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ヨハネス・モーザー [クラシック演奏家]

PENTATONEと専属契約を結んで第2弾の新譜がでた。それに絡んでということだと思うが、先週、来日を果たし、トッパンホールでチェロ・リサイタルを、そしてミューザ川崎では、東京交響楽団とチェロ協奏曲でコンチェルトも披露してくれた。

ヨハネス・モーザーは、PENTATONEと契約を結んだ2015年11月頃に知ったアーティストだったので、ぜひ、実演に接してみたいとずっと想いを馳せていて、念願かない、両公演とも参加してきた、という訳。

第1弾のドヴォルザーク・アルバムのときにディスクレビュー日記を書いたが、もう一度簡単に紹介しておくことにしよう。

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ヨハネス・モーザーは、ドイツ系カナダ人のチェリストで、1979年生まれの現在37歳。2002年チャイコフスキー・コンクールで最高位を受賞。

使用楽器は、1694年製のアンドレーア・グァルネリ。

モーザーは、いままでベルリン・フィル、シカゴ響、ニューヨーク・フィル、クリーヴランド管、ロサンゼルス・フィル、ロンドン響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管などなど、もう書ききれないほどの世界のオーケストラ&高名な指揮者と競演してきており、英グラモフォン誌からもその絶賛を浴びている。

室内楽奏者としても熱心に活動しており、五嶋みどり、ベル、アックス、カバコス、プレスラーなどとしばしば共演、ヴェルビエ音楽祭、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭など多くの国際音楽祭にも登場している。

モーザーはあまり知られていないレパートリーを取り上げ優れた演奏をするアーティストとしても非常に評価が高いようだ。

とにかく、写真を見ていただければ、お分かりのように、”ナイスガイ”という言葉がぴったりくるような底抜けに明るい青年。

そしてなによりも若い。まだ37歳にして、これだけのキャリアを積んできているのだから、本当に将来楽しみな大器であることは間違いない。

第1弾のドヴォルザーク・アルバムで彼のサウンドを聴いたとき、その外見からくる爽快なイメージよりも、もっと実は硬派で本格派&実力派の骨のあるチェリストの印象を自分は感じ取り、今後の”新しい録音”の時代の担い手という期待を寄せていた。

そんな彼をオーディオだけでなく、生で演奏する姿を一目観てみたいという夢を実現できた。

その前に、第2弾の新譜の紹介からしよう。 


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ラフマニノフ:チェロ・ソナタ、ヴォカリーズ、プロコフィエフ:チェロ・ソナタ、スクリャービン:ロマンス、他 
ヨハネス・モーザー、アンドレイ・コロベイニコフ

https://goo.gl/gNpZWd


第2弾はロシアン・アルバム。プロコフィエフ、ラフマニノフ、そしてスクリャービンのチェロ・ソナタをはじめとする作品が取り上げられている。

前作の第1弾がコンチェルトだったのに対し、今回は室内楽作品としてのアプローチで、実際の演奏活動でも、見事な両刀使いでもあることから、彼の演奏力、レパートリーの広さが伺えると思う。

何回も聴き込んでいるのだが、情感豊か、鮮やかではあるけれど、ちょっと渋めの色彩感というか、色に例えるならグレーで深い音色、という感じがして、表面はロマンティズムで溢れているものの、その背後にはロシアの厳冬のイメージが湧いてくるような、そんな雰囲気のアルバムに仕上がっていると思う。

あのロストロポーヴィチも協力したと言われるプロコフィエフのチェロ・ソナタと、哀愁漂うラフマニノフのヴォーカリーズは、トッパンホールのリサイタルでも披露してくれた。

録音は、もうお馴染みポリヒムニアの御用達でもあるオランダ放送音楽センターMCO5スタジオで収録。

下の写真はポリヒムニアのFB公式ページから、そのときのセッションの様子。

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ポリヒムニア側の録音プロデューサー&バランス・エンジニア&そして編集と、すべてエルド・グロード氏が担った。PENTATONE側のプロデューサーは、もちろんジョブ・マルセ氏。

もう王道のコンビであるし、録音の完成度の高さは言うまでもない。
明記はされていないけれど、Auro-3Dで録っているのではないだろうか?

空間は広く録れているし、チェロの低弦の解像度も高く録れていて、朗々と鳴る感じのボリューム&音量感も気持ちいい。ピアノの音色の質感は、これは伝統的なPENTATONEのピアノの音色。
(その点、児玉姉妹のピアノ音色は、ちょっと異次元でした。)

そしてチェロとピアノのバランス配分や、リスポジ・聴き手から感じる遠近感も違和感がなくて、さすがエルド・グロード氏の仕事だと思った。

かなりヘビロテで聴いています。

じつは、PENTATONEからの第3弾もすでに決まっているのだ。スイス・ロマンドとのコンチェルトを収録済みで、来年の3月にはマーケットにリリースされる予定である。あのスイス・ジュネーヴのヴィクトリアホールでのセッション録音で、すでに収録完了していて、ただいま編集中といったところだろうか。これは本当に楽しみである。


そんなヨハネス・モーザーを生で聴ける!

まずは、トッパンホールで、チェロ・ソナタとしての室内楽。

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ピアノのパートナーは、2012年の来日リサイタルのときと同じ高橋礼恵さん。

はじめて彼の実演に接した訳だが、その印象を、ずばり結論から言うと、”はちきれんばかりの体育会系ソリスト”という感じだろうか。(笑)

とにかく自分がイメージしていたそのまんま。(笑)

とにかくボウイング、弓使い、その演奏動作すべてにおいて、スピード感、切れ味が鋭くて、俊敏の極みのような演奏家で、スポーティーなスタイルにぴったり合致していた。

最初のヒンデミットやバッハの無伴奏のときは、楽曲のせいもあるのか、思ったほど冴えない感じだったのだが、3曲目のデュティユーから空気がガラっと一変した。剃刀のような鋭い跳ね弓や、弾けるようなピッチカートで、あまりに切れ味鋭いので、聴いていて(観ていて)かなり小気味いい感じだった。

後半のプロコフィエフのチェロ・ソナタや、ラフマニノフのヴォーカリーズなどになると、一転して、いわゆる聴かせるメローな感じで情感たっぷりに弾くのも、かなりサマになっていて、かなり演奏表現の幅が広い、と感じた。

高い技巧のチェリストだと思う。

揚げ足をとるようで、申し訳ないが、敢えて言えば、舞台袖に下がるときに、なにせ、エネルギー持て余している若者のせいか、セカセカ退場していくのが笑えるところだろうか。(笑)もっと余裕を持てばいいのに、と思うのだが、でもこのほうが若者らしくていいっか?(笑)

ヨハネス・モーザーというチェリストは、屈託のない明るい青年のイメージと、ぴったり合うようなスポーツスタイルの超絶技巧の演奏家である、というのが自分のイメージだった。


そしてミューザ川崎で、東響とコンチェルト。

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1曲目は、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲を団員達と一緒に弾き、そのまま止まらずに続けて、デュティユーのチェロ協奏曲を演奏する、という指揮者ノットの粋な計らい。

じつは、この日体調コンディションが悪く、前半は意識朦朧として聴いていたので、ヨハネス・モーザーの演奏をしっかり聴けていなかった。本当に申し訳ない。でもところどころの記憶では、リサイタルのときのイメージと全く変わらない。素晴らしい演奏だったと思う。

ヨハネス・モーザーのFBページからお借りしました。
(ルーツは東響さんの投稿だと思います。失礼します。ゴメンナサイ)

この公演の時のリハーサルの様子。

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そして終演後、東響のチェロセクションと記念自撮りの撮影中(笑)

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とにかく若くて明るいイメージそのもののナイスガイで、スポーティーな超絶技巧のテクニシャン。

新しい録音、新しい演奏、といったこれからの世代を担う若い演奏家として、とても有望株で、自分が肩入れしても許せる”男性の(笑)”演奏家に出会えた、という印象だ。






ヨハネス・モーザー&高橋礼恵 チェロ・リサイタル
2016/11/29 19:00~ トッパンホール

前半

ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタ Op.25-3
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010
デユティユー:ザッハーの名による3つのストロフ

後半

プロコフィエフ:バレエ音楽<<シンデレラ>> Op.87より<アダージョ>Op.97bis
ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-14
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119

~アンコール

スクリャービン ロマンス
サン=サーンス <<動物の謝肉祭>>より<白鳥>
チャイコフスキー ノクターン 嬰ハ短調Op. 19-4




東京交響楽団 川崎定期演奏会 第58回
2016/12/4 14:00~

指揮:ジョナサン・ノット
独奏:ヨハネス・モーザー(チェロ)

コンサートマスター:水谷晃

前半

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲
デュティーユ:チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」

~アンコール
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第4番からサラバンド


後半

シューマン:交響曲第2番 ハ長調 作品61





秋の京都の紅葉散策 そのさん [国内音楽鑑賞旅行]

コンサートがもちろん主の目的なのだが、もちろんこの秋の季節の京都の紅葉を楽しむのも大きな目的でもあったので、最終日の月曜日、1日休みを取って、紅葉鑑賞の日にあてがった。

まず、目指すは平授庵。
ここは最高に楽しみにしていた。

ここもJR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンで採用された紅葉スポットで、これが実に素晴らしい絵柄で、ガイドブックの写真を観たときは、絶対ここにいくっ!という感じで楽しみにしていたところであった。

建物の室内から外の紅葉を撮影するのが、ひとつのポイントになっていた。

本来であれば、こんな素晴らしいショットが撮影できるはずであった。

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ところが実際行ってみると、こんなん感じであった。(笑)

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紅葉は完全に盛りを過ぎているようだった。あと、入り口の門のところのおばさんに聞いたところ、室内には入れないそうで、そうすると、例の室内からの紅葉の撮影はできないことになる。詐欺だ。(笑)

でも盛りが過ぎたいまの時期だから、そうなのであって、紅葉真っ盛りのときは、室内からの撮影も許可されるのかもしれない。

この平授庵では、こんな庭園もあって、それなりに和の風情があって素敵だと思った。

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また、ここ平授庵では、こんな人力車が大変多く、京都にいたときに感じたのだけれど、結構観光客って、こういう人力車に乗ってみたい、というニーズがあるみたいですね。あちらこちらで、散見されました。

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つぎに目指したのが醍醐寺。豊臣秀吉ゆかりの大寺院で、ここの入り口から入った1番奥にある弁天堂というエリアの紅葉が、ガイドブックにも乗っている最高の紅葉スポットになる。


さっそく、そこに到着。

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う~ん、確かにガイドブックの写真と比べると、盛りは過ぎている感じなのだけれど、紅葉の自然と、全体のフレーム内での構図のセンスの良さは抜群で、これは絵になるショットだと思いました。素晴らしい絶景だと思う。




次に向かったところは、高台寺。

まずは、ここにも人力車がスタンバイされていました。京都では、この人力車に乗ってみたい、というビジネスが盛んなんですね。

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ここはどちらかというと、約1300個もの照明を使う大規模なライトアップが評判で、紅葉の木々が夜の水面に浮かび上がる幻想的な臥龍池が超有名で、このお寺での一番有名なスポットでもある。

どちらかというと夜のライトニングのほうがいい感じですね。

でも、この臥龍池の存在がわからなかった。(大泣)
スタッフの人に聞いても、池はここにありますけど・・・?う~ん?という感じで、心もとない。
結局場所を特定できず、とりあえず、美しいな、絵になるな、というショットを撮影してきました。

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ここは、この時間帯は逆光になってしまったけれど、石&砂の庭園と紅葉が妙にマッチした、とても絵になるフレーム構図だと思いました。

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こんな青竹の森林のような場所もあって幻想的。

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敢えて言えば、このショットが1番絵になるかな?という自分の印象。

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そして最終章の訪問先は、北野天満宮のもみじ苑。
ここは永観堂についで、最高に素晴らしい紅葉スポットだと思いました。

かなりの庭園の広さで、もみじでいっぱい!
樹齢400年以上の楓、豊臣秀吉ゆかりの史跡でもあり、昼間に訪れましたが、やはりここも夜の
ライトアップがいいですかね。

とにかく紅葉したもみじでいっぱい。

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ここの1番の紅葉スポットは、たぶんここ。

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なんとプロのモデルさんによる撮影が行われている最中で、結婚式の記念撮影は、このスポットで撮影しましょう!というプロモ的な写真を撮影しているのだと思う。

ご覧のように照明機材があります。ディレクター、照明係、衣装係、撮影スタッフなど、かなりのスタッフ陣で物々しい感じで撮影がおこなわれていました。

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ショット最終形は、こんな感じなのでしょうか・・・?

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帰りの路すがら、紅葉の落ち葉が川沿いに集まって幻想的。

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紅葉散策の最終地を、この北野天満宮のもみじ苑にしてホントに良かった。
最後を締めくくる最高の紅葉スポットだと思いました。


これにて京都ツアー全日程終了。
自分に、まずご苦労様と言いたい。(笑)

日本の和のテイストを味わう旅行として、京都を選択するのは、至極当然だし、海外旅行とは違った、本当に素敵な体験ができた。まっ自分は、食生活だけでなく、基本、和党の人間なので、大変満足のいく音楽旅行だと思いました。


秋の京都の紅葉散策 そのに [国内音楽鑑賞旅行]

京都に来たら、ベタだけれど、金閣寺、銀閣寺はどうしても寄りたいと思っている。

9月に訪問した時は、とても感動した。特に金閣寺は、入り口から長々歩いていると、突然あの風景が現れるときは、心臓にドキッとするくらい感動するのだ。

紅葉時期を迎えて、綺麗に色づいていると、さらに映えて見えるだろうな、と思い、訪問してみることにした。

まず金閣寺。
意外や、ほとんど色づいていなかった。
でも、この荘厳なお姿は、相変わらず圧倒される。

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どうしても紅葉の金閣寺を撮影したい自分は、スポットを探った。

そうすると、ここからのフレームが、秋の紅葉の金閣寺を連想できて、素敵だと思った。

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つぎに銀閣寺。
こちらのほうが色づきはよいように思えた。

この日は、あいにく1日中雨が降っていて、写真を撮影しても、フォーカスや輪郭が甘いというか、ぼやけているように見えるのだが、でも色づいた銀閣寺は美しい。

まっ、これは自分の嗜好の問題だが、金閣寺も素敵だけれど、銀閣寺のほうが、庭園などの和の様式美が整っている感じがして美しい気がする。

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そして京都市交響楽団の素晴らしいコンサートに大感動して、一気にボルテージが上がり、雨が降っているけれど、遠征して出向いているので、これは行かなきゃ損ということで、この晩も秋の紅葉狩りに出かける。


選んだのは永観堂。

これが大正解だった!

たぶん今回の紅葉散策の中で、1番最高の紅葉スポットだと思えた。

永観堂は、京都屈指の紅葉名所で、平安時代にその紅葉が和歌に詠まれるほど歴史は古く、いつしか「もみじの永観堂」と呼ばれるようになったそうだ。

境内には、もみじが3000本以上と京都で最多!
中心部より寒いので、色づきの良さでも評判が高い。
伽藍や池など、秋の境内は絶景ビューが目白押し。

とにかく、秋の京都の紅葉散策をするなら、敢えて1箇所を選ぶなら、迷わず、この永観堂をお勧めします!

とにかく入り口からこんな絶景な通りが現れる。いやが上でもかなり期待させられる。

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このフレームが現れた時点で、もう永観堂は間違いなし!と確信が持てた。

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以下、庭園内をいろいろ散策して、アンテナにビビッときたショットを撮影してきたので、ご覧ください。境内は、かなり広いです。そして色づいたもみじで一杯!

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たぶん、このフレームが、この永観堂の中で最高のスポットだと思われる。
ガイドブックに載っているのは、このショットだと思います。
美しすぎる!

なんと庭園内には、雅楽の旋律が流れていました。

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ほかにも、帰りの道すがら。。。

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とにかくこの永観堂は最高の紅葉スポットだと、つくづく実感したし、2日目にして、これだけ堪能できたのなら、今回の秋の京都の紅葉ツアーは大成功だと確信できたのでした。


秋の京都の紅葉散策 そのいち [国内音楽鑑賞旅行]

JR東海が、1993年からやっているキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」。

そんな昔からやっていたんだ?(笑)

自分は今年になって京都を強く意識したので、このキャッチフレーズも今年になって、はじめて耳にするような感じがした。

なにせ普段TV観ない(少なくとも音声は聴かない)人なので。(笑)

まさに京都には世界文化遺産の寺院が集中していて、「日本&和」を意識する絶景の景色が集中している。

特に秋の京都の紅葉は、大変な人気で、この時期はまず宿泊が取れない。
何か月も前から予約しないといけない。

以前、この時期に宿を取ろうとしたら、東は名古屋付近、西は岡山あたりまで、びっしり予約満杯で取れなかった経験がある。「理由は秋の京都の紅葉は、毎年こんな感じなんですよ。」という旅行会社のお姉さん。

今回、京都のツアーで11月下旬にコンサートに行くので、この時期は紅葉真っ盛りだな、ということで早めに予約しておいた。

紅葉鑑賞はやはり、昼間もキレイだけれど、夜のライトニングのほうが、ずっと感動しますね。
あの衝撃の美しさは、間違いなく夜のほうが感動する。

秋の紅葉の鑑賞の時期のタイミングって難しい。

ガイドブックに載っているような絶景の写真は、もちろん撮影用で、年間の中で最高の瞬間を撮影した写真。自分のように、限られた日程で、いろいろな寺院を廻るとなると、どうしても当たりはずれが出てしまうのだ。

まだ色づいていない、紅葉真っ盛り、盛りが過ぎた、この3種類のどれか。
全部の寺院が揃うということはまずない。

今回行って大正解だと思ったのは、永観堂、清水寺、そして北野天満宮だと思った。
前者2つの寺院は、夜のライトニング。やっぱり夜のほうが感動する。

では、実際の旅行では、3日に分けて、紅葉狩りをしたので、それに合わせて3部構成の日記で紹介したいと思う。



1番最初に行こうと思ったのは、毘沙門堂。
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」の初年度のキャッチコピーのときに使われた紅葉スポットで、


こんな目の覚めるような素晴らしい絶景の写真を期待していた。

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でも実際行ってみたらこんなんだった。(爆笑)

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もうがっくり、の極致。

そのときガイドブックの写真って、絶景の最高のタイミングで撮影しているから、実際はこんなもんかもよ、という友人のコメントもあり、はぁ~、今回の秋の京都の紅葉ツアーって意気込んで楽しみにしていたけれど、実際はこんなもんで、過度の期待はしないほうがいいのかなぁ、という気持ちになった。

申し訳ないが、嫌な運気が漂っている感じがした。

それを見事にぶっ飛ばしてくれたのが、京都市交響楽団のコンサートであった。

大変素晴らしかったので、よっしゃ、夜の紅葉を観に行こうと思い、9月の時は、絶景の撮影ポイントである「奥の院」が工事中で、いい写真が撮れなかった清水寺に行くことにした。


今回学んだことは、やっぱり「秋の京都の紅葉鑑賞」は、人混みとの闘いである、ということ。
ある意味当たり前だよね。みんな考えることは同じなんだから。

とにかく時間に余裕をもって、行列を待つ覚悟でないといけない。

もちろんお寺によって人混みのバラツキはあるのだけれど、特に大激混みだったのが清水寺。

清水寺は、平成20年に開始した平成の大改修工事の真っ只中で修理している箇所がたくさんある。

この大改修は、安全に工事を進める必要と、美しい景観をできるだけ保つため、少しずつ行われてきたのだが、いよいよ「清水の舞台」で知られている本堂が、早ければ来年2017年の春、改修のため素屋根で覆われることになるそうだ。

素屋根で覆われることになる期間は、清水の舞台を過ぎてすぐの高台(いわゆる奥の院)から普段であれば眺めることができる「右に清水の舞台、左に京都の街並み」というおなじみの景色が見れなくなってしまうことを意味している。

その直前ということは、いいタイミングで拝観できると思った。

でも行ったら、地獄が待っていた。(笑)

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この大行列を観て、このまま帰っちゃおうか?と思ってしまった。(笑)
気が遠くなる。


えっつらえっつら、ようやく清水寺の境内に入ったはいいものの、中も大変な人混みで身動きが取れない。もう中でスタッフの方が交通整理をやっているのだ。

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もうこんな状態で、絶景を撮影するポイントである「奥の院」までは、あと1時間かかりそうです、というアナウンス。なんか雨も降ってきた。。。


そして待つこと1時間超、ようやく絶景の撮影ポイントに到着。

おぉぉぉ~!これでオレは十分報われたか???
嬉しかった!

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さらにもう少し離れたところから。左に京都の街並みが見えるようなポイント、つまりを「右に清水の舞台、左に京都の街並み」を探って、こんな感じ。

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ありがとう!もう思い残すことはないよ。



雨は降っていたけれど、足取りは軽かった。
秋の京都の紅葉が、ちゃんと美しいところもある、ということがわかったので、今晩のショットだけでも充分救われた。

大切なものが撮れたので、あとは、帰路の最中、ビビッとアンテナに引っ掛かったポイントを撮影。

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素晴らしかった!

