデだった。

カーテンコールに現れたときは、もう大変であった。歌手たちを遥かに凌ぐ大歓声、ブラボー、足踏み鳴らしでホールが揺れた。

バイロイトの聴衆はよくわかっていた。

ティーレマンが、ピットに入っていたオケを全員ステージにあげてのカーテンコール。
オケメンバーは、全員私服です。(笑)

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バイロイト音楽祭2016 「トリスタンとイゾルデ」

2016/8/13 16:00~ バイロイト祝祭劇場


指揮:クリスティアン・ティーレマン
演出:カテリーナ・ワーグナー
舞台:フランク・フィリップ・シュロスマン
   マティアス・リパート
衣装:トーマス・カイザー
演劇構成:ダニエル・ウェーバー
照明:ラインハルト・トラウプ
合唱指揮:エーベルハルト・フリードリッヒ

トリスタン:シュテファン・グールド
マルケ王:ゲオルグ・ツェッペンフェルト
イゾルデ:ペトラ・ランク
クルヴェナール:イアイン・ペイターソン
メロート:ライムント・ノルテ
ブランゲーネ:クリスタ・マイヤー
羊飼い:タンゼル・アクゼイベック
舵取り:カイ・スティーファーマン
牧童:タンゼル・アクゼイベック



バイロイト音楽祭 「神々の黄昏」 [海外音楽鑑賞旅行]

バイロイト音楽祭で人生最初に鑑賞することになったのが、「ニュルンベルグの指環」の最終章の「神々の黄昏」。

事が決まって渡欧するまで、ほとんど時間がなかったので、予習素材としてDG/UNITELから出ている1980年のバイロイト音楽祭のDVDで1回さらっただけであった。

もともと指環(リング)って、神話のお話なのであるから、この予習素材は、それ相応の時代考証での舞台芸術、衣装で、好感の持てる、いわゆる保守的・伝統的な路線の演出だった。自分にとっては、とても受容的な演出だった。

オペラって、演出、舞台装置、衣装、演技、歌手の声などによる総合芸術と、よく言われるけれど、オペラを鑑賞するたびに都度思うのは、やはり演出の占める割合が、その公演の大部分の印象を決めてしまうんではないかな、ということ。

筋書は常に不変、そして作曲家ワーグナーがこの楽劇で何を伝えようとしたいのか、は固定で不変のはず。そして、なによりも音楽が不変。

でも演出家がそれをどのように表現して、あるいは読み替えたりして、どう舞台表現していくのか、の出来具合で、その作曲家の意図が歪めれられたり、観客にうまく伝わるのかが決まるのではないのか?とオペラ鑑賞歴の浅い自分でもそう感じてしまう。

今回の指環4部作の演出家は、フランク・カストルフ氏。

今回が新制作ではなく、3年前あたりから、ずっと同じ演出で毎年上演してきている。それを今年私は見た訳だ。



はっきり言おう!


カストルフ氏のリングのこの演出は、私には、全く理解不能で、「神々の黄昏」の筋書を、いま目の前で展開されている演出に、どのように解釈、結び付け、理解していくか、という頭の中の処理が、舞台進行のスピードについていけなかった。

こうやって帰国後に他人の感想を少し垣間見る感じで、はじめて、あぁそうだったのか?と理解する感じ。

3年前からずっとやっている演出なのだから、事前に情報を掴んでおくこともするべきだったかもしれないが、突然決まったことなので、そんな余裕はなかった。

ずいぶんと意味不明、理解不能でメチャメチャだなぁ、という印象で、悲しいかな、これが私のバイロイト演出の人生初の経験となった。

2,3年前のねずみのローエングリンでも、その最悪の演出ぶりが話題になったことは記憶に新しいので、やっぱりバイロイトの演出って一筋縄ではいかない、超難解・奇怪というのを、身をもって経験してしまった。

バイロイト演出は難しすぎる!

このカストルフ氏のリングの演出は、どうも私だけでなく、マスコミ、評論家あたりの評判もほぼ同様のようで、悪評にさらされているようだ。

ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリードなどは観ていないので、私が責任もっては言えないが、どうなのだろう?

毎年バイロイトに行かれている方であれば、この演出にも慣れて、どう読み替えられているのか、というツボがわかってその素晴らしさを評価できるのかもしれないが、人生初体験の自分には、あまりに荷が重すぎた。

時代考証は現代。舞台装置もかなり大がかりで、天井から白幕を吊るして投影したりもするのだが、その投影内容の画像も、なにかしら意味不明でどういうことを言いたのだろう?とまず考え込んでしまう。

過度の読み替え、抽象すぎて、何を表現したいのか?を常に観客に考えさせるような凝った演出なので、頭がそちらに集中しすぎて、歌手の歌声、演技、表現だとかのもう一つ大事なファクターに気が回らないのだ。


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写真提供:Bayreuther Festspiele


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写真提供:Bayreuther Festspiele


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写真提供:Bayreuther Festspiele


この日記で採用している写真は、バイロイト音楽祭の公式HPから正式に購入した写真で、著作権的にクリアされているものです。(HPの中の上のバーにあるFOTO ORDERから入っていて、写真を購入できます。過去の年度の音楽祭の写真も購入できます。)

バイロイト音楽祭公式HP
http://www.bayreuther-festspiele.de/english/english_156.html



第1幕と第2幕でのギービヒ家は、中央にケバブの売店がある。店内にはトルコの国旗とベルリンの熊のマークの旗が張られており、第2幕では一同がケバブを食べながら騒ぐ。

第3幕では、突然ニューヨークの証券取引所が出てきて、そのビルの前でラインの乙女たちが高級オープンカーの中で寝ており、(しかもラインの乙女はヤンキー女だし。)しかもそのクルマは1人の男をはねて重傷を負わせ、スクリーンではラインの女たちがその男の死体をトランクに詰め込む模様が写される。


ジークフリートが殺される前にラインの乙女のうちのひとりと、この車の上で情事に至る。

ハーゲンはジークフリートを背後から槍で刺すのではなく、金属バットで正面から殴り殺す。

ほんの一部を掻い摘んでいるにすぎないけれど、後出しじゃんけんで考えてみれば、その難解な解釈の真意がわからないでもない。でもリアルタイムには、あまりに自分の頭にある筋書のイメージと乖離しすぎて理解するには荷が重すぎた。

予習素材のDVDで見た1980年代の頃のような神話らしい時代考証の演出って、もうバイロイトでは復活することってないのだろうか?やはり現代の時代考証、そしてつねに一捻りある抽象的解釈優先なのだろうか?

でも歌手たちは、かなり善戦しているように自分には思われた。


特にカーテンコールで大歓声でブラボーで迎えられていたのは、ブリュンヒルデを歌ったキャサリン・フォスター。 

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キャサリン・フォスター(ブリュンヒルデ)
写真提供:Bayreuther Festspiele

ジークフリート亡き後の独唱は、すざましい壮絶なものがあって、まさに場を圧するという感じで、その勢いのまま、カーテンコールでのブラボーを勝ち取ったと言っても過言ではなかった。 


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シュテファン・ヴィンケ(ジークフリート)
写真提供:Bayreuther Festspiele

ジークフリートを歌ったシュテファン・ヴィンケも安定した歌唱力で、主役の大役を堂々と歌い切った。 


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シュテファン・ミリンク(ハーゲン)
写真提供:Bayreuther Festspiele


「ワルキューレ」ではブリュンヒルデというヒロインが、「ジークフリート」ではタイトルロールであるヒーローが活躍する。この「神々の黄昏」では、じつは悪役のハーゲンがそれに相応したりする。

そんな大切な役を、見事に演じたのがシュテファン・ミリンクで、悪役にふさわしい見事な役への成りきりっぷりで、バスの魅力的な声が劇場を支配していた。 




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そしてなによりも、自分にとって、この公演の大きな目玉だったのが、指揮のマレク・ヤノフスキ。

自分の音楽人生にとって、なにかと縁の深い巨匠である。彼のバイロイト・デビューの現場に立ち会えることができた、というのが、自分にとって一番大きな収穫であった。

ヤノフスキのリングの演奏は、テンポが速いとの話もあるらしいが、現地で聴いた限り、自分的には、そう?という感じであった。(笑)

「音楽だけに集中して舞台装置による解釈なしにワーグナーの楽曲の音楽的な質の高さを観客に伝えること。」と、演奏会形式のスタイルにこだわり続けてきた巨匠にとって、今回のオペラ指揮には、本人の大きな決断もあったようだ。

BR-KLASSIKでのインタビューで、ヤノフスキは、思わず本音で、このように答えている。

「自分も77歳。この機会を断ったら、あの音響が独特のオーケストラピットを味わうことは二度とできない。私は弱くなったのです。後悔はしていません。」

カーテンコールでの歓声は、1番大きかった。

相変わらず、控えめな所作であるけれど、この割れんばかりの大歓声・ブラボー、そして床の踏み鳴らしに、なにか自分が褒められているかのように嬉しく涙が止まらなかった。自分は惜しみない拍手をずっと送り続けていた。

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バイロイト音楽祭2016 「神々の黄昏」

2016/8/12 16:00~ バイロイト祝祭劇場

指揮:マレク・ヤノフスキ
演出:フランク・カストルフ
舞台:アレクサンダー・デニック
衣装:アドリアーナ・ブラガ・ペレツキ
照明:ライナー・キャスパー
撮影:アンドレアス・ダイナート&イェンス・クルル
合唱指揮:エーベルハルト・フリードリッヒ

ジークフリート:シュテファン・ヴィンケ
ギュンター:マルクス・アイヒェ
アルベリヒ:アルベルト・ドーメン
ハーゲン:シュテファン・ミリンク
ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター
グートルーネ:アリソン・オークス
ヴァルトラウテ:マリナ・プルデンスカヤ
ノルン1:ヴィーブケ・レームクール
ノルン2:ステファニー・ハウツィール
ノルン3:クリスティアン・コール
ヴォークリンデ:アレクサンドラ・シュタイナー
ヴェルグンデ:ステファニー・ハウツィール
フロースヒルデ:ヴィーブケ・レームクール

合唱:バイロイト祝祭合唱団
管弦楽:バイロイト祝祭管弦楽団


体験!バイロイト祝祭劇場 Nr.3 [海外音楽鑑賞旅行]

オペラハウスの音響学を考えるときに、単にステージ上の歌手の声が、客席に綺麗に聴こえるだとか、ピットのオーケストラの音が客席に豊潤に聴こえるだとか、いわゆる単に、対聴衆、対観客席という我々の目線だけで評価してはダメなのである。

オペラというのは、歌手とオーケストラとのブレンド&調和がとても大事なファクターで、歌手がオーケストラとうまく調和して歌うためには、透明でバランスの取れたオーケストラの音が歌手に聴こえないといけない。

これが実現すれば、歌手は自分の声量を適切に調節することができる。

一方、ピット内のオーケストラ奏者は他のパートの音が聴こえる必要があるし、また良好なアンサンブルを保つため、演奏者には歌手の声が聴こえる必要がある。さらに視覚的条件として、歌手と演奏者から指揮者が容易に見えることが当然のことなのである。

オーケストラ奏者と歌手にとって、お互いの音が聴こえることは、お互いに見えることよりも重要なことなのである。

我々聴衆に音を送り届ける前に、まず、歌手の声はピットに、そしてオーケストラの音を舞台に返す、という前提があること。

こういうキャッチボールが内々的に必要なのも、やはりオペラハウスの音響学の難しさなのかもしれない。

単にステージ上の音を観客席に隈なく送り届ける仕組みだけに執心すればいいコンサートホールよりも、ずっと難易度が難しいところなのだと思う。

オペラハウスのピットの形状には、つぎの大きく二つのタイプに大別される。

①開放型ピット

ごく一般のオペラハウスのピットは、みんなこのタイプ。ステージの前方にオケのエリアがあり、ある程度の深さはあるものの、観客席からは、オケの姿は見えるし、ステージ上の歌手からも視認性がいい。敷居で囲まれているとはいえ、オケのサウンドはピットから上空のほうへ伝わり、ステージ、観客席に拡がっていく。まさに開放型である。

②沈み込んだ閉鎖型ピット

これは、まさにバイロイト祝祭劇場のピットのことを言っていて、ある意味、開放型ピットのアンチテーゼとも言える。いま、これから体験するのは、こちらのピットのことで、自分はバイロイト祝祭劇場を語るときは、このピットの特殊性がとても、このオペラハウスをユニークな存在にしているのではないか、と思うほどなのだ。

バイロイト祝祭劇場のピットは、ピットの半分くらいが、ステージ舞台の真下に埋め込まれた感じの状態になっていて、残りの半分のエリアがステージの外側に出ているとはいえ、その残りのエリアの上部は天蓋によってほぼ全面が覆われている。つまりフタが締められているのだ。そしてステージとその天蓋との間にスリットが入っていて、そのスリットからオケの音が絞り出されてくる仕組みなのだ。オーディオファン、オーディオマニアからするとどうなの?これって。(笑)


ワーグナーのオペラの場合、少なくとも彼の晩年の作品については、「見えない」オーケストラによる「神秘的」な音の創造が、作曲者の劇的な構想における重要な要素となっていて、この要件によってワーグナーは、沈み込んだ天蓋に覆われたピットを考案したのである。

自分がバイロイトを経験するとなったときに一番体験してみたかったのは、こういうピットスタイルでのオケのサウンドがどう聴こえるのか、ということが最大の関心事だった。他人の聴感レビューはあまり耳を傾けないふだんの自分にとって、ここは、自分の耳で直に確認してみたかった。

まず、前回のNr.2の日記で記載したように、ここのピットの写真を自分のデジカメで絶対撮影したかった自分は、苦心の末成功した。

それが、この写真である。

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自分の一生の宝物である。バイロイトに行った!という自分の証でもある。

世界中のコンサートホール&オペラハウスを探訪する者にとって、やはり他人の写真を拝借するのはいやなものだ。(たとえ、それがプロの写真家の撮影したものでも。。。)自分のカメラで撮影することで、初めて、そのホールへの征服感というのが達成される想いなのだ。

よく見るとオケの団員達の服装は、みんな私服である。(笑)やはり観客から見えない、さらに夏のシーズンということもあって、みんな私服なのだと思う。

この写真を見ると、いままでの説明が納得いくように、スリットが入っていて、そこからオケのサウンドがでてくる、というのが理解できるであろう。

それじゃ、一部がステージ舞台の下のほうに埋め込まれていて、残りのエリアが外に出ていて、そこは天蓋に覆われている、というのは、この写真だけでは、ちょっとまだ理解しずらいところがあって、もう少し解説にトライしてみたい。

ここからは、バイロイト音楽祭のFB公式ページの写真をお借りしたいと思います。

この写真が、ステージ側から観客席の方向に向かって、スリットを通して、ピットを撮影したものである。

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真ん中に指揮台の椅子があって、その前に、プルト・譜面台と団員の座る椅子が並んでいるのが分かる。つまり、オペラ指揮者は、この方向を向いて指揮していて、やはりスリットの中から、ステージ上を覗き込んで、オペラ歌手の動きを観ながら指揮しているのが納得いく感じだ。

やっぱりオペラの指揮は、オケと歌手との調和で、それを誘っているのが指揮者の仕事なんです。これはバイロイトでも変わらないポリシー。

次の写真が、その全く反対で、観客席からステージの方向に向かって、スリットの中を覗いて撮影した写真である。

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これを見ると、指揮者のいる床から、階段状になっていて、どんどん下の方向に深く下がっているのがわかる。

つまりふつうのオーケストラの配置で考えると、一番前に弦楽器群(弦5部)、そして真ん中に木管楽器群、そして奥に金管楽器、打楽器群となると、指揮者の手前の弦楽器奏者が、一番高いところに居て、木管、金管、打楽器となっていく順番で、階段状で下に深く潜り込んでいく感じなのである。

古い写真で申し訳ないが、バイロイト・ピットで演奏しているオケは、まさに、こんな感じで演奏しているのである。(写真のクレジットを見ると、なんと指揮者がワーグナーの長男のジークフリート・ワーグナー氏で、バイロイト祝祭管弦楽団の演奏風景のようである。)


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よくバイロイト・サウンドは、弦楽器はとてもパワフルに聴こえるのだけれど、金管群が遠く感じるとか、というレビューをよく読んだことがあって、それを読んだとき、このピットスタイルで演奏しているなら、それも当然だよな、と思うところがあった。



自分は渡欧前に、イメージしていたサウンドは、ステージ上の歌手の声は直接音、オーケストラは間接音を聴いている感じというものだった。間接音なので、直接音に比べると、あちこちで反射した後で、音のエネルギー感がかなり減衰している感じで、明瞭さに欠けるというイメージだった。

そしてなによりも、間接音であるならば、歌手の声、動きに対して、時間的、位相的にディレイ(遅れ)があって、観客席から観ていて、同期していないんではないか、と考えたことだった。

でも実際聴いてみた印象は、自分の理論はあれこれ考え過ぎの、空回りのところがあって、観客席でオペラを鑑賞しているというシチュエーションをからすると、なんら違和感はない、素晴らしいものだった。(かなり安堵した。)

ちょっと肩すかしを喰らった感じでもある。

まず、ステージ上の歌手の直接音。これは非常によくホール内を通る声で、よく伸びていた。

最上階席にいても、かなり明瞭に聴こえたので、声の通りは非常にいいホールだと思う。

そしてオケのサウンドも、とてもこういう構造のピット、スリットから絞り出されている音とは思えない極めて通常のサウンドだったように思えた。

なぜか、をここで理論的に説明するのは、ちょっと不可能。たとえば、こんなピットなら、すぐ思い出すのは、籠った感じの音に聴こえるとか、というイメージがつきまとうが、そうでないのだ。本当に、本当にごく普通の音。

まぁ、ある意味、ホール内を音が廻るぐらいか、というとさすがにそうでもなく、ステージ周りでのみ音が鳴っているという感覚は確かにある。でも、このピット構造なら、それは当たり前ではないだろうか?

ホールの響き自体も、極めてニュートラル(中庸)に近いレベルだけど、ほんのりとライブ気味寄りかな、というレベルと感じた。音質自体は比較的柔らかいウォーム系の音ですね。

でも自分が一番慄いたのは、ピットのオケが見えない状態で、ステージのどこから音が鳴っているのかわからない状態、観客席から見えない状態で、伴奏のオケが鳴っていることの、何とも言えない不気味さ。

ステージで歌手たちが歌っているときに、鳴っている伴奏が、どこから聴こえているのか、わからない、演奏している場面が見えない、なんとも言えない不気味さ、というのを感じて、これが、バイロイトの醍醐味、そしてワーグナーが目指していたところではないのかな、と思ったことだった。

素晴らしい体験だった!