コンサートをきっかけに嫌な運気を一気にぶっ飛ばした!
疲れたけれど、最高の1日となった。




京都市交響楽団定期演奏会 11/26 & 11/27 [国内音楽鑑賞旅行]

前回9月の公演の時は、オーケストラ、コンサートホールすべてにおいて、はじめてづくしだったので、なにか試験を受けさせられているような気分で、心臓が痛くなるくらい緊張したし、まずはオケの技量やホールの音響などを確認するというところから入っていった。

でも今回は、すでに素性がわかっているので、本当にリラックスできて楽しめた。
そしてなによりも、楽曲の素晴らしさ、純粋にこれだけに専念でき感動できた。



メシアン トゥーランガリラ交響曲。



今回のコンサートの感動は、この楽曲に尽きると思う。

もちろん指揮者、ソリスト、オーケストラのみなさんのすべてが素晴らしいのはもちろんなのだけれど、この曲のとてもユニークでちょっと不思議な調性の旋律が、自分の心を鷲掴みにした。

メシアンは、20世紀を代表する作曲家で、ジャンルとしては現代音楽なのだが、現代音楽のような”前衛的”な要素よりも、もう少し万人に受け入れやすいような親しみやすさがある。

今回この曲が、自分の心を動かしたのも、そんなところに要因があるのだと思う。

調べてみると、このトゥーランガリラ交響曲の日本での初演は、1962年、小澤征爾さん指揮&NHK交響楽団によるものであった。

小澤さんは、メシアンの生前とも交流があったようで、このトゥーランガリラ交響曲の録音を捜してみたのだが、意外や数が少なく、その中でも小澤さんは積極的に録音をしている。


そして現代クラシック界で、メシアンの演奏家として第一人者なのが、児玉桃さん。
オクタヴィア時代から、メシアンの作品をずっと録り続け、メシアンの演奏に関しては、彼女の右に出る者はいないと思う。

このトゥーランガリラ交響曲の中で、大活躍なのが、オンド・マルトノという古楽器。この楽器の演奏の第一人者である原田節さん。この曲を演奏するだけでも300回は下らない、という。

そして指揮者が、京都市交響楽団の首席客演指揮者の高関健さん。自分の中では、若き頃にカラヤン指揮コンクール・ジャパンの優勝者というイメージがどうしても強いのだが、児玉桃さんのデビュー以来、ずっと彼女をサポートしてきた恩師のようでもあるそうだ。


こうしてみると、このようなバックグランド&布陣で、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の演奏で、この演目を聴くのは、やはり自分の運命のような気がしてならない。


今回の座席は、

初日は、こちら、1階席1列10番目。
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2日目は、1階席3列17番目。
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なんと!驚いたことに、9月のアラベラさんのときの座席と、両日とも全く同じなのである!
こんなことってあるのだろうか!(驚)

神様の誘いんですね。きっと。。。


このトゥーランガリラ交響曲の編成は、最前列に、ピアノをはじめ、鍵盤の古楽器がずらっと並び、その後ろに大編成のオーケストラが陣取るというまさに大編成そのもの。


最前列は真ん中にピアノがあるのだが、その左側に、チェレスタ、ジュ・ドゥ・タンブル、ビブラトンという古楽器が並ぶ。

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右側にオンド・マルトノ。

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ステージ全体を俯瞰してみると、こんな感じの大編成なのである。

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特に、自分の中では今回大活躍というか、曲全体に山椒にピリッという感じで、素晴らしいアクセントを加えていたのが、オンド・マルトノであった。

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オンド・マルトノという楽器自体は初体験ではなく、以前にサイトウキネン松本で、「火刑台上のジャンヌ・ダルク」で使用されていたことで、記憶にあったのだが(このときの演奏も原田節さんだと思う)、こんな至近距離で聴くのははじめてであった。


オンド・マルトノというのは、いわゆるシンセサイザーの原型ともいえる古楽器で、上の写真のように、鍵盤そのものの以外にスピーカーが何個も立てられている。20世紀前半に誕生・発展した電子楽器で♪ピュオ~ンというグリッサンドのかかったいかにも電子音的なサウンドが印象的。

非現実的な宇宙サウンドと言ってもいいのではないか?(笑)

クラシック音楽の世界では、今回のメシアンのトゥランガリラ交響曲がオンド・マルトノを効果的に用いた楽曲として 最も有名かつ成功作だと言えると思う。

ゴローさんが、その昔、サイトウキネンの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の撮影で、現地から、このオンド・マルトのことを日記にして発信していたことを覚えていた。

その日記の中で、「SACDの初期にDECCAからリリースされたシャイー指揮RCOのトゥランガリラ交響曲では、5.0サラウンドで まさに部屋を縦横無尽に駆け巡り非常に印象的な効果をかもしだしていた。」と書いてあって、うっ欲しい~と思い、捜してみたのだが、廃盤のようで見つからなかった。いつか中古市場で、必ず!(笑)



トゥランガリラ交響曲を聴いての全体の印象。

とにかく不思議な調性の旋律が魅力的で、自分が一番感じたのは、音数が多いな、ということだった。(笑)

古楽器含め、これだけの大編成で演奏される曲なのであるから、ある意味、”音数が多い”のは当たり前なのかもしれないが、座席もかぶりつきということもあって、かなりの迫力で自分に迫ってくる感じで、たいそう気に入ってしまった。

とにかく一番大変なのは、ピアノの桃さん。

まさに80分の大曲で、交響曲という名前だけれども、ピアノはずっと弾きっぱなし。ある意味、すべての楽器を従え、ピアノがぐんぐん引っ張っていっているような”ピアノ協奏曲”で、まさに全身全霊の熱演に、観ているほうが魂を何回も吸い取られそうな感じになった。

交響曲といっても全10楽章からなる変則の構成で、1楽章づついろいろなバリエーションの表現が要求される。静謐な美しい調べから狂喜乱舞の和音の連打に至るまで・・・いろいろな表情を見事演じ切っていた。


京響のオーケストラサウンドも申し分なかった。やはりこのオケは、ホントに弦が極めて優秀。音にしっかりした厚みがある。

そして先日の日記でも書いたけれど、ヴァイオリンが奏でる帯域、ヴィオラが奏でる帯域、チェロが奏でる帯域、コントラバスが奏でる帯域、弦楽器だけでも高域から低域にかけて様々に異なる周波数帯域を持つ楽器の合奏なのがオーケストラ。

この日の合奏は、オーディオ的なアプローチでいうところの見事な周波数領域上での”和声感”を感じるサウンドだった、ように思う。


指揮者の高関さんは、素人の自分がいうのは大変恐縮なのだが、指揮の振りが非常に美しくてレガートな印象だった。特に指揮棒を持たない左手の表情が豊かで美しく感じる。

今は亡き、クラシック写真家の木之下晃さんが、仰っていたことなのだが、カラヤンの指揮の美しさは、指揮棒を持つ右手ではなく、その左手の表情の美しさにある、という言葉を思い出した。

とにかくいままで聴いたのないとてもユニークな楽曲で、演奏の出来含め、今年1年を締めくくるイヴェントとして相応しい素晴らしい演奏だったと思う。

前回の9月、そして紅葉が美しかった今回の11月と、京都ツアーと題して、京都市交響楽団&京都コンサートホールを体験したが、海外音楽鑑賞旅行に決して負けない同等、いやそれ以上のレヴェルの質の高さと充実した音楽旅行だったと、いま回想してみていえるのではないだろうか。


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(左が児玉桃さん、右が原田節さん)





京都市交響楽団第607回定期演奏会
2016/11/26 & 2016/11/27 14:30~
京都コンサートホール

指揮:高関健
独奏:児玉桃(ピアノ)
   原田節(オンド・マルトノ)

管弦楽:京都市交響楽団

メシアン:トゥーランガリラ交響曲(80分)




東京文化会館バックステージツアー [コンサートホール&オペラハウス]

1986年にサントリーホールができる以前は、首都圏のクラシック文化のメッカは東京文化会館が担っていた。

首都圏のクラシックのコンサートホールの歴史を紐解いてみると、1890年に日本で初めての演奏会場である旧東京音楽学校奏楽堂ができた。

それから、1929年に日比谷公会堂が戦前の主要演奏会場として使われ、カラヤンのベルリンフィルの初来日公演もここでおこなわれた。

そして、1954年に神奈川県立音楽堂が完成した。木造ホールで、「東洋一の響き」と言われた。

1961年に東京文化会館が完成して、初めて内外に高い評価を得ることができ、主要な演奏会場となった。サントリーホールが1986年 にできるまでの25年間,音楽演奏の中心にあり続けた。

そして1986年にサントリーホールが開館して、東京文化会館と人気を二分する形で現在も活躍している。

日本のコンサートホールの設計に関する歴史上の重要人物を上げるなら、前川國男氏と永田穂氏が挙げられる、と思う。

永田穂先生は、もうご存知、永田音響設計の礎を築き、日本の代表的なコンサートホールをほとんど全てと言っていいほど手掛けてきて、更には世界の著名なコンサートホールにもその実績は及び、日本のコンサートホール音響設計のパイオニアといっていい。

神奈川県立音楽堂と東京文化会館を設計したのが、前川國男氏。

専門が建築の彼の音の拠り所は ル・コルビジェのもとで過ごしたパリにあると考えられる。
彼の音のルーツにはフランスの音がある、といえ、彼がフランスで学び,終生建築時の技術の核とした「コンクリート打ちっぱなし」という技術は、建物の建築においてコンクリートの肌がむき出しで、東京文化会館ではホール内壁にも現れていて音響にも大きく影響している。

そんな前川國男氏の最大の建築物の遺産といえる東京文化会館のバックステージツアーに参加してきて、その舞台裏に迫ってきた。


東京文化会館

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国立西洋美術館の基本設計を行ったル・コルビュジェは、美術館のほか周辺一帯の敷地に劇場、企画展示館を含む文化センター構想を提案していた。そこに弟子である前川國男氏が、劇場として東京文化会館を設計した。

東京文化会館は、クラシックコンサート、オペラ、バレエの上演を目的とした公共音楽文化施設で、1961年4月にJR上野駅公園口にオープン。大ホール(2303席、純音楽、オペラ、バレエ)と小ホール(649席、リサイタル、室内楽用)、そしてリハーサル室、練習室、音楽資料室などがある。


今回のバックステージは、大ホールのみである。


前述のように、このホールの特徴は、建築の基本技術が,前川氏がル・コルビジェの元で学んだコンクリート打ちっぱなしの技術であること。そのためホール内でも例えば2階席や3階席の張り出し部や柱などがコンクリートの肌がむき出しになっている。


我々のオーディオ&音楽仲間内では、東京文化会館大ホールの音響はデッドというのが定説。
データによると満席時の中音残響時間は、1.5秒と確かに数字的にもデッドであることが証明されている。そういう大ホールの中でも音響がよくてお勧めなのが、最上階の5階席というのが仲間内でも通説になっている。

でも意外や意外、自分はこの最上階の5階席というのは経験がなかった。今回のバックステージツアーではじめて5階席に昇ってみた。

そうすると、こんなに見晴らしのいい光景が!

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これだけステージの奥行き含め、全体がすっきりと俯瞰できて、しかも音響が一番素晴らしい座席ということなのであれば、次回からはこの5階席を選んでみようと思った。


両サイドにつくった雲形のブナ材で作った拡散体は戦後の抽象彫刻を代表する作家の一人である向井良吉さんのよってつくられているそうだ。

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建築家が設計する幾何学的な面によってではなく芸術によって創造する造形によって成し遂げようとして設計責任者の前川氏は、彫刻家向井氏にその意図を伝えるのに「火山が爆発寸前だ。大地が亀の子状に地割れしてところどころに赤い火が燃え始めたというよいな壁はどうだろう」と持ちかけた、ところからこのようなデザインになったそうだ。左右でデザインが違うのだ。おわかりいなるだろうか・・・



ホールの形状は六角形。ホールのタイプ別としては、いわゆる扇型のコンサートホール。


この扇形状は他のホールにはないほど両壁面が開いたもので、壁面間での反射音の行き来が少なくなることを意味していて、このこともこのホールの音の響きを特徴づけている。

このホールは、シューボックス型のホールの側方からの反射音で響きを作る方式ではなく,ハース効果の理論で音響設計されている。ハース効果とは直接音に対して 50m秒までの反射音は直接音を強化するが、50m秒以上の時間遅れの反射音は分離してエコーになってしまうというもの。

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そのため、50m秒以内の主たる響きを作る反射音を舞台後方から客席深く天井に伸ばした可動式反射板(これは後で説明する)で作っているのだ。50m秒以上の反射音に関わる壁面には拡散体や吸音面を設置している。ステージの両脇につくった雲形のブナ材で作った拡散体はそのためのもの。


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このホールの音の流れというか音響の特徴って、反射音はステージ背後から客席上部の天井にかけて設置された反射板により客席に届けられる。

シューボックス型の場合、反射音は左右の平行な壁面から客席に届く。そのため人体の耳が左右にあるのでどうしても音像が揺れたり膨らんだりする。

その反面、人間の耳の左右サイドから反射音が入ると、音の広がりや響きが豊かに感じるという人の聴覚の特徴から、シューボックスって響きに囲まれていて音が濃くて、いい音響と言うような印象が強い。

しかし,東京文化会館は、どこのホ ールよりも大きく開いた両側壁面は その役目を持っていない。つまりこのホールって、前方から直接音が来ると同時に、タイミングが遅れて、反射音が、これまた前方からやってくる、というのが、大きな音の流れの特徴になっていて、側面からの反射音の影響は少ないという構造になっている。

なので両側面で反射を繰り返す響きの豊富なシューボックスにありがちな音像の響きのよる埋没・混濁という影響も少ない。演奏でも個々の楽器の音像が融合することなく明確な輪郭でしかも小さい音像で存在する、というように理論上ではなっている。

あくまで教科書的な机上の考え方であるけれど、このように側面壁の影響がなく、前方から直接音、反射音がやってくるというのは、響きで音像が広がらず、コンパクトにしかし奥行き方向に響きができるので音像が立体的に感じられる、という表現がぴったりくるのかもしれない。

実際の聴感上でも、ぶっちゃけデッドに感じるのも側面の反射音が期待できず、前方のみの反射音&響きに依存するところが多いのが原因なのでしょうね。

音像が小さく立体的というメリットとのトレードオフなのかも?です。オーディオルームでも同じですが、”音像と音場の両立は難しい”というセオリーがここでも立派に成立すると思いました。


東京文化会館のような響きが多すぎなくややドライで,個々の楽器が明快で曖昧さがなく集中できるホールでは,一つのものに向かって行くベートーヴェンのような古典派のような音楽がこのホールにあっていて、オーケストラが取り上げることが多いようだ。

シューボックス型のホールでは溢れんばかりの響きで情感の高揚感を味わうロマン派の音楽が適しているし、ワインヤード型などのアリーナ形式のホールは、ホールのコンセプトとして演奏者と聴衆の交流とか、音についてもステージと客席の一体感を目指しているので、聴き終わったあとは、みんなで良かったね、と喜びあって聞き終える音楽の演奏に合ったホールだと思う。


東京文化会館の大ホールは、クラシックコンサートとオペラの舞台が共有できるので、どうやっているのか、昔から興味があった。それが今回のバックステージツアーで解決できて、頭がすっきりした。

クラシックコンサート用のステージは、背面から天井に向かっての反射板が、もうステージ固定で取り付けられていて、この反射板がくっついたまま、ステージごと地下の奈落に格納される仕組みになっているのだ。

そしてそのクラシックコンサート用のステージの上空側にはオペラの舞台ステージがある訳。


つまり反射板ごとのクラシックコンサート用のステージを可動で、地下の奈落に格納すると、上からオペラの舞台ステージが下がってくる。逆を言えば、オペラの舞台ステージを上方に可動で上げると、地下からクラシックコンサート用の反射板が取り付けられたままのステージが、上がってくるという仕組みなのだ。ステージにデファクトで取り付けられている可動式の反射板は、天井サイドとガチャンと接合する。

1998 年に13ヶ月をかけて行った大改修があり、その中で大きな工事は、いま言及したオペラ やバレエにも十分対応できる舞台にするため,ホールの舞台反射板をス テージ部の地下の奈落に収納できる ようにしたこと。そのため奈落 の下を8m掘り下げた。


この写真は結合される側のホールの天井。

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へぇー。

さっそくバックステージツアーで舞台裏に潜入して、地下の奈落に格納されている状態のクラシックコンサート用のステージを発見。

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その後、オーケストラ・ピットに潜入。
結構深い。団員70名くらい入るそうだ。

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ステージ直下のところのエリアが納屋みたいになっていて、そこに椅子やプルト譜面だが格納されている。

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ワーグナーのような大編成になると、さすがにこのピットエリアだけでは足りないので、この納屋の部分の扉を全部取っ払って、この納屋エリアにも団員を配置するそうだ。なにせ、納屋に人員を入れ込むため、音が籠ってしまう。その際は、なるべく打楽器など、音色が籠っても大きな影響がないような楽器を優先に、この納屋スペースに入ってもらうのだそうだ。



このピットの床は可動式になっていて、高さを調節できるようになっている。
だからオペラではなく、普通のクラシックのコンサートの場合は、このピットエリアの床は、そのまま上に可動になって、ステージと同じ高さになってステージ本体と結合するわけだ。


ぐんぐん床が上がってくる。

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そしてオペラステージと同じ高さに。。。ステージ本体と結合する。

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へぇー。


ステージ上からホール背面をきちんと撮影してみる。

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ここで観客席が大半は赤いのだけれど、ところどころで、色が違うものが散乱しているのがわかるだろう。これは、なんのためにやっているかというと、客があまり入っていないとき、ステージ上の出演者たちから見たとき、客席の赤いのが目立つといやなので、色をこのようにカモフラージュすることで、空席ということをわからないようにしている工夫なのだそうだ。(笑)


つぎにオペラ用ステージ上の舞台装置などを支える仕組み。
上空からこんなフレームの集合体がぶら下がっている。
これらのフレームは電動で上下に動く訳だ。

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もちろんその中から1組のフレームだけ下がったりして操作できるようになっている。
これらがオペラの舞台装置にいろいろ奮闘する訳ですね。

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ピットの中からステージの両サイドの中の様子が垣間見え、興奮。(笑)

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オペラのステージには、もうひとつ面白い仕掛けがある。
それは写真のようなプロンプターというお仕事。

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オペラステージには、このような四角い穴が開いていて、そこに人が入って、そこからオペラ歌手たちに、オペラ劇の進行に合せて、立ち位置を指導したり(そこの場所じゃないとか。(笑))、つぎはあなたが歌う番なのだよ、とかいうゲキをこの穴から指示をするのだ。

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その声は、絶対観客席には聴こえないそうだ。だってオペラだからオケは鳴りっぱなしだし、オペラ歌手はずっと歌っている訳だから。この穴の中にカメラが設置されているのがわかるだろう。これがステージの状態を映し出している。これを見て、アドバイスのゲキを送っているということのようだ。


実際は地下から階段で上がってこの場所に座るそうだ。この四角いサイズは、もちろん世界中のオペラハウスで、違うだろうし、中に入る人のサイズも考慮されているのかもしれない。外国のオペラハウスは、巨大な外人が入れるように大き目のサイズにしているとか。。。



つぎにホワイエに移動。
じつに美しい個性的なデザイン。

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外側をガラス張りにして、エントランスロビーから大ホールホワイエまでは上野公園の中であることをイメージしたそうである。コンクリート製の柱は木と見立て、木目が写っている。また床のタイルは落ち葉。天井の照明は天の川。一面の星空が、みなさまをお迎えします。(笑)ちなみに、木目が写ったコンクリート製の柱は、国立西洋美術館でも見受けられる。



つぎに客席の最上階5階のほうにあがる。

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ここでは、両サイドにカーテンコールのときに、歌手たちにスポットライトを浴びせる照明室がここにあるのだ。実際、その照明を触わらせてくれて、ステージの歌手たちに見据えたツアー客にスポットライトを浴びせるデモもしたりした。



つぎに、ステージの両サイドのスペースを散策。
観客席から向かって、右側のサイド。

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うっ壁が、もう出演者のサインでびっしり。

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そして反対側の左側のサイド。
もうここは、出演者のサインの巣窟であった。
もうびっしり。圧巻!まさに文化遺産ですね。

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こうやってテーブルに置いたまま保管されているサインもある。カラヤンのもあった!

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つぎに細い通路を通りながら、リハーサル室に入る。

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ここで、オケのみなさんや、歌手のみなさんは本番前のリハーサルをやっているんですね。

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さらに楽屋訪問。

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大ホール個室1~6は、指揮者とソリスト&歌手たちが待機するお部屋。

こちらが指揮者の個室。ソファがあるのが特徴。シャワーも浴びれるようになっている。

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こちらがソリスト&歌手の個室。指揮者のお部屋とはちょっと違いますね。

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しっかし、楽屋を通るまでの通路の壁は、ホントにサインでびっしり!スッゴイ!

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つぎにオケメンバーなどの大人数の待機部屋。この日は特別に壁をぶち抜いて、広くしているとのことであった。

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なぜか、洗濯機を設置するところもあった。(笑)

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出演者専用のカフェや軽食時をできるようなところ。
なにかここで食べてみたい。(笑)

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そしてピアノ格納庫。スタインウエイやベーゼンドルファー、ヤマハのCFXなどが格納されていた。
もちろん大ホールだけでなく小ホールで使うピアノもここに格納されている。
普段は、扉を閉めて、厳密に湿度管理などをしているそうだ。

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そしてバックステージツアーも最後の大詰め。

最後は、みんな平土間の観客席に陣取って、オペラ用ステージとクラシックコンサート用ステージの入れ替えを視覚体験。地下から反射板が固定で装着されているコンサート用ステージがあがってきて、それに合わせて、オペラステージが上空にあがっていく様子である。

最後は、コンサート用ステージに装着されている反射板が天井とがガチャンと結合される。

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これで東京文化会館のバックステージツアーは終了。

今後の企画として、ちょっとリクエストしたかったのが小ホールのほうのバックステージツアーも入れてほしいと思ったこと。個人的な感想ではあるが、小ホールの音響は、ソリッド気味でクリスタルな響きが魅力の、じつに素晴らしくて、国内の室内楽ホールとしても指折り本数に入る秀逸なホールだと思っている。ステージ後方にある小ホールの音響反射板は、設計した彫刻家 政之氏がタバコの箱の銀紙をぐしゃっとつぶし、広げたものだとか。


あと、ここには音楽資料室が4Fにあって、音楽関係の書籍、CD等音資料、DVD等映像資料等を無料で閲覧・試聴できるようになっている。

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まさに首都圏のクラシック文化を一手に担ってきて、今現在もトップであり続ける東京文化会館。
そのすべてを拝見させていただいたようで、大変貴重な経験でした。

これからも第一線で貴重なコンテンツ&文化を送り続けるホールであって欲しいと願いつつ、今後も足繁く通い続けさせていただく決心を新たにしたのでした。







 


エディタ・グルベローヴァ [オペラ歌手]

オペラに開眼したのが遅かったので、エディタ・グルベローヴァの全盛期はもちろんこと、彼女の生の声を聴いたことがなかった。

2012年のウィーン国立歌劇場の来日公演「アンナ・ボレーナ」を最後に日本での引退宣言をしてしまい、自分としては、今後は、ヨーロッパにこちらから聴きに行く、というスタンスでない限り、もう縁のない歌手になってしまったという悲しい想いだった。

自分の中で一生悔いの残る、なんとも言えない気持。

そのことが、逆にグルベローヴァに対する猛烈な憧憬の念を、さらにひき立てることになってしまい、より一層遠い夢の世界の人のように感じてしまった。

40年以上もオペラ界でトップを走り続け、現在69歳で、カール・ベーム、ヘルベルト・フォン・カラヤン、カルロス・クライバー、そしてリッカルド・ムーティなど蒼々たるメンバーとの共演を誇り、「コロラトゥーラの女王」とか、「ベルカントの女王」の異名をとり、その圧倒的な歌唱力は、まさに世界最高のソプラノ。

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彼女に対する想いと、そのディスコグラフィーはほとんど聴き込み完全制覇して、日記にしたのが2013年。そんなグルベローヴァがなんと今年、奇跡の来日公演をおこなうという。

オペラ、オペラ・アリア、そしてリート(歌曲)・リサイタルと、オペラ歌手として考えられるすべてのパターンを網羅した3公演で、さらに東京だけでなく、日本縦断。まさにグルベローヴァという歌手のすべてを日本の方々に知ってほしいという企画のようにも思えた。

このような粋な計らいをプランニングしてくれ、実現の域まで導いてくれた招聘プロモーター(今回3公演で別々のエージェンシーが担当のようだった。)には、 本当に感謝し尽せないほど感謝している。本当にありがとうございました。

彼女の声を一言で表現するなら、”クリスタル”という感じだろうか。

超高音域につけ抜けるその透明感は、まさに驚異的な美しさがある。そして彼女の代名詞である、一つの音節に対して、複数の音(装飾音)が充てられる形、高音域で自由自在にクレシェンド・デクレシェンドして、速いフレーズの中に、軽快に音階を上下するコロラトゥーラと呼ばれる歌唱法。

そしてアジリタ・・・軽快、機敏を意味するイタリア語で、オペラでは細かい音符で書かれた早いパッセージ(装飾音)のこと。

コロラトゥーラというのは、ドイツ系のテクニックで、アジリタというのは、イタリア系のテクニックという使い分けをされている考えの方もいらっしゃるようだが、自分はどちらも本質的には変わらないものと考えるし、グルベローヴァの唱法を例えるなら、この2つの表現が一番シックリくる。


オーディオで聴く限り、この人の声、このフレーズを聴くと、まさしく天からの授かりものという感がある。

なにせ、じかに聴いたことがないので、彼女に関する逸話がどんどん一人歩き、自分の中で神話化することもあった。

本番のコンサートの直前では、自分の声のコンディションを維持するために、娘との会話でも筆談を使う徹底したプロ意識。

また、声楽、つまりオペラなどの歌手の声は指向性がある。つまり音の伝わる方向の角度が狭くて、歌手の向いている方向の座席に座っている人たちと、その方向から外れている座席に座っている人では、その声の聴こえ方が違う。だからオペラものは、結構座席選びが重要。 でもグルベローヴァだけは例外で、この人の声はどこの席に座っていても同じに聴こえる、全方位の無指向性だという。まぁそれが可能なだけの歌唱力、声量な訳で、ますます彼女に対する憧憬の念が増していった。


今回の3公演は、以下のような布陣。

オペラ~ ノルマ(ベッリーニ)@Bunkamuraオーチャードホール
オペラ・アリア~オペラ名曲を歌う~2つの狂乱の場@東京オペラシティ
リート&オペラアリア・リサイタル@川口リリア・メインホール

オペラとオペラ・アリアでは、プラハ国立歌劇場を携えてのコンサートであった。

この3公演を体験して、感じたグルベローヴァの印象を統括的に述べてみる。

3公演を通じて感じたことは、彼女はすごいスロースターターだなぁ、ということ。(笑)

オペラ歌手や合唱団などの声もののコンサートは、自分が経験した中では80~90%の確率でこの定説は間違いなく当て嵌まる。ほとんどがそうだった。

最初のときは、喉が充分に暖まっていないこともあり、聴いている聴衆があれ?本当に大丈夫?と心配するほど、かなり不安定なものなのだが、中盤から終盤にかけて、エンジンがかかってきて、もう最高に感動するくらいの歌唱力で圧倒するエンディング。

特に、グルベローヴァはその傾向にあって、かなりのスロースターター。3公演ともそうだった。エンジンがかかりだすまで、結構時間がかかるという印象だった。もう御年70歳ということもあり、そういう部分もあるかな、と感じたし、なかなか全盛期のようにはいかないのだろうと思う。

オペラの「ノルマ」のときは、もう最初は絶不調の極みで、耳を疑った。
でも中盤から終盤にかけて、喉が暖まってくると、まさに感動の頂点とも思える様な熱唱ぶりで、前半と後半では別人のようだった。

生で聴いたグルベローヴァの声の印象は、いまどきの全盛期の歌手たちと比較すると、声の線が細くて、非常に繊細で、デリケートな声質だな、と感じた。圧倒的な声量でホールを圧するという馬力型のタイプの歌手ではなく、線の細い透き通るような美声で、でもツボに入った時の熱唱は、まさにホールを圧すると言ってもいいほどの聴衆への説得力があり、比較的緩急のある表現力をもった歌手だと感じた。

そして、印象的だったのは、選曲にもよるのかもしれないが、彼女の歌い方は、非常に難しい、テクのいる唱法だな、と感じたこと。なんかすごい歌うのが難しそうに感じるのだ。彼女の声が、いまいち不安定に感じるのも、その歌い方に起因していて、あの難しい声の回し方で、安定して歌うことって相当技術のいることなのでは?と思うのだ。

自分がいままでの聴いてきたオペラ歌手のソプラノは、もっと聴いていてイージーに歌っているように感じるし、安定感もある。でもグルベローヴァの歌い方は、声がデリケートな繊細な声質である上に、コロラトゥーラのような超絶技巧の唱法を伴って歌うので、本当にだれもが歌える訳ではない、普通のオペラ歌手では歌えない、コロラトゥーラ歌手だけが歌える技巧の難しい歌い方と感じてしまう。

だから余計不安定要素も目立ってしまう。。。そんな感じがするのだ。
そのような技巧的な歌い方をしながら、ツボに入った時の熱唱のアリアの部分では、まさにホールを圧するという感覚があるので、その相乗効果で聴衆はいっきに興奮のるつぼと化す。そんな感じの印象だった。彼女のコンサート全般を通して。


あと、もうひとつ驚異的だったのは、そのピッチ(音高)&キーの高さであろうか?

ピッチ&キーの高さが普通のオペラ歌手のソプラノより遥かに上域で、突き抜ける高音という感じがして、ちょっと自分がいままで聴いてきたオペラ歌手のソプラノとは異質な世界を感じた。コロラトゥーラの技法もさることながら、このような基本的な声域の高さが、ちょっと普通のオペラ歌手と違うので、いままで聴いたことのない脅威な声質だと感じた。

ちょっとこういうタイプの声質&歌い方をするソプラノ歌手は、聴いたことがないなぁという感じ。

オーディオなどのCDで聴いている分には、確かにすごい超絶技巧の歌い方であることはわかるのだけれど、でも実際生で聴いた感動は、その超絶技巧・表現力がより一層デフォルメされている、と思えるぐらい鮮烈に聴こえる。

臨場感、迫力、発声の張り出し感など、その一瞬の感動の大きさは、やはり この点、生演奏には絶対かなわないと思ったところでもあった。


もちろんいいところばかりではない。自分は全盛期の彼女を知らないので、いまとの比較はできないが、どうしても高域の部分は、苦しそうな歌い方をしていたし、歌っている最中も、つねに不安定な部分が見え隠れするのも、全盛期だったら、ばっちり安定していたんだろうな、という想いを抱きながら聴いていたことも確かだ。

でもこれが御年70歳の歌手のパフォーマンスと思えるだろうか?信じられない位の若々しさで溢れ出ていたし、引退なんてまだまだしないでほしいし、いまでも十二分の一流のパフォーマンスができていると思う。




なによりも、最高に自分が感動、印象に残ったのは、カーテンコールなどでの彼女のステージ上での立ち振る舞い。

その振る舞いそのもの、手の指先の表情に至るまで、じつに往年のスーパースターらしい貫禄があって、まさに優雅で、凛とした立居姿・立振舞いに、長年オペラ界で最前線を走ってきたスーパースターの経験の積み重ねが自分の意識なしに、そういう所作、振る舞いに自然と現れているものなのだと思えた。

自分は、この最後のカーテンコールでの彼女の凛とした立居姿に、相当参ってしまった。

グルベローヴァに抱いていた積年の想いは成就した。
感無量としか言いようがない。

繰り返しになるが、今回のこの一連の公演を実現してくれた招聘プロモーターさんたちには、 本当に感謝の限りです。

じつは、非公式ではあるけれど、来年も「ランメルモールのルチア」で日本に来てくれるようなのです。

あっちなみにですが、一番最後の昨晩の埼玉県川口でのリート・リサイタルでは、アンコールの最後に、日本語で、「さくら・さくら」を歌ってくれる大サービス!もう観客席は、大歓声で、大いに盛り上がりました。

サービス精神旺盛で感動的なコンサートを本当にありがとう!


Bunkamuraオーチャードホールでのノルマ

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この上の写真はFBの「チェコへいこう!」さんの公式ページから拝借しています。

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東京オペラシティでのオペラ名曲を歌う。(前半と後半でドレス衣装替え!)

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川口リリア・メインホールでのリート&オペラアリア・リサイタル

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2016/11/6 ベッリーニ「ノルマ」
      Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ペーター・ヴァレントヴィチ
      管弦楽:プラハ国立歌劇場

      ノルマ:エディタ・グルベローヴァ
      アダルジーザ:ズザナ・スヴェダ
      ポリオーネ:ゾラン・トドロヴィッチ 他


2016/11/9 エディタ・グルベローヴァ オペラ名曲を歌う~2つの狂乱の場~
      東京オペラシティ

      指揮:ペーター・ヴァレントヴィチ
      管弦楽:プラハ国立歌劇場

      前半
ロッシーニ 「セビリアの理髪師」序曲
      ドニゼッティ「シャモニーのリンダ」第1幕からアリア「私の心の光」
      ドニゼッティ「ドン・バスクァーレ」序曲
      ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」第2部 第2幕から~狂乱の場~
            (「あの方の優しいお声が」~アリア「苦い涙をこぼして下さい。」)
      ドニゼッティ「ロベルト・デヴリュー」序曲
      ドニゼッティ「ロベルト・デヴリュー」第1幕から
             (公爵夫人、熱心な嘆願を~」~アリア「彼の愛が私を幸せに
                                      してくれた」)


      後半
      ベッリーニ「ノルマ」序曲
      ベッリーニ「清教徒」第2幕から~狂乱の場~
           (「ここであなたの優しいお声が」~アリア「いらっしゃい、愛しい方」)
      マスネ  「タイス」から間奏曲”タイスの瞑想曲”
      ベッリーニ「異国の女」第2幕から
           (私は祭壇に・・・慈悲深い天よ」~アリア「ああ、儀式が始まり
                                 
ます。」)

      アンコール
      プッチーニ「トゥーランドット」(「お聞きください、王子様)
      J.シュトラウス「こうもり」(「無垢な田舎娘を演じる時間」)

2016/11/12 エディタ・グルベローヴァ ソプラノ・リサイタル
      川口リリア・メインホール

      ピアノ:ペーター・ヴィレントヴィッチ

      P.チャイコフスキー (6つの歌 Op.6)より、
                第5曲「なぜ?」
                (6つの歌 Op.16)より
                第1曲「子守歌」

      リムスキー=コルサコフ (春にOp.43)より
                   第3番「清くかぐわしいあなたの立派な花環」
                   第2番「高嶺に吹く風もなく」

      A.ドボルザーク (ジプシーの歌 Op.55)より
              第1番「私の歌が鳴り響く、愛の賛歌」
              第2番「さぁ聞けよ私のトライアングル」
              第3番「森はひっそりと静まりかえり」
              第4番「わが母の教えたまいし歌」
              第5番「弦の調子を合わせて」
              第6番「大きなゆったりした軽い亜麻の服を着て」
              第7番「鷹の翼はタトラの峰高く」

      ~休憩

      G.シャルパンティエ 歌劇「ルィーズ」より
                ”その日から”
      G.プッチーニ 歌劇「つばめ」より
               ”ドレッタの夢の歌”
      E.ディラクァ 牧歌
      A.アリャビエフ 歌曲「夜鳴うぐいす」
      J.シュトラウスⅡ 歌劇「こうもり」よりアデーレのアリア
               ”侯爵様、あなたのようなお方は”

      ~アンコール
      スメタナ キス
      ピアノソロ:ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番&その他の曲などの即興アレンジ
      ワーグナー タンホイザーより
      さくら






PENTATONEの新譜:児玉麻里・児玉桃によるピアノ・デュオ「チャイコフスキー・ファンタジー」 [ディスク・レビュー]

ピアノ録音で素晴らしいと思うレーベルは、2chなら文句なくDG、そして5.0サラウンドならBISといったところが自分の好みの基準。

特にDGなんかは、歴史・伝統があり、数多のピアニストの作品を残してきた。最近の新鋭ピアニストが、みんなDGとそそくさに契約してしまうのは、そういった過去の積み重ねと、他レーベルを圧倒的に駕倒する、その歴然としたピアノ録音の技術レベルを感じ取っているからではないだろうか?

DGやBISに、どちらにも共通する、そのピアノサウンドの特徴は、硬質でクリスタル系であるということ。

特にBISは、全体的にクールダウンした温度感低めのサウンドで、ワンポイント録音の彼らは、マイクから程よい距離感があって、そういう空間がはっきり認識できて、その中でクリスタルに鳴るので、異様に美しく感じる。どちらかという薄味のサウンド。

それに対し、DGは、かなり音の密度感が濃くて、いわゆる骨格感がしっかりしていて、男らしいサウンド。そういう音の芯がしっかりしていながら、クリスタルに鳴るので、これぞピアノ録音の王道と思えるような境地を感じる。

特に彼らDGが録って造り上げたピアノの音というのは、単にコロコロ転がる美しさではなく、1音1音に質量感があって、タメのある鳴り方をするので、それに打鍵の美しい余韻が加わり、まさに濃い、美しいピアノの音色が聴けて、極上と思うのである。



PENTATONEのサウンドは、基本はとても柔らかい質感で、いわゆる暖色系とよばれるような温度感の高いサウンド。(このようにレーベル、つまり技術者によって音の造り上げ方、音のイメージが全然違うので、じつに面白い。)

なので、じつは自分的には、PENTATONEのサウンドというのは、あまりピアノには向いてないのでは?、と思っていた。もちろん彼らのピアノ作品もそういう先入観なしに聴くと、それはそれで適した素晴らしさがあるのだけれど、自分はやっぱりピアノは硬質でクリスタル系が好きなんだな。(笑)

ところが、今回の児玉麻里・児玉桃姉妹によるピアノ・デュオのPENTATONEの新譜を聴いたときに、その過去にずっと抱いていたイメージが払拭されて、まさに驚愕であった。

彼ら独特の柔らかい質感の気配は残しつつも、かなり硬質寄りのサウンドになっていて、音色もクリスタル。そして適度な空間感もある。とてもPENTATONEのサウンドとは思えなく、自分の耳を疑った。


なんと洗練された音なのだろう!


アラベラさんの新譜のときにも思ったのだけれど、ポリヒムニアの音の録り方、作り方は、本当に年々どんどん進化しているというかすごい洗練されてきているのがよくわかる。もう聴いた1発目の出音のニュアンスで、完璧にわかるのだ。

いやぁ洗練されているよなぁ、という感じで。

先日ユリア・フィッシャー来日公演に合せて、彼女の旧譜を聴いたのだけれど、当時はあれだけ興奮したサウンドだったのだけれど、いまの垢抜けた音作りを聴いてしまうと、どうしても古さを感じるし、やっぱり時代の流れってあるよなぁと感じるのだ。

技術の進歩ってほんとうに早い!

とにかくPENTATONEサウンドらしくない音で、時代の最先端をいくようなピアノサウンドと言ってもよく、自分の判断基準では、おそらくPENTATONEの過去のピアノ作品の中では最高傑作のサウンドだと断言できる。

なんでも編集時に6人のエンジニアの耳(過去最高?)で入念にチェックを重ねた万全の作品だそうであるから、その成果は十分に成し遂げれらたのでは、ないだろうか。 



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『ピアノ連弾による3大バレエ~アレンスキー、ラフマニノフ、ドビュッシー、ランゲリ編曲』 
児玉麻里、児玉桃

https://goo.gl/e7mTTk


児玉麻里・児玉桃姉妹によるデュオ作品というのは、じつは意外や意外、はじめてのことらしい。
麻里さんのほうは、PENTATONEでベートーヴェンのピアノソナタ全録音の偉業を達成しているし、桃さんのほうは、オクタヴィア、ECMで録音を重ねてきて、昨今は、ヨーロッパ、日本でのコンサートなど、その活躍・躍進は本当に目を見張るばかり。

麻里・桃姉妹によるデュオ作品をPENTATONEから出そう、という企画は、輸入元のキングインターナショナルさんのアイデアだったようだ。PENTATONEのリリース計画で、そのことを知ったときは、本当に夢のような気分だった。


今回の扱う作品&テーマは、「チャイコフスキーの三大バレエ作品」を、いろいろな編曲家によって編曲されてきたピアノ・ヴァージョンの曲をデュオで弾こうという試み。


ラフマニノフ編曲の『眠りの森の美女』と、ドビュッシー編曲による『白鳥の湖』など、本当に耳慣れたチャイコらしい親しみやすい旋律が最高に癒される。チャイコの三大バレエ作品は、もうクラシックファンに限らずとも、誰もが聴いたことのあるその優雅な旋律の宝庫ともいえる、本当に美しい作品の集まり。

特に、超お宝がアレンスキー編曲による『くるみ割り人形』。この編曲は楽譜が極めて入手困難なため伝説となっていたそう。それがついに音になった。アレンスキーは『くるみ割り人形』全曲を4手連弾用に編曲しているが、ここでは人気の組曲ナンバーと『パ・ド・ドゥ(グラン・アダージョ)』を披露。ピアノ・デュオ書法を知り尽くしたアレンスキーならではの効果が素晴らしい。(HMV記載の輸入元情報から抜粋)

自分は、チャイコの三大バレエの作品の中では、『花のワルツ』が最高に大好き。なんかお花畑にいるようなメルヘンティックな旋律で、聴いていてとても幸せな気分になれる。この曲は、アルゲリッチのDG盤を昔かなりの頻度で聴いていた。実に久しぶりに聴いて、やはりいい曲だよなぁとしみじみ。

このようなメロディの宝箱のような華やかな作品を、4手連弾のピアノデュオで聴く。

オーケストラ・ヴァージョンと比較しても決して聴き劣らない、聴く者を充分に満足させてくれる、圧倒的な音のボリューム感。

逆にピアノだからこそできる、軽やかさ、軽快感など、その絶妙な2人のやりとりは、たぶんお洒落感覚の極致だと思う。

4手連弾のピアノデュオと聞くと、どうしてもピアノにしては音数が多くてヘビーなイメージが湧いてしまうのだが、このアルバムを聴いたときは、はて?4手連弾?と感じることが多いくらい、ふつうの2手の作品のように聴こえてしまう。

重音ではなくて、うまく時系列的に4手が繋がっているような巧妙さを感じて、とても軽やか。
この作品を、ピアノに編曲した編曲家もすごいのだけれど、やはり児玉姉妹のピアノタッチの奏法の素晴らしさも大きな要因じゃないかな?