以上3部に分けての大特集の体験記であったが、いかがであろうか?
バイロイト祝祭劇場のミステリアスな部分、特殊性が伝われば幸いである。

死ぬ前に、もう一回くらいバイロイト詣をしよう、と心から思っている。


体験!バイロイト祝祭劇場 Nr.2 [海外音楽鑑賞旅行]

バイロイト祝祭劇場で、最初に初演されたのが、1876年の「ニュルンベルクの指環」、いわゆる指環(リング)である。そして、つぎのパルジファルが初演され、その翌年には、ワーグナーはこの世を去ってしまう。

結局、ワーグナー自身が、この劇場で自分の作品を上演したのは、指環とパルジファルの2作品だけなのである。

後は、妻コジマ、そして息子のジークフリート。そしてジークフリートの未亡人、ヴィニフレート、そしてその息子たちであるヴィンラード&ヴォルフガングの兄弟がこの音楽祭の運営にあたり、残りのワーグナー作品も上映され、子孫代々、引き継がれながら、この音楽祭は運営されてきたのである。

現在は、御大ワーグナーのひ孫で、前総監督のウォルフガンク・ワーグナーの娘であるカタリーナ・ワーグナーさんが総支配人・総監督である。 

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いま現在のバイロイト音楽祭の運営は、支配人として、このカタリーナ・ワーグナーさん、そして音楽監督として、クリスティアン・ティーレマンのタッグで、運営されているのだ。

ワーグナーが、オペラがいかに見え、いかに聴こえるべきか、という命題に対する彼の理想、考え方が盛り込まれているとのことなのだが、はたしてどのようなオペラハウスなのか?

とにかく普通のオペラハウスとは、かなり趣が違う非常にユニークな構造なので、自分が実際内部に入って、そのありようを見てくるのは、大変勇気が要り、興奮することでもあった。

バイロイト祝祭劇場の入り口は、左右にある入り口から入る。劇場の真正面についている扉は、開かずの扉である。

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今年はヨーロッパで多発しているテロに対する厳戒態勢下ということで、事前にカタリーナ・ワーグナーさん署名の通知文が発せられており、身分証明するためのパスポート持参、カバンの持ち込み禁止(携帯用であればよい。)、座布団持ち込み禁止、液体状物質の持ち込み禁止、そして検査のために最低でも1時間前には劇場に着くように、のお達しがあった。

実際は、そこまでの検査はなかったが、ただ、ホワイエには、それは驚くほどのおびただしい警備員がいたことは確かだった。

まず、この左右の入り口に入るときにチケットを見せて、入場する。そしてホールの中に入るには、さらにたくさんのゲートがあり、そのゲートには、必ず係員がいるのである。

バイロイトのチケットは、昔は記名制といって、チケットに購入者の名前がついていて、そのチケットと入場する人が同じという条件下があったこともあったらしいが、いまは、その記名制はなく、基本はチケットについているバーコードで管理されている。

その扉に立っている女性の係員は、バーコードリーダーを持っていて、それでチケットをスキャンする。

チケットの座席に応じて、入るべきゲートが決まっており、バーコードをスキャンするので、自分のチケットにあったゲートしか入場できない仕組みなのだ。

だから、違うゲートから入ってみて、ホールの内装写真を撮影してみたい、という不届き者にとっては、まったく実行不可能な仕組みなのだ。だから最前列に行きたかったなら、その最前列のチケットに当選するしかないのである。

だったら、自分のゲートから入って、ホール内を自由に動き回ればいいのではないの?という考えもあったが、これも無残にもその夢は打ち砕かれた。これについては、また後述する。

まず、ホール内部のホワイエの様子から。

音楽祭の祝祭劇場って大体このような形式になっている。これはザルツブルク祝祭大劇場でもまったく同じだな、と感じたところであった。

それは、ホールへのゲートは、原則両端左右にあって、真ん中に相当するエリアは、クロークと申し訳なさそうなホワイエ空間という感じである。

右側のゲート。
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左側のゲート。
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ホールに入るゲートは、この1階の他に、階段を上っていって上階から入るような箇所がある。

真ん中に相当するエリアのホワイエ空間。ちょっと薄暗い感じの空間などなのだが、ブラウンを基調とした、とてもシックな造りになっていて雰囲気がかなりある。そしてホワイエの奥には、クロークがある。

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そして、ホール開場とともに、ホールに入る。

自分は初日の神々の黄昏は、最上階席でとても残念賞の座席、そして2日目のトリスタンとイゾルデは平土間最後尾列で、ステージをど真ん中に見据えることのできる最高のポジションの座席であった。

幕間ブレークの時に、中にいる観客を全員外に追い出して、中を完全の空席ホールにしてしまい、扉には鍵をかけてしまうのであるが、初日の日、偶然にも、中の観客を追い出した後の空席状態のホールで、たまたまひとつの扉がふっと開いていて、私は吸い込まれるように、そろ~っと寄って思わず写真をパチリ。

まさにホール愛に満ちている自分のために、音楽の神様が自分にプレゼントしてくれたようなショットが撮れたのだ。


これが、まさにこのショット。

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これがバイロイト祝祭劇場の内装空間。

ホールの形状は、いわゆる扇型。ところが両端の側壁はおたがい平行なのである。

その両端の側壁には、ギリシャ神殿を思い出させる柱が取り付けられていて、ホール側に突き出た感じになっている。天井は平坦であるが、ギリシャ円形劇場を覆う巨大の天幕のごとく、後方から前方に向かって、天井が上昇しているように感じる。

ご覧のように、ホールの大半が1階席平土間で、その特徴は、前方から後方に至るまで、もの凄い傾斜が大きいことだ。

傾斜した床から天井までの高さは、かなり高いと感じ、そのおかげで、残響時間も比較的長い。(資料スペックには、残響時間1.55秒だとある。)これはロマン派のワーグナー音楽には、極めて好適である、といえる。

内装の仕上げは、主にプラスターで、レンガまたは木の下地の上に施工されている。天井面は水平で、これも木の上にプラスター塗り。

まぁ、ざっくり見た感じでは、正直いうとウィーン楽友協会や他のヨーロッパのコンサートホール&オペラハウスに見られるような、建築当時は、そういう概念があったかどうかは不明であるが、いま考えてみると、素晴らしい音響を生み出している要素がいっぱい散りばめられている、ある種のミステリーみたいなものは正直インスピレーションは湧いてこなかった。

とにかく、このホールに入ってみて1番驚いたのは、その客席構造。

上の写真を見てもらえばわかるように、縦のライン(通路)がまったくないのだ!

入り口は、両端左右の入り口固定。いったん中に入ってしまうと、ホールの中を縦移動して、前後に移動するということが全く不可能な構造なのだ。ホールの中を自由に動けないのだ。

これには心底驚いた。

1階席は前方から後方に至るまで傾斜が大きくて、ホール内は縦移動ができない構造なので、それぞれの高さに横からのゲートがあってまったく固定なのである。

各ゲートには常に係員がいて、チケットを確認するので、外から自分の好きな列に入ってみたいというのは、正規のルートでは無理なのある。


つまり最前列付近の座席に近寄れる人、そこに行けるのは、
そのチケットを持っているだけの人の特権という感じ。

これは正直ショックは大きかった。ホールマニアの自分にとって、このホールの内装写真を撮るなら、最前列の前方から後方を撮るアングルが欲しいと思っていたのと、あと最大の関心事として、バイロイト独特のピットの写真を撮ってみたい、と思ったからである。これを実行するには、最前列に行かないといけない。

志半ばで倒れるか!


初日は、最上階席だったので、もう完全諦めなのであるが、2日目のトリスタンとイゾルデは、最初チケットの番号と、ホワイエでのゲートの位置を確認すると、なんとゲートは、階段を何階も昇って行かないといけない、ことが判明。

この時点で、平土間1階席ではない、とあきらめの境地。

でもいざホールに入場してみると、なんと平土間の最後尾列であることが瞬時に分かったのだ。

そのとき、自分が、渡欧前にずっとイメージしていたのと、この縦のライン(通路)がまったくないホールでの唯一のウィークポイントは。。。それは一番両端左右のところは、絶対通路がついているはず、だと想像していたことなのだ。

つまりいくらなんでも、全部横側にはめ殺しの通路ではなく、一番両端は縦のラインが必ずあるはず。

想像が当たっていた。入場した瞬間、平土間だとわかった瞬間、すぐに一番端を伝って、最前列に出ようとする。

確かに通路はあるが、かなり細いし、中には列によって、まったく通路が塞がれている列もあった。

もうそういう場合は、座席をまたぐしかないのである。だから細い通路を伝わりながら、ときによっては塞いでいる座席をまたぎ、を連続して、なんと最前列に躍り出ることが出来たのだ!

もう息をきらしながら大感動。念願のピットの撮影ができたことは次回お話しするが、待望の最前列から、ホール後方に向けてのアングルを撮影することが出来た。


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最前列の中央から、ホール後方を臨んだアングル。

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天井

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トリスタンとイゾルデでは、平土間の最後尾列で、ステージをど真ん中に見据えるという最高のポジションであった。

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こうしてみると、バイロイト祝祭劇場のステージの開口率は、それほど大きいという感じでもなかった。ごくアベレージ付近で、どちらかというと小さめな感じもする。

なにせ、ワーグナーの作品しか上映しないし、原語上映が原則で、字幕掲示板などもいっさいない。



バイロイト祝祭劇場と言えば、話題になるのが、ワーグナーが長時間オペラのために眠らせないようにするために考案したという固い椅子。

最上階席での座席はこんな感じ。ケツ痛いです。(>_<)
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平土間の椅子になると、もう少し改善されていて、座るところがクッション性のものがついていたりするのだが、それでも近代のホールからするとたかがしれたもの。

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長時間固い椅子に座っているとお尻が痛くなるばかりか、腰にきたりするのだ。


バイロイト祝祭劇場で、もうひとつ驚いたことに、終演後のカーテンコールの絶大のブラボー歓声と同時に、床をドカドカ踏んで、ブラボーの意思表示をすること。これはじつにすごい音で驚いた。

床を見てみると、古いホールだから木で出来ているのだ。

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これじゃあ、ドカドカ鳴るよな。(笑)

近代の最新ホールじゃ、こんなに鳴らないですよ。彼らは、ここでは床を踏めばデカイ、ドカドカした音がするということを経験上知っているんですよ。だからブラボーの意志表示も木の床でドカドカ鳴ることが伝統で受け継がれている方法なんだと思いました。


初日の座席は、最上階席であった。こんな感じの狭いボックス的なところに押し込まれたような印象だった。よく見ると、観客の服装もカジュアルな人も結構多く、比較的低価格帯の座席なのかな、とも思った。

この最上階席から撮ったホールの内装もアップしておく。

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なんとも、こともあろうか、初日の神々の黄昏の時の座席は、こんな座席であった。(爆笑)

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柱で、舞台が見切れている座席であった。
どうりで簡単に入手できる座席だと思った。

ヨーロッパではこういう座席が普通に存在したりするのだ。つまり他の座席と比較して、極端に値段が安い座席であったり、簡単に手に入ったりするのは、やっぱり甘い話には、罠・毒があるのだという証拠であったりする。

私は、まだ右半分見えるから、まだマシなほうであるが、私の左のおばさんは、もっと最悪である。まったくステージが見えないからである。結局、他のお客さんの勧めで、空席の空いているところに移動して事なきを得ましたが。

このように死角となるデッドエリアというのは、ヨーロッパのコンサートホールでは平気で存在したりする。自分が提案するには、ホール主催側は、自分のホールのデッドエリアを認識して、この座席のチケットは販売しないようにする配慮が必要だと思うのだ。

でも値段を極端に安くしているということは、自分たちでもきちんと認識している、という証でもあるのだが。。。

空調は、悪くて蒸し暑いという定説がずっと、このホールにはあるのだが、自分はまったくそんな感じはしなかった。非常に快適であった。なによりも、私がいた滞在期間は、ものすごい極寒の気候であったのでちょうど良かったのかもしれない。

とにかく、一番驚いた縦のライン(通路)がまったくない座席構造。お客さんは、両端の左右のゲートから入場するしかないので、先に入ったお客さんは、すぐに座らないで、ずっとスタンディングのままで、待っているのも、この特殊の座席構造所以のバイロイト・マナーなのかもしれない。

このような感じ。(最上階席でのひとこま)
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とにかく、憧れのバイロイト祝祭劇場の内装空間を体験出来て、感動すること、一生の思い出になった。

そして、ついに最終章は、このオペラハウスの最大の関心事の独特のピットと、そしてオペラハウスの音響について言及します。


体験!バイロイト祝祭劇場 Nr.1 [海外音楽鑑賞旅行]

バイロイト祝祭劇場は、おそらく世界で最も特異なオペラハウスである。

そのユニークな設計思想は、作曲家ワーグナーが、オペラがいかに見え、いかに聴こえるべきか、という命題に対する彼の理想、考え方が盛り込まれているといえる。

バイロイト音楽祭は、ご存知、抽選式の音楽祭で(現在ではインターネットでも買えるようだが。)それにしても応募してから7年くらい経過しないと(この間事務局側は、この人は何年応募してきているのかを、きちんとカウントしている。)当選できない大変チケット入手が困難な音楽祭なのだ。

最近では、NHKでも生放送される機会も多いのだが、やはり祝祭劇場を含め、いまだにつまびらかにされていないという事情もあって、ミステリアスな雰囲気が、たくさんある音楽祭でもある。

ワグネリアンとまではいかなくても、ワーグナーのオペラをずっと愛してきた者にとっては、ぜひ訪問してみたい聖地であった。

バイロイト祝祭劇場は、バイロイト中央駅(Bayreuth Hbf)から徒歩15分位ずっと歩いていくと、丘の上にそびえ立っている。

自分のホテルは、中央駅から結構離れているので、行きは結構タクシーを使ったりしたが、それでも終演後(夜22時位)の足はまったくないので、祝祭劇場から中央駅まで、みんな徒歩で降りてきて、結局ホテルには徒歩で帰還したりした。

丘の上に立っているバイロイト祝祭劇場が目に飛び込んできたときのあの心臓がバクバクと鼓動する感じは、いまだに忘れることはできないだろう。

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左の横のほうから祝祭劇場を臨んだアングル。

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右の横のほうから祝祭劇場を臨んだアングル。

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幕間からの開演15分前に、この場所からファンファーレがおこなわれる。 (次幕が始まるので、座席に戻ってください、という意味の儀式。)

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祝祭劇場自体は、丘の上に立っている感じなので、その丘から下のほうを眺めるとこんな感じで、道路がまっすぐ中央駅に向かっている。

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 祝祭劇場の前は、それなりのスペースの広場になっていて、ここで紳士・淑女らが、歓談などをするのだ。

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ここの劇場前の広場にも、このようにきちんと広場の名前”ヴォルフガング・ワーグナー広場”と名付けられていたりする。

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祝祭劇場は、高いところにあるので、劇場の前のこの広場から階段で降りてきたところに、休憩のベンチがあって、自分は、ここでずっと休んでいた。目の前にバイロイト音楽祭の説明についてのパネリングがあった。

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そして、祝祭劇場の丘、そしてこの休憩用のベンチを少し降りたところの前庭には、ワーグナーの頭像がある。

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ここには、おそらくであるが、バイロイト音楽祭で名を馳せた往年のワーグナー歌手のプロフィールなどが、パネリングされているのだ。

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祝祭劇場の右横には、大きなビアレストランが全部で2棟ある。そのうち1棟は、2階立てなので、フロアとしては、室内では3フロアあることになる。

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ここは、幕間ブレイクのときに、観客がいっせいに集まって、ビール、食事などの軽食をする場所なのだ。

なにせ、祝祭劇場は、幕間ブレイクのときは、ホールの中の観客を全部追い出して、中を完全な空席ホールにして、そして扉に鍵をかけてしまい、中に入れないようにしてしまうのだ。(笑)

したがって、ホール内の観客は、ブレイクのときは、全員外に出ないといけない訳で、行き場所としては、この2棟3フロアあるビアレストランの室内か、残りの人は、みんな外で立食休憩という感じなのである。


開演1時間前近くになると、ぞくぞくと紳士・淑女たちがどんどん集まってくる。

久し振りのフォーマルな音楽祭への参加。男性なら燕尾服、タキシード、女性ならドレスなどの正装、その威圧感・存在感は間近で見ていて相当迫力があった。小柄な東洋人、日本人では出せないような大人の雰囲気と言うか、あのオーラは我々には無理だな、と思うことしきり。

また動作もおおらか、ゆったりしていて、小回りの利いてなにかカチャカチャしている我々と違って、やはり根本的に雰囲気・オーラが別世界。

客層は、身だしなみ、外観の雰囲気から、やはり上級階層の方が多いように思われ、年齢層も、かなり高いように見受けられた。バイロイト音楽祭に行けるような方は、やはりワーグナー協会会員であったり、それなりのステータスの方も多いのだろう。

それでは、音楽祭開始前に祝祭劇場の前に集まった紳士・淑女たち、そして幕間ブレイクの様子をじっくりと見てもらい、バイロイト音楽祭の雰囲気を味わってもらおう。

顔が映ってしまっており、肖像権の問題もあるが、顔を映さないように撮るのは不可能であり、外国の方ということもあって、仕方がないのではないか、と思い、掲載します。

やはり音楽祭の雰囲気を伝えるには、このショットはどうしても必要です。

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2016年の海外音楽鑑賞旅行は、バイロイト→ベルギー→ロンドン。 [海外音楽鑑賞旅行]

2016年度も海外音楽鑑賞旅行を実行することになりました。
8/11~8/22まで、バイロイト、ベルギー、ロンドンの3都市を周遊してまいりました。

本来ですと、今年は海外旅行は充電と去年のパリでのトラブルも心の傷が癒えないことから、お休みの予定でしたが、お盆休みの3週間前のある日、突然、神降臨です。(笑)

深夜に突然思いつき、どんどん妄想モードで、あっという間に旅行計画書を作成して、翌日には旅行会社に相談して、実行に進めている自分がいたのです。

やはり音楽の神様は、自分を守ってくれたのか、わずか3週間前で、どこも音楽祭シーズンで、予約満席とも思われる中、エアー、ホテル、鉄道、そして完売プレミアのコンサートチケットも続々と決まってくれる嬉しさ。

そして、結果として、テロ、スリなどのトラブルはいっさいなく、万事計画通りの素晴らしい夏の音楽祭シーズンをヨーロッパで過ごすことができたのです。

今回の発案のきっかけは、バイロイト音楽祭でした。

応募し続けて7年くらい経過しないと当選しない困難を極める抽選式の夏の音楽祭で、これがひょんなことからチケットを入手することができたのです。

ここから自分の大妄想は、始まりました。

バイロイト音楽祭だけでは。。。ということで、他の夏の音楽祭も模索してみました。

いろいろ考える中で、今年は、自分が前職時代にヨーロッパに赴任して生活していた空間のロンドンとベルギーを訪問してみようと考えたのです。

正直言いますと、ロンドンとベルギーはクラシックという分野から見ると、どうしてもクラシックの盛んな国とは言えず、でも、自分の生涯の中で、死ぬ前に、もう一回は、ロンドンとベルギーを訪れてみたいという気持ちもある。