今回のこのアルバムは、ポリヒムニアが録音で使うオランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5で録られた。もうこのスタジオは、おそらく専属契約していると思われ、ポリヒムニアは、ずっと昔から、このスタジオを使い続けてきた。

以下、その収録の模様を、ポリヒムニアのFB公式ページから拝借してご紹介。


オランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5
こんな感じで、スタジオにピアノが2台置かれていました。

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収録中に仲良く記念撮影。(ポリヒムニアのジャン=マリー・ヘーセン氏は、今回録音エンジニア&編集を一気に引き受けた。)

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お仕事中。

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フォト撮影

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自分は、ライブな生演奏も好きだけれど、やはりオーディオファンなので、このように、”いわゆる作り上げた音”の作品が好き。

やっぱり録音って芸術作品だと思う。

生演奏は生演奏の良さ、感動があるけれど、こういう録音の素晴らしさ、「ピアノがこんなに綺麗に録れているなんて!なんて素晴らしい録音なんだろう!」エンジニアの苦労を評価できるのは、なんとも言えないオーディオだけが持っている価値観だし、オーディオファンだけが持ち得る幸せだと、思う。

自分は、録音エンジニアたちが、この空間を切り取ってくる、その芸術作品につねに尊敬の念をやまない。

チャイコの4手連弾は、過去に何枚も作品はあるかもしれないが、今回の児玉姉妹による作品には、過去のその時点では捉えられなかった「音のさま」があって、なんと言ってもうむを言わさぬ説得力がある。

過去最高のチャイコのピアノ4手連弾作品と堂々と胸を張って言えるし、ちょっと早いけれど、クリスマス・プレゼントとして贈るには、あまりにぴったりな軽妙洒脱な作品に仕上がっている、と思う。


ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル [国内クラシックコンサート・レビュー]

自分のクラシック音楽人生の中で、ユリア・フィッシャーを生で観れるとは思ってもいなかった。
自分からヨーロッパに出向いて会いに行かない限り縁のない類のアーティストだと、ずっと思っていた。
 

若くして10代の頃に8つの国際コンクールで優勝するという凄さで、そのうちピアノ部門が3つというから、本当に恐れ入る。まさにヴァイオリンとピアノの両刀使いの才能なのであるが、彼女自身としては、ヴァイオリンのほうが演奏家人生としての本筋である、ということも周囲の知るところでもある。

2006年7月には23歳の若さでフランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授に就任している。(ドイツ史上最年少記録!)

本当に若くして、大変な才能の持ち主なのだけれど、不思議と日本とは縁がなかった。

トッパンホールが、2004年に彼女のリサイタルを招聘して(現在も続く「エスポワール・スペシャル」)大成功を収めた後、2006年、2009年の2度にわたってリサイタルで招聘したのであるが、いずれも中止。そして今回のリサイタル開催において、じつに12年振りの来日ということになった。

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今回の来日に際して、さらにジャパン・アーツが東京オペラシティで、同内容のリサイタルを招聘してくれた。

本当にうれしい限りである。
この時期に、彼女を呼んでくれるなんて夢にも思わなかった。

ユリア・フィッシャーのことは、過去に何回も日記に書いてきているので、繰り返しになるので詳細には書かないが、自分にとって、ユリア・フィッシャーといえば、PENTATONEレーベル。PENTATONEといえば、ユリア・フィッシャーだった。

それだけ自分の青春時代の圧倒的な存在。

PENTATONEの存在を知ったのは、mixiに入会した2009年であるから、彼女を知った時期としては晩年なのかもしれない。でもPENTATONEから次々とアルバムをリリースする彼女はじつに輝いていた。

いまは亡きヤコブ・クライツベルク指揮のオランダ放送フィルとの数々のコンチェルト、そして室内楽では、今回のパートナーでもあるマーティン・ヘルムヘンとの作品。ユリアとマーティンは、まさに美男美女のカップルで、PENTATONEの黄金時代を支えてきた看板スターの2人と言っても過言ではなかった。 

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ご覧の2人のシューベルトの室内楽作品は、まさに珠玉の作品でかつ優秀録音で、この作品で、ドイツの名誉ある「エコークラシック賞」を受賞している。

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mixiに入会したての頃は、自分はどちらかというと音楽というよりオーディオ寄りのスタンスだったので、その点からしても、PENTATONEのユリア・フィッシャー盤が、いわゆるオーディオオフ会の定番のソフトだったりしたのだ。

コンサートホールでのセッション録音全盛時代のいまと比較すると、彼らポリヒムニアがよく使うオランダ・ヒルヴェルスムのMCOスタジオや、ロシア・モスクワでのDZZスタジオ5といった専属契約のスタジオで、比較的小編成のスタイルで録る”スタジオ録音”というのが主流だった時代。

結構エンジニアの脚色がよくついた技巧的な作品で、オーディオ的快楽を強調したような、オーディオマニアが喜びそうな、聴いていて気持のいい録音作品が多かった。

いまでこそ聴く機会も少なくなったが、ユリア盤は自分の宝物であるし、今回リサイタルを聴いてきて、久し振りにユリア&マーティンのシューベルトの室内楽作品を聴いていたりする。

さて、そんなじつに12年振りのユリア・フィッシャー&マーティン・ヘルムヘンによる室内楽リサイタル。東京オペラシティ&トッパンホールともに、当初のプログラム3曲に出演者側の要望で、1曲プラスされるという構成だった。

東京オペラシティ
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トッパンホール
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はじめて、ユリアを生で観た印象。

誇張した表現・オーバーアクションがない極めて正統派の演奏スタイル。ユリア盤を聴いてきて、あれだけの音を出すのだから、さぞかしすごいダイナミックな演奏に違いないと思っていたのだが、ある意味拍子抜けしたくらい。じつに真っ当なスタイルで、背筋がピンとしていて、弓の上げ下げのボーイングも、幾分腕の動きが縦気味であるものの正統派そのものであった。

しかし奏でる音は極めて力強くパワフルで、安定感抜群。ボウイングの弓を引く力が段違いに強い。非常に男性的な演奏だと感じた。まずなによりも音程がいい。ホール空間の中の定位感、見事なまでにある。

体格は、かなり華奢で小柄なタイプなのだが、そのサイズからは想像できないくらいの上げ弓、下げ弓がパワフルで、キビキビしている。

それでいて的確で繊細なヴィブラートや情熱的なフレージングといった男性奏者顔負けの強烈で個性のある演奏なのだ。

PENTATONEの現マドンナのアラベラさんは、非常に繊細で女性的で弱音表現に長けていて、演奏表現自体も外から見て絵になることを意識しているヴィジュアル・クラシックだと感じる。ユリアはその対極にあるような男性的な奏者で全くタイプが違うのだと思えた。

前半3曲は、どちらかというと、「ソナチネ」という「ソナタ」よりも小さめの可愛いらしい作風ということもあって、完璧なまでに綺麗にまとめ上げているという印象で、つつがなく、という感じ。なので、そこには、美しい作品と思うことはあっても、こちらの心を大きく揺さぶるまでの感動を与えるとまでは言えなかった。

ところが、最終のブラームスのヴァイオリン・ソナタ3番。

これには恐れ入った、心が揺れた。

とくに最終楽章に向けて、怒涛の波が押し寄せるように、どんどんクレッシェンドしていくときの強烈なパッセージの連続、彼女の体全体も何回ものけぞるように、リズミカルで、観ているほうが、どんどん興奮のるつぼに陥ってしまう。

まさにブラボーだった!

終演後は大歓声。最後はさすがに魅せてくれた。

この最後のブラームスが、このリサイタルのすべてを語っていると言ってもよかったのではないか?

相棒のマーティンの安定した和音進行の妙は見事というしかなかく、しっかりユリアの演奏に華を添えていた。

ずっと長年自分が想いを寄せてきたユリア・フィッシャーというヴァオイリニストを、「どうだ!すごいだろう!」と周りに自慢げに思えた一瞬だった。

歓喜はこれだけは終わらなかった。

なんとアンコールでは、ユリアはヴァイオリンを持たず、マーティンと一緒にピアノを披露!
これには観客は湧いた!

しかし、本人のアイデアなのか、主催者側の要望なのか、わからないが、なんと気の利いたイケているアンコールなんだろう。(笑)ユリア・フィッシャーがピアノの達人ということをみんな知っているだけに、余計に盛り上がる。

素晴らしい饗宴の一夜だった。
自分の長年の想いは成就した。

今回、ユリアを呼ぼうという夢を実現してくれた招聘プロモーターのジャパン・アーツ&トッパンホールさんには、本当に感謝する限りです。

どうもありがとうございました。


東京オペラシティでのサイン会

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トッパンホールでのサイン会

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いずれも両日とも大変な長蛇の列でした。




ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル

2016/10/15(土)14:00~ 東京オペラシティコンサートホール
2016/10/16(日)15:00~ トッパンホール

ヴァイオリン:ユリア・フィッシャー
ピアノ:マーティン・ヘルムヘン

前半

ドヴォルザーク:ソナチネ ト長調 Op.100

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調 D.408

~休憩

後半

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 ニ長調 D384

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108

~アンコール

ブラームス <<F.A.E.ソナタ>>より第3楽章 スケルツオ

ハンガリー舞曲集より第5番 嬰ヘ短調(4手連弾)


LCC専用 成田国際空港 第3ターミナル [雑感]

1年間の年間のうち、海外旅行と小澤さんの松本の音楽祭、などいろいろ予算取りをする。インとアウトの関係で、インは決まっているので(笑)、要はアウトをいかに工夫して充実した音楽ライフ、オーディオライフを過ごすのかを決めるのが予算作成の醍醐味。

その予算決めの中で、毎年頭が痛いのが、夏のお盆と年末年始のお正月の年2回の北海道の帰省。

母親から言わせると、「金かかるから、帰ってこなくていい!」と言うのだが(笑)、このようなことを言っている間は、元気で何よりなので、息子として安心なのだ。逆にメソメソされると心配になってしまう。

普通のANAやJALのレガシーキャリアは、じつはずるくて、お盆の時期と、年末年始は、激混みが分かっているので、航空券の値段を高く吊り上げるのだ。

この時期だと、東京⇔札幌で、往復で6万!

年2回だと、12万!もちろんこれは航空券代だけなので、他に交通費、食費、雑費でさらに上乗せ。

じつは、この年2回の帰省というのは、結構予算組みの中で、かなり負担だったりする。

そこで、北海道行専門のキャリアであるAIR DOが激安チケットということで、話題になったが、でもANAやJALもすぐに値下げしてきたので、あまり大差ない。

いままでは、AIR DOを使っていた。それでも、この時期だと6万弱であまりありがたみがない。

どうしても、この問題を解決したい自分としては、最近話題のLCC(格安航空キャリア)に目を向けたくなった。LCC自体は、ずいぶん前から話題になっているが、自分は時流に乗るのが遅いので、ようやく腰を上げた。(笑)

原則LCCは、自宅のパソコンで航空券を予約して、チェックインもパソコンからWEBチェックイン。そうすると搭乗券がダウンロードできて、印刷すれば、ハイ出来上がり。

空港で、いちいちカウンターや、自動発券機での手間がないから、らくちん!空港に入ったら、そのままゲートに直行。

気になるお値段の方であるが、LCCだと、東京→札幌 片道3400円から、なんて広告バナーが出ているくらいだから、さぞかし安いのだろう!と期待したのだが、実際買ってみると、お盆や年末年始ということもあるのか、往復47000円あたりで、思ったほど安くないのだが、でも気持ち程度。。。


でも圧倒的にいいと思うのは、チャージがかかるけど、予約の渡航日の変更がパソコンからなので、らくちん。

そして普通の航空券だと、渡航日の2か月前に発売開始となるのだが、LCCは、もっと早くから買えてしまう。(ちゃっかり今年の年末年始のチケットも買ってしまいました。)

こうしてみると、全部自宅のパソコンで全部できてしまうので、超らくちんなのだ。


国内便だが、LCCの発着陸の空港は成田国際空港の第3ターミナルになる。

自分が、LCCを使ってみようと思ったキッカケは、あるTV番組で、この成田国際空港の第3ターミナルを特集していたのを見たことだった。

とにかく海外旅行の国際便で羽田に押され気味の成田。運営も厳しいものがある昨今、じつは、このLCC専用の第3ターミナルが、LCCビジネスの台頭および、その独自のコストダウン戦略で、黒字でかなり儲かっている、という話なのだ。

その第3ターミナルの独自のユニークな仕掛けなど、TVで取材されているのを見て、これはちょっと行ってみたいなぁ、今度の帰省のときにLCCを使ってみようかなぁ、という気持ちになったのだった。


なので、今回の帰省は、もう最初から第3ターミナルを日記にすべく、取材モードだったのだ。(笑)

成田エクスプレスや京成スカイライナーで、成田国際空港第2ターミナルで下車する。

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第3ターミナルは、第2ターミナルから渡り廊下で、ずっと歩いていくのだ。かなり歩く。
その距離490m。(あるいは連絡バスもあるかもしれない。)

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そうして到着。

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中に1歩足を踏み入れると、こんな風景が!
まさにTVで見た通りだ!

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とにかく第3ターミナルで視覚的にびびっと来るのは、この加工なしの剥きだしの天井と、運動会を思い起こさせるような、青い歩行レールなのだ。(笑)

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この青い歩行レールは、なんのためにあるのか、というと、要はお客さんがゲートまで、なにも考えずに、そのレールの上を歩いて行けば、ゲートにたどり着けるようになっているということ。

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普通の空港だと、掲示板のパネルとかで、その天井からのパネルを見ながら誘われて、歩いていくという感じだろう。第3ターミナルは、小さい空港なので、そんな選択肢もなし。


そしてユニークなのが、この剥きだしの天井。ここまで隠さないでおおっぴらもスゴイ。(笑)
徹底的なコストダウンを計って、天井にかけるお金を削ったのである。

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空調

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成田国際空港 第3ターミナルは、ずばり、

①国内線、国際線セキュリティーチェック
②出発ロビー(チェックインカウンター)
③フードコートなどの24時間過ごせるエリア

この3つからなる。

まず①、こんな感じ。

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②はこんな感じ。

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基本搭乗券は自宅のパソコンでチェックインから搭乗券印刷までできちゃうので、敢えてこのチェックインカウンターを利用するのは、手荷物が大きい場合に預けるか、ということですかね?


そして1番特徴的なのが、この24時間過ごせるエリア。
ここは、ずっと1日中オープンなのである。

まずフードコート。

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いろいろな出店の飲食店がある。
お寿司、讃岐うどん、長崎ちゃんぽん、ハンバーガー、鉄板焼き、カフェなどなど。
この朝は讃岐うどんを食べた。うまかった!

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カフェなんて、”ミーティングポイント”だなんて、海外の空港(確かアムスのスキポールで見かけたなぁ。)の掲示板で見かける呼び名で、お洒落~♪

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そして、この24時間過ごせるエリアには、テーブルの他、横になれるソファベンチもあったりする。

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LAWSON(24時間)もある。(笑)

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さて、この後、セキュリティチェックを抜けて、それぞれのゲートに行くことになる。

正直言うと、突貫工事というか、とりあえず暫定で応急処置で作りました的な感じ(笑)で、貧乏っぽいところが、いかにもコストダウン的な感じだなぁという印象を受ける。

やはり成田空港が建てられた当初は、LCCというビジネスは存在しなくて、後でできたものであるから、このような突貫工事的な造りなのも仕方ないのかもしれない。さらに徹底したコストダウン戦略というのもあるのだろう。

ここがゲートの集まっているエリア。

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各ゲートの待合室の座るところは、こんな感じで、背もたれがほとんどない。普通の空港みたいに快適ではないのである。(笑)

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そして飛行機に乗り込む。

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自分はこの日にLCCを使うまで、まだどこかにLCCに対して懐疑心があって、完全移行しよう!という気持ちに成りきれなかった。

その気持ちを吹っ切ってくれたのが、この機内の様子だった。

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もちろん小さい飛行機なのだけれど、思っていた以上に、機内は広くて、なによりもキレイ!
これで自分の印象は倍増アップ!

この下部の部分に網掛けがなくて、あぁ、ここも削除してコストダウンなんだなぁ、と思ったら・・・

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上のほうにあった。(笑)

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機内中のドリンクサービスも、あらかじめ、ネットで予約するときに、そのサービスを注文するかどうか選択出来て、CAのお姉さんは、そのインプットされた座席データをもとにドリンクサービスをおこなうのだ。




この後、札幌から東京に帰京するときの第3ターミナルの様子。


手荷物カウンター。まぁ普通ですね。

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じつは、この第3ターミナルの特徴的なサービスに、早朝便とかあった場合は、前夜に空港内のカプセルホテルに宿泊できるなどのホテル施設もあったりするのだ。また出発に備えて、24時間滞在して過ごせる徹夜エリアもあるのだ。

これらの施設は、第3ターミナルにあるのではなく、第2ターミナルのほうにある。

第2ターミナルの端のほうで、第3ターミナルの通路側に位置するところに、”北ウェイティングエリア”というスペースがあるのだ。

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畳で過ごせるようなところもある。

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夜22時くらいだったので、人はほとんどいませんでした。

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WiFiもブロードバンドでサクサク。

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そしてカプセルホテルのほうにも行ってみる。

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なんか怪しげ。(笑)ホントに個室という感じで、写真の扉のところに男性のマークが印字されているけど、なんかトイレみたいですね。(笑)



こうやって第3ターミナル探検も終わり、こうやって考えてみれば、決め手は、やはり機内の綺麗さで(少なくともAIR DOと大差ない。)、そして、航空券予約やWEBチェックイン、搭乗券印刷、予約変更が自宅のパソコンで簡単にできる容易さ、が、次の決め手で、これはLCCに完全移行してもいいかな?と確信できたのでした。

でも海外旅行のような十数時間の長旅には、とてもでないが、LCCは使いたくないな。
やはり普通のキャリアで普通のサービスがいい。

LCCは、年2回の北海道帰省用ということですかね。


あえて難を言えば、成田って遠いよな、ということで、成田エクスプレスは運賃も高いし、夜は早く終電になってしまう。やはり京成スカイライナーが主役だと思うが、運賃も手頃だし、夜遅くまでやっている。でも日暮里は、あまりにアクセスが悪い。

海外旅行で国際便のシェアを、羽田に奪われつつある成田空港。自分の時代には、海外旅行と言えば成田だった。成田が、ビジネス的に勢いを盛り返すのは、いまや、このようなLCCなどのシェアでやっていくという流れなのだろうか・・・。


小澤征爾&ズービン・メータがウィーンフィルを振る。サントリーホール30周年記念ガラ・コンサート [国内クラシックコンサート・レビュー]

この日のコンサートは、コンサートというよりは、セレモニーと言ったほうがいいかもしれない。内容の良し悪しを云々言うのは野暮だと思いました。

贅沢を尽くしたコンサート。

そして、年間で、ここは!絶対に抑えておかないといけないコンサートでもある。

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今年開館30周年になる東京・赤坂のサントリーホール。

首都圏のクラシック文化をずっと支えてきたこのホールも30周年の節目を迎え、今季が過ぎたら、音響改修工事などのメンテナンスで一時的に休館に入る。

その30周年を祝う、所謂ガラ・コンサートを開いて盛大にお祝いしようという試み。

サントリーホールは、ウィーンフィル&ウィーン楽友協会と親密な提携関係にあって(ウィーンフィルは毎年来日して、サントリーホールで来日公演をやるのが常になっている。)、この盛大な祝賀コンサートをウィーンフィルが担うことになった。

指揮者はズービン・メータ。自分も、数年前に、メータ&ウィーンフィルの来日公演をサントリーホールで経験したこともある。そこに急遽、小澤征爾さんが友情出演ということで、参加することになった。小澤さんとメータは、もう同じ釜のメシを食べてきた同士のような関係で深い友情で結ばれている。

後述するエンドロールを見てほしいが、ソリストや演目も信じられないくらい贅沢に贅沢を尽くしたコンサート。

ヴァイオリンにお馴染みアンネ=ゾフィー・ムター、そしてソプラノに、ウィーン国立歌劇場など多数のオペラハウスなどで活躍著しいヘン・ライス。

演目も、モーツァルト「フィガロの結婚」序曲から始まって、シューベルト「未完成」、そして、武満徹「ノスタルジア」、ドビュッシー「海」、そしてとどめは、ウィーンフィルのお家芸である多数のワルツ・ポルカ。

普通の公演なら19:00~21:00くらいの2時間のものを、今日は18:00~21:00の堂々3時間!