自分が生活していた空間の景観、そして空気を吸いたい、という気持ち。

そうするとクラシックという切り口で考えてみると、コンサートホール&オペラハウス、そしてコンテンツを基準で選んでいては、この2か国はどうしても後回しになって、いつ行けるかわからない。

行くなら、今年しかないと思ったのです。

それで、ロンドンでの夏の音楽祭ということで、BBC Promsとグラインドボーン音楽祭を選択したのです。

ベルギーは、じつは、世界遺産グランプラスで2年に1回開催されるフラワーカーペットのイベントが今年あり、それも今年は、日本&ベルギー友好150周年の記念イヤーにあたり、花絨毯の模様は、日本をテーマにした「花鳥風月」のデザイン(日本人デザイナー鈴木不二絵さんのデザイン)ということで、ぜひ日本人として、ぜひ現地に、直接観に行きたいと思っていたところでした。

もう音楽とかいっさい抜きです。

じつは1994年にベルギーに住んでいたときに、このフラワーカーペットを体験したことがあるのです。それから25年経過したいま、日本をテーマにした花絨毯、日本人ならぜひ体験したいと思っていました。

ベルギーは、音楽抜きで、このフラワーカーペットが目標でした。

このような旅行をしてまいりました。

それではイベント分野ごとに簡単に感想を述べていくことにします。


● バイロイト音楽祭

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まさしくワーグナーの聖地、バイロイト。簡単には入手できないチケット。このバイロイトの街に入ったときの緊張感。そしてバイロイト祝祭劇場を目の前にした時の感銘は、一生忘れ得ないでしょう。いまでも、心臓がバクバクしていたのを思い出します。

ホールマニアの自分としては、バイロイト祝祭劇場の内装空間や、特に他のオペラハウスとはかなり違う形式のピットに大変興味を持っていて、これを一目見たいと思っていました。またこの異様な形をしているピットから出てくるオケのサウンドはどんなものなのか?が最大の関心事でした。

ところが、このホールが他には例を見ない、かなり特殊な構造になっていて、この課題は大変困難をみることになったのです。

演目は、「神々の黄昏」と「トリスタンとイゾルデ」の2公演を観ました。前者がヤノフスキ、後者がティーレマンが指揮です。ワーグナーに関しては、ヤノフスキとは、自分の音楽人生にとって、ずっと縁のある巨匠で、彼のバイロイト・デビューを現地でじかに観れたことは、大変感慨深いものがありました。一生の想い出になることは間違いないでしょう。


● ベルギー・フラワーカーペット2016

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日本&ベルギー友好150周年の記念イヤーにあたる今年。フラワーカーペットの絨毯模様は、ペゴニアの花などを駆使して、日本を代表する「花鳥風月」のデザインで飾られたのです。

昼間はもちろん、夜のライトニングされた絨毯模様も、夜の闇の中にくっきり浮かび上がるような感じで、感動も一塩でした。

自分は最終日の8/15に閲覧したのですが、天気も快晴ということで、グランプラスはもう大変な人混みで、まだ、あまり人のいない早朝に花絨毯を写真に収めておいて、本当によかったと思いました。

あまり市街の大きな散策はせずに、ずっとグランプラス周辺、そしてグランプラスにずっと居たというのが実情でした。

● BBC Proms

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夏の音楽祭としては、最大規模のイギリス・ロンドンでおこなわれる音楽祭。ロイヤル・アルバート・ホールに初見参してきました。いわゆるドーム型ですので、生音主義の直接音&間接音のクラシック専門ホールとは違い、PA主導型のサウンドになります。客層もとてもカジュアルで、コンサート自体がとてもリラックスできて、カジュアルな音楽祭という印象を持ちました。こういうクラシックがあってもいいですね。

ここでは、アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団で聴きました。アルゲリッチのリストのピアノ協奏曲以外は、ここでも、アンコール含め、全部ワーグナーづくし。(笑)今年の夏は、ワーグナーに浸りなさいという神のお告げなのですね。

● グラインドボーン音楽祭

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ロンドンの郊外で開かれる超セレブなオペラ・フェスティバル。

男性は燕尾服、タキシード、女性はドレスのフォーマル着用のドレスコード。とにかくイギリスの貴族社会風な雰囲気で超セレブ。ロケーションが、イギリスの田園地帯の緑の自然の中にあって、素晴らしい景観の中で、オペラを楽しむという趣旨の音楽祭であることが特徴になります。

地の利が悪くて、ロンドンから鉄道で1時間、そこからさらに送迎バスで、かなりアクセスが大変。

この音楽祭、じつは一番の売りは、本番のオペラというより、幕間ブレイクにあるピクニック・ディナーにあるのです。休憩になると、ホールの前一面に広がる草原の中で、テーブルをセットして、ポーターさんに食事の用意をしてもらって、その大自然の中で野外ディナーを楽しむ。 草原にはときどき羊が放牧されていることもあり、まさに素晴らしい景観の中でピクニック・ディナーを楽しめる、というところにこの音楽祭の大きな特徴、楽しみ方があるようです。

ところが、この日は、早朝からあいにく強い雨に降られ、ピクニック・ディナーの時には、雨は止んでいたのですが、主催側の判断で、大半は、室内でディナーを取る、という方針に変更されていました。

楽しみにしていただけに、本当に残念です。

それでも草原でディナーを取られている方も数名いらっしゃいました。

この日は、今回の旅行の最終日ということで、疲労が相当溜まっていてピークに達していた状態でした。自分でも最悪のコンディションで、オペラ鑑賞にも少なからず影響があったことは否めません。


大枠は、こんな感じの旅行でした。

これ以外に、街の散策など、オフの過ごし方も日記にしていきたいと思います。

それでは、これから個別に詳細に連載をしていきます。

しばらくお付き合いください。

またこの場を借りて、今回の旅行のセットアップに万全を期してくれた、旅行会社のスタッフの方には、本当に感謝する次第であります。この場で厚く御礼を申し上げます。


のだめコンサート.....祝・東京初上陸。 [国内クラシックコンサート・レビュー]

渡欧は、元々なかった企画なので、以前から入れていた企画があって、それと重なって、いまは超多忙。おそらく渡欧前の自分的に最大イベントなのが、この「のだめコンサート」。

ある意味、盛り上がるうえでもいいタイミングになった。

前回、はじめての体験と言うことで、愛知県の春日井市まで遠征してきた。

その結果は、日記にした通り、素晴らしいコンサートで、いままでに体験したことがない感動だった。

自分が、いいと思ったのは、とてもアットホームな雰囲気であること。
普段行っているクラシックコンサートとは、全然雰囲気が違う。

まず客層がとても若い。女性が多い。MCが入りながらの進行なのだが、とても暖かい、手作り感満載というか、心がこもっているコンサートの造りと進行で、客席にいて、ほんわか、する感じなのだ。

ステージの演奏者と観客の距離感がすごい近いですよね。

こういうコンサートは、ちょっといままでに経験ないなーという感じで、とても新鮮だった。
もちろん技術的なレベルも高い。だから、とても不思議な感覚のコンサートなのだ。

NHK交響楽団の首席オーボエ奏者の茂木大輔さんが、かすがい市民文化財団のメンバーと発起して、企画、運営しているプロジェクトなのだが(詳細な経緯は前回の日記で詳しく説明したと思います。)、今年で10周年記念となる活動なのだ。

セントラル愛知交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団と、春日井はもちろん全国を行脚するという活動も軌道に乗っているみたいで、集客も満員御礼が常、と地道に基盤を作っている。

自分は、前回初体験で、いままでの歴史というのを知らなかったのだが、なんと、今回の東京公演は、のだめコンサートの「東京初進出」なのだそうだ!

その東京初公演は、調布市グリーンホールで開催される。
もう、この日のために、ゲゲゲのまち、ゴローさんのまち、である調布を取材してきたんだから。(笑)

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東京が初進出ってちょっと意外?とも思ったが、これを機会にうまく軌道に乗って、これから東京公演も定期的にやってくれるといいな、と思ってしまう。必ず通わせてもらいますよ。(笑)

今回の記念すべき東京初公演が、これがちょっと特別なのだ!

オーケストラ編成が、「のだめスペシャルオーケストラ」と題して、この1夜限りの特別編成オケで、なんとほとんどN響メンバーで占められる(新日本フィル、メンバーもいらっしゃいます。)超豪華編成なのだ。

こういうときに一堂に集まってくれる、というのも茂木さんの普段の仲間からの信望がいかに厚いか、ということを、示しているのでは、と思う。 
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茂木大輔さん

独奏ソリストは、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番で、前回に引き続き、高橋多佳子さん、モーツァルト オーボエ協奏曲に、これまた驚きのN響オーボエの池田昭子さん(じつは隠れ大ファンです。(^^))、そしてメインディッシュにブラームスの交響曲第1番。 
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高橋多佳子さん(C) Akira Muto

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池田昭子さん

なんと贅沢なんだろう!のだめコンサートに、この布陣!を知ったとき、ホントに驚きました。
東京初公演にかける心意気がよく伝わってくる。

このイベントに関して、いろいろな取材を受けてきたみたいだが、ピアノ雑誌:月刊ショパンでのインタビューを読みたく、買ってみた。

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たぶん、自分にはあまり普段、縁がないと思われる雑誌。(笑)でも新鋭などピアニストの情報がいろいろ掲載されていて、面白く拝読させてもらった。

茂木大輔さん×高橋多佳子さんのインタビュー。
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高橋さんは、前回も紹介した通り、1990年に、あのショパンコンクールで第5位入賞という輝かしい経歴を持ち、現在も第1線の現役ピアニストとしてコンサート、録音などで活躍されている。桐朋学園大学の講師としても後進の育成にも励まれている。

美人なんだけれど、3枚目キャラで、ノリがよくて、みなさんから愛される方ですね。(^^)

なんと、のだめコンサートには、過去20回くらい出演されていて、もうこの企画をずっと支えてきた方なんですね。茂木さんとのコンビは、スゴク似合っていると思います。

この、のだめコンサートは、ちょっと特徴がある。
それは、ステージ背面にスクリーンをかけて、演奏中に投影をおこなうこと。


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曲の構造の説明や、いま演奏している奏者の氏名、独奏者のコメント、のだめの漫画シーン、など演奏中に、かなり細かい時間単位で画面を切り替えていって、それを見ていると、不思議と演奏と相まって、スゴイ感動の相乗効果があって、涙もんなんですよ。(笑)

のだめコンサートで1番驚いたのは、この投影。これは面白い試みだと思いますね。
こういうコンサートは、いままで体験したことがなかったので、驚きました。

その他にも、MCが入って、茂木さんと独奏ソリストさんたちのインタビューが入ったりして、とても楽しいです。

こういうコンサートって、ふつうのクラシック特有のオスマシの雰囲気と違って、アットホームで温かい感じがしてとてもグーです。

私は、前回ですっかり気に入りました。

ぜひ、この東京公演が大成功して、東京でもレギュラー的に公演してくれることを期待したいです。

公演日は、8/6(土)調布市グリーンセンター、いまからでもチケット買えます。楽しいコンサートですので、ぜひ!

詳しくは、公益財団法人 調布市文化・コミュニティ振興財団のこちらのページで。

https://www.chofu-culture-community.org/forms/info/info.aspx?info_id=4995

.......そして本番当日。

 ゴローさんのまち、調布で、のだめコンサート。。。祝・東京初上陸。あまりに贅沢な顔々と、ボリュームいっぱいのメニューと相成った。

お天気も快晴で、とても気分がいい。

NHK交響楽団首席オーボエ奏者、茂木大輔さんと、かすがい市民文化財団との連携ではじまったこの企画、今年で10周年ということで、いままで全国、累計82回のコンサートを重ねてきた、ということであったが、意外や驚いたことに、東京公演は、今回がはじめて。

記念すべき、その公演に参加できて、光栄でございました。

今回の主催は、調布市文化・コミュニティ振興財団で、場所は、調布市グリーンホール。
以前撮影した時よりも、緑々していて綺麗になった。

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前回の日記では、オールN響(+新日本フィル)選抜と書いたが、今日プログラム冊子を見て、メンバーを確認すると、N響、新日本フィル以外にも、読響、都響、名古屋フィルの方々も参加されていて、改めて茂木さんの人望の厚さを垣間見る思いがした。コンサートマスターはN響の永峰高志氏。

東京初上陸の公演にふさわしい、本当に贅沢な「のだめスペシャルオーケストラ」と相成った。

やっぱり思うのは、普段と違うその客層。圧倒的に若い女性中心。なんか華やかな感じで大変よろしい。やっぱり、「のだめ効果」と言うことで、お堅いイメージがつきまとうクラシックであっても、こういう若い世代の方が積極的にクラシックに興味を持っていただけるのは、すごくいいことではないか、と感じる。

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必ず、楽章間に拍手をしてしまう、ところもなんとも微笑ましい。(笑)わかる~、その気持ち。クラシック曲の楽章って完結しているので、終わった、あの迫力に思わず、拍手してしまう感覚が。。。


今日のホワイエは、東京初公演ということで、華々しかった。

お花が届いていた。(お二人は仲が良いのです。(笑))

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なんともお洒落なお口添えが!春日井公演のときは、なかったような。。

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そして、いよいよコンサート。

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本当に、フランス料理のメインディッシュを、これでもか!これでもか!というくらいゴージャスなメニューで、本当にお腹いっぱいという感じであった。

ずっと通して思ったのは、東京初公演ということで、のだめの核心となる曲を選曲しているのではないか、と感じたこと。

基本は、茂木さんのMCを挟みながらの進行。

最初は、ウィリアム・テルの序曲より「スイス軍の行進」で肩慣らしの後、高橋多佳子さん登場。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番の悲愴、第2楽章。

この曲は、のだめと千秋の最初の出会いのときに、使われた曲で、やはり核心をつく選曲。

もうご存知だろうが、悲愴ソナタは美しすぎる!

自分は、オヤジを亡くしたとき、この曲を盛んに聴いていたこともあって、ブラシーボ効果というか、想い出して、なんかグッとくる感じを抑えきれなかった。

高橋さんの印象は、前回公演と同じ、女性的で繊細タッチなピアニストだと感じた。
今日は、指捌きが見えない座席だけれども、ご本人が普段SNSに投稿する動画を見ると、手、指が非常に綺麗だと思うこと。

そして、大曲のラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番。

茂木さんは、音楽家というのは、自分が音楽を志そうと思う一瞬のその瞬間、というのが人生の中に必ずある、と仰っていて、この曲も、のだめのロケのときに、千秋がこの曲を弾くシーンを撮っているときに、上野樹里さんの心の中に演じる側として、そのようなある種のキッカケを生んだ、とても想い出深いロケだったらしい。

これは、本当に素晴らしかった。この曲独特のちょっと暗めなのだけれど、人の心を惹きつけるようなラフマニノフ特有のロマンティックな旋律。高橋さんのピアノとオケとの競演は見事な作品として、完結していた。ブラボー!


今日はとても贅沢なので、この後に、さらにゴージャスなメニューが続く。

モーツァルトのオーボエ協奏曲。

なんと!N響オーボエ奏者の麗しきマドンナ、池田昭子さん登場。

原作では、オーボエ奏者の黒木くんが吹く曲だが、このロケのときの監修・指導はもちろん、黒木くんの音を実際吹いていたのは、池田さんだったらしい。(驚)

やっぱりみんな関わりというのが、ずっとあるんだね。

池田さんは、やはり格好良かった。

この曲の底抜けに明るい感じが見事に表現されていて、嫋やかなオーボエの音色。
自分は木管の音色に煩いのだが、さすがプロ中のプロ。申し分なかった。

そして休憩を挟んで、後半、ブラームスの交響曲第1番。

もう大曲中の大曲。演奏が素晴らしいのはもちろんだが、投影が、いつもの雰囲気とは違う、ちょっとシリアスで、重みのある内容進行に驚いた。

交響曲受難の時代を生きたブラームスの心の葛藤、そして、ブラームスが、クララ・シューマン(師シューマンの妻)に送った誕生日のはがき。ここに書かれていたアルペンホルンの旋律が、交響曲第1番の第4楽章に登場し、これが交響曲全体を作っている(茂木さんご本人の投稿から)、など、かなり深い内容だった。

投影のシナリオは、茂木さん原作だが、毎回思うが、よくできていると感じる。(演奏中への挿し込みタイミングも含めて。)

アンコールは、ベートーヴェン交響曲第4番の第1楽章と第4楽章の抜粋。

これは、のだめのテーマ曲なので、やはり核心をつく選曲。
これをエンディングに持ってくるのは、東京へのご挨拶なのだ、と思う。

オケ奏者をいっせいに立たせて演奏させて、お笑いをとったり、なかなか印象的なエンディングでした。

最後の投影は、なんか映画のエンディングのタイトルロールを見ている感じ。(笑)

さっき、いままで演奏していた奏者の静止画をキャプチャーして、すぐにこのエンディングに使うなんて、投影スタッフがコンサート進行中に裏で急いでそそくさと作っていたんだね、きっと。

見事でした。

投影は、前回春日井で観た印象より、さらにずっと洗練された流暢な造り・流れになっていたと思います。

いやぁ、アットホームで楽しいコンサートありがとうございます。

終演後のサイン会。手前から、高橋多佳子さん、茂木大輔さん、池田昭子さん。

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この日は、あまりに気分がよかったので、この後、深大寺に足を延ばす。
(もちろんバスで。(笑))
そして湧水さんの美味しいお蕎麦をいただいたのでした。

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茂木大輔の生で聴く「のだめカンタービレ」の音楽会。
8/6(土)14:00~ 調布市グリーンホール

指揮:茂木大輔
ピアノ:高橋多佳子
オーボエ:池田昭子
管弦楽:のだめスペシャルオーケストラ

前半

ロッシーニ 歌劇「ウィリアム・テル」序曲より、”スイス軍の行進”

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調op.13「悲愴」より第2楽章。
(ピアノ:高橋多佳子)

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調op.18 (ピアノ:高橋多佳子)

モーツァルト オーボエ協奏曲 ハ長調K.134 (オーボエ:池田昭子)

後半

ブラームス 交響曲第1番 ハ短調op.68

アンコール

ベートーヴェン 交響曲第7番 第1楽章&第4楽章(抜粋)



軽井沢にて避暑してきました。 [雑感]

事の発端は、数か月前に、あのジョン&ヨーコが愛したホテルである軽井沢万平ホテルから一通のDMが来たことに始まった。

2年前のGWに、このホテルを体験したくて宿泊したことがある。軽井沢をこよなく愛したジョン&ヨーコが定宿して使っていたホテルを体験してみたくて。

軽井沢という緑の囲まれた自然豊かな土地に佇む日本を代表する建築物でもある。

もちろん体験日記を書いた。

そんな経緯があって、自分の住所もDMメーリングリストに入っていたのであろう。

そのDMとは?


なんでも、期間限定(7/15~11/27)で、ベルギーワッフルの老舗「ダンドワ」と初コラボレーション!と題して、特別なコラボレーションワッフルをカフェで出すというお知らせなのだ!

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なんと粋なはからいなんだろう!!

今年は日本&ベルギー友好150周年というセレブレートイヤーなのだが、ベルギーっていまいちマイナー(失礼:笑)なので、このお祝いが周知されていないような、知る人ぞ知る(笑)という感じを昨今抱いていた。

それが、この軽井沢万平ホテルが、ベルギーを取り上げてくれて、こういう洒落たおもてなしをやってくれたのが、たまらなくうれしかった。

これは行かなきゃなぁ。

この老舗「メゾン・ダンドワ」は、1829年にベルギー・ブリュッセルで創業した焼き菓子店なのだそうだ。

このコラボワッフルは、2種類ある。

「和」

和三盆の上品な甘みと、ゆずの香りがアクセントに効いた一品。抹茶のアイスクリームと自家製あんこの絶妙なバランス。

「伝統」

ロイヤルミルクティのアイスクリームと信州りんごのタタン風。

どちらも1500円。

せっかくこんな粋なはからいをしてくれたのなら、ぜひ、その好意を受け止めたいところだが、これを体験するためだけに、軽井沢に行くのも、なにか、もう1品足りない感じ。

もちろん東京から新幹線で、1時間くらいで、往復1万円で行ける、じつは意外と近い街。

でもイベント日記とするなら、もう1品加えたい。(昔、雲場池の紅葉を見たいというだけで、衝動で行ったことがあり、見事に外れた経験がありますが。(笑))

それで、しばらく放っておいたら、偶然、軽井沢大賀ホールで、贔屓にしているジャズシンガーのケイコ・リーさんが、軽井沢ジャズフェスティバルに出演するという情報をつかんで、これだ!という感じで即決。

このときに、このワッフルも体験することにした。

こんな経緯できまったイベントなのでした。

急遽決めたヨーロッパ音楽旅行の準備で大忙しであるが、行かねばなるまい。



ひさしぶり2年振りに体験する軽井沢万平ホテル。

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緑の自然の中に佇む、なんと美しい造型なのだろう。

とても古い建物なので、年末から来年3月に向けて改修休館に入ってしまう。
それも踏まえての訪問となった。

フロントは、相変わらずの暗めの空間。

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そのフロントに面しているところに、カフェがあるのだ。

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室内はこんな感じ。

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あの1番奥にある座席が、ジョンとヨーコ夫妻の定ポジションだったそうだ。
朝早くかけつけたが、先客がいて残念。


でも、なぜか、外のカフェテラスのほうに案内された。
結果的には、こちらのほうが大正解!

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都会の喧騒にいる身としては、もう信じられないくらい、天国にいるような別世界の空間。
天気も快晴で、こんな緑の空間の中で、鳥のさえずりが聴こえたりするのだ!

背後はこんな感じ。

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さっそくオーダー。まず、このコラボワッフルの「伝統」のほうをオーダー。
そしてドリンクには、このホテルにジョンが伝授した(オザワさんというシェフに伝授したと前回聴きました。)、このホテルの定番のロイヤルミルクティを単品で頼む。

そして、この図。(笑)
美しすぎる!

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このいまいる空間とこのメニュー、最高の贅沢ですね。

なんか、その”とき”を楽しむという余裕もなく、あっという間に食べてしまったような気がするが、ワッフルは、もちろん美味しかった。ワッフル自体は、そんなに特別に違うという感じではなかったが、でも、アイスなどのトッピングが、絶妙なバランスで絡んできて、とてもいいアクセントを醸し出していた、と思う。

ロイヤルミルクティは最高だったなぁ。普段あまり飲みませんが、ここのはやはり特別でした。


そそくさとおいとまして、散歩がてらに徒歩で軽井沢大賀ホールに向かう。

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まさに自然の中の別荘地帯。すごい空間にいるな、とつくづく。
森林浴をしながら散歩している感じであった。


そして。。。じつにひさしぶりの軽井沢大賀ホール。
ここも2年ぶりくらいだろうか?

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やっぱり都会のコンサートホールに通い続けている身分としては、このホールは、本当に美しすぎる。本当に自然の中に佇む、という感じで別格の存在感がある。

軽井沢というイメージにぴったりのホールの造型だと思う。

軽井沢大賀ホールの年間のコンサートスケジュールを俯瞰すると、2年以上前は、毎年通っていたので、わかるのだが、年間で1番最高のコンテンツなのは、GWの春の音楽祭。この期間はプロの音楽家、オケなどが集まって贅沢なラインナップになる。

自分もこの春の音楽祭に通ったことがあるのだが、ちょっと残念なのは、春という季節。

緑が乏しくて、まだ自然が成熟していない時期なので、ある意味ちょっとがっかりしたりするのだ。
やっぱり軽井沢という街が1番似合うのは、夏のシーズンだと断言できる。

いくらコンテンツが優秀でも、都会のラインナップを経験できる身としては、あえて軽井沢と言う場所で経験するなら、絶対夏のシーズン方がいい。

夏には、軽井沢国際音楽祭というのがある。

自分も経験したことがあるが、当時は、プロ・アマ合同という広い切り口でのイベントで爽やかで微笑ましい感じのコンサートであった。

軽井沢大賀ホールは、どちらかというと若手演奏家の育成、誰もが気軽に楽しめる安価なチケット代というところにフォーカスをあてていて、商業色が比較的薄い感じがしている。

GWの春の音楽祭のときのみが、都会並みの商業色と言おうか。

そんな軽井沢大賀ホールは、やはり夏が似合う。
緑の自然がまぶしい。

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カフェのあかねやさんも健在。ドリンクが400円で飲める!

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そして大賀ホールの前方は、湖が一面に敷かれていて、この夏のシーズンはあまりにも美しすぎる!

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今回経験するのは、軽井沢ジャズフェスティバル。

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自分は、知らなかった。(ジャズはもちろん好きですが、最近はあまり聴いていません。)

5年前から始まったジャズ祭のようで、軽井沢、そして大賀ホールへの想いが深かったジャズの名プロデューサー 伊藤八十八さんが自分で立ち上げたジャズ祭のようだ。(伊藤さんは2年前に亡くなられたようです。)

出演しているミュージシャンの方のMCでも、しきりに、この伊藤さんの名前を出す方が多く、志半ばで逝ってしまった無念さは慮るところがある。やはりゆかりの多い方が出演されているような感じがした。

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ジャズについては好きだけど門外漢というか偉そうなことは言えないので、控えめにするが、やっぱりジャズは夏が似合うという感じがする。

あの独特のリズム感、スウィング感は、聴いていると、口元がさみしいというか、冷たいビールをくぅ-といきたくなる。(笑) ツマミも。やっぱりクラシックホールで、品行方正の姿勢で聴く音楽じゃないという気がする。

自然と左足がリズムを取っているみたいな感じ。

ジャズなので、PAサウンド。

クラシックのコンサートホールを使ってのPAサウンドというのは初体験かも。
自分は、昔はライブレストランによく通って、そこでジャズを聴いていました。

PAサウンドというのは、野外のドームコンサートというイメージが強くて、

・耳をつんざく大音量で歪まくり。
・音が割れている。
・電気っぽい音

という感じで、ほとんどいいイメージを持っていない。

大賀ホールでは、ステージの両サイドに、こんな感じでSPが置いてあった。ホール内にも小型SPが設置されているかも、だが。

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サウンドの印象は、最初の時は、どうも音の出どころがわかる感じで、せっかくのこの広い空間のホールなのに、両サイドのSPから音が出ているという感じがわかりすぎて違和感があった。

やっぱり”音離れ”というのは必要ですよね。

でも、後半になるにつれて、ミュージシャンのレベルが高くなるにつれて、そういう違和感が消え去った。ふつうにSPからの出どころがわからない感じでいい塩梅だと思った。

音量もすごいケアされていて、耳にこない許容範囲内でよかった。 
歪んでいたり、電気っぽい感じもあまりなく、自分がイメージしているPAサウンドよりもずっと洗練されていて、これはPAエンジニアが優秀なんだな、と感じたところだった。

演奏は、みなさん、すばらしいミュージシャンばかり。うっとりさせてくれたが、感じたのは、やはり外国人ジャズ・バンドって、肉食系サウンドというか骨太というか、ジャズの根底に関わるがっちり感が日本人バンドと比較して、やっぱり違うな、と感じたことだった。

今回のお目当ては、ケイコ・リーさん。 
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名古屋にベースをおくジャズシンガーで、自分は数年前に、彼女のコンサートの追っかけをしていた。(笑)

ブルーノート東京、ビルボードライブ東京、STB139(スィートベージル:いまはなくなってしまいましたが。)、モーションブルーYOKOHAMA、とか、皆勤賞だったりした。(笑)

いわゆる美声とか、という感じではないのだが、かなり個性的な歌い方をする魅力的な歌手だと思っていた。

彼女のCDは結構録音がいいのが多いのだ。拙宅オフ会で、結構一発目のつかみでかける場合が多い。

結構お茶目な感じで、洒落がわかるアーティストだと思う。

もうしばらく聴いていない。

赤いコスチュームで超ミニスカートにかなりドキっ(笑)
相変わらずスゴイ細くてスタイルいいなぁ。

ひさしぶりに聴いた彼女の歌声。エコーがすごいかかってた。(笑)
昔の想い出が一気に戻ってきて、全開モード。
あの頃を思い出してきた。

やっぱり変わってない。

でも歌っている曲は、知らない曲が多かった。(笑)
キーボード(ピアノ)の野力さん、覚えていたよ。まだずっと彼女のパートナーやっていたんだね。

驚いたのは、彼女がMCをやったこと。
彼女は、ふだんはMCをやらない人なのだ。

苦手なのか?、ある意味、プロフェッショナルに徹したいのか、ひたすら演奏、歌い続けてショーを作っていく、そういうシンガーなのだ。過去に追っかけをやっていて、彼女のMCを1回も聴いたことがない。

今回、やはり特別の音楽祭で、みなさんMCやるのに、自分だけという訳にもいかないのだろう。
なかなかよかった。貴重な体験だった。

特に伊藤プロデューサーのことに言及していたときが、ジーンときました。


とにかく夏フェスなので、長い!たくさんのミュージシャンが出演して堂々の4時間半。

なかなか終わらないので、ヤキモキして、いったんホールを抜け出して、駅(ホールに近い。)で帰りの新幹線チケットを延長して、事なきを得たのでした。

いやぁ、中身の濃い大変な1日でした。


PENTATONEの新譜:アラベラ・美歩・シュタインバッハー&モンテカルロ・フィルのヴァイオリン名曲集。 [ディスク・レビュー]

待望のアラベラさんの新譜が届いた。今回もPENTATONEのWEBで購入したので、正式リリース より1か月早く入手してレビューできる。

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いつもであれば、「アラベラさんが新譜のレコーディングに入りました」、というような写真付きの近況報告が、彼女のFB公式ページや、PENTATONE&ポリヒムニアのFB公式ページにアップされるはずなのだが、今回の新作は、それがなかった。

変だなぁ?と思っていたのだが、どうも前作のヴィクトリアホールでの録音(メンデルスゾーン&チャイコフスキーのコンチェルト)とほぼ同時期(2014年9月~10月)に録られたもののようで、録音場所こそ違うが、いわゆる同時期のまとめ録りで、寝かせておいて、時期をずらしてリリースという感じのようだった。

今回のお相手は、ローレンス・フォスター指揮モンテカルロ・フィル。

モナコのこのオケは、自分は、あまり過去に聴いてきたという記憶がなく、どんな演奏をして、どういうオーケストラ・サウンドなのか、イメージがつかめなかった。

でも1853年創立というから、超歴史のあるベテラン・オーケストラで、ヤノフスキ、クライツベルクなどのPENTATONEでもお馴染みの指揮者も芸術監督を務めてきた。今回のローレンス・フォスター氏も1980年から10年間、このオケの芸術監督を務めてきて、今回満を持しての登場だ。

今回は、ヴァイオリン名曲集。 

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ツィゴイネルワイゼン、タイスの瞑想曲、ツィガーヌ~ヴァイオリン名曲集 
アラベラ・美歩・シュタインバッハー、ローレンス・フォスター&モンテカルロ・フィル

http://goo.gl/gCLvBW


アラベラさんは、正直、中堅どころといっていいくらい、キャリアが豊富で、過去に録音してきたライブラリーも、もうほとんどのヴァイオリン作品を録音してきている。

だから、次回は、どんな感じの作品なんだろう?

あと何があるのだろう?という感じだった。

カルメン幻想曲(ワックスマン)、ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)、タイスの瞑想曲(マスネ)、 揚げひばり(ヴォーン・ウィリアムズ)、ツィガーヌ(ラヴェル)といった、もう珠玉の名曲といっていいくらい、ヴァイオリンの堂々たる名曲中の名曲を集めたコンセプチャルなアルバムとなった。

やっぱり、こういうコンセプト・アルバムを出せる、ということ自体、彼女の近年の充実ぶり、ステータスというのがよくうかがい知れる。

アラベラさんは、アルバムの中で、ライナーノーツを寄稿していて、通常ヴァイオリニストのアルバムというと、協奏曲かソナタに重きを置くという選択が多く、このようなヴァイオリンの名曲による小作品というのをターゲットにすることは、なかなか機会がないし、また演奏会で、演奏する機会も少ない。本当に若い頃の研磨の時期に演奏した経験があるだけで、特にカルメン(ワックスマン)のようなサーカス的なテイストの作品を、いまの自分がさらい直すには、自分はあまりに年を取り過ぎている、という葛藤を感じていたそうで、指揮者、ローレンス・フォスター氏から、あのハイフェッツにしても40歳を過ぎてからこの曲をさらったのだよ、という説得にて、彼女は大きく考え直して軌道修正したことは、まさにローレンス・フォスター氏によるところが大きいと謝意を述べている。

こういう奏者の心の葛藤のプロセスを知ると、ますますこの作品の聴き込み、理解度が深いところまで達するように感じる。

まず、録音評から。

1発目の出音から驚いた。カルメンの、例の超有名な「行進曲」の部分なのだが、オケの音の厚み、サウンドの実音に響き、余韻が伴ったみずみずしい潤い、ふっと沈み込む感じのオケの重量感。。。

こりゃいいんじゃないの。(笑)

優秀録音!うれしくなった。1発目の出音が、これだと最高にうれしい。

別に彼女の大ファンだから、ということで、贔屓目に評価している訳でもなく、純粋に素晴らしい録音だと思う。

彼女のヴァイオリンは、どちらかというとマイクから距離感がある感じで捉えられていて、オケとの遠近感が、結構生演奏っぽく、生演奏を観客席で聴いているようなリアルな感じで聴こえる。

ふつうのヴァイオリン協奏曲の録音だと、ヴァイオリンもしっかり前に主張して聴こえ、オケも前に出るような、両方が両立するような感じのオーディオ・ライクに仕立て上げられている録音が多いのだが、今回は、ヴァイオリンが少し引いて遠くに聴こえて、オケが圧倒的にボリュームのあるサウンド、そんな感じに聴こえる。


とにかく魅かれるのが、オケのサウンド。

5.0サラウンド独特の圧倒的なボリューム、重量感があって、ダイナミックレンジが広い、音数が多い、この感覚。

レンジが広く、全体に厚みがあるのは、リアを、補完的な役割ではなくて、全体を鳴らす上で、結構、全体のメイン・サウンドの一部を構築しているように有効に使っているからではないか、と感じた。

録音した時期が、2014年なので、Auro-3Dでの録音ではないと思うのだが、でもそう思っても不思議ではない空間の広さも、さらに感じるのだ。

録音場所は、モンテカルロ、レーニエ3世オーディトリアムで、自分は知らないのだが、録音を聴いている限り、かなり広い空間で録っているようなそんな空間感が確かに感じ取れる。

空間を感じ取れて、それで、オケ・サウンドにボリューム・重量感があるので、かなり自分的にはクル。

マイクセッティングではAuro-3Dは使っていないけど、編集時で、なにやらそういう類(高さ情報を加える)のエンコードをしているんではないだろうか?

音質も従来の温度感高めの質感の柔らかいサウンドと違って、硬質とまではいわないけれど、やや締りがある感じ。

録音スタッフは、編集もミキシング(バランスエンジニア)もエルド・グロート氏。

もうずっと彼女を録ってきている彼女の音を造っている永遠のパートナー。

彼女の作品をずっと聴いてきているが、出すたびに録音がどんどん洗練されてきて、今回が1番洗練されていて、いいんじゃないかな?

そこまで言い切れる。

やっぱり録音・編集技術の日々の進歩が、作品を出す度に、その真価が現れるような気がする。

なによりもヴァイオリン名曲集というコンセプトがとてもいい。誰もが聴いたことのある名曲中の名曲で、聴いていてとても気持ちがいいし、毎日、何回でも飽きなくトレイに乗せたくなる感じ。

彼女のテクも相変わらず素晴らしい。

レガートの効いた美しい旋律の泣かせ方、連続するピツィカートやフラジオレット。聴いていて、ヴァイオリンは「歌う楽器」ということを聴く者に説得させるだけの演奏表現は素晴らしいと思う。

なにか褒めてばかりだが(笑)、あまり気に入らない点が見つからなかった。

今年の9月に来日する予定の彼女だが、この作品を聴いて、尚更、彼女の「ヴィジュアル・クラシック」を堪能できるのが楽しみになった。


ザルツブルクの最大手チケットエージェンシー Polzerの倒産! [雑感]

昨晩の深夜に知った。驚いた。Polzerと言えば、ザルツブルク市内の最大手のチケットエージェンシー(チケット販売業者)で、60年以上の老舗。彼らの最大の顧客は、もちろん世界最大の夏の音楽祭のザルツブルク音楽祭。

この音楽祭のメインパートナーである。

ザルツブルク音楽祭に行ったことのある人、常連さんだったら、このPolzerを知らない人はいないだろうし、必ずここでチケットを購入したことがあるだろう。

なんでもオーストリアでは、先週の金曜日にニュースが流れたらしい。

破綻金額は600万EURO。今年の夏も900人に、ザルツブルク音楽祭のチケットを売っていたらしい。こういう事態になって、発券不可のパニックで、その対策に大わらわ。

ボクは、3年前のザルツブルク音楽祭に行ったときに、このPolzerを利用したことがある。

現地のPolzerでチケットを受け渡ししてもらったので、現地のPolzerに入ったことがあるのだ。
ザルツブルク大聖堂の前にある広場に面したところに立っている。

当時ボクが撮影したPolzerの店構えの写真。
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店内はこんな感じ。
(以下の2枚は、彼らのFBでの公式ページから拝借しています。)

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扱う公演のパンフレットがいっぱい。
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当時のザルツブルク音楽祭では、最大の看板公演だった、人気テノールのヨナス・カウフマンのヴェルディの「ドン・カルロ」。

もうこれは発売と当時に、瞬殺ソールドアウト。ボクは後発だったので、もうその後の、いわゆるプレミアチケットを捜すしかなかった。

ここら辺のチケット争奪大作戦は、当時、日記で連日連載したので、みなさんも記憶にあるだろう。

人気絶頂のカウフマンだから、もう大変だった。プレミアチケットは10万円以上が当たり前の相場だった。なかなかキャンセル待ちが出なくて、ネットにも出なくて、完全にあきらめていたところ、出発の1週間前に、奇跡的にもPolzerに出ていたところを入手できたのだった。値段も、予想外の4万円台での良席。

このPolzerのザルツブルク音楽祭のチケットの売り方って、メインの公演の他に、もう1枚、促進用という感じで、サブの公演とペアで抱き合わせ商法のような感じで売っていたことを思い出した。このドン・カルロも他公演との抱き合わせで購入した記憶がある。(日本の仲介業者に調整してもらった淡い記憶がある。)

これで、天下のザルツブルク音楽祭の最大メインのオペラである「ドン・カルロ」を鑑賞できた。

生で、カウフマンを観れたのも、これが初めてだった。

音楽の神様は、我を見捨ててはいなかった。

そのPolzerが倒産とは!