チケットのお値段も信じられないくらいプレミア高額チケット。



よく、ウィーンフィルを聴くなら、なにも高額支払って日本で聴かなくても、本場ウィーン楽友協会で、安い値段で聴けるんだから、そのほうがずっとリーズナブルでしょ?と言っている人も多いが、自分はそれはおかしいと思う。

やはり今回の主役は、サントリーホールなのであって、サントリーの祝30周年を”日本人”としてみんなで祝いましょう、という主旨なのである。日本人だったら、この主旨の元、絶対日本で聴くべきだし、いわゆる贅沢の限りを尽くして、生涯の記念となるべくお祝いしたい指向もよくわかるし、それに見合うだけのステータスとしては、高額チケットもやむを得ないと、自分は理解できる。

日本人であれば、日本の催しごとは、日本で聴くべきなのである。


初日のこの日は、首相をはじめ、サントリー首脳陣、政財界大物など集まって、かなり物々しい雰囲気であった。

この日のコンサートは”正装コンサート”でもある。

正装コンサートは、いわゆるヨーロッパの夏の音楽祭などでは、至極当然的なところもあるのだが、日本の夏の音楽祭では、フォーマルな衣装を要求するという音楽祭はほとんどなくて、夏の音楽祭に限らず、日本でこういう正装コンサートというのは、自分にとってはちょっと記憶にない。(自分が経験していないだけで、過去何回か行われているのかもしれませんが。)

男性なら燕尾服、タキシード、女性ならドレスと言ったところであるが、この日の女性は和服が多かった。これは、素晴らしいと自分は思いました。ヨーロッパの音楽祭では、まず見かけないシーンだし、いわゆる日本独特の和の雰囲気があって、日本のフォーマル衣装でのコンサートとしては、とてもいい絵柄なのでは?と感じ入るところがありました。

自分は、今年のヨーロッパの夏の音楽祭で新調した、上下黒の礼服で臨みました。

サントリーに到着したら、もうびっくり。
うわぁ、これは、まさに記念祝賀コンサートというセレモニーだなぁ、という雰囲気いっぱい。

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レッドカーペットが敷かれている。長さは30周年にちなんで、30mなのだそうである。

開始前に、ウィーンフィルハーモニーのファンファーレを、ウィーンフィル団員メンバーによって演奏される。

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ホワイエに入ると、綺麗に花で飾られている。

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しかし、サントリーホールの内装空間の高級感やカラーリングのセンス(配色のセンス)は抜群だと思う。これだけ高級感やブランド感を感じるホールは、国内のホール中では他に類をみないと思う。

後で写真を載せるが、ステージ上もまるで、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのように周囲を花で取り囲んで飾っていた。装花は、花人 赤井 勝さんによるものである。

では、紳士淑女の集い、正装コンサートの雰囲気をご覧になっていただこう。
肖像権配慮して選び抜いたつもりだが、完璧は無理。ご容赦ください。


やっぱり日本の正装コンサートは和服だよねぇ、という印象を持ったショット。
正装コンサートはさすがに威圧感がある。よかった。今年の夏にヨーロッパで鍛えておいて。(笑)

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財団法人サントリー音楽財団理事長、サントリーホール館長、そしてチェリストでもある堤剛さん(ご夫妻で)を発見。ずっと私が撮影しているので、なんでオレを撮っているんだよ!という感じでガン見されてしまいました。(笑)すみません、ご挨拶もできなくて。(^^;;

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この日に限って、ブルーローズ(小ホール)は、ドリンクバーに早変わり。


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そしてホールの外でも歓談は行われた。

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では、いよいよコンサートの模様に移ろう。

今回の私の座席は、ここ。清水寺の舞台から飛び降りるつもりで、大枚はたいて買ったが、予想外にここだった。2階席正面の最後尾。横にTVカメラがありました。

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お祝いなのだから、ああだこうだ、は言わないつもりだったが、これだけは言わせてほしい。これでもオーディオマニアの端くれなので。(笑)

やっぱり音が遠い。不満だった。確かに響きが豊富で、オケの音の全体が俯瞰して聴けるけど、不満。直接音がガツンと腹に響いてこないと欲求不満になる。

自分は、その昔は、中央から後方での直接音が少し遠く不明瞭になるけど、響きが豊富に聴こえ、全体のフレームが聴こえるような座席が好みだった。

でも最近やや好みが変わってきている。やっぱりかぶりつきがいいのかな?(爆)
全身にガツンと来ないとダメなんですね。



やっぱりウィーンフィルのサウンドは、濡れたような艶があって色気がある。パワフルなベルリンフィルのサウンドと違って、どこか繊細で、その艶やかさというのは、特に弦と木管の音色に、そのイメージを強く意識した。金管群もやはりちょっと違う感じかな。

ウィーンフィルの合奏のサウンドは、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲、ドビュッシー「海」、そしてワルツ、ポルカのときに、よく感じ取れて、基本自分たちのイメージをよく理解していて、それにあった選曲をしているなぁ、と感じることが多かった。

オケの発音のスケールの大きさも底々つつましやかという感じで、決して広大なレンジ感で圧倒するというのとは対極にあるような感じ。この点に関しては、ある意味、日本の在京楽団のほうが迫力があるかな、と思わないこともなかった。

やっぱりウィーン楽友協会は狭いホールなので、音が飽和しないように彼らは、そこでの節制した演奏の仕方というのを身につけていて、遠征先でハコが変わっても、なかなかその演奏法を変えられないのだろう。(サントリーではずっと演奏してきている彼らではありますが。)


ソリストでは、ムターはやっぱりスゴイ!と思った。

先だって京都でアラベラさんをずっと観てきた自分にとって、どうしても比較になってしまうのだが、ヴァイオリン楽器が、対体格に対して、ひとまわり小さく見える感じを受けて、充分自分のコントロール下にあるような余裕を感じるのだ。

この余裕って、ある意味、聴衆にヴァイオリンが上手いと思わせるトリックになっているような感じもする。(あくまで自分の勝手な解釈ですが。(笑))

もちろん実際上手いのですが。(笑)

まさに、”ムター言語”とも言えるべく、彼女の独特で強烈なフレージングは、聴いている者を圧倒する。なんといっても観ていて、存在感あるよね。ちょっと通常のヴァイオリニストでは出せないオーラがある。恐れ入りました。

(アラベラさんは、ムターから弓をプレゼントされたことがあるのです。あと、ムターの奨学金で勉強していた時期があったんじゃないかな?)


そしてソプラノのヘン・ライス。遠くからでもわかる素晴らしい美貌の持ち主で、声量はいくぶん控えめではあるものの、少しヴィブラートがかかった、その美しい声質は、聴いていて癒されるし、素晴らしいと思いました。特に「こうもり」のチャールダーシュは絶品!

こういうコンサートで、楽器だけの演奏ではなく、きちんと声ものを入れる配慮がうれしい。ゴージャスの一言に尽きる。ヘン・ライスは、大変失礼ながら、歌手にあまり詳しくない自分は存じ上げなかったのであるが、プロフィールを見ると、いろいろなオペラハウスを歌い回り、経歴も素晴らしい。驚きました。


指揮者のメータ。小澤さんと同い年だったと思うが、なんか小澤さんより元気そうで(笑)、タフガイなイメージは相変わらず。外見も数年前とあまり変わらないし、健康面も良好なんですね。ドビュッシー「海」と最後のワルツとポルカを担当であるが、ウィーンフィルから、彼ら独自のサウンドを引き出すのがうまくて、さすが長年お互いのパートナー同士だな、と感じた。


そして、小澤さん。

元気そうでした。ちょっと最近気になっているのは、小澤さん、もう常時立って指揮をするのは体力的に厳しくて、いまは逆に常時座って指揮をする。大方立っていた1,2年前を知っているだけに、少し寂しい気もするが、でも指揮そのものは元気いっぱい。シューベルトの「未完成」とムターと武満徹「ノスタルジア」を担当した。


なによりもカーテンコールや、メータとのジョークのかけあいなど、本当に観客を湧かし、なんだ!小澤さん、元気そうじゃん!と思いました。(笑)

サントリーホールのこけら落としのコンサートでは、体調不良で来日できなかったカラヤンの代行で、ベルリンフィルを指揮し、「英雄の生涯」を振った小澤さん。このサントリーホールの30年の歴史では、やはり小澤さんは欠かせない指揮者だし、このガラコンサートで友情出演するのは、当然のなりゆきだと思いました。


最後のアンコールのポルカ「雷鳴と電光」では、なんと、小澤さんとメータが一緒に指揮台に立って、2人で同時に指揮をする、というサービス旺盛な粋な計らい。場内大いに沸きました。

もうここまで贅沢で、こんな感じなら、やはりコンサートとして批評するというのは野暮なことしきりで、セレモニーとして楽しむ、というのが、一番いいのだと思いました。

すばらしいガラコンサートでした。

いい想い出になりました。


小澤さんとムター
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メータとムター
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メータとヘン・ライス
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メータ
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小澤さんとメータ
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最後はみんな集まって。(小澤さんとメータ、そしてムターとヘン・ライスとでカーテンコール)
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最後のアンコールのポルカ「雷鳴と電光」のエンディングでは、ホールの両サイドからラッパのような鳴り物と花吹雪が。。。(ウィーンフィルのFB公式ページから拝借しております。)

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終演後のバックステージでの小澤征爾さん、アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)、ヘン・ライス(ソプラノ)、そしてズービン・メータ。(ウィーンフィルのFB公式ページから拝借しております。)

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サントリーホール30周年記念ガラ・コンサート
2016/10/1 18:00~21:00 サントリーホール

第1部

モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」K.492から序曲。

 指揮:ズービン・メータ

シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D759 「未完成」

 指揮:小澤征爾

第2部

武満徹:ノスタルジア -アンドレイ・タルコフスキーの追憶に-

ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター
 指揮:小澤征爾

ドビュッシー:交響詩「海」-3つの交響的スケッチ-

   指揮:ズービン・メータ

第3部

ヨハン・シュトラウスⅡ世:オペレッタ「ジプシー男爵」から序曲
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「南国のバラ」作品388
ヨハン・シュトラウスⅡ世:アンネン・ポルカ 作品117
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「春の声」作品410
ヨーゼフ・ヘルメスベルガーⅡ世:ポルカ・シュネル「軽い足取り」
ヨハン・シュトラウスⅡ世:「こうもり」から「チャールダーシュ」
ヨハン・シュトラウスⅡ世:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214

ソプラノ:ヘン・ライス
 指揮:ズービン・メータ

~アンコール

ヨハン・シュトラウスⅡ世:ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」

 指揮:小澤征爾、ズービン・メータ

 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団







京都のきめ細やかな和のセンスを楽しみました。 [国内音楽鑑賞旅行]

京都を3日間歩いて感じた印象は、とにかく繊細、きめ細やかな感じというか、”和”てきなもの、日本が古からずっと持ってきたいいものを全て凝縮したような街である、という感じだった。

自分は京都に住んでいたことがある訳ではないし、本来の京都のことを知らないのかもしれないが、でも表面的なことしか知らなくてもいいではないか、と思えるほど、素敵な印象であった。

(数か月前にTV番組かなにかで、表面向きは柔らかいけれど、結構内面は皮肉、陰湿で裏があるとか、京都を揶揄しているのを見て、あまりいい思いをしなかったのであるが。。。)

話しかけると、その応対がとても親切ということ。いつも過ごしている日常空間より強く感じる。みんなすごい笑顔で親切。”おおきに~”という言葉がとても新鮮なアクセントだった。普段、自分の周りでは、まったく聞いたことのない言葉、アクセントだったので、かなり衝撃だった。


今回宿泊したホテルの部屋(シングル)も、素晴らしく和のセンスで素敵だった。

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ホテルに帰ったら、鶴を折って、部屋の清掃担当者名。なんか細やかな心遣いだなぁ、という感じですごい和を感じる。

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こういう素敵な空間にいると、もちろんパソコンを持ち込んでWiFiでネットしていた訳だが、筆がすすむ、すすむ。(笑)普段の自分の汚い部屋で書いているのと違って、こういう京都のホテルで書くと、とても素晴らしい日記が書けるに違いない。(笑)


個室のお風呂とは別に共用の浴場もある。
こんなに和の雰囲気。京都してるー。心地よい疲労感をさっぱり流す。極楽とはこのこと。

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このような京都の寺院巡りを含め、3日間でできるだけ和のセンスを楽しんでこようと思った。しかし、太平洋戦争終結のときに、アメリカが原爆投下の候補都市として京都が入っていたという事実は信じられない驚きと怒り心頭。


京都は、日本古来よりの首都、まさに世界文化遺産の集まりのような街。それを一気に死の灰の景色と化す、破壊するなどとは、考えたくもない暴挙。

京都の寺院巡りをするときの方法は、ずばり”市バス”を使うこと。東京やロンドンは地下鉄が発達していて、地下鉄の最寄り駅に観光地もあってスイスイ乗り継いでいく。京都で、それに相当するのが市バスなのだ。

JR京都駅

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中はすごい近代的なオブジェみたい。

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この京都駅前に京都タワーがある。

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このJR京都駅と京都タワーの間に、市バスの停留所が集中しているのだ。

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ご覧のように、もう観光名所の寺院が行先になって、その寺院をぐるぐる回って巡回するように、市バスのコースって決まっているのだ。だから自分が、どの方面の寺院を巡りたいか、この市バスの掲示板を見て、そのバスに乗ればいいだけなのである。


まずは、金閣寺に行くことにした。

その昔小学生の頃に、実家の九州佐賀県へ家族旅行した時、京都に寄った。そのとき京都寺院巡りをしたとき、銀閣寺は行ったのだが、金閣寺は遠く離れているので、やめようということになって、それ以来変なコンプレックスがある。(笑)

そのコンプレックスを跳ね返すべく、20年前くらいに1人で京都旅行をして、金閣寺に行ったのだがそれ以来。金閣寺&銀閣寺と両方いっぺんに行くのは今回がはじめて。

「金閣寺道」が最寄の停留所。

入り口の正門。

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このお札が入場チケットに相当するもの。

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そして、この景色が一面に現れたとき!もうなんともいえない大感動!美し過ぎる。まさに日本が誇る世界遺産。まさに京都観光の大本命といえるところだろう。

見よ!湖面に金閣寺がそのまま映り込んでいるのがわかるだろう!(水面に映る逆さ金閣)これは、11月の紅葉のときは、もっと感動するだろうな。

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金閣寺は正式名は、臨済宗相国寺派鹿苑寺。室町3代将軍足利義満によって建てられた。まさに公家+武家+禅のコラボ、北山文化の金字塔ともいえる。

金閣寺の前の池である鏡湖池。

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グルリと回って、その荘厳なるお姿を四方から撮影する。

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大体入門して、一通りの拝観コースを歩いたら所要時間1時間くらい。


つぎに目指すは、銀閣寺。既述のように、もう京都市内は、観光地寺院巡りがしやすいように市バスが、その循環をしてくれるのでその行先を見て乗ればいいのである。

金閣寺の前の市バスの停留所では、もう銀閣寺行の市バスが走っているので、それで、そのまま銀閣寺へ直行したわけだ。

フットワーク軽い。(^^)

「銀閣寺道」が最寄りの停留所。

なんと、この向かいに京都銀閣寺ますたにがある。(笑)初日あれだけ苦労して歩いて捜したのに、市バスを使ったらあっという間。(笑)もうスルスルと誘われるように、店に入ってしまい、至極の1杯を。。。

さて、銀閣寺に向かう訳だが、ここはバス停留所から、かなり歩く。ひたすらまっすぐ直進なのだが、結構な距離歩くのだ。

そしていよいよ入り口の正門。

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このお札が銀閣寺の入場チケットに相当するもの。

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さっそく本堂に向かうべき歩いていると、前に和服の女性2人。京都やね~。(^^)

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そして銀閣寺現る。

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銀閣寺と、その周辺の庭園のありよう、だとかを見ていると、いわゆる和の洋式感というか、和のテイストというか、心に染み入ってくる深いものがあるのは、金閣寺よりも銀閣寺のほうかなぁという自分の意見。

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銀閣寺は、室町幕府8代将軍足利義政が建てたもので、正式名称は慈照寺。
義政の美的センスが光る名庭と名建築の競演といったところだろうか。

これも11月の紅葉のときは、ホントに楽しみ!



さて翌日、京都観光のために1日フリーで空けておいた。たくさん寺院を廻ろうとも思ったけれど、結構疲れていて、2つほど廻ったらもういいや、という感じになった。(笑)

まずは、平安神宮。FBへのアラベラさんの投稿を見ていると、この平安神宮を観に行った写真があったので、これは自分も観に行かねば、と急遽決めた。(ミーハー(^^;;)

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これは美しい。早朝に行ったので、人はまったくいなかったのであるが、その美しい姿に言葉が出なかった。明治時代に平安京を造営した垣武天皇を祀って創建された。


この平安神宮の近くに、ロームシアター京都があるんですね。そのとき気づきました。

京都府内唯一の2,000人規模のホールとして、コンサートを中心に講演会や映画の上映会などの開催を通じて(多目的なんでしょうかね?)、「文化の殿堂」として親しまれてきた「京都会館」が、2016年1月10日に「ロームシアター京都」として生まれ変わったとのことでした。

この話は、FBで知っていたので、ここがそうかぁということで感慨深くなりました。
いつか機会があれば、体験してみたいですね。



そしてつぎに向かったのは、清水寺。あの「清水の舞台から飛び降りる」で有名な寺院。

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これが、市バス停留所で降りてからが地獄のような思い。(笑)心臓破りの上り坂が延々と続くという感じで、登っていくのが本当にしんどかった。相当つらいです。

やっとの思いで辿り着く。清水寺では、どうしても撮りたいアングルの写真があった。
それは、とても、とても有名なアングルで、清水寺を向かって右側横の上方から撮るアングル。

ところが、なんと、その日から工事中になってその撮影の境内には行けなかったのでした。
残念極まりない!

打ちひしがれた自分は、仕方なく、下のほうから清水寺を撮るアングルにトライ。
これはなんなく成功。

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このお寺は、釘を1本も使わずに造った(いわゆる懸造という建築様式)冴えわたる職人技で、一度はめたら、決して外れない手法は地獄組みと呼ばれるそうだ。凄すぎる。




これで、もう体力的にも、また市バスでどこかの寺院を廻るという体力はなかったので、これで打ち止め。JR京都駅に戻って、待合室で少し休憩。

元気が少し出てきて、最後として、やはり京都と言えば、祇園だよなぁ、と。舞妓さんが歩く姿を撮影したい、そして京料理というのに舌鼓を打ちたい、という要望が出てきて、急遽、市バスで、祇園へ。


祇園の構造というか見所は、大きく2つに分けられると思う。

それは、いわゆる祇園商店街と呼ばれる四条通り沿いを歩くことと、あと、そこから枝道で、花見小路という通りがあって、これが昔からの京の面影を残す通り。舞妓さんが歩いているのは、この花見小路である。

まず四条通り。”おこしやす”というのが京らしい。

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こんな感じで祇園商店街が立ち並ぶ。風情あります。

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この四条通りを歩いていくと、歌舞伎の南座がありました。

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そしてここが四条通りからの枝道である「花見小路」の入り口。

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ここが花見小路。両サイドにぶらさがっている提灯が風情ある。
くぅぅぅ~残念、舞妓さんは、歩いていなかった。

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この花見小路にある京料理の料亭はたくさんあるのだが、ここで1軒見繕って入ってみる。

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こんな間に通された。畳の部屋なのにテーブルと椅子だ。(笑)

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さっそく、ランチメニューの京料理のフルコースを頼む。4000円です。
全品載せたら大変なので、抜粋で。

いやぁ京料理は、見た目、もう芸術というか、繊細な和のテイストいっぱいで、美しいし、もちろん美味しい。小品の集まりなのだけれど、結構フルコース食べたらおなか一杯になります。

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花見小路には、ほんとうに魅力的な京料理の料亭がいっぱい。
祇園に来たら、舞妓さんを見るという目的は達成できなかったけれど、十分満足でした。



そしてふたたびJR京都駅に戻って、あとはひたすら夜20時の帰京の新幹線まで時間潰し。

今回、京都に旅行するということで、いろいろガイドブックを買い込んで、予習したのであるが、ある疑問があった。

それは、やたらと抹茶関連の食が充実していること。抹茶そのものや抹茶パフェ、抹茶スィーツ、抹茶カフェラテ、などたくさん。紙面をかなりのページ割いて宣伝している。

なんで抹茶なの?抹茶って京都の名産なの?という疑問が湧いてきたのだ。

JR京都駅内にある抹茶専門のカフェ発見。
さっそく入ってみる。

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そこで、抹茶と白菊(という餡子入りの饅頭)のセットを注文。

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大変美味でございました。

そのとき、そのいままでの疑問を店員さんに尋ねてみた。そうしたら、京都の下のほうに宇治という街があって、そこがお茶の名産地なのだ、ということ。つまり、あの有名な宇治茶ですね。なので、抹茶もその宇治茶を使ってのもので、それで、有名なのです、というお答えでした。

私の謎は一気に解決してすっきり。(笑)


いい歳なので、体力的にこれらを廻るだけで精いっぱい。(でも限られた時間で、よく廻っているほうでは?)