ザルツブルク音楽祭で、一生メシが食べていける、音楽祭絡みのチケットビジネスって儲かると思っていたから、まさか倒産って驚きの一言だ。

ザルツブルク音楽祭も、年々その神通力が落ちてきていて、ビジネスとしても厳しい一面があるのだろうか。。。そんな余波がPolzerにも及んできたに違いない。

とにかく倒産で発券不可になった債権となったチケットの扱いと顧客に対する対応。
正式なメール配信は来週らしいから混乱あるだろう。

でも、Polzerなくなったら、今後このザルツブルク音楽祭に行きたいときは、どこのエージェンシーを捜すのか、これまた音楽ファンにとっては、頭の痛いところだろう。1番確実なのは、ザルツブルク音楽祭の公式HPで、購入することですかね。もちろん抽選ですが。そして完売公演でプレミアチケットを捜すときは、こういうチケットエージェンシーを捜すしかないのだろうか。細かいことを言い出すと、いろいろノウハウはあるのだが。

う~ん、世も末だ。


ゲゲゲの鬼太郎のまち、調布。 [雑感]

8月ののだめコンサートの東京での初公演の地として調布が選ばれ、その公演に行く予定なので、ちょっと調布のシンボルであるゲゲゲの鬼太郎の銅像の写真を事前に撮影しておこうという軽い気持ちだった。

調布駅の前に立っているものだと楽観していた。

我々にとっても、調布といえばゴローさんのまちである。

漫画家の水木しげるさんのお住まいが調布にあり、調布のまちは、ゲゲゲの鬼太郎のまち、として超有名なのだ。

ずいぶん前だが、水木先生の自伝的ドラマであるNHKの朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でもロケ地としてこの調布は選ばれ、映像に残っている。

自分の目的は、たぶん駅前に立っている銅像を撮るだけ。だから所要時間15分で済むものと思っていた。

いざ行っているとそのようなものはない。通行人に聴いても「さぁ?」。

困った。

さっそくスマホで「ゲゲゲの鬼太郎の銅像」で検索してみる。

すると、そのような銅像があるのではなく、もっと調布散策のようなサイトで、そこのゲゲゲに登場する妖怪たちの置物が街の通りにあることがわかった。

これだな!

急遽目標変更。これを撮影することにした。

さらに調布散策サイトなので、ぜひ足を運ぶべきお寺や食べ物のお店の情報もあり、え~い!時間もたっぷりあるし、このまま調布散策に変更~!(笑)

これも案外簡単に終わるものと思っていたが、ドツボに嵌るきっかけになろうとは!

スマホを見ながら、見知らぬ街を徘徊し始める。

まず、ゲゲゲの妖怪の置物がある通りである「天神通り商店街」。
さっそく鬼太郎がお出迎え。

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ここであろうことか道を間違えて、写真の右のほうに行ってしまった。(正解は左の方の道)

いつまで経ってもゲゲゲの妖怪たちの置物は出てこない。
相当の距離歩いて、不思議に思い、お店の人に聞いたら道を間違えていることが発覚。

しかたなく元に戻る。相当距離があるので、かなり心が折れる。(^^;;
足が棒になった。

ようやく左の方の道を入ると、商店街らしい風景。

ここは布多天神社の表参道になっていて、ここからまっすぐ歩いて奥に進めば、布多天神社がある。
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さっそくゲゲゲの鬼太郎がお迎え。これを撮影したかった!

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商店街は、かなり時代を感じてレトロな雰囲気。

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ここからゲゲゲの妖怪たちのキャラクターがどんどんお出迎えしてくれる。

つぎにねずみ男!
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そして塗り壁。
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さらにねこ娘&一反もめん。楽しい~♪
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このように商店街通りを歩いているとキャラクターたちが一定間隔で並んでいるのだ。(笑)
まさにゲゲゲのまち!

そして商店街のお終いのところに、布多天神社。
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このここ布多天神社は、学問の神さまで名高い菅原道真が祀られていて、調布市のパワースポット神社として、知る人ぞ知る神社。時期になると、受験生や受験生の家族がお参りに。

「調布」という地名の由来となった、歴史ある神社なのだ。

ここ布多天神社は歴史的にもパワースポット的にもすごい場所なのだが、水木しげるさんの「墓場鬼太郎」の中で、神社の奥の雑木林に鬼太郎が住んでいるとされていて、漫画好きっ子の中では「鬼太郎の住んでる場所」として有名なのだそうだ。


さらにここからこれまた調布の有名な寺院である深大寺を目指す。
調布といえば、深大寺!そう!「鬼太郎茶屋」は必須のスポットなのだ!

この布多天神社のお巫女さんに、深大寺への道を尋ねる。

「歩いていくんですか??(驚)調布駅に戻ってバスで行ったほうが。。。」と言われるが、もう1人の巫女さんに地図をコピーしてもらい、男性なら20分位で行けます、と言われ、鵜呑みにして歩いていくことにした。

これが大失敗だったな。深大寺は、絶対調布北口からバスで行くべきです。

地図通り、かなり長時間歩くと、だんだんわからなくなって人に聞いたりして、さらに自分で勘違いして1本道を間違えて、気づかずに長時間歩き続ける。

さすがにまったく気配がないので、お店に入って聞いてみると道を間違えたことに気づく。
この長時間歩いてきたところを、また元に戻る!くぅぅ~。これで今日2回目。心が折れる。

もう足が棒。

しかたなく戻って、今度は正しいのだが、坂道をひたすら昇る。キツイ!
さらにお寺の入り口が分かりにくく、行き過ぎてしまう。

もうなんか疲れたぞ、おじさんは。

やっとお寺の入り口にたどり着いて、中に入るのだが、さらに広いんだな、これが。(笑)
お寺にたどり着くまで、スゴイ歩く。もう限界だぞ。

途中、恵比寿さんを発見。
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さらに深大寺の入り口に向かって歩いていくと(かなり歩く)、ここら辺って、結構お蕎麦屋さんがたくさん乱立しているのだ。


ようやく深大寺に到着。

入った入り口のところに、スポットの「鬼太郎茶屋」を発見。
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ガーン。店はやっているが改装工事中であった。(笑)
ツイていないときはこんなもんだ。

鬼太郎グッズが売っているお店の入り口。
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店内。
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目玉おやじ饅頭とか妖怪かき氷とかある。(笑)
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そして鬼太郎とねずみ男。
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自分はとにかくクタクタなので、鬼太郎カフェで休憩したく。


鬼太郎カフェ。
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自分が頼んだのは、目玉おやじのクリームぜんざい。
真ん中にあるのが、目玉おやじ。(笑)
美味しゅうございました。
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店内に、水木しげるさんの写真。
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店を出ると、鬼太郎キャラ勢ぞろいの看板で出迎え。
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木の上にある巣箱には、鬼太郎&目玉おやじが!
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さて、深大寺に入る前のレトロな出店たち。
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ここが深大寺。なんと新婚夫婦が撮影でいらしていた。
深大寺は、朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」のロケ地となっていて、縁結びとして有名なお寺。

そういうこともあって、こうやって新婚夫婦がいることも多いのでしょう。

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こちらが御祈願、おごまなどのご本尊があるところですかね。
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じつは深大寺は、深大寺そばとして、やはり蕎麦の名地なのだそうだ。
来るときに、たくさんのお蕎麦屋さんがあったのもうなずける。

深大寺門前、深大寺のウラもだが、お蕎麦屋さんが20件ほどあり、どのお店もこの地で長くやっているであろう佇まい。それもそのはず。深大寺周辺は昔から湧水が湧くことで、美味しいお蕎麦を打っていたってという流れがあるかららしい。

どこのお蕎麦屋さんに入ろうか迷ったが、やはりその湧き水を利用しての打ち込み蕎麦ということで「湧水」というお店に。

すごく日本風で品がある。
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結構お蕎麦が出てくるまで、すごい待たされて、やはりいちから打ち込んでいるんだな、と納得。
おススメの「湧水天盛り」に。
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9割蕎麦、こちらで手打ち。そばの香りは、そんなに強くないけれど、のどごしよく、スルスルでウマい。天ぷらはサクサク揚げたて。これはいけるねぇ。松本の蕎麦に負けていないと思うよ。


これで、すべてのミッション・コンプリート。
もちろん帰りはバス。(笑)

お寺の入り口が、すぐ大きなバス停になっているので、わかりやすい。
バスを使うと、あっという間に駅に着いたのでした。
ちなみに、水木しげるさんは昨年お亡くなりになられ、そのお墓がこの調布の覚証寺というお寺さんに存在する。このお墓が、また水木さんらしいというか、鬼太郎とねずみ男が前方に配置されて、妖怪たちに囲まれてお眠りになれているのだ。さぞかし安らかにお眠りになられているのだろう。

 
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(ネットから拝借した写真です。)

そして、のだめコンサート、東京公演が開催される調布市グリーンホールをパチリ。
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しかし、ほんの駅前にあるはずの銅像を撮ろうと思っただけの出来心で調布まで来ましたが、終わってみれば、半日かけての調布観光。(笑)

しかも2回も大きく道を間違えて、足は棒状態。

いま帰宅しても、足がジンジン熱くて、アイシング。たぶん明日は間違いなく筋肉痛だろう、おそらく。(笑)


BISのピアノ録音と、エフゲニー・ズドビンというピアニスト。 [ディスク・レビュー]

DG録音は、ピアノ録音が美しく録れていることが大きな特徴だが、BISの録音も決して負けていないと思う。同じ美しいピアノ録音でも、DG録音とBIS録音では、テイストが違う。

DGサウンドは、いままで何回も書いてきたけれど、芯のある骨格感のあるサウンドが彼らの身上で、硬質で、研ぎ澄まされたようなピアノの音色。鍵盤のタッチの音、弦を叩くハンマーのフェルトの音、弦の響き、響板の響きの音、そしてペダルノイズやブレスなどの演奏ノイズまで聴こえてきそうな漆黒の中のサウンドと言うべきか。

ピアノの音が濃いというか、1音1音に質量感がある、タメの重みの感覚がある、そんな密度感の濃いイメージ。そこに響き&余韻が加わり、じつに美しい。

もちろん盤(録音)によってバラツキもあるが、このピアノを録るセンスは、エミール・ベルリナー・スタジオのエンジニアたちの天性の才能だと思いますね。

いにしえの著名ピアノストから、新鋭ピアニストに至るまで、みんなDGと専属契約を結んでしまうのも、よくわかるような気がする。

BISの録音は、ちょっと趣が違うのだが、これまたピアノの音色がキレイで、自分は大のお気に入り。

BISサウンドは、ワンポイント録音という表現がよく似合う。マイクからの程よい距離感があって聴こえ、ダイナミックレンジが広いこともあって、録音レベルも低め、全体的にクールダウンした温度感低めのサウンド。

でもBISのピアノは、こういう背景のサウンドの中で、これまたじつに美しく鳴る。

クリスタル、透明感がある感じで、こういうBISサウンドの中に妙に溶け込んでいて美しい。

音の質感や濃さという点では、DGほどではないと思うが、でも響きが柔らかくて粒子が細かい上に、音数も豊富なので、聴感上のバランスがとてもいい。

1番の決め手は、やはりピアノをマルチチャンネルで録っているところだと思う。

これが、全体にダイナミックレンジが広くて、サウンドのステージ感も広がって聴こえて、俯瞰している感じ、バランスよく鳴っているように感じる1番の理由だと思う。

これはDG録音にはない魅力ですね。

そんな魅力的なBISのピアノ録音なのだが、BISレーベルが、デビュー以来、ずっと育ててきている若手の男性ピアニストがいる。

私の大のお気に入り。

ノンノンさんは、女性美人ソリストばっかり、追っかけてるんではないの?という言葉も正しいが(笑)、でも意中の男性ソリストも数多いる。彼は、その中の1人。

1980年のロシア・サンクトペテルブルク生まれのピアニスト、エフゲニー・ズドビン。 
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彫の深い端正なマスクで、すらっとしたイケメン。
草食タイプの男性ソリストという感じだろうか。

スカルラッティ・ソナタ集で2005年CDデビューし、ラフマニノフ、メトネル、チャイコフスキー、スクリャービンなどを得意レパートリーとして録音を残してきている。

クラシック界のプロの商業主義的なところに、あまり洗脳されていないように見えるのも、自分にとって魅力なのかもしれない。

2011年に初来日を果たしており、相変わらず、全く気付かずスルー。(笑)
次回はぜひ足を運んでみたいピアニストだ。

実演に接したことがなく、録音でしか彼を知らないが、高度なテクニシャン。高速トリルなど、粒立ちの揃った音色の美しさは絶品だし、見た目のやさ男風に似合わず、たとえばコンチェルトなどで、打鍵もffからppに至るまで、緩急豊かな表現づけ、結構ドラマティックに魅せる。でも、やはり、どことなく端正な弾き方に感じてしまうのは、やはりイメージ通りなのかも。(決してじゃじゃ馬タイプではない。)

とくに静寂でメロウな旋律を弾かせたら、彼の境地、絶品だと思う。

2010年ころからか、ずっと彼のBIS作品を聴いてきて、いい録音だなぁと好印象をずっと抱いていたところ、ここ最近リリースされた2枚が、決定打になって、これはひとつ彼の日記を書かないとダメだと思った訳だ。 


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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 
スドビン、ヴァンスカ&ミネソタ管

http://goo.gl/Y6qKPt


ヴァンスカ&ミネソタ管とのコンビで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集のプロジェクトをやり始め、その一環のアルバム。

これは衝撃だった。じつにピアノの優秀録音そのもの。ズドビンのBISピアノ録音を一言で表現しろ、と言えば、やはりクリスタル、透明感の一言だと思うのだが、その彼のイメージを最初に経験した1枚だった。サウンド全体としては、ソリッド気味で、オケの音ももう少しふくよかな音場感があってもいいかな、とも思ったが、全体的に硬質で締まったサウンドですね。

大変な愛聴盤です。

録音時期:2011年6月 / 2012年5月、6月
録音場所:ミネアポリス、オーケストラ・ホール

音声エンジニア:ジェン・ブラウン(ベートーヴェン)、トーレ・ブリンクマン(モーツァルト)
編集:ジェフリー・ギン
ミキシング:トーレ・ブリンクマン、ロバート・シェフ 



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ピアノ協奏曲第4番、第5番『皇帝』 
スドビン、ヴァンスカ&ミネソタ管弦楽団

http://goo.gl/wJzq2O

これも、ヴァンスカ&ミネソタ管とのコンビで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集のプロジェクトの一環。

これは、ズドビンのコンチェルトものでは最高傑作。先述の3番より、洗練されていると思う。
コンサートホールの空間がよく録れていて、ホールトーンもふんだんに入っていて、なによりオケが発音したときの音場感がすごく豊富。部屋中に拡がる感じ。音質は、3番に比べて、やや柔らかめという感じだけど、自分はこちらのほうが好みかな。オケのスケール感、広大な感じと、ズドビンのクリスタルなピアノが見事に両立して、最高。超ヘビロテです。

ベートーヴェンのコンチェルトの4,5番と言えば定番中の定番で、数多のピアニストの作品を聴いてきたし、CDもたくさん持っているけれど、自分は、やはり「新しい録音」が好きなので、この盤が自己最高。

過去に何回も言及してきたことだけれど、こういう録音を聴くと、過去の名演、名盤というのが、自分にはすごく色褪せたものに感じてしまう。

彼らの名演をそしるつもりはなく 録音された時制を考えれば、実に素晴らしいクオリティの録音だということに異論はない。

だが しかしだ。。。 しかし そのクオリティは 何十年前にすでに明らかに聴きとれた。
今聴いても、何十年前に思った以上のものが 新たには感じられない。

新しい録音には、何十年前には捉えることの出来なかった「音のさま」があって、デジタル再生の世界や新しい録音技術がその可能性を広げてくれる。そういう価値観のほうが、自分はオーディオをやっていく上で、自分の進むべき道なのだと思う。

もちろん趣味の世界ですから、正論はなくて、個人の嗜好は尊重されるべきだとは思いますが。

そんな想いを強くさせてくれる1枚でもある。


録音時期:2009年1月(第4番)、2010年6月(第5番)
録音場所:ミネアポリス・オーケストラ・ホール

音声エンジニア:ハンス・キプファー
編集:エリザベス・ケンパー、マティアス・スピッツバース
ミキシング:ハンス・キプファー、ロバート・シュフ 


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スクリャービン:ピアノ協奏曲、メトネル:ピアノ協奏曲第3番 
スドビン、リットン&ベルゲン・フィル

http://goo.gl/a19IK3

確かスクリャービンの生誕○○周年のセレモニーイヤーに出されたアルバムで、自分の日記でも試聴記を取り上げた。

この作品は、彼のどの作品よりもピアノの音色のクリスタル、透明感が素晴らしくて、なんか編集時に、締めに締め上げたという感じがする音の硬質感で、シビれた作品だった。

ある意味、生演奏よりもオーディオ的快楽に近い作品だと感じた。

スクリャービンを聴くことも普段少ないが、異国情緒たっぷりのちょっとオリエンタルムード漂う感じの旋律が美しく、新鮮だ。

このアルバムは、インターナショナル・クラシック・ミュージック・アワード(ICMA)2016の協奏曲部門を受賞したのだそうだ。

この作品を聴いてからだ。

自分が今まで、単にいい録音だなぁ、と思っていたピアノのBIS録音が、過去分を調べてみると、みんな、このズドビンの作品だということに気づいたのは。

これから、このピアニストを強く意識するようになった。


録音時期:2013年11月
録音場所:ベルゲン、グリーグ・ホール

音声エンジニア:トーレ・ブリンクマン(Take5 Music Production)
編集&ミキシング:マリオン・シュウェーベル


そして、最新作のこの2作。

この2作品を聴いて、あまりに素晴らしく、こうもずっと素晴らしいピアノ録音の作品をずっと世に出し続けてきた彼とBISレーベルの功労は大きいと思った。

ぜひ日記で特集してみたいと思った。 

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メトネル:回想ソナタ、悲劇的ソナタ、『おとぎ話』集、ラフマニノフ:前奏曲集 
スドビン

http://goo.gl/JOiIaM


ズドビンにとってメトネルは得意中の得意の作品で、デビュー以来ずっと事あるごとに自分の作品に取り上げてきている。

静寂でメロウな旋律を弾かせたら。。。と書いたのも、まさにこの作品のことを言っていた。
特に第6トラックの朝の歌、そして第7トラックの悲劇的ソナタにかけての旋律は、まさに垂涎の体験とも言える美しさで圧倒される。

すでに紹介した3枚と比較すると、サウンド的にずいぶん大きな変化がある。

彼のアルバムは、どちらかというと硬質で解像度重視のカチカチともいえるサウンドなのだが、このアルバムからガラ変のイメチェン。

驚いた。

全体にウォームな感じで、音の角がとれているような丸みのあるピアノ・サウンドなのだ。音のディテールなどこだわらない、というか。正直イメージと違って面喰った。

でも空間も広くて、響きもすごい豊富。これは、これでいい録音なのでは、と感じた。

やはりメトネル~ラフマニノフと続くピアノソロの作品集は、その旋律があまりに美しくて、聴いていてとても癒される。

そこが魅力の作品だと思えた。


録音時期:2009年2,6月、2012年4月、2014年7,10,11月
録音場所:イングランド、ブリストル聖ジョージ

音声エンジニア:マリオン・シュウェーベル(Take5 Music Production)
ジェンス・ブラウン (Take5 Music Production)
編集:マリオン・シュウェーベル、ジェンス・ブラウン
ミキシング:マリオン・シュウェーベル 

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スカルラッティ・ソナタ集第2集 
スドビン

http://goo.gl/BvWaud

自分は、スカルラッティ・ソナタがとても好きで、よくホロヴィッツの定番のアルバムを聴いていた。

ホロヴィッツは、このスカルラッティ・ソナタを非常に好んでいて、自分のコンサートのアンコールなどによく弾いていた。

じつは、ズドビンのデビュー作もスカルラッティ・ソナタ。当時はこのデビュー作が大変な話題になったそうだが、今作はその期待の第2集になる。

バロック時代のこの作品を、モダンピアノを使って、そして最新の音響&録音技術を使う、という古楽アプローチのアンチテーゼのような作品作りなのだが、やっぱり自分はこういうアプローチ好きだなぁ。ただでさえ、この曲好きなのに、さらに近代的でハイセンスな雰囲気が漂っているように思ってしまう。

スカルラッティ・ソナタに関しては、「ホロヴィッツの再来」とまで言われているみたいで、ちょっと業界の宣伝入っている文言かな?(笑)とも思うけど、十分その資格ありと思う。




以上、これだけの彼のアルバムを2010年から5年かけて聴いてきたわけだが、BISレーベルにズドビンあり!という存在感が十二分に感じ取れる。

しかしパッケージメディアのSACD、つまりDSD2.822のマルチチャンネルでこれだけのサウンドが堪能できるのだから、自分はハイレゾなんていらないと思うな。(笑)

ゆうあんさんも言っていたが、自分もたぶんハイレゾのDSDマルチチャンネルの音声ファイルなんて、音質的にパッケージメディアには遠く及ばないんじゃないかな、と思う。

パソコン上で動くコンテンツプレイヤーなどが、5chの音声信号をきちんとデコードして位相も合わせて、オーディオに送り込める、そんな精度のいいもんとはとても思えない。現時点ではハードソリューションには遠く及ばないんじゃないかと。

先日の日記で、ストリーミングが主流になりそうだということも書いたが、よく考えると、リアルタイムにデコードしながら構築していくストリーミングだったら、尚更マルチチャンネル伝送・構築は、困難の極みのような気もしてきた・・・。

ここら辺のことは、いま正直あまり深く考えたくないね。


エルムの鐘交響楽団 演奏会 [国内クラシックコンサート・レビュー]

若い学生のときに、十分遊んでおけ、社会人になったらそんな暇なくなるから。と、よく使われる言葉であるが、全く逆だと思う。暇はたくさんあるけれど、知識、人生の経験がない、金がない学生時代にできることなんて、たかが知れている。大人になって、年を取るにつれて、経済的な力がついて、知識、人生経験も増え、価値観というものがわかってきて、このときにやれることのほうが、もう断然面白いに決まっている。

特に経済力があることが、やれることの幅を広げていて、相当大きい要因と思う。

人生年を取るにつれて、若い頃に比べて断然面白いに決まっている。

SNSの友人のつぶやきにあった言葉で、自分はまさにその通り!、自分の人生がそうだ。と偉く感動した一言だった。

そんな中でも、今考えると、自分の学生時代(大学)で悔いが残るとしたら、学生時代にオーケストラに参加するという経験をしなかったことだろうか。。。

小学生から中学生までの間、クラシックピアノを習っていた。当時男の子が習う”習い事”として、とても恥ずかしくて、学校の友人に内緒にしていたし、嫌で嫌でたまらなかった。だから遠い昔だけど、おたまじゃくしは読めるし、音楽の素養はあると思う。(^^;;(笑)

いま、この歳になって、とても悔いが残るのは、音楽の勉強をしてこなかったこと。(というか、する機会がなかったこと。)学生時代より、ずっと理系人間で、社会人でも技術者の人生を歩んできたので(もう引退しましたが。)、きちんと音楽に対峙して勉強した経験がない。

いま考えても、当時に人生に音楽を選択する余地なんて、まったくなかったので、技術の道を選んだのは必然の結果で、今になって悔いることなんてもちろんない。(当時はバブルの時代で、電気・電子関係は、もう引く手あまたの就職事情だったし、正直、音楽の道はちゃんとご飯が食べていける職業なのか???なところもあった。)

クラシック専門になってからも、独学で、自分の感性で聴いてきた。音マニアなので、どちらかというと、音楽・演奏を解析するというより、音を聴いているところがあって、これはオーディオマニアに対して、よく言われる言葉で、「音楽を聴いているんじゃなくて、音を聴いてますよね?」という有名なフレーズがある。

自分はそうだと思うが、別に恥ずかしいこととは思わないし、逆に普通の人にはない「耳の特技」で自慢にさえ思う。

でもここ最近、この特技にプラス、音楽、演奏家側の知識、感性が加わると、鬼に金棒というか、もうすごい人生が豊かになるんではないだろうか?と思うことだ。

本当に、ここ最近ではあるが、音楽を勉強する、ということを、いまからでいいからしてみたいな、と思うことがある。もう人生の晩年ではあるけれど。。。

そんなときに、学生時代にオケに入っていればな~という想いがあったのだ。

ゴローさんは東大にいたときに、学生オケでヴァイオリンをやっていた。そのときに音楽の素養を学んだ。なんの楽器でもいいから、楽器をやれるということは、絶対音楽の素養を養ううえで必要なことと常日頃言っていた。

NHKの音楽プロデューサー、ディレクターになるには、今後、(オーケストラでの)楽器演奏の経験がプロフィールにないとダメ、とまで断言していた。

まぁゴローさんの場合、学生オケに夢中になったあまり、大学時代の成績はみるみるうちに下がり、卒業の時は最下位だった、と自分で言っていましたが。(笑)

そんな話を、ゴローさんから聞いていたので、学生時代にオケに入らなかったことを非常に悔いた訳だ。でも冷静に考えてみると、やはりその当時、そんな発想は微塵もなかったし、たとえあったとしても、楽器を買うお金や、師匠に師事するお金など、ウチは超貧乏な家庭だったので、論外だったと思う。

人生の選択において、いまの自分は必然のなりゆきで、全く後悔などしていない。

前置きが長くなったが、我が母校の北海道大学(通称北大)には、もちろん学生アマチュアオーケストラがあるのだ。そして、その北大を卒業したOBたちが東京都内で集まって、都内でアマチュアオーケストラの活動をしている、という噂を前職時代の同期の友人から聴いていた。



「エルムの鐘交響楽団」


創立は、1994年に初の演奏会ということで、もう22年目に突入で、大体年に2回ペースの演奏会で、今回が33回目になる。

相当昔から活動していたが、これまた自分はつい最近までまったく知らなかった。

約90名の団員のうち、北海道大学交響楽団OBは約3割にすぎず、 大部分はこのオケの「音色にこだわり、アンサンブルを楽しむ」という ポリシーに共感して集まった仲間たち、というのが実情のようだ。

また、読響の元ソロ・コンサートマスターである藤原浜雄氏を招いた「アンサンブル合宿」、金管アンサンブルなど、演奏会以外の活動も活発に行っている。

さらには2013年には、イタリア・ビトント市で特別演奏会を開催した、というから、そういう国際的な活動もやっているとは驚くばかり。

北海道大学には、時を告げるためにエルム(ハルニレのこと)の木に ぶら下げて使っていた「エルムの鐘」というのがある。(確かに私の在学時代にもその存在は知っていた。)

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設立の際、発起人たちの「北のロマンチシズム」を表現したい というこだわりを象徴する名前として、「エルムの鐘交響楽団」とした。

演奏曲目も、北の大地のオーケストラらしく、北欧・ロシアものなどのほか、普段アマチュアが取り上げる事の少ない曲目にも積極的にチャレンジしている。

そんな情報を仕入れていたので、ぜひ我が母校のオケを聴いてみたい、という想いが募って、この日の公演を楽しみにしていた。

アマオケ(アマチュア・オーケストラ)を聴くなんて、いつ以来だろう?

mixiに入会した2009年ころに、オーディオ&クラシックのマイミクの友人と、毎週アマオケの演奏会に通っていたことがある。

懐かしすぎる!それ以来ではないだろうか?

演奏会場は、東京中野にある「なかのZERO」の大ホール。33回の演奏会は、ほとんどここで開催されている。自分は、中野という街は、ほとんど来たことがなくて、縁のない街なのだが、演劇や演芸、マンガ・アニメなどサブカルチャーに至るまで、東京の文化的拠点のひとつといえる街だと思う。

この日、街中を歩いていて、思ったのは、結構商店街や飲食店、居酒屋が多くて、和風な感じの街だなぁ、と思うこと。

彼らの拠点が、この街であり、このホールなのだ。


なかのZERO大ホール

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超驚きだったのは、その集客力!

はっきり申し上げると、「エルムの鐘交響楽団」として、なにか大きなプロモート宣伝を普段しているか?というと全くノーで、自分もほぼ1年前にこの楽団の存在を知って、FBの公式ページを登録したりしていたのでだけれど、広告、プロモートなど全くなし、と言っていい。

自分の事前の予想では、ガラガラの閑古鳥かな~ぐらいに思っていたのだが、ところが、である。
ホール開場前に並ぶ行列が、どんどんみるみるうちにご覧のように長蛇の列。

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結局キャパ1292人の大ホールは、ほぼ満員御礼なのである!(驚)

普段告知、プロモートなどをやらないアマオケで、ここまで集客力があるっというのは、ぶったまげた、と同時に我が母校を誇らしげに思った。

スタッフの人に聞いたら、今回に限らず、数年前から、おかげさまで大盛況なのだそうである。

告知・プロモートなしのアマオケで、ここまで毎回集客力があるということは、やはり北大OB、所縁のある方々が、リピーターになって通っている暖かい支えがあるからなのだろう。

公演チケット代金は1000円。とくに彼らのHPにあるPDFのちらしを持ってきてくれれば、チケットと交換で無料だという。(自分はこれにしました。)

自分の住所などを登録すると、次回の演奏会の案内も定期的に届く。

こういうシステムから、やはりリピーターがきちんとできやすいようになっているのだと思う。
(広告なしで、これだけ満員の大盛況というのも、ここ数年でのこういう地道にリピーターを増やしていったという結果の賜物なのかもしれない。)

でもたったの1000円、もしくはちらしと交換で無料というのは、もうチケット収入での運営なんて、まるで考えていなくて慈善事業のように思えてしまう。(笑)

アマオケは、団員たちは、みんな普段の仕事を持っている人達の集まりで、サブ活動としてオケをやっているに過ぎないのでボランティアのようでもかまわないんだろうな。


ホール開場。

ホワイエ

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そしてホール

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区民ホールという位置づけなので、さほど???と予想していたが、予想以上にしっかりした造りのように思えた。ステージ上空、そしてホール側面などは、音の反射、拡散を思わせる、いわゆる通常の専門クラシックコンサートホールにあるような壁の形状も、らしく存在している。

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面白かったのはデッドニング(吸音)での整音のためと思われるが、こういう布状の垂れ幕があった。(こんなあからさまなのは、初めて見た。(笑)微笑ましく思った。)

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音響も区民ホールとしては、上々で極端な違和感はなかった。

自分は、ほぼ中央列の中央ど真ん中に座った。(オーケストラは、やはり発音のエネルギーバランスを真正面から聴く、というのが持論です。)



開演。

オーケストラの登場の仕方に特徴がある。

「エルムのスタイル」と称していて、ふつうのプロのオケのように、一斉に登場するのではなく、開演前に、事前にステージに奏者が登場するのである。

エルムの鐘交響楽団のこの方法、アメリカのオーケストラにはよくある方法のようで、(「アメリカン・スタイル」と呼ばれている。)各奏者は開演前の好きなタイミングで舞台に上がる。本番の迎え方は人それぞれで、早く出て舞台の空気に馴染んでおきたい、舞台の音を確かめたい人もいれば、ぎりぎりで楽屋でゆるんでいたり、舞台袖で集中力を高める人も・・・・揃っての入場よりも各人、各人が気持ちよく演奏に入るほうを優先する。

このほうが舞台慣れしていないアマチュア奏者にはいいのではないか、ということでこの方式を採用しているのだそうだ。


さて、肝心のオケの印象。

アマチュアとしては水準が非常に高く、気持ちよく聴かせてもらった。

自分の予想以上にレベルが高かった。驚いた。

数年前に、アマオケを聴きまくっていたころに比べると、こんなに上手なオケは当時はいなかった、と思う。

特にこの日のメインディッシュのベルリオーズの「幻想交響曲」なんて、プロに肉薄するくらいのレベル、高揚感で感心した。

でも、そこはアマオケ。。。普段、日頃聴いている演奏と比較すると、どうしても気になってしまう点があって、辛口になってしまい申し訳ないが、それも愛のムチということで、ご容赦願って述べてみたいと思う。

1番気になったのは、管楽器のレベルがいまいち不満。

金管、木管ともに不満が大きかった。

特に金管の音色は厳しいものがあった。プロでさえ、金管が安定しているなんて難しいことなんだから、アマではしかたないかな、と思う。自分はある意味、オーケストラの楽器の中で1番難しいのは、金管楽器だと思っている。プロとの差を1番感じるのもここですよね。ホルン、トロンボーン、トランペットこのあたりの音色だろうか・・・音が外れるということもあるし、やはり肺活量的にというか、音色がプアでつらいものがある。これは全編を通じてそう感じた。

木管に関しては、もちろん吹き損じとかあった訳ではないのだけれど、やはり音色がプア。金管ははっきり上手下手がわかってしまうが、木管はそんなにわかりにくいかな、と普段思っていたのだが、やはり木管の音色もはっきり差が分かった。

色彩豊かな、嫋やかな洗練された音色ではなく、どうしても音色自体に表現、艶がない。
木管好きなので、余計採点が厳しくなって申し訳ない限りだが、気になるのは仕方がない。

でも感心した点は、木管はオケ後部のあの位置にあるにも関わらず、自分の座席にすっ~と通りが良くて、よく見通しく聴こえたことだった。これは驚き。どうしても弦楽器に隠れがちなのだが、かなり見通しが良かったので驚いた。

1番プロに近いと思ったのは、弦楽器群。

オケの大半は、このストリングス・セクションが占めているので、これがダメだと救いようがないのだが、これはじつに素晴らしいと思った。

特に弦の一斉のユニゾンは聴いていて、音の厚み、同時性ともにプロのようだった。敢えて不満を言えば、弦5部は第1,2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、後部にコントラバスという布陣だったが、ヴァイオリンのユニゾンが、もうちょっと音量が欲しいな、と思った。もっと大河のように、うねるように聴こえるものだが、やや音量不足気味に。

反面低弦群は素晴らしかった。弦の音色が立っていて、解像度も高い。(ゾリゾリ来る感じ。)

「第1ヴァイオリンが、ステージの左端からセンターまで席を埋め、主旋律を歌い、第2ヴァイオリンやヴィオラが 音楽を内から高揚させるように内声をきっちり表現していて、かつチェロ・バスの低音弦にはちゃんと拡がりと音としてのボディー感がある。」

自分がオーケストラに要求するこの弦楽器の基本がきちんと出来ているように思えた。

あとは、オーケストラ・サウンドの全体の聴こえ方、バランスですね。

管楽器類が落ちるので、全体のオケ・サウンドのバランスが崩れていて、統一感、締まりがない、散漫に聴こえてしまう。

これは仕方がないですね。やっぱりあれだけの大所帯のオケでも、どこかにウィークポイントがあると、全体的にピシっと締まらない。

プロでも、サウンドバランス的に、きちんと統一感あってピシッと聴かせてくれるオケなんて、日によって出来が違うのですから。

でも、もう一回言わせていただくと、アマオケとしては、素晴らしいレベルで、自分が聴いてきた中では最高のレベルと言っても過言ではない。特にメインの幻想交響曲は素晴らしかった!