11月下旬の紅葉シーズン真っ盛りでは、これらの美景にさらに紅葉が加わる。
相当絵になる、と思います。

さらに京都になると紅葉シーズンでは、単に寺院だけではなく、その紅葉独特の名シーンと言われるようなスポットがたくさんあって、寺院巡り以外にもそのような紅葉スポットを巡るという楽しみがあります。

国内旅行業界でも、毎年、この京都の紅葉シーズンは、大変な大稼ぎ・荒稼ぎの時期で、宿泊ホテルはどこも満席。旅行業界では1番盛り上がる時期ですかね。

東は名古屋、西は岡山に至るまで宿は、びっちり埋まっていて取れないと聞きます。
そんなことも予想していて、11月下旬の京都行きでは、もう宿泊ホテルをしっかり確保してあるのです。

11月下旬の京都は相当絵になる、というか写真映えするシーンがいっぱい撮れそう。
もう一大イヴェントというか、かなり盛り上がりそうです。本番のコンサートとともに昇天したいですね。

今回の京都ツアーでだいぶ京都の仕組みがわかってきたので、11月ではだいぶ楽になるのでは、と。

自分は食事も和党ですが、和のテイスト大好きです!




 


京都銀閣寺ますたに [グルメ]

いまから20年前の1996年ころに、前職時代のビジネスの取引先(インテル入ってる!)の方に、ノンノンさん、美味しいラーメン屋さんを紹介しますよ!と教えてもらい、いっしょに食べに行ったのが、東京日本橋にある「京都銀閣寺ますたに」というラーメン屋さん。


「京都銀閣寺ますたに」日本橋本店

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向かいにあの有名な洋食屋さんの「たいめいけん」さんもある。
いつも長蛇の列で、すごい並んでいるのだ。

東京には、じつはもう一軒、「京都銀閣寺ますたに」というラーメン屋さんがあって、田町にある。
暖簾分けだと思うが、でも日本橋本店のほうがずっと美味しいし、やはりお店が綺麗。

この「京都銀閣寺ますたに」というラーメン屋さんの元祖のお店は京都にある。

京都発祥のラーメン屋さんの暖簾分けが、この日本橋本店ということを知って、いつかは京都発
祥のお店に行ってみたいとずっと思っていたのである。

そう思いながら20年経っていたわけだ。(笑)

元祖のお店は、京都なのに、なぜ東京日本橋店のほうが「本店」と名乗っているのかわからないが、日本橋店のほうが大きいし、組織としてビジネス体という形になっているからであろう。

あと、「京都銀閣寺ますたに」という名前なのは、東京店につけられている名前で、本家本元の京都発祥のお店では、あくまで「中華そば ますたに」に過ぎないのだ。

京都発祥のお店から味などを引き継ぎ、暖簾分けしてもらいながら、京都のお店とは別に「ますたに」の前に、京都銀閣寺というその土地柄の名称をつけて、東京で商売するために、「京都銀閣寺ますたに」というビジネス体を別途新規に東京に造ったのかもしれない。


「京都銀閣寺ますたに」日本橋店の店内。

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これがチャーシューメンのネギ大盛増し。

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その1996年に教えてもらって、すっかりこのラーメンの虜になって、ずっと通い続けて20年になる常連さん。

鶏ガラの醤油豚骨がベースで、背脂醤油ラーメン、麺はストレート麺。
特徴なのは、スープが「こってり、さっぱり、ピリ辛」3層構造になっていることだ。
(上層:こってり、中層:さっぱり、下層:ピリ辛)

レンゲでかき混ぜたりしたらいけない。(笑)その3層構造のまま楽しむべきなのである。

これが背脂ラーメンなのに、こってりというよりサッパリ系っぽい感じ、不思議な病みつきな味で、ついついまた食べたくなるのである。

そんな20年通い続けてきた日本橋店の元祖のお店になる京都発祥のお店にぜひ行ってみよう!と今回の京都行に思ったのは自然の流れであろう。ということは京都に行くこと自体、20年以上はご無沙汰ということでもある。

背脂醤油ラーメンっていう類は、この京都のお店が発祥らしい。



まず、この京都発祥のお店は、京都のどこにあるのか?

ネットでググっても、出てくるのは、日本橋本店のお店の情報ばかり。
まあ行ってみてわかったのであるが、京都発祥のお店は、本当に小さなお店で、HPをご自分で作っているなどというIT化社会とは無縁のお店なのだ。(笑)

さて、どうやってたどりつくか?


一生懸命ネットでググり続けていたら、やっと見つけた!ラーメン愛好家のブログで取り上げられているのを!お店の住所も書いてあるし、さすがにブログなので地図はなく、最寄り駅が「出町柳」か「今出川駅」と書いてある。


最寄り駅から、相当歩く、とにかくめちゃめちゃ歩く、と書いてある。簡単なアクセス方法が文章で書いてあるだけなので、相当不安だったが、そのブログ情報をもとに当日トライしてみたわけだ。

出町柳駅
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メチャメチャ歩くということだったので、まず出町柳駅から少し歩いたところの定食屋さんのお店に入ってすかさず聞いてみたら、店員さんが、「ますたに」のことを知っていたのが助かった。

「歩くよ~。ここから歩いて30分以上かかる。とにかくこの前の道をずっとまっすぐ・・・・・・」ってな感じで、その情報をもとに歩いて行った。かなりずいぶん歩く。30分歩くって相当歩く、ということだよ!

基本は銀閣寺のそばなのだ。途中に京都大学の農学部キャンパスを超えてさらに歩く。

歩いても歩いても、いっこうにお店が見えてこないので、不安になり、途中何回も何回も人に聞いた。しっかし最寄り駅からこんなに歩くなんて、それ?って最寄り駅というか~?(苦笑)という感じで、ひたすら歩く。

そうして彷徨いながら、ついに発見!


「中華そば ますたに」 北白川本店。

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おぉぉぉ~!ついに発見!こんなところにあったのかぁぁあああ!という感じで感無量。

じつは、その翌日に銀閣寺に行くために市バスに乗って、「銀閣寺道」という停留所で降りたら、その向かいにちゃんとあるのでした。(爆)

みなさん、行くなら市バスで銀閣寺行きに乗って、「銀閣寺道」で降りましょう。そのほうがあっという間です。(笑)

さっそく、その北白川本店のお店に入ってみる。

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これは年季が入っている。創業60周年(昭和23年創業)だそうであるから、いかにも発祥のお店っぽく小さなカウンターと、こじんまりとしたスペースで、座って食べれるテーブル付きがあるだけ。店内のおばさんが、しきりに「おおきに~」を連発するので、うわぁ!京都って新鮮なアクセント~!という感じで、はじめて周りで鳴り響く「おおきに~」の雰囲気にとまどってしまった。


さっそく東京日本橋店で頼んでいるのと同じチャーシューメンのネギ大盛増し。

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見た目、こちらのほうが田舎ラーメンっぽい感じ。

さっそく食べてみるのだが、ひとくち目の印象は、ラーメンの豚骨醤油スープが、日本橋店に比べて、かなり臭みがあって、クセがある感じなのだ。こちらのほうが強烈。ストレート麺はほぼ同じ。

自分は、すぐにこちらの臭みのあるほうが好きになった。

やっぱり暖簾分けして長年して経過すると、味が変わっていくのかな?

もちろん基本的な麺とスープのブレンドした感じの味は、同じだし、あ~これこれ!という感じなのだが、スープにちょっと臭みがあるのが、京都発祥のお店の特徴ですかね?

でも京都北白川店の発祥の「ますたに」ラーメンは美味しかった。

とにかく東京日本橋で20年通い続けて愛してきた「ますたに」のラーメンの元祖発祥の京都のお店に行けて、本場のますたにラーメンを堪能できて感無量でございました。

11月下旬にも京都に行くので、そのときにまた通わさせてもらいますよ。(^^)




中華そば「ますたに」

創業昭和23年 元祖・鶏ガラベースの背油醤油

北白川本店

10:00~19:00 (日祝18:00まで)
月曜・第3火曜定休

住所:白川今出川交差点北西・疎水沿

電話番号:075-781-5762


京都市交響楽団 定期演奏会 9/24 & 9/25 [国内音楽鑑賞旅行]

初日の公演を聴くときは、相当緊張したのだった。京都市交響楽団の生演奏を聴くのは、人生ではじめて。深くは言及しないが、自分の音楽人生で必ず通らないといけない公演で、素晴らしくあってほしい!もしそうでなかったらどうしよう?という邪気な考えもあり、かなり緊張していた。

この公演の独奏(ヴァイオリン)は、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。

この公演のチケットは、座席指定ができず、カテゴリーだけの選択で、コンピューター側で自動計算されて選ばれるのだが、なんと2日とも前方超かぶりつき!


初日:最前列左側

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2日目:3列目中央

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やはり音楽の神様は、自分に救いの手を差し伸べてくれた。
アラベラさんを至近距離で見たいと思っていたところに、願ってもみなかった音響よりもヴィジュアル優先の座席。(笑)

まず驚いたのは、京響メンバーは女性団員が圧倒的に多いこと。
初日の自分の座席の目の前は、第1ヴァイオリンなのだが、ほとんどと言っていいほど女性団員だったような気がする。

1曲目は、ヴェルディの歌劇「ナブッコ」序曲。
最初の出音を聴いて、びっくり!

とにかく弦の音色が厚くて大音量。とても圧倒的な女性団員で占められている弦の音色とは思えず、男性並み、いやそれ以上のパワフルな音色なのだ。弦合奏の音色が、とても分厚くて、ハーモニーもじつに綺麗に揃っている。聴いていてバランスがいい。分厚く聴こえるということは、低弦などの低音がしっかり土台を築いていて、その上に中高音域がきちんと乗っているのだが、その豊かな低音に見合っただけの量の中高音域が出ていて、その全体のバランスがよいということ。

ヴァイオリン、ヴィオラからチェロ、コントラバスなどの低弦に至るまでフルに出し切っている、どれかひとつでも出し切っていないと、この全体のバランスが崩れて、聴いていて、すぐにわかってしまうものなのだ。

ホールの音響の良さも相まって、とにかく素晴らしいの一言に尽きるオーケストラ・サウンド。

自分は、この最初のつかみがよかったことに、どれだけ安堵したことか、おわかりになるだろうか。(笑)

ナブッコ序曲は、オケの合奏で聴くには、弦を中心にたくさんの楽器が参加する音数の多い曲。なによりも旋律が軽やかで聴いていて、とても気持ちがいい。あっという間の短い曲だけれど、このオケの実力の高さを感じ取るには十分であった。


そして2曲目。ベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」。
アラベラさん、いよいよ登場。

じつは2年前の2014年に、N響とアラベラさんがこの曲を演奏したのをNHKホールに聴きに行ったことがある。そのときと比べると、やはり女性演奏家って2年も経つとずいぶん変わるものだなぁと感じたことだった。

とにかくいまのほうが遥かに洗練されて垢抜けているし、妖艶さも加わって女性らしくなった。
雲泥の差である。去年に比べ、若干痩せているんじゃないか、とも感じた。

2年前も感じたことだが、やはりベルクの曲は難しい。新ウィーン楽派の礎の1人で、現代音楽の基礎になる無調音楽。普通のクラシック音楽ファンには理解し難い曲だろうな。

やっぱり調性のない曲を楽しむにはコツがいる。

この曲は、オケは伴奏に回って、ヴァイオリン独奏が前に出る曲。

隙間だらけの寒色系の音空間で、彼女の引き裂くような衝撃音というか弓と弦との摩擦音というか、そんな生々しい音がじかに聴こえてくるような感じでリアル感たっぷり。なにか尖った感覚というか、この恐怖の鋭利な世界といおうか。

彼女の演奏も2年前と比べると、随分、演奏の表現に余裕・幅が出てきて大人の装いがした。
いまのほうが断然いいし、やはり成長していると思う。

最後の音色は消え行くような感じで、弓の上げ下げで、息の長いフレーズが続く。そして音が消え去った後、アラベラさんはピクリともせず、沈黙が続く。その間、観客席は咳ひとつせず、息を呑んでその沈黙をずっと見守っている。

どれくらい時間が経ったであろうか。

かなり長く感じた。

フライングブラボーが問題視される昨今、この沈黙をずっと守り続けたこのホールの観客のマナーの良さには、ものすごく感動。なんと素晴らしいんだろう。このマナーは、彼女の演奏に華を添えたと思う。




そして後半。シューマンの交響曲第3番「ライン」。
ようやく京響の演奏に集中できる。(笑)

交響曲にしては、珍しい5楽章構成。
全体のイメージとしては、暖かい感じに聴こえるこの曲。楽章間で、緩急が結構あってドラマの筋書を見ているかのようなストーリー性も感じとれた。

この曲から耳を凝らして京響の演奏に集中してみる。

やはり弦の音色、演奏にとても秀逸なものを感じて、弦楽器間のバランス感覚もすごくいいし、揃っているし、いいオケだな、心底に思う。

ただ、自分的に思うところもないことはなかった。

それは、やや金管が弱いかな、と感じたこと。

たまたま、その曲のその部分的な演奏の出来の良し悪しではなく、2日間フルで聴いていて、やや思ったこと。音色に安定感がないかな、という思いはあった。

人によってオケの演奏を聴く基準が違うと思う。演奏のテンポ、抑揚などの演奏解釈にこだわる人、自分はオーディオマニアなので、バランスにこだわる。座席が悪いと、聴こえてくるバランスが崩れて楽しめない。バランスは、逆に言うと、演奏する側にも起因することで、どこかウィークポイントな楽器があると、全体のバランスを崩す。


でもそれ以外は、ほとんど不満なところはなく自分にとって肯定的な面が多く、素晴らしいと思うところばかりだった。

指揮者のガエタノ・デスピノーサは、若手の有望株で、N響をはじめ、日本でも活躍しているようだが、彼の指揮を見る限り、とてもメリハリの効いたはっきりとした指揮をする人で、とてもわかりやすい棒だと思う。指揮に躍動感があって、曲のリズム、抑揚に彼の動きがぴったり合っている感じで、見ていてとても小気味がいいし、気持ちがいい。オケ側も追従しやすい指揮者なのではないだろうか。



初日は相当緊張したが、想像以上に素晴らしく、2日目は本当にリラックスして聴けた。

「自分の音楽人生で必ず通らないといけない公演」、と大きな見栄を張ってまで宣言したが、でも偽りない気持ちだし、京都まで遠征してきた甲斐があった。

オケのみなさん、ソリスト&指揮者にご苦労様と言いたいし、なによりも自分にお疲れさまと言いたい。(笑)

紅葉真っ盛りの11月下旬に、このホール、このオケで再訪する予定。たぶん紅葉で観光もさらに盛り上がると同時に、公演の方も今年の集大成ということで、自分の今年の大きな事の仕切りごとになるのでは、と期待しているのだ。


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京都市交響楽団 第650回定期演奏会
2016/9/24,9/25 14:30~  京都コンサートホール

指揮:ガエタノ・デスピノーサ
独奏:アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)
管弦楽:京都市交響楽団


前半

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

~アンコール
J.S.バッハ無伴奏のヴァイオリンのためのソナタ 第2番からアンダンテ

後半

シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」op.97


体験!京都コンサートホール [国内音楽鑑賞旅行]

京都市交響楽団のホームグランドである京都コンサートホールを初体験してきた。
JR京都駅から地下鉄烏山線で、北山駅下車。所要時間30分もしないうちにホールにたどり着く。

自分は、2日とも午前中観光で遠方に出ていたので、そこから、また京都駅に戻るのが大変だったので結局両日とも観光先から直接タクシーだったりした。(笑)

京都コンサートホールは、京都市の世界文化自由都市宣言の理念を具現化するとともに、平安建都1200年を記念して建設された音楽施設で、1995年にオープンした。


京都コンサートホール

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ホール前は、かなり広い広場になっている。

そして写真の立方体の建物がいわゆるフロント空間で、実際のホールは写真左に少し写っている円形の建物のさらに先の上階にあるといったらいいだろうか?

入ったところのフロント空間。

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そこを突き抜けると、円形のこのような素敵な空間が現れる。

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なにかアート的な素敵な空間にデザインされていて、かなり芸術的な雰囲気。

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じつは、ここは通路がらせん状になっていて、ぐるぐると周囲を回りながら上に昇っていくのだ。
ホールの入り口は、この上のほうにある。

そして、このらせん状の通路を歩いていると、その壁の側壁には、なんと、このホールの過去の首席指揮者、客演指揮者、そして、このホールに出演した往年の演奏家や歌手たちのパネルが飾られているのだ。

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現在の首席指揮者の広上淳一さんを始め、小澤征爾さん、ムーティ、メータ、仲道郁代さん、そして、グルヴェローヴァも!じつに蒼々たるメンバーのパネルがかけられている。


大ホールと小ホールがある。
今回は大ホールなので、入り口から中のホワイエ空間を臨むと、こんな空間が現れる。

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そして、ホールに潜入。

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あれ?オルガンが右に寄ってる。。。(笑)


正面の面構えが、左右非対称で、とてもユニーク。
でもアシンメトリーなのは、この面構えの部分だけで、ステージから後方に至っては、きっちりと左右対称。

ホール形状は、拡張型シューボックス。

ステージ背面の座席、側壁の上階や、後方の上階などに座席が申し訳なさそうなレベルで存在して、きっちり厳密なシューボックスというより、いわゆる拡張型。(横浜みなとみらいホールのような感じです。)

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キャパは1839席。かなり容積的につつましやかな感じで、音響的にもかなり良さそうな印象を受けた。1階メインフロアは後方にいくにつれて緩やかなスロープ傾斜がある。このメインフロアはサイドバルコニーによる被りがなくて、拡張型とはいえ、結構シューボックスに近い理想の音響になるような配慮が見受けられた。


肝心の音響なのだが、これがじつに素晴らしい!

ものすごいライブ!


自分は最前列および3列目という超かぶりつきであったにもかかわらず、ものすごく響きが豊富で、響きに囲まれているかのような感覚になった。京響はものすごく弦が秀逸で、音が分厚くて、重心も低い。かなりの音の迫力が自分に襲い掛かってきた。


腹にズシンと響いてくる、という感じだろうか。

直接音主体で、響きが感じづらいかぶりつきの席でも、このように感じるのだから、すごいな、と思ったところだ。

やはり容積が小さくて、シューボックスだと原理的に音が濃い、というかロスするところも少ないので、このように聴こえるのも当然なのかな、と感じた。

いろいろ周りを見回してみると、特に高音域の拡散を狙った仕掛けが随所にあるのが即座にわかった。

まず驚いたのは、この天井に張り巡らされている拡散の仕掛け。

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斜めに切断された2000個(らしい)の立方体がこのように天井の中心全面を覆っているのだ!

これは、かなり強烈な拡散の仕掛け。

なにか天井からいっせいに高域の煌びやかな響きが降り注いでくるような感じがするのは、この仕掛けによるものだろう。ウィーン楽友協会の天井の張り巡らされている華麗な天井画の凹凸と同じ役割・効果ですね。

あと、メインフロアと第1バルコニーのコンクリート側壁にも、人工木材が接着されていて、このパネルの表面には、人工木材の木片がランダムな間隔で固定されているのだ。

波長の長い低域のコントロールは、ほぼホールの寸法比で決まってくるものに対し、波長の短い中域から高域にかけてのコントロールは、このように側壁や天井に凹凸を作って拡散させることで実現するというのが大体コンサートホール設計の常套手段ですね。

スペックによると、満席時の中音残響時間は2.0秒。

まさに響きのいいホールの前提条件である残響時間2.0秒。

ヨーロッパの優秀な音響といわれるホールを片っ端から測定していったら不思議と、どのホールも残響時間2.0秒だった、というミステリーな話を聞いたことがあるが、まさにその神の値である”2.0秒 ”。

どうりで音響がいいホールに聴こえるはずだ。

とにかく音が濃くて、響きが豊富なホールと感じて(大音量を出せる京響の力もありますが。)、素晴らしいホールという印象であった。


ご覧のように、この京都コンサートホールでは、「京都の秋 音楽祭」ということで、この芸術の秋に、たくさんの魅力的なコンサートが開かれる模様である。ダニエル・ハーディング率いるパリ管弦楽団の凱旋ツアー、そして、諏訪内晶子さんをソリスト独奏に迎え、ブロムシュテット指揮によるバンベルグ交響楽団演奏会などなど。

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自分も11月下旬の紅葉真っ盛りに、このホールを再訪する予定。
素晴らしいホールであることがわかったので、次回は緊張せずに安心して聴けそうだ。(笑)



オーディオオフ、広島遠征 [オーディオ]

昨今ずっと、鳴くことを忘れたカナリア状態であったが、久しぶりに本業のオーディオに復帰した。
広島のオーディオ友人のアテンドのもと、4軒のオーディオファイルのお宅を回ってきた。

毎年恒例でやってきた地方遠征オフ。

どちらかというと、近辺にいる者との切磋琢磨するオフというより、親交を深めるセレモニー的な意味合いが強いオフといったほうがいい。

幸せなことに、自分には地方のオーディオの友人さんが多いことから、1度も顔を合わせないで、オンラインだけで付き合っているより、1度お会いしてお互い大好きなオーディオでオフしましょう、ということで出向くというのが主旨なのだ。

これを済ませると、不思議と以前よりも、”つながっている”という感覚が強くなるから、不思議なのだ。

四国遠征×2回、関西遠征、九州遠征とやってきて、今回ついに広島遠征。

今回を最後に、この遠路オフ、一応完結しようかな、とも考えている。

今回のコンタクト・パーソンは、ひでたろうさん。

いろいろ根回し、事前準備していただき、本当にありがとうございます。(毎度、地方遠征するときは、このコンタクト・パーソン様には、本当に頭があがらない想いなのです。)

広島に行くなら、必ず寄らなければいけない場所であった原爆ドーム。

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ここで、将来にわたって不戦の誓いを自分の心に刻んだのであった。

原爆投下という悲劇があった場所の割には、周りが木々、草原の緑が多く、また川も前に流れていることから、結構、風光明媚な場所にあるんだなぁと思った。

たくさんの人が集まっていて、さすがに観光名所である。


広島市内は、プロ野球の広島東洋カープの25年振りのセリーグ優勝(V7)で、垂れ幕があちらこちらに下がっており、否が応でも賑わいを見せていた。

今回の広島オフはとても信じられないようなハイエンドなシステムを持っているお宅を回ることができた。

常々思うことなのだが、一般庶民の感覚から、あまりに金銭感覚的に離れているハイエンドなシステムというのは、たぶん普段のオーディオファンからすると、実際聴くチャンスというのは、ほとんどないであろう。

あったとしてもショップかオーディオショーくらい。

でもショップといっても、SPだけ、とか、アンプだけとか、の個別で入荷しているくらいで、それも店頭にポン置きで調教もなく、ただつなげている状態だけ。良心的なショップであれば、試聴に向けて、ある程度セッティングしてくれるところもあると思うが、周りの環境もリスニング環境として、適切とはいいがたいところも多く、せっかくのハイエンドも、きちんと鳴っているところなんて、なかなかないだろう。

これはオーディオショーにも言える。さすがにポン置きとまでは、いかないまでも展示会場は再生環境に適していないし、短時間でセッティングしただけのはずだから、きちんと鳴るはずもない。

オーディオの調教というのは、持ち主が長年かけて、試行錯誤で努力した結果で、ハイエンドであればあるほど、調教に時間がかかるし、エージング含め、鳴るようになるには時間がかかるはずだ。

そういう点で、このようなオーディオオフ会でそのようなハイエンドのフルシステムを持っていらっしゃるお方のお宅を回れるというのは、十分に調教されたシステムの音を十分に出し尽くしたサウンドを聴ける、つまりそのハイエンドのポテンシャルを十分に聴くことができる最高の幸せなのだ。

(さらにホストの方は、このオフ会に向けて、当日に最高潮ボルテージになるように調整をしているはず。)

そういう意味で、こういうお宅を訪問できて、その音、サウンドを聴けるというのは、オーディオファンにとって人生の宝といってもいいし、そのようなお宅と知り合っている友人を持っていること自体、人生の宝だと思うのだ。

そんなことを実感した今回のオフ会であった。


もうひとつ感じたことは、やはり地方のオーディオマニアの方のオーディオにかける情熱、財力がハンパでないこと。みなさん、社会的ステータスの高い職業でいらっしゃり、収入も高い。これだけのハイエンドな機器を購入できるならそれも納得のいくところ。それでいながら、お会いしたら、みなさんとても紳士的で、人格者な方ばかりなのだ。

やっぱり人徳とお金って結びつくものなのだな、と感じた。
(だから、ハイエンドオーディオを趣味にしている方は、全国でも人数が限られていて、とても狭い世界なのだ。)

我々首都圏のオーディオマニアは、もちろん素晴らしいリスニングルームを持っていて、ハイエンドなシステムを持っていらっしゃる方もいるが、やはり首都圏は土地代、リスニング環境にハンデがある。

それを補ってくれるのが、コンサートホールがたくさん集中していて、生演奏に接する機会が容易であるということ。生の音を知っている、というところがアドバンテージになるのでは、と常日頃思っているところ。

自分もそれを唯一の心の支えにして、これからもオーディオをやっていくのかな?


そして、これもとても大切なことなのだが、オーディオの場合、やはり他人の音を聴いてみること。それもたくさん聴くこと。他人の音を聴くと、自分には持っていないサウンド、自分にはなにが足りないのか、さらにその反対で、ここは自分のほうが優れていて、自分のサウンドの長所がわかるものなのだ。

自分の音しか知らないと、これは永遠に解決しないし、井の中の蛙。

他人の音をたくさん聴いてみて、こういうところを自分のサウンドにも取り入れたい、という欲が出てきて、そのためにどういう風にすればいいのか考えて、さらに調教をして切磋琢磨するものなのだ。

素晴らしいオーディオサウンドというのは、やはり経験値がものをいう。

これは自分がコンサートホールをたくさん経験したい、とコンサート通いする理由にも当て嵌まる。

やっぱり数多く通うしか解はない。いろいろなホールを通って、回数多く通うと、自分の耳の感覚に、あるリファレンスというものが出来てくるものなのだ。回数、経験が少ないと判断できないと思う。

なにを持ってホールの音響をジャッジするのか、音響がいいホール、音響がよくないホール、自分の好みの響きのホールとか、響きの質という判断は、いろいろなホールを通い尽くして、自分の耳に"ある基準"が出来てきて、その経験に基づいて、判断できるようになる。

あと、この音響をどのように表現するか、”意識して聴く”ということだろうか?自分が心がけているのは。。。

音響だけじゃない、コンサートホール(内装、外観、などいろいろな点)に対する着眼点なども、数多いホールを通い尽くすと、いろいろなところに対してピンと自分の感覚、アンテナに反応するものなのだ。(あっこういうところが、このホールは面白い、とか。)

そのアンテナの敏感な感度も、経験値がものをいう。


コンサートホールでの生演奏のサウンドを多く聴いていると、自分のオーディオルームでどのようなサウンド造りを目指せばいいのか、という基準が自分の頭の中にイメージされるので、そういうメリットでコンサート通いをしていることも確かだ。

コンサートホールのサウンドを、自分の部屋で再現するというのも、もちろん定説なことで、異論はない。でも、最近の自分の考え方は、生演奏は、生演奏、オーディオはオーディオというように、楽しみ方を分けて考えたほうがいいという方向にある。

生演奏なら、あの低域の再現力、そして信じられないくらいの広大なダイナミックレンジ、空間表現力の豊かさ、これはオーディオでは適わない。でも生演奏は、定位が甘いというか、雑というか、オーディオを聴いているほうが遥かに気持ちがいいと思うことも数多くある。

オーディオのほうが完璧な理想形の演奏でもある。録音は編集に編集を重ねているから、臨場感がなくてイヤだという人もいるが、自分は全く反対。オーディオのような完璧な演奏を聴いているほうが快感である。また録音というプロセスについて評価する楽しみというか、録音のいいディスクに出会うと、それを作成した録音エンジニアたちの苦労を心から讃えたくなる、そういう楽しみもあるのだ。録音は一種の芸術作品。その過程、作品を称賛するという姿勢を常に持ち続けたい。

オーディオは、限られた制約の中で、自分の好みのサウンドに仕立て上げていく、その過程が面白いし、オーディオ機器という所有感(男性にとっての車と同じ。)を楽しみながら、人生、心を豊かにしてくれる、そんな大切な趣味だと思っている。


生演奏は、その日の演奏の出来不出来も多く波がある。

でも反面、生演奏は、その瞬間に立ち会えている、という、その臨場感を楽しむもので、公演が大成功した場合のその瞬時の感動は爆発的なものがあるだろう。一生の思い出に残る。

もう、やめておこう。生演奏派か、オーディオ派か、という話題になると、ウルトラ長文になるので。(笑)


今回の広島遠征オフで、勉強になったのは、ホーン型SPを勉強できた、ということだろうか?
ドライバーというユニットの存在をお恥ずかしながら、知った。要は、現代SPでいうならミッドレンジのことなのだが、ドライバーにホーンを取り付けて、ウーハーとツィーターといっしょに組み上げる。そしてクロスオーバー周波数調整する。

こんなホーンSPでは当たり前のことを、いままで薄っすら認識していた程度であったが、はっきり理解できたことであった。ゴローさんのGOTOのSPの形態がやっと理解できた。(笑)

そして、今回のお宅(ホーン型SP利用の方はみんなそうなのかも?だが)は、SPについている既存のネットワークを使わず、外部でチャンデバを利用して、ユニットごとにマルチアンプ駆動されておられた。

いわゆる自作SPの原点ともいえるものなのだが、みんな筋金入りだと思った。こういうオーディオ友人を持てて(いまのご時世じゃこういうマニアは皆無でいないだろう。)、幸せだと思った。

今回廻った4軒は、以下の布陣。

●ALTEC A5とアキュのホーン型マルチアンプ駆動。

ALTECのホーン型SPは、都内でA7を聴いたことがあるのだが、今回のA5で組まれたシステムの音は、経験してた、予想していたALTECの音とは違って、かなり美音系で驚いた。いい意味でALTECらしくない音といおうか・・・そしてなによりも34畳ある広大なエアーボリュームを見事に埋めていたし、定位感が抜群であった。

●JBL4550系を4組組み合わせた38cmウーハー8発のホーン型マルチアンプ駆動。

38cmウーハー8発と聴いていたので、さぞかし低音過多と想像していたが、予想をはるかにいい方向に裏切る中高域ふくめて帯域バランスの取れたいい秀逸なサウンドであった。波長の長い低域を再生するには、十分すぎる30畳のエアーボリューム。このとき感じたのは、低域がしっかりしていて土台を支えると、その上に乗る中高域が逆にもっと煌びやかに映えて聴こえるものだ、ということ。オーディオ再生では、部屋スペースが大きく取れないために低域の再生ってボトルネックになるものなのだが、それが見事にクリアされていた。

なによりもいままで聴いたことのない初めて体験するスケールの大きいサウンドであった。音場が広いのとはちょっと違う感じなのである。

●オリジナルノーチラスと純正チャンデバおよび自作4chアンプ×2台で駆動。

オーディオマニアになって生まれてはじめてB&Wのオリジナルノーチラスを聴く。やはりB&Wらしい、細やかで繊細な解像度の高いサウンドで、これは普段自分が聴いているB&Wサウンドの延長線上にある等身大のサウンドだと感じた。オリジナルノーチラスは低域が鳴らないSPということで有名だそうだが、きちんと低域は出ていたし、音場も豊かであった。やはりクラシックをかけると、とてもよく鳴っていたというか、クラシック再生にぴったりだと感じた。オリジナルノーチラスは、ネットワークがついていない。どうやって駆動しているか、というと、初期の頃のオリジナルノーチラスについていた純正チャンデバと、なんと自作の4chアンプを2台で駆動していた。部屋は8畳のニアフィールドリスニング。

●初期型パラゴンを真空管アンプで駆動。

パラゴンというSPほど鳴らすのが難しいSPはないだろう。
都内の知り合い宅でパラゴンは見たことがあるのだが、調子がいまいちで、音は聴けなかった。今回はじめてパラゴンを聴く。友人のコメントでは、パラゴンのバックキャビティって凄く小さいので難易度メチャ高い。 ユニットもまるで前期と後期の性質がまるで違うし、部屋も含め、調整は大変らしいとのこと。 ほんとうに美しいデザインで、珍しいSPだが、貴重な体験であった。このお宅のは初期のパラゴン。サウンドは、あまりにも素晴らしかった。音場がすごく豊かで低域から高域まで隈なく出し尽くしていたと感じた。ほんとうに鳴っている、という感じ。こんな難しいSPで、こんなに鳴っているのを聴けたのは、貴重な体験であっただろう。


オーディオオフ訪問記は、詳しくは、写真付きも含めてmixiのほうで。。。

しかし、これだけのシステム、サウンドを聴いて、空港の帰路で考えたことは、確かに、いまのご時世、若い世代を含め、低額でオーディオライフを楽しめる、オーディオを身近にするという考えが基軸になっていて、それ自体、なんら異論はないし、マーケット的には正しいことだとも思うが、いまのハイレゾ&ヘッドフォンのスタイルの方向に進んでいくのを見ていると、自分は、今回の経験を踏まえて、やはり音楽は、ちゃんとスピーカーで聴こうよ!と思ったことも確かである。


広島でのひととき。。。

広島お好み焼き。

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これは最高にウマイ!関西風となにが違うかというと、具を混ぜるのが関西風だとのこと。あと空気の入れ方も微妙に違う。広島の方からすると、お好み焼きは広島が元祖で、関西のが、あくまで「関西風」、「広島風」と言ったら広島市民に怒られてしまうとのことでした。(笑)

そして、瀬戸内海での名産物の小いわしと広島産牡蠣。

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うますぎ!都内でも出店あるかもですが、意識しないと行かないし、地元名物を堪能できてよかった。

ひでたろうさん、本当に今回の貴重な体験の調整、アテンドをありがとうございました!


ベルギービールウィークエンド東京2016 [グルメ]

ベルギーは人口約1,000万人の小さな国であるが、168のビール醸造所で1,500種類以上のビールが造られている世界最高の「ビール王国」。世界遺産「グランプラス」広場で毎年9月に開催される「ベルギービールウィークエンド」は、世界中のビールファンでにぎわっている。

このベルギービールウィークエンドは、じつは日本でも開催されていて、なんと8都市で開催!
名古屋、福岡、横浜、金沢、大阪、札幌、仙台、そして東京。

東京でのベルギービールウィークエンドは、世界的にも1番最後となる。
六本木ヒルズでの饗宴。

個性豊かな113種類のビールと美食国ベルギーの伝統料理を、ライブミュージックとともに楽しむ、という指向。

自分もこんなイヴェントがあるなんて、去年までまったくノーケアで、今年の日本&ベルギー友好150周年イヤーにちなんで、今年はじめて知った次第で、さっそく行ってきた。

チケットは入り口のところで。
まずは、スターター・セットを購入する(3100Yen)。そこで、マイグラスとコイン11枚と交換する。

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会場内は現金のやりとりをせずに、必ずこのコインでやりとりをして、ビールや食べ物の売値の値段も、なぜか3コインとか5コインとかの表示になっている。

ビールは大体3~5コインくらいが相場。ベルギー料理は、2~11コインと幅広い。

気を付けないといけないのは、マイグラスは、もちろんみんな同じものを使うので、みんなで共有する立ちテーブルで、グラスをそのまま置きっぱなしにしてお店に行って戻ってくると、みんな同じグラスなので、自分のグラスがどれなのか、わからなくなってしまうのだ。(笑)テーブルを離れるときは、グラスを必ず持参しながらがポイントですね。

コインは、当然足りなくなるので、コインだけ追加購入できる仕組みになっている。

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そして、いよいよ会場入りで、東京にてベルギービールの饗宴の場。まず第一印象は、客層若いよな。いい感じ、いい感じ。ステージでは、このセレモニーの紹介のほかに、ベルギーからバンドが来日していて、このステージ上でライブをおこなうなど、盛りだくさん。

今年ベルギーに行って、本場のベルギービールを堪能してきたとはいえ、これは、これで、スゴイいい雰囲気。とても興奮してくる。聴こえてくる話し声は、結構マルチリンガルで、多国籍。とにかく密集っ!という感じで、この写真からでも、その熱気が伝わってくるだろう。

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みんなビールと食事で雑談する中で、パソコンやっているお方も。(笑)このエリアは、WiFiがカバーされているのでしょうか?

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逆にステージ側から客席側を捉えたアングル。もうすごい熱気。正直窒息する感じで暑苦しかった。(笑)

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ステージの裏側は、こうやって座りながら宴を楽しむお客さんがいっぱいいる。

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いや、この裏側じゃなくても、座っているお客さんはいる。(笑)床が木で出来ているので、汚くないので、いいっか。

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なんせ、113種類のビールが売られているのだから、銘柄を見ても、ちんぷんかんぷん。

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もちろんベルギービールだけではない。ベルギー伝統料理もある。
フリッツ、ワッフルや、牛肉のビール煮込み、ムール貝などなど。
フリッツ、つまりフライドポテトは、ベルギーがまさに発祥の国なので、そのアピール度もすごい。(笑)

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さっそくビールを頼む。(結局4~5杯飲んだだろうか。下戸なのに、帰るときはベロンベロンで意識不明でした。(^^;;おつまみに、チョリソーソーセージ盛り合わせ(って言っても4本のみ。)

赤いビールは、ベルギー・ブリュッセルのビール博物館で飲んだときは、なんかファンタのグレープにビール味がついている感じだったが、ここで飲んだほうが、よりビールっぽい感じがした。

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酔いがかなり回ってきたので、ちょっと涼むうえでも周囲を散歩。

ベルギービールお持ち帰りの出店もある。

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なにやらVIPが集う専用のエリア。

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とにかくビールの好きな人には堪らない催しでしょう。
いろいろな種類のベルギービールが楽しめる。

人混みが嫌いな人には、ちょっと厳しいかも、です。かなりの密集度で、窒息する感じです。

今年は日本&ベルギー友好150周年記念イヤーということで、自分的には盛り上がったし、実際夏休みのお盆には、現地ブリュッセルに、フラワーカーペットを見に行ったりした。ベルギーっていまいちマイノリティかもしれないが、いいんだ、自分が楽しければ。。。(笑)

今年、十二分にそのセレブレイト・イヤーを楽しんだと思う。
これで、余は十分に満足です。


帰路についたとき、六本木ヒルズを歩いていた時に、会場を上から撮影。
その密集度と熱気が伝わるでしょう。

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ベルギービールウィークエンド東京2016は、今日開幕で、10日間やっているそうですから、ぜひ興味のある方、ビールのお好きなお方は、行かれてみてはいかがでしょうか。


ストラディヴァリウス・コンサート2016 [国内クラシックコンサート・レビュー]

ストラディヴァリウス13挺の饗宴。一同に集まったスター演奏家たち。艶やかな音色。なんとも贅沢なコンサート。

自分の中では、出演者の中で、諏訪内晶子さん、アラベラ・美歩・シュタインバッハー、そしてハーゲン・クァルテットなどがお目当てのアーティストであった。 


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今日のコンサートで配布されたプログラム。
かなり分厚くて、詳細な情報が詰め込まれた丁寧に作られた資料で、正直お金を取ってもおかしくないものと感じた。

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公演が始まる前に、このプログラムに目を通す。
浅識な自分にとって、とても新鮮な情報が飛び込んでくる。



日本音楽財団は、現在所有しているアントニオ・ストラディヴァリとバルトメオ・ジュゼッペ・グァルネリが制作した世界最高クラスの弦楽器20挺(ヴァイオリン14挺、チェロ3挺、ヴィオラ1挺、グァルネリ・デル・ジェス製ヴァイオリン2挺)を国籍問わず、国際的に活躍する演奏家や若手演奏家に無償で貸与している。

そして、日本音楽財団は、その楽器貸与者を集めて、国内外で演奏会を行い、特に10挺以上のストラディヴァリウスと、その貸与者が一同が会する「ストラディヴァリウス・コンサート」は、世界的に稀なコンサートして話題になっていて、チケットの売上金は、演奏会開催地のNPO等が実施する音楽振興や福祉活動に寄付されるのだそうだ。

このプログラムに書いてある日本音楽財団会長の塩見和子さんのインタビューが大変興味深い。誰に貸与するかは、楽器貸与委員会が決定するだとか、楽器のメンテナンスは、管理者として財団が管理、楽器貸与終了の難しさ、など、本当にここでしか読めない貴重な内容が記載されている。

現在、この日本音楽財団の楽器貸与委員会の委員長は、あのベルリンフィル音楽監督&首席指揮者のサー・サイモン・ラトル氏なのだ。前任者で、20年間務めたロリン・マーゼル氏より引き継ぐ形となった。

ラトル氏は、さっそく今回のプログラムにも寄稿を寄せている。

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年表を見てみると、1998年にスタートして、貸与者の出演者を見ると、蒼々たるメンバー。日本音楽財団が貸与してきた方たち。

もうこの頃から諏訪内晶子さんは常連ですね。他に国内だけでも徳永二男氏、樫本大進氏、石坂団十郎氏、竹澤恭子さん、庄司紗耶香さん、などなど。

自分は、お恥ずかしながら、いままでこのコンサートに行ったことがなかった。今回が初体験。だから、このプログラムを読んで、はじめてこういう歴史・経緯を知ったのである。

なぜ、このコンサートに行こうとしたか、というと、我が愛すべきアラベラ・美歩・シュタインバッハーさんが出演するため。アラートで発覚したのである。(笑)