我が母校OBのオケが、こんなに素晴らしいとは、本当に誇りである。

みんな普段の仕事を別に持っていて、練習時間もそんなに多くは取れないと思われる中、これだけの高水準の演奏を披露してくれるのだから、本当にスゴイとしか言いようがない。

この日誓ったことは、これからこの母校OBオケの演奏会を、今後通い続けていこうと思ったことだ。なんか自分の母校を想う気持ちが、趣味のクラシックを通じてできるなら、幸せなことだと思ったから。

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エルムの鐘交響楽団 第33回演奏会
2016/6/11(土)18:30~21:30
なかのZERO大ホール

指揮:佐々木 新平
管弦楽:エルムの鐘交響楽団


交響詩「レ・プレリュード」フランツ・リスト
小組曲「子供の遊び」ジョルジュ・ビゼー

休憩

幻想交響曲 エクトル・ベルリオーズ

アンコール
グノー「操り人形の葬送行進曲」


「エルムの鐘交響楽団」 
http://boeso.web.fc2.com/



ベルギー・フラワーカーペット、日本に初上陸! [雑感]

2年に1度、ベルギー・ブリュッセルにある世界遺産グランプラスで開催される「フラワーカーペット」。

その年に応じて、テーマが設けられて、それに因んだデザイン画に応じて、色とりどりの花(ベゴニアなど)で、グランプラスの広場を飾る”花の絨毯”を作るのだ。

これがじつに美しい!

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こうやって100人くらいの人が地道に作業をやっている訳です。

(ネットからランダムに拝借しております。)

1970年代後半から始められて、今年で20回目を迎えるそうで、今年のテーマはなんと日本。

今年は、日本・ベルギー友好150周年にあたるそうで、日本にまつわるデザインの花の絨毯がグランプラスに展開される。

今年の本場ベルギーでのフラワーカーペットは、グランプラス広場で、2016年8月12日から15日までの4日間、開催されるそうだ。

いまヨーロッパに在住の方はぜひ行かれるべきだと思う。

また音楽鑑賞旅行、ホール三昧とかに拘っていないで(笑)、このフラワーカーペットを見に行くだけで、ベルギーに行くのも、自分はありだと思う。

日本をテーマにするんだから、絶対行くべき。そうそう何回もあるもんではない、と思う。

自分は、1994年頃にベルギー・ブリュッセルに住んでいたことがあって、このフラワーカーペットを偶然体験したことがある。

フラワーカーペットという名前、イベントを知ったのがつい数年前のことなので(笑)、大昔の1990年代にそんなイベントがあるなんて、もちろん知る由もない。

グランプラスに、ちょいとベルギービールを飲みに行きたい、と夜に思って、行ってみたら、ビックリ!

広場一面に花が飾られていて、うわぁ~なんてキレイなんだろう!と、あのときの衝撃は20年以上経ったいまでも、鮮明に頭に中に刻まれている。

特に黄色の花が圧倒的なエリアを確保していたような覚えがある。一面、黄色のイメージが頭にこびりついている。ずっと、数時間その場にいても全く飽きなかった。

そして翌日の昼間も行ったが、やはり、そこに花の絨毯はあった。

そこで、ひとつ言えることは、やっぱり観るんなら夜が絶対いいと思うことだ。

広場で夜分にライトニングされた花の絨毯は、その場で体験すると、昼間よりもずっと興奮するし、感動すること間違いない!自分の体験も最初、夜だった。

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いまのようにデジカメ、スマホを常時携帯して、すぐさま感動を切り取って、SNSやブログに保管するなんて文化はなかった時代なので、フィルムカメラや、写ルンです、で最初から意識して撮りに行く、という感じ。だからその感動は自分の頭の中にあるだけ。

あと、そのときに体験できなかったのは、絨毯全体の模様のデザインを上から俯瞰する、ということ。

これは近くの建物の中に入って、屋上や上階の部屋から、撮影するしかない。

日本ならともかく、ブリュッセルのグランプラスで、そんな都合よくどこがいい、というのを瞬時にわかるわけがない。(笑)旅行で行かれる方は、事前に調べておいたほうがいいと思う。


今年のブリュッセル・フラワーカーペットは日本がテーマで、「花鳥風月」のテーマに決定したそうだ。その「花鳥風月」をモチーフにした絨毯のデザイン画が発表された。

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和だねぇ。(^^)

美しい!

乃村工藝社の鈴木不二絵デザイナーによるデザインである。

この和のテイストの模様の絨毯が、あのグランプラス広場一面に展開されると思い浮かべるだけで、日本人として興奮ものだ!だから日本人なら、絶対今回行くべきなのだ!

じつは、これだけに収まらない。
日本・ベルギー友好150周年を記念して、このフラワーカーペットが日本にも初上陸するのだ。

それを昨日と今日で見学してきて、日記にしようとずっと計画していた。

日本初上陸のほうは、日本でブリュッセルの魅力を発信する「ブリュッセル・デイズ」と題した期間を設けて、東京の「ブリュッセル・フラワーカーペット」を実現させる、という感じ。

ヴィクトール・オルタに代表されるベルギーのアールヌーボーがテーマ。 つまり、ベルギーは日本をテーマにして、日本はベルギーをテーマにしたフラワーカーペットを作る、ということだと思いました。

デザイン画はこんな感じ。

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六本木ヒルズアリーナ 会場:2016年5月18日~21日  250平方メートル
東京スカイツリータウン 会場:2016年5月18日~22日 450平方メートル

おっ!六本木のほうが1日早く終わる。。。六本木のほうを先に行かなきゃな、とそのときわかっていた。でもエリアの広さを見ると、東京スカイツリーのほうが大きいので、それが妙に頭に残っていて、当日になったらすっかり忘れて、最初に東京スカイツリーに行ってしまいました。(笑)

いよいよ本題の東京でのフラワーカーペットの報告。

まず東京スカイツリー。

開業して4周年らしいが、灯台下暗で自分は訪問したことがなかった。
目の前にして、おぉぉぉ~スゴイという感じ。

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フラワーカーペットはこのスカイツリーのすぐ下にあった。

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混むと嫌なので、早朝1番乗り(10時スタート)で行って撮影した。

地上での自分目線から。ちっちゃいけど、十分に美しい!

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全体を見るとキレイなんだけれど、それを構築している花びらってどんな感じなのか、ズームしてみると。。。

う~ん、地道なんだなぁ。

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そして1番大事なのは、これらの絨毯模様を上から俯瞰して写真を撮ること。ツィッターでの投稿を見ると、結構上からアングルのいい写真の投稿が見られたので、自分もさっそく周辺の建物を物色。

その場で係員か、警備員のような人に聴いてみたら、ショッピングビルとスカイツリーとの連絡通路からが、いいのではないか、とのこと。少し暗色入ったガラス越しだ。

ガラス越しでも結構綺麗に撮れることがわかった。
これが最終版!

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花畑の中に緑色の通路みたいなものがあるのがわかるだろう。これは、実は係の人が花にホースで水を上げるための通路になっているのだ。


ミッション・コンプリート。

つぎに、これまた自分の人生とは程遠い存在である六本木ヒルズ。(笑)
朝1番でかけつけて、係に人に聴いたら、「昨日で終わちゃったよ。撤収しました。」

が~ん。(^^;;

そのときにさっきのことを思い出したのだ。
このときの落胆と言ったら。。。

このままでは引き下がれなく、いろいろ思案を巡っていたら、前の晩に偶然、FBの自分のタイムラインに流れてきたベルギー料理レストラン、ベルジアン・ブラッスリー・コート(Belgian Brasserie Court)さんが投稿した六本木ヒルズでのフラワーカーペットの写真を思い出した。

それをお借りしたい、と思うと同時に、そのお店で、ベルギービールとベルギー料理を堪能したいと思ったのだ。

というのも、その投稿を見ると、そのお店のスタッフたちが、六本木ヒルズに出張サービスで出向いて、フラワーカーペットのお祭りとともにベルギービール&料理を楽しんでもらおうという試みのように自分には思えたから。

だから当初は、六本木ヒルズ会場で、それを楽しめる、と思っていたのだけれど、それがダメになったんだったら、じゃあそのお店まで行っちゃって、じかに楽しんじゃおうと考えた訳である。(笑)

まず六本木ヒルズ会場でのフラワーカーペット。
やっぱり夜のほうが興奮するんだよね。

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なんと!小便小僧もある!ベルギーいっぱい。

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つぎにベルギー料理レストランに行く。銀座店、新宿店など数店舗あるのだが、地理的に詳しい新宿店を選ぶ。

このお店、面白くて、銀座店はアントワープ、新宿店はブルージュ、大手町店がゲント、というようにベルギーのブリュッセル近郊の街の名前が店名に使われているのだ。

新宿店は、新南口の改札を出たところのタカシマヤ・タイムズスクエアの14Fにある。

どうもでいいけど、このタカシマヤに入る前のところの、この”お入り口”というのがうける。いいセンスだ。(笑) 
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お店の外観、内装は、結構雰囲気があって、すごくイイ。
なんか店内にいると、本場のベルギーで食事しているみたいな感じ。

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店員さんは、必ず、語尾にメルシー、とシルブプレをつけていた。

ベルギーは多国籍言語の国なんだけれど、自分の遠い経験からすると、レストランのメニューは、大概がフランス語で書かれていたことを思い出した。

さっそくベルギービール。ビール大国ベルギーの地ビールと言ったら800種類くらいあるらしいけれど、まずは有名どころの4つのビールなら、

ステラ・アルトワ
ヒューガルデン・ホワイト
レフ・ブラウン
ベルビュー・クリーク

だそうだ。

さっそく、いきなりステラ・アルトワとヒューガルデン・ホワイトを連発で頼む。
アルコールに弱いので、もうこれだけで頭ガンガンでクラクラ。でもウマい!

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そしてつぎつぎとベルギー伝統料理をオーダーしていく。

まずムール貝の白ワイン蒸し

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ベルギー料理の定番ですね。20ピースくらい入っている。コツは、ムール貝を全部食べ終わった後の、スープをいただくこと。貝のエキスがたくさん溶け込んでいて、さらにワインの香りが混ざって極上の味!


つぎにシュパーゲル(白アスパラ)。

いま旬なので、もちろんオーダー。仕事の関係上、4~6月にはヨーロッパには行けそうにないので、日本で堪能するしかない。

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だが正直、写真を見ての通り、がっかり。たった2本しかなくて、なんかふにゃふにゃで美味しくない。本場もんは、もっと太くて、食べ応えがあるもんです。


牛ホホ肉のビール煮込み。

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これは最高にウマかったねぇ。今日のメインディッシュと言ってもよかった。
最高でした。じつはこれでハーフサイズ。相当量があるので、フルサイズは気をつけたほうがいい。


ベルギー産フライドポテト。

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定番ですね。ふつうに美味しかったです。


ボイルソーセージ盛り合わせ。

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これもふつうにウマいし、食べ応えがある。


デザートにベルギーワッフル。

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以上、ちょっと食べすぎでしょうか。。。?(^^;;

店内も雰囲気があって、料理もベルギー伝統料理が食べられるし、美味しいと思うので、おススメなのだが、難は、ちょっと値段がお高いところでしょうか。(諭吉さんが飛んでしまいました。)

1品あたりの単価が結構高いので、普段の食事処として使うというよりは、たまにベルギー料理を食べて贅沢したい、というような使い方が最適でしょうかね。

自分は、今日はベルギーいっぱいで、想い出に浸れて楽しかった。
生きている間に、もう1回は必ずベルギーの地を踏みたいと思う。

あの頃、市内に存在した日本料理屋さん、たとえばラーメン屋の「やまと」とか、お寿司屋さんの「三辰」とか、日本食材店とか、いまも存在しているんだろうか。。。


ベルギー・フラワーカーペット 
http://allaboutbelgium.com/flower-carpet-2014-2016/

ベルジアン・ブラッスリー・コート(Belgian Brasserie Court) 
http://www.belgianbrasseriecourt.jp/


エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル [国内クラシックコンサート・レビュー]

昨日は、エレーヌ・グリモーのピアノ・リサイタルを鑑賞しに、大阪のシンフォニーホールまで行ってきた。新譜の「Water」に伴っての来日で、リサイタルとしては5年振りとのこと。

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彼女の自叙伝を読んだことで、とても不思議な魅力を持つピアニストだとわかって、自分の日記でも力を入れて特集してみた。

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(グリモーのFBページから拝借しております。)


いままでは、知っていてCDも数枚持っているにも関わらず、意外とスルーだったのが、こうやって彼女自身のことを深く知ると、俄然興味が湧いてくる。

やはりクラシック鑑賞は、演奏家、アーティストのことを、よく知ると興味の持ち方が全然違ってくるのだなぁ、ということが、よくわかった一例だった。

前半は新譜から。後半が彼女が敬愛するブラームスのソナタ2番。
前半と後半とでは、全くの別世界だった。(笑)

前半の新譜は、本当に美しいアンビエントな環境音楽のインストゥルメンタルを聴いているみたいで、8曲ノンストップの凄い集中力だった。ラヴェル、リスト、ドビュッシー、ヤナーチェク、べリオ、武満などなど。

確かに、一連の流れを聴いていると、今回の新譜のテーマ「水」のイメージが湧いてきそうな清廉・潔白な感じがする。せせらぎから激流に至るまで、結構、抑揚があるドラマになっていた。

直前になって、前半の曲順を大幅に変更してきたので、最後の最後まで、全体の流れ、シナリオを徹底的に、こだわり抜いたのだと思う。

この前半は、かなり聴いていて美しかった。

後半のブラームスは、彼女の世界ですね。(笑)

ブラームス独特の感性や個性と言ったらいいのか、難しい曲だった。
前半の美しい調べの数々と違い、かなり求道的な旋律で、奏法もダイナミックで、前半とまったく別世界の彼女を観れた感じ。

アンコールは3曲も演奏してくれたが、コンサートを通して感じたことは、どの曲も彼女のイメージカラーにぴったりの選曲をしていて、コンサートの色を自分のカラーで染めていたこと。自分の色をきちんと知っていて、そういうコンサート自体のプロデュースができるのは大事なことだと思う。

グリモーを生で鑑賞した印象。。。

この日は、上が皮のレーザーのようなジャケットと、下が黒のスラックス、というスポーティーなスタイル。

技術的にも安定していて、高度なテクニシャン。ノーミスタッチで完璧な演奏だった。弱音、強打の使い分けが明確で、結構演奏自体に抑揚というかメリハリをつけるタイプのように思えた。

演奏スタイルは、動的というより,むしろ静的な感じで、オーバーアクションなしの正統派スタイル。(ぺダリングも。)

それ以上に、やっぱり、なんと言っても雰囲気がある。

普通の人生とは違う苦労人だけあって、単なる美形ピアニストで収まらない、妖気というか、なんかオーラがあって、”深い” 魅力を持ったアーティストですね。

それが彼女の最大の魅力だと思います。

演奏終了後の聴衆への挨拶も、このホールの観客席全部に行き渡るように、1回転~4方向すべてに丁寧に挨拶していた。

なにより、その細やかな心配りに驚かされたのは、

アンコール曲のレターリングを自分の直筆で書いていることだった。

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(今回の招聘元のFBページから拝借しております。)

今回は座席も計画犯的に、指の見える、ど真ん中の中後方席にしたら、ダイレクト音と響きのマージ具合が素晴らしくて、全体のイメージを俯瞰できる感じで大成功だと思った。シンフォニーホールは、いままで、前方席ばかりだったが、こちらのほうが正解だと思った。

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このホールは、”音響がデッド”という話もあるようだが、自分は関西のホールをあまり経験していないし、このホールも数回しか経験がないので、断言はできないが、決して、そんなに音響が悪いホールとは思えない。

デッドだったら、演奏前にホールに入った暗騒音の瞬間に分かるし、数回の経験しかないけれど、聴いていて、そんなに極端に違和感を感じることもない。これは、関西のホール巡りをしないとあかんな、という感じだろうか。(笑)

あと、残されたのは、東京公演と、Vn/Pfのソナタ形式の公演と2公演。

グリモーの魅力満載になるに違いない。楽しみだ。


エム5邸訪問........そしてオーディオオフ [オーディオ]

ゴローさんは、仕事で自分の作品、たとえばNHKプレミアムシアターで放映予定、もしくはNHKエンタープライズでのBD発売の素材デモ~たとえば小澤征爾さんのサイトウキネンの映像作品など。~をオンセール前にBD-Rに焼いて、よくエム5邸オーディオルームでその作品の完成度合をチェックしていたのだ。

NHKにも編集スタジオはたくさんあるのだが、やはり機材の品質や、モニター室としての広さ、グレードに限界があって、やはり世の中に出す前に、1度、一般家庭の大画面、高音質環境でどう映るのかを確認したい、という意向があって、エム5邸オーディオルームは、その用途に使われていた。(ゴローさんは毎週エム5邸に通っていたときもあったらしい。)

そこでエム5さんのスゴ耳(ゴールデンイヤー)のチェックを受けるのだそうだ。(笑)

ボクも1回だけ、そういう場面に出くわしたことがある。ゴローさんがかなり入れ込んでいたエベーヌ四重奏楽団の番組を作っていたときで、そのデモBD-Rをエム5邸で3人で観て評価した。

そんなエム5邸だが、フロント3本を観ると、L,RがN801なのに、センターが802Dと、センターが1ランク落ちているSPを使っていることに気づくだろう。


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ポリヒムニア・スタジオもまったく同じ布陣で、両サイドがN801なのに、センターがN802と1ランク落としている。これには訳がある。

映画ではなく、音楽のサラウンドをやる場合、5本のSPは全部同じSPを使うことがサラウンドの原則。

そうしないと製作者側がスタジオで意図して作った空間表現を、家庭側で同一条件で聴かないと、それを再現できないから。

でも、このサラウンドシステムは、5.0chサラウンドだけを再生するのではなく、もちろん2chステレオも再生する。そうすると、5.0サラウンドで広大な音場で再生していたものを、2.0ステレオに切り替えたときに、フロント3本が、全部同じランクだと、2.0chにしたときに、ガクッと音場感が落ちてしまう。

なので、2.0ステレオ再生で使うL,Rは少しランクを上のものを使って、Cに1ランク落としたものを使うのだ、とゴローさんに教えてもらったことがある。

エム5邸の場合、さらに2.0ch再生のときに、L,RのSPから音場が広がるため、センターの位置にSPがあるとその妨げになってしまい、そうならないために、ちょっとセンターSPをL,Rに対して、後方に下げていたりするのだ。

同一システムで、5.0サラウンドと2.0ステレオの両立って難しい。(ゴローさんのように全く別のシステムで組む、という考え方もあるけどね。)

でもじつは、もっと迫真に満ちた、ある意味こっちが本音じゃないの?という理由もある。

それは、フロント前方に、801が3本並ぶことのほうが、観た目、スゴイ暑苦しい(笑)というか、そういう美観のセンスの問題のほうが大きいようだ。

でもボクは見つけてしまっただ。(笑)

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O Ganho Do Somというミキシング&マスタリングを専門に行う会社のスタジオ。

確かに、801がずらっと3本は暑苦しいかな。(笑)
でも慣れてくると、それなりに....思えてしまうから、フシギだ。

アビーロード・スタジオの800のフロント3本は、スマートさがあって、こちらのほうがよさげですね。

さて、ようやく本題のオーディオオフの模様。

ボクは大きく3つのお題をエム5邸に持っていった。

①DG SACDの再生。
②3次元立体音響 Auro-3Dの効果。
③ベルリンフィル自主制作レーベルの再生。

エム5さんは、もちろん新進の高音質レーベルから、メジャーレーベルまで万遍なく聴かれるが、とりわけ本人が大好きなレーベルなのがDG(ドイツグラモフォン)。

エム5さんのレーベルのサウンドの好みって、ずばりガチっと骨太というか肉厚というか芯のある「骨格感」のあるサウンドが好きなのだ。エム5さんって男っぽいので、やはりなんかそういう好みってわかるなぁ、という感じ。(笑)

まさにそういうサウンドなのがDG。エム5さんの「DG愛」は、それは、それは、大変深いものがあって、拙宅に来ていただいたときも、そこら辺の話をたくさんしていただいた。

この日のオフ会でも、「PENTATONEも確かにいいんだけれど、温度感が高いというか、全体に柔ら過ぎなんだよね。やっぱりガッシリ実在感のある硬質のサウンドのDGがいいよね。」という話をした。

ボクがDGのSACDを集めようと思ったのも、そこにある。

じつに苦心して集めてきたDG SACDたち。どのトラックをかけるかのセットリストも作成した。

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そうやって万全を期して、乗り込んだんだけれど、ボクが苦労して集めたDG SACDは、結構エム5さん、持ってたりした。(爆笑)

いろいろかけたんだけれど、やっぱり音楽的というより、オーディオ的にエンタメ性があるというか、驚かせる要素があるのは、やっぱりサロネンの「中国の不思議な役人」。

これはやっぱり来るね~。冒頭の曲の低音のグイグイ彫深い音色で押し迫るように鳴ってくる、その迫力。そして「中国の~」での何とも言えないアングラというかアバンギャルドな旋律。こういうのって音楽的というより、やっぱりオーディオ的に来るものがある、という感じ。

あと、いろいろかけました。オッターのシューベルト歌曲集もよかった。あとエム5さんに録音がイイと評判がよかったのは、ガーディナー&フィルハーモニア管の「惑星」の木星(ジュピター)のトラック。これもホントにいい録音です。

DG SACDは、万遍なくかけて楽しんだ。ホントに素晴らしいサウンドでした。

このときに感じたサラウンドの鳴り方で面白かったのは、リアの効果。これはエム5さんに言われてみて、初めて気づいたのだけれど、リアって単に包囲感が出るだけなくて、このリアが加わることで、フロントの3本の鳴り方に厚みが出るというか、フロントに影響が出るもんなんだよ、ということ。

リアの前に立って音を遮ったり、逆に音を通したりすることで、フロント3本の鳴り方がずいぶん違うのが実験でわかったのだ。

これは拙宅じゃあまり意識しなかったんだけれど、エム5邸では、それがよく認識できた。
目から鱗というか、ちょっと驚きました。


お次に、3次元立体音響のAuro-3Dの再生。 
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チャイコフスキー:組曲『白鳥の湖』、ショスタコーヴィチ:組曲『黄金時代』、
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ、他 

山田和樹&スイス・ロマンド管

http://goo.gl/9Vrd41

じつは、これには伏線があった。

いま考えると、その前に、長時間ずっとDG SACDでいわゆる普通のSACDサラウンドを聴いていたから、そしてその直後にこのAuro-3Dを再生したから、その違いがはっきり認識できたんだと思う。

ある意味ラッキーだったかも?

とにかく再生して出てきた出音の一発目を聴いた瞬間、エム5さんが、「(高さが)ある、ある!」。

ボクが聴いていても、ものすごくハッキリわかった。驚きとともにホッとしたというか、肩の荷が下りた感じ。

ふつうのSACDサラウンドだと、大体SPのツィーターより音場のエリアも含めたちょっと上部辺りを中心に水平に取り巻くように鳴るんだけれど、このAuro-3Dを再生した途端、その高さが、天井に向かって部屋の上位のほうから、そして下端は、いままでの水平エリアに至るまでの、幅広い上下感覚の感じで鳴るのだ。

あきらかに高さがある。

悔しいかな、拙宅ではここまではっきり認識できなくて、高さというより深さ、空間が広いのはわかる、そしてエネルギッシュに鳴ることが両立している、というところまで、だった。それがエム5邸では高さもしっかり認識できるのだ。

やはりある程度再生環境のレベルの差はありますね。

その後、メディア含めて、誰もこのことを話題にした記事を観たことがなかったので、正直持論や自分の印象に自信がなくなってきた訳だ。

1番のキモは、天井SPや対応AVアンプを使って、9.1/11.1/13.1chとかやれば、それは効果あるの当たり前でしょ?(笑)

でも映画館ならともかく、それを(特に天井SP)一般家庭に強いるのは無理があるんじゃないの?ということだった。

だから自分が知りたいのは、ロスレスで、9.1→5.1→2.0に変換できるんなら、その5.1で聴いたとき、つまりいまのふつうのサラウンドシステムで聴いたら、ちゃんと効果がある、高さがあるんですか?ということだった。

これに言及した記事は観たことがない。開発者のインタビューで、「5.1にダウンスケールするときに、高さ情報をどのくらい付加するかは、技術者に任される」、というコメントだけだった。これだと、ふつうのシステムでも効果がある、と読めるのだ。

それを確かめたかった。そして、それが見事に立証された。

ちなみに、2.0ステレオでの効果もtomoさんに確認してもらったところ、きちんと効果があるようだ。

ある意味、この結果は影響は大きい。世の中は、2.0ステレオのマーケットのほうが圧倒的なのだから、2chでも高さを感じ取れるとなると、この録音方法が浸透してこれば、2.0ステレオの音質でも高さを感じ取れる3Dオーディオが可能になる、ということだ。

なんかワクワクしてきた。

そして1番最後は、ベルリンフィルの自主制作レーベルのシューマン交響曲全集。 
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じつは、このCDはウチでは全く鳴らない。

購入当時、自主制作レーベル発足ということで、かなり期待していたのだが、期待を裏切られた感じで、かっ~と頭に血が上り、逆切れ状態の感じで怒りの日記を投稿してしまった。

その後、そのSACDが日本ファン向けということで、発売されたが、確かにCDよりも若干良さげだが、あまり印象は変わらなかった。

これをエム5邸で確認してみたかった。

事前に、エム5さんと、「もし、これで鳴っちゃったら、どうする?(笑)」という感じで笑っていた。

.....が現実となってしまった。(>_<)

なんとエム5邸の2chでは、かなりいい塩梅で鳴ってしまうのだ。
もうこのときの私の青ざめた、冷や汗タラタラと言ったら.......

もちろん万全にすべてが優秀録音という訳でもなく、若干、いままでの印象通り、音場感がやや少なくて、音像型の録音というイメージは、エム5邸でもそうだった。

でもそのつぎにかけたSACDのほうが、ものの見事にその欠点を克服すべく、見違えるように、音場感が豊かになり、潤いのある響きのあるホール感漂う相当いい録音となって化けていた。

SACDのほうが遥かに優れた録音に化けていたのだ。

もうこれには弁解の余地はない。

あえて言い訳をする訳ではないが、拙宅の2chシステムでも、きちんと鳴ってくれる2chソフトは多いのだ。だから、今回鳴らなかったときは、すぐにソフトの録音が悪いせい、と決めつけてしまった。

オーディオマニアの陥りやすい罠として、鳴らなかった場合、それをソフトの録音が悪いせい、にして、自分のシステムを疑うことをしない、ということ。大きな反省点である。

「まず自分のシステムを疑うこと。」

逆切れの投稿を、自分のブログに投稿したのが、2014年7月であるから、ほぼ2年間もの間、ベルリンフィル自主制作レーベルに対して、負のイメージを自分がずっと抱き続け、それがトラウマにもなっていた。

この罪をどうやって償っていこう.....せめての償いとして、「黙秘権を使って、聴かなかったことにしよう」ではなく、きちんとカミングアウトする、ということ。

いみしくも今週末、ベルリンフィルが来日して、彼らの最後の大仕事であるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会がサントリーホールで開催される。これよりも前に、きちんとパブリックにしておく、というのが自分の使命だと思った。

もちろん彼ら自主制作レーベルのベートーヴェン交響曲全集も購入している。


最後にオマケとして、映像のほうも楽しんだ。

150インチのスクリーンの大画面で、持参したアラベラ・美歩・シュタインバッハー&NDRの公演の様子を楽しませてもらった。 


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彼女の演奏姿の映像作品としては、この公演がベストの作品だと思っている。

麗しき、愛しのアラベラ・美歩ちゃんのお姿を、150インチの大スクリーンで、しかもサラウンドで観れたことは最高の幸せでした。

以上が、エム5邸オーディオオフの全貌。ホントに楽しかったし、深い議論も多く勉強になりました。

ありがとうございます。

エム5邸オーディオオフをきちんと自分の日記で書くというケジメをつけられて、本当に安堵しました。

最後に、その昔、ゆうあん邸オーディオオフ直後の食事の時に、ゆうあんさんと話をしたことを......

日本全国で、超金持ちで、目が飛び出る様な超ウルトラハイエンドなオーディオ機器を買いそろえているオーディオマニアの人は、結構いるかも、だけど、その中できちんとそれらを調教して、鳴らしきって素晴らしいサウンドを出している人って、はたしてどれくらいいるのかね???

エム5さんのように、オーディオ機器、そして部屋全体を使いながら、サウンドを追い込んでいってあれだけのサウンドを出している人って日本でもほとんどいないんじゃないの?たぶん日本の3本の指の中に入ると思うよ。

.....と話していたことを思い出しました。


エム5邸訪問 [オーディオ]

エム5邸には、いままで7回訪問している。そのうち過去6回は、ゴローさんに誘われて、いっしょに訪問していて、3人でオフ会していた。

「○町においしいトンカツを食べに行きませんか?」といういつもの定型文が携帯メールで来て、ゴローさんの金魚のふんのように、後ろについていった、という感じである。

だからオフ会の主導は、いつもゴローさん&エム5さんで、ボクは見習いADで横にいる感じ(笑)。

そしてそのオフ会の様子は大半がゴローさんが日記に書いていたので自分が書くこともなかった。

残り1回は、ゴローさんが亡くなった後、偲ぶ会を兼ねてエム5邸でオフをやろう、という企画があがって、マイミクさん(Dolonさん、たくみ@深川さん、gfyさん)とで訪問した。

でも、このときも日記は書かなかった。

結局、恐れ多くも、エム5邸に7回も訪問して、1回もオフ会日記を書いたことがない。

今回は、ぜひサシで乗り込んで、じっくりエム5サウンドを堪能、そしていろいろ勉強させてもらって、ぜひ自分の日記にしたい、というのが大きな目的だったのだ。

それが、いつもお世話になっている人への礼儀というものであろう。

前回、訪問させていただいてから、たぶん2年くらいは経つ。

エム5邸も大きく変わった。

リアにB&W N801の導入(ゴローさんの遺言)。そしてGPSクロックの導入。

自分が前回聴いたサウンドからは予想もつかない進化を遂げているはずだ。

エム5さんのサウンドの作り方というのは、ふだんの日記の投稿を読んでもわかるように、第1前提にまずSPから完全に100%の出音を出し尽くす。

(SPからちゃんと音が出ていないのに、ルームアコースティックもあったもんじゃなくて、まずこちらが最優先。)

そして、その後に、SPのポジショニング調整、壁からの1次、2次反射、吸音など、オーディオ機器だけでなく部屋全体を使いながら部屋トータルで自分のサウンドを作り出す、追い込んでいく、というやり方が、エム5さんのやり方なんじゃないかな、と思うのだ。

これって簡単に言うけど、専用のリスニングルームを持っているから、できることで、地方ならいざ知らず、土地代がバカにならない首都圏でこういう素晴らしい環境で聴けるオーディオマニアなんて、どれくらいいるだろう?

みんなマンションのリビングだったり、厳しい制約条件の中でオーディオやっている訳で、ボクは、エム5さんの最大の魅力は、その持っている超弩級の機器群もスゴイけれど、やっぱり部屋なんじゃないかな、というのが自分の意見。

(もちろん全部トータルでマネジメントできる本人の能力が1番なのは当然ですが。)

ゴローさんのオーディオ部屋も、魅力的だけれど、でもある意味、ルームアコースティックという考え方を、最初から切って捨てている考え方のような部屋だった。片側に大きなラックがあるし、ピアノも入っているし。。。

でもこれはゴローさんの考え方・主義なんだよね。

それでいて、奏でる音色が信じられないくらい凄かったりするから、ホントにフシギな人だった。。。

でもエム5さんのオーディオルームは、そのルームアコースティックも完璧なのだ。
きちんとした室内音響理論のもと、エム5さんも、ここにはかなり敏感というか、きちんとした専門的知識を持っていて拘る。実際のところ、エム5邸オーディオルームは、かなりライブな響きで、なにをやっても相当敏感に反応する部屋のように思える。


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フロント3本(L,R=B&W N801,C=B&W 802D)色も黒で統一されていて、まさに和製ポリヒムニア・スタジオ!(ソファに座っていて、このフロント3本の絵ズラを見ているとホントにカッコいいんだ!)



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ゴローさんの遺言で、リアもB&W801Dで揃える。



エム5邸オーディオルームは、故瀬川冬樹先生のIEC規格の室内音響理論(当日その理論が書かれた雑誌を見せてもらいました!)に基づいた設計で、24畳で、高さ3.2m。高さがある部屋を作るために、地面を深く掘って高さを稼いでいる。

ふつうの家庭用のホームシアタールームだと、センターSPが横型なので、スクリーンを視聴目線に下げられるけれど、エム5邸はセンターSPにふつうのフロントSPを使うので、スクリーン(150インチ)を下げたときに、センターSPが隠れないように、上方に吊るす感じになるんですよね。やや上向き目線。そのために天井が高い。

これが究極のサラウンド音声を楽しめて、映像も楽しめるという感じでかなりカッコいい。

(ゴロー邸では、もう天井の高さがふつうなので、スクリーンを下げたときに、もうセンターSPを全部隠しちゃって、最初から4chサラウンドで映像重視というように割り切っていた。)

壁は漆喰塗り。ウィーン楽友協会の壁も漆喰ですね。響きが広帯域に均一で、どこかでピークを持つなどの強調される帯域がないことが特徴。室内音響としては理想の壁質ですかね。実際近くて触ってみたけれど、もっとザラついた肌触りと思ったけれど、意外やツルツルしていた。色はベージュで品格があって部屋全体が明るい感じでいいですね。

天井も相当に頑丈に作っているらしい。

なんか首都圏だったら、この広さなら、ここに人が住めちゃうというか生活できちゃいますよね。(笑)

なんでも過去に2~3回くらい専用オーディオルームを作り直して、3回目にして、ようやくこの現在の部屋に落ちついたのだそうだ。

もしも、もしもだよ、宝くじにでも当たって、ボクも専用リスニングルームを作れるような幸運に恵まれたら、このエム5邸オーディオルームをデッドコピーだな!(笑)

機器群は、送出系は、メインはEMM Labsで、サブにSONYのAVアンプソリューションという布陣。

やはりDSDマルチチャンネルの権威としては、EMMは世界一だろう。エム5さんの話では、やはりEMMは音が厚いというか肉食系サウンドで、自分の趣向に合う感じなのだそう。

それに対して、国産の機器はどうしても音が薄いというか、草食系サウンドで欲求不満でいまひとつ物足りないという感じなのだそうだ。

でもその中でもこのSONYのAVアンプソリューションは、なかなかのサウンドを出してくれて、サブとしては気にっているとのことでした。(実際は、AVアンプをDACとして使っていて、そのアナログ出力をプリに入力する。)

(ボク自身はサラウンドの送出系としてSONYのAVアンプソリューションをメインに使っています。かないまるさんこと金井さんが渾身をこめて設計した物量投入型の初期の頃のAVアンプを使っていて、自分の5.0chサウンドつくりの基軸になっています。)

GPSクロックは、EMMのほうに注入されている。今回は、EMMメインで聴かせてもらった。

そしてエム5さんのパワーはクラッセ。フロント3本にモノ3台、リアにステレオ1台。

ポリヒムニア・スタジオは、同じクラッセでも1台の筐体の中に、5ch分のユニットが入っている特注品なのだそうだ。やはり電源供給の関係(?)もあり、モノでバラバラで調整するより、こういう1台の筐体のほうが理想だ、とポリヒムニアスタッフは言っていたそうである。

そしてオーディオルームではお馴染みの光景である、SPの前の絨毯によるSPの出音の床からの反射(低音域の全体に対する相対量が多すぎてしまう)対策のための吸音。

結構絨毯の生地にもいろいろ拘って整音のさじ加減を調整している。

面白い話を聞かせてもらったのは、ポリヒムニア・スタジオには、こういう床に絨毯という整音スタイルはないんだそうだ。


.....理由は、目の前に、調整卓があるから。

その代わり、両サイドの壁にそのような調音の仕掛けをしていて、それが絨毯の代わりをしているのではないか、ということでした。

さて、前置きが長くなった。

ずばり今回聴いたエム5サウンドの印象のアウトラインは、まず言えるのは、

①この広いキャンバスなのに、サウンド全体に抜群の定位感があること。がっちりこのエアボ リュームを音で埋め尽くしていたこと。

②音像も明晰だけど、やっぱりエム5サウンドの特徴は、部屋全体を使ったグラデーション豊かな空間表現に魅力があること。

③残響の滞空時間、音の空間への消え行くさまが非常に美しいこと。

この3つにまとめられるんじゃないかな、と感じた。

特に②は、ボク対策として(笑)、普段より、かなり内振りセッティングにしていて、直接音が、2次反射音より早くリスポジに到達するようなSPセッティングをしてくれていたようだけれど、なにせ2年ぶりなので、前がどうだったか、覚えていなくて(笑)、昔と比べると、音像編重なのかもしれないけれど、でもボクには、やはり②のようなイメージが大きく印象深かった。

音像も音場もものの見事に両立していた、ということですかね?

あと①では、なんというのかなぁ.....音のエネルギー感がハンパじゃないというか、なんか根本的に拙宅とは大きく電源事情が違うんではないか、と思えるほど、音の迫力が素晴らしかった。これだけエネルギー感が大きくて、定位感抜群、というのもエム5サウンドの大きな特徴ですね。

やっぱりエム5サウンドはスゴイと思いました。

今回、ボクから下記の大きな課題を持っていった。

①DG SACDの再生。
②3次元立体音響 Auro-3Dの効果。
③ベルリンフィル自主制作レーベルの再生。


スマン!(^^;;

今回のオフ会日記は、相当リキを入れて書こうと思っていたので、思わずエム5邸紹介から書き出してしまい、予想を超えて、長文になってしまった。肝心のオフ会日記はここからなのだが。。。

申し訳ないが2部構成に分けさせてくれ!(笑)


 


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