年表を見ると、彼女は2008年にも出演しているようである。

通称ストラドと呼ばれるこの楽器、なにもヴァイオリンとは限らないんですね。アントニオ・ストラディヴァリが制作したのは、他にもヴィオラとか、チェロもある。

ちなみに、今回出演された出演者と、そのストラドの使用楽器のリストを書き出してみる。

ハーゲンクァルテット    パガニーニ・クァルテット
            
ヴェロニカ・エーベルレ   ストラディヴァリウス 1700年製ヴァイオリン「ドラゴネッティ」
セルゲイ・ハチャトリアン  ストラディヴァリウス 1709年製ヴァイオリン「エルグルマン」
スヴェトリン・ルセフ    ストラディヴァリウス 1710年製ヴァイオリン「カンポセリーチェ」
諏訪内晶子         ストラディヴァリウス 1714年製ヴァイオリン「ドルフィン」
レイ・チェン        ストラディヴァリウス 1715年製ヴァイオリン「ヨアヒム」
アラベラ・美歩・シュタインバッハー ストラディヴァリウス 1716年製ヴァイオリン「ブース」
有希・マヌエラ・ヤンケ   ストラディヴァリウス 1736年製ヴァイオリン「ムンツ」
パブロ・フェランデス    ストラディヴァリウス 1696年製チェロ   「ロード・アイレス
フォード」
石坂団十郎         ストラディヴァリウス 1730年製チェロ   「フォイアマン」

そして、ピアノはスタインウェイ共通で江口玲さん。

この中で、やはりファンである諏訪内さんとアラベラさんのヴァイオリンだけ簡単に記載を抜粋して紹介。

ストラディヴァリウス 1714年製ヴァイオリン「ドルフィン」(諏訪内晶子)

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音色並びに楽器の保存状態が優れており、1715年製「アラード」、1716年製「メシア」に並ぶ世界3大ストラディヴァリウスのひとつと呼ばれているそうだ。なんでも、あの巨匠ヤッシャ・ハイフェッツが愛用していたことでも有名である。

確かに、この夜の諏訪内さんの音色は、他を抜きんでていた。音量、音圧が他と比べて圧倒的だったような気がする。



ストラディヴァリウス 1716年製ヴァイオリン「ブース」(アラベラ・美歩・シュタインバッハー)

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1855年頃にイギリスのブース夫人が所有したため、現在の名が付けられている。彼女はヴァイオリンの才能を発揮した2人の息子たちのためにクァルテットを形成しようと試み、この楽器を購入した。1931年にアメリカの名高いヴァイオリン奏者ミッシャ・ミシャコフの手に渡り、1961年にはニューヨークのホッティンガー・コレクションの一部となった。音色の美しさ、音の力強さにおいて知名度が高く、保存状態も優れている。

贔屓目と言われるかもしれないけれど、今宵の饗宴の中では、アラベラさんのヴァイオリンの音色が一番鳴っていたような印象だった。なによりもヴァイオリンの命である倍音の出方がハンパではなかった。

ところで、確かNHKの特集番組だったと思うが、ストラドのことを特集していて、最新のCG技術を使って、ストラドを完璧なまでにコピーして同じ音色が出るか、という実験をやっていたのを思い出した。

同じ音色は出なかった。やはりエージングというか、木製の筐体自体の経年による熟れ具合というか、それによる音色の豊潤さは、最新技術で形だけコピーしても再現できないものなのだ。

特に呼称は忘れてしまったが、ヴァイオリンの音色を決定しているところのエリアというのがあって、そこの経年度合が大きいようだ。


今宵の饗宴のコンサートホールは、サントリーホール。

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いつもと雰囲気が違っていて、ステージにお花が飾られていてこんなに華やかな雰囲気であった。この写真は自分の座席から撮ったもので、なんと3列目真正面のかぶりつきだった。(ストラドの音色を堪能の他に、ヴィジュアル的に前で見たいという理由がありました。(^^;;

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それにしても、サントリホールのホール内装空間は本当に美しい。自分の感性では、日本国内のホールの中で、1番内装空間のデザインに高級感があって品格があると感じる。


コンサートは、出演者が数名づつカップリングされて、合奏で演奏するため、個々の楽器の音色を聴き分けるということはできなかった。

演目は、ハーゲン・クァルテットによる構成。 

華麗な饗宴であったことは確かなのだが、正直言うと、前半は自分の座席で聴いている分には、思ったほどヴァイオリンやチェロ特有の倍音が出ていなかったような気がした。ストラディヴァリウスにしては、もうちょっと潤いがあってもいいんだけれどなぁ、という印象だった。

でも後半になって一変した。前半が信じられないような感じで倍音出まくりで、弦の発音時にふっと浮かび上がるような粒子の細やかな響きというか潤いがあって、こうでなくっちゃという感じで、気分が一新した。

ホールの湿度や空気の変化により響きがよく透るというか馴染んできたのか、前半とはまったく聴こえ方が違っていた。

特に圧巻だったのが、前半ラストの6人のヴァイオリンとピアノで演奏するリベルタンゴ。

これはもう最高!

これは自分の好みによるところが大きいのだが、アルゼンチン音楽で、ピアソラだとかタンゴを、クラシックの弦楽器で演奏すると、あの独特のリズム感、情熱、もう体の中が燃えたぎってくるというか、堪らなく快感になる。

今回、1st Vnにアラベラさん、2nd Vnに諏訪内さん、で他4人のVnと、江口さんのPfで、これを演奏するのだが、華麗というか、格好良すぎるというしか言葉が見つからなかった。

そして、後半の最後のメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。
これも最後を締めるにふさわしい壮大な弦楽奏となった。

特に1st Vnの諏訪内さんが主旋律を唄い、グイグイ引っ張っていく感じで他の人よりもはっきりと音色が聴こえてくるのが印象的であった。

そしてVnは対向配置だったのだが、諏訪内さんの主旋律の音色に対して、対向の有希さんの異なる旋律で、輪唱のように重なっていくのが、なんとも美しいと感じた曲だった。

アラベラさんは、京都ツアーの前にご対面できて、相変わらず麗しく、そしてなによりも弦がよく鳴っていたと感じた。調子はよさそう。

そしてコンサート全般を見ると、やっぱり諏訪内さんの存在は大きいな、と感じるところが大きかった。

華麗な饗宴という言葉しか思い浮かばないくらい、贅沢な一夜であった。



 


。。。そして帰国。 [海外音楽鑑賞旅行]

帰国。毎度恒例ながら、日本人の自分にはやはりこちらがよく似合う。

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今回は、”よくできました”ご褒美で、さらにこちらも!

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テロやスリなどのトラブルもなく、万事計画通りに終了。
渡航前の3週間前に発案したとは思えないほど、すべてがうまくいって濃厚だった。


正直、ロンドン滞在3日目かな。明日が最終のグラインドボーン音楽祭の前夜、

「はやく無事に終わってくれないかな?」
「早く日本へ帰る機上の人になりたい」

という弱気が持ち上がった。

この1週間の間、あまりに内容が濃すぎて、消化不良気味。
相当疲れていた。

なにせ、グラインドボーンはアクセスが厄介なので、前夜から憂鬱。(笑)

帰国後、ずっと会社で出勤していたが、いまだから話すが、朝9:00~昼の14:00まで、信じられない睡魔で廃人と化していた。

2,3日前にようやく気づく。あっ時差ボケかってな感じ。

今回の旅行日記を急いで書き上げた。

これから始まるイヴェントが、この後ぎっちり詰まっていて、いつまでもヨーロッパのことをひきづっていては、その方々に迷惑がかかると判断。

綺麗にかたづけて、サッパリして、新しいイヴェントに集中&応援していきたいと決意。

初頭でも述べましたが、旅行会社スタッフには、本当に突発な企画を受けていただいて感謝する次第です。

来年はどこに行くか、もう決まっています。
秋に決行します。

洪水のような情報ふくめ、本当にお騒がせしました。

よしっ!これですべてケリがついた。申し訳ないが、これから、ちょっと冬眠に入る・・・・・zzzzZZZZZ


青春の想い出のロンドンを堪能してきました。 [海外音楽鑑賞旅行]

ベルギーからロンドンへは、エアーを使わず、昔からぜひ乗ってみたいとずっと思っていた憧れのユーロスターで。ドーバー海峡をくぐり抜け、一気にロンドンへ。

EU大陸圏外に出るためか、空港並みに、パスポートコントロール、セキュリティチェックがあって、出発の1時間以上前に駅に着かないといけなかった。

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無事手続きを経て、朝早くから来たので、自分もかなりお疲れモードでの待合室。

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憧れのユーロスター。

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ICEと違って、カートの格納エリアがあるのですね。(本来そうあるべき!)
(ICEは、きちんとしたカート格納エリアというのがなくて、単に座席の後方に広いスペースがあって、そこに置いておくという感じ。)

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車両内はこんな感じ。

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車窓からの風景をのぞみながら、素敵なロンドンまでの旅路を体験できました。

到着の駅。(名前忘れてしまいました。)これでようやくロンドンに到着という新たな想い。
ロンドン滞在は、今回のツアーで最長4日間。最後の試練であります。

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タクシーでホテルまで。
ホテルは、ROYAL NATIONAL HOTEL。

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レセプション

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部屋

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まぁ、いままでの滞在ホテルがあまりにゴージャスだったということもあるが、今回のホテルはリーズナブルな普通のホテルのように思われた。

とにかくホテルの規模がすごい巨大ホテル。海外からの観光客向けのマンモス・ホテルというイメージでしょうか?部屋に空調がまったくついていなかったり、バスルームにシャンプーがついていなかったりで、シャンプーについては、別室のハウスクリーニング担当部屋にいただきにいけないといけなかった。

WiFiの線も細かったですね。自分のケアレスミスで、UKの電源ジャックって、大陸のC-Typeと違ったんですね。ホテルの同じハウスクリーニング担当部屋に変換アダプタが置いてありました。

朝食、毎日ここのホテルのレストランで食べましたが、まぁイギリスといえば、ローストビーフだろう、ということで、頼んでみましたが、まぁこのようなてんこ盛りで、かなりラフでした。(笑)

美味しいけれど、上品ではないよね。

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ロンドン・・・じつに懐かしい。20年以上ぶり。

昔、ロンドン近郊のベージングストークという街に赴任して生活していたことがありました。ロンドンから車で高速使って1時間くらい。ベージングストークという街は、アメリカ・カルフォニア州のサンノゼ版のようなところで、いわゆるイギリスでのIT/電機メーカーなどの企業オフィスが集まっている街で、前職の会社のイギリスブランチもそこにありました。放送局に納入する業務用機器などの開発がメインのオフィスでしたが。。

ロンドンと言えば、このかぶとむしタイプのロンドン・タクシー。”ブラックキャブ”というやつですね。やっぱり、どこでも走っているのは、このタイプのタクシー。他のタイプは見たことがなかった。

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なんでも不況下にて、中国企業に買収されて傘下にある、という話をニュースで見ましたが。さっそく乗ってみると懐かしい。昔と違うのは、テロ含めセキュリティ強化されていて、運転席と後部座席は完璧な防弾ガラス。時代だなぁ、と思いました。

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あと、ロンドンの街の景観を決定づけるのは、この赤い2階立てバス、いわゆる”ダブルデッカー”というやつですね。新型と旧型と2種類あるらしいですが、そのときはわかる由もなし。

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そして、なんといっても今回大活躍したのは、地下鉄”Underground”。

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ロンドンの街を移動するには、もう絶対これですね。これは大変便利!じつは赴任時代は、マイカーでロンドン市内をグルグル回っていたので、地下鉄はほとんど使わなかった。実際、本格的に地下鉄を使うのは今回が初めて、というか久し振りだったりした。

とにかくわかりやすくて使いやすい。ロンドンの観光名所って、大体地下鉄の最寄り駅が近くにあるので、地下鉄乗り継いでスイスイと。

どのラインを使って、どっち方向に行くの?どっちのホーム?

どのラインを使うの?は簡単だけれど、どっち方面のホーム?じつは、必ず駅にはこういう看板があって、下車駅の路線図の標示板が壁についているので、どっちのホームなのか簡単にわかる。

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あるいは、こうやってホーム側の壁にもついている。

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これってすごい重宝するなぁ。日本の地下鉄や、パリのメトロよりもずっと使いやすいんじゃないの?(笑)もう滞在4日間は、1日中地下鉄を使っていて移動しまくりで、もうガイド本の路線図マップはボロボロになってちぎれそうでした。

いま日記を書く前に、いろいろガイド本を読んでみたら、ロンドンの地下鉄って、世界で1番歴史が古いんですね。なのに、この使い勝手の良さ。

駅の地下通路では、こんな掲示板があって、ロンドン地下鉄100周年のロゴ変遷などが表示されていました。

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自動販売機でチケットを買うが、使用頻度が高いので、もちろん1日券を買う。

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まず、グラインドボーン音楽祭のチケットは、現地ロンドン支社での直接受取だったので、そこまでたどり着く。その途中の街の景観を観て、いやぁ~これこそ、ロンドンの街の景観だなぁと本当に郷愁の念。

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そして無事、グラインドボーン音楽祭のチケットを引き取り。

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去年は、パリでスリに会い、現地パリ支社でお世話になりましたが、今年は、いい用事(笑)でロンドン支社を訪問することが出来ました。


さっそく想い出のロンドン散策開始。

まず、目指すはタワーブリッジ。自分にとってロンドンの街の景観の代表的な建物なんですよね。

最寄駅から歩いていると、いきなり写真のような建物が突然目の前に現れて、ぐぉぉぉ~と思ってしまう。(笑)
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現在橋を通過中。

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やはり、タワーブリッジは、このアングルでしょうか?

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昔、ポール・マッカートニー&ウィングスが、ロンドンタウンというLPを出したときに、そのジャケットが、背景に、このタワーブリッジで、それを後ろに、3人が写っているというモノクロジャケットを思い出しました。


このアングルで写真を撮影したところは、こんな公園になっていました。

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そして橋を渡って、また最寄り駅に帰還中。

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また、この付近にはロンドン塔があって、これも世界遺産です。

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つぎに、国会議事堂、ビッグベンを目指す。ここも世界遺産。
ウエストミンスター駅が最寄り駅。

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天気も快晴に恵まれ、本当に素晴らしい景観ですねぇ。

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国会議事堂のほうも。

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プロの写真は、ビッグベンと国会議事堂を横から撮るアングル(テムズ対岸からの姿)が一般的のようで、そのときはまったく思いつきませんでした。


じつは、ここもいろいろマイカーでグルグル回っていた想い出があって、それはビッグベンの裏側にある、パーラメント・スクエアという場所に車を止めていた記憶があって、ぜひそこに行きたかった。希望が叶いました。

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パーラメント・スクエア

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近くのウエストミンスター寺院を見学。素晴らしい!

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つぎに向かったのは、Waterloo。

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この地名は、あまりみなさん、馴染みがないと思うが、ベージングストークからロンドンまで高速ハイウエイで来ると、ロンドンに最初に出るところが、このWaterlooなのだ。自分は、ここを起点にロンドン市内をマイカーでグルグル回っていたのでした。

ちょっと残念なのは、記憶では、橋からテムズ河をのぞんでいた風景が頭から離れられず、どこだったかなぁ、とずっと悩んでいて、結局夢かなわずだったのだが、いま帰国後にガイド本を見直すと、Waterlooの橋でした。間違いない。


そして、ロンドンに入るポイントが、Waterlooだった場合、帰りの道は、かならずピカデリーサーカスから帰っていった記憶があるのでした。

懐かしのピカデリーサーカス。

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ここは、よくたむろっていました。日本からの出張者を、よくここで接待していた記憶も残っています。この風景、全然変わっていない。

もしや!と思い、20年以上前に、このピカデリーサーカスにあったドーナッツ屋さん、まだあるのか!?

これが、あったりするんだなぁ。(笑)

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やっぱりヨーロッパ。東京は流れが速いから、あっという間に、建物がどんどん変わっていくけれど、ヨーロッパ、それがたとえ、ロンドンのような大都会でも、意外と変わっていないんだなぁ、という感じ。

なんで、単なるドーナッツ屋さんなの?もっといいもの食えよ!という感じかもしれないが(笑)、そこが青春なんだな。

さっそくドーナッツをいただきます。

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つぎにバッキンガム宮殿。ここも有名な観光名所ですね。大変な観光客でした。

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近衛兵のお仕事って大変ですね。全く微動だにしない姿勢で長時間ずっと立っているんですから。

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この近衛兵の交替式が名物ですので、ぜひ見学しようと思ったら、今日は中止ですと。(>_<)

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バッキンガム宮殿からの帰り道の横のほうに一面に広がる公園がなんとも美しいこと!

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そして大英博物館。ここは1日かけても全部観きれませんね。最初からあきらめモードでした。ほどほどに見て退散。

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大英博物館の前のカフェの前、視覚的にビビッとくるショットが目に入ってきて、思わずパチリ。ロンドンらしい、いい雰囲気。

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そしてロンドン散策の1番最後が、これまた、なぜかこんなところなの?と言われるかもしれないが。最後にここだけは見ようと。。。歴史と世界のマネーを動かしてきた、シティ周辺。王立取引所前の風景。

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ここはビジネス街で、観光客も少ないのだが、住んでいた時、マイカーで市内をグルグルしていたときに、どうしてもここにでく会わすというか、マイカーの運転席から眺めた風景では、1番見てきた風景なのでした。これを最後に見れて、本懐といったところです。


これがロンドン滞在で、回ってきた全名所。もう地下鉄の路線マップ、ボロボロでちぎれそう。

コンサート、オペラ鑑賞も含めると、この滞在4日間で、ずいぶん歩いたなぁという感じでした。

食事控えめでこれだけ歩けば、それは痩せるわな。(笑)


ロンドンのコンサートホール事情。 [海外音楽鑑賞旅行]

今回のロンドン滞在では、コンサート鑑賞は、すでに日記に書いたBBC Proms(ロイヤル・アルバート・ホール)とグラインドボーン音楽祭だけで、それはクラシック業界は、長い夏休みのオフシーズンに入っているので、ある意味仕方がないところでもあった。

もしレギュラー・シーズンであれば、せっかくロンドンに来たなら、いろいろなコンサートホールを訪問して、コンサートを聴いてみたいホールがいっぱいあった。

だったら、コンサートはないので、ホールの中には入れないけれど、せめて外観だけでも拝むのはどう?とある日、ふっと思いつき、それを実行に移すことにした。

BBC Promsのロイヤル・アルバート・ホールと、グラインドボーン歌劇場は、この日記では省略する。

こういうことを言うと、大変失礼になり、申し訳ないのだが、自分の浅い知識の中では、ロンドンでは魅力的なクラシック専用のコンサートホールというのが、あまり思い浮かばないのだ。

もし思い浮かぶなら、もうとっくに過去の音楽鑑賞旅行で行っているはずだし。

でもホールマニアで、世界のホールを制覇したいなら、このロンドンのホールもぜひ制覇しないといけない。

自分は一般社会人なので、要は先立つものが限られているし、年間の中で休みも簡単には取れなく、これも限られたタイミングで取るしかない。そうなるとどうしても先に行きたいホールの優先度って決まってしまう訳で、そこがロンドンのホールにとって悲しい運命でもある。

そんな想いもあり、せめて、ということで外観ツアーを敢行することになった。

ただし、日記では撮影してきた外観、もしくはホワイエの写真だけで、ホール内装の写真は掲載しません。やろうと思えば、ネットからの拾い絵で、できるかもしれませんが、それじゃきちんとしたケジメがつかないし、ホール内装の写真は、きちんと訪問した時に撮影する証だと思いますので。


●ロイヤル・フェスティバル・ホール

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最寄りの地下鉄は、Waterloo。ロンドンのベスト・コンサート・ホールという位置づけで、毎日でもコンサートが開かれている。コンサート(というより音楽イベント)が開催されている数からすると、どのコンサートホールよりもその数が多い、という異名もとる。

キャパは、2900席なので、かなりの大容積。

以下、ホールの音響について書くが、これは自分が調べ上げた内容に過ぎず、自分の耳で聴いた感想ではない。これ以降の各ホールの音響コメントも全部そう思っていただきたい。(なにせホール内でじかに聴いていない訳ですから。)

このホールは、「響きが不足」しており、特に低音の残響感が十分でないこと、そして低音が弱いことが、ずっと聴衆に認識されていたことだったらしい。その主な原因は、ホール設計時に、観客席に着席した聴衆による「吸音」の効果のことを考えていなかったためと言われている。

音質については、明瞭性に優れていて、ピアノ、室内楽、現代音楽には非常に良好。でも後期古典派とロマン派の音楽には向いておらず、低音の不足が最大の問題である。

それ以前に、なんと言っても、ホールの外観が、なんか萌えないんだよねぇ。(笑)

裏側から見たホール外観。
手前にテラス席がある。

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オフ・シーズンとはいえ、1Fのフロアには入れる。フロア面積はかなり広い。クラシック専門ホールという風情より、どちらかというと総合施設という趣なのだが。。。

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チケット・オフィス

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●クィーン・エリザベス・ホール

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ロイヤル・フェスティバル・ホールのすぐ隣に立っているホール。こちらも毎日のようにコンサートが開かれているようなのだが、どちらかというと、ピアノやヴァイオリンといった小編成の室内楽中心のコンサートである。

さらにこのクィーン・エリザベス・ホールの建物内にあるのが、パーセル・ルーム。サウスバンクに集まっているホールの中では一番規模が小さいホール。

室内楽の演奏が中心で、また新人のリサイタルや音楽学校の生徒たちなど、アマチュアやセミプロの演奏も聴くことができる。



●バービカン・ホール

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最寄り駅は、Barbikan。比較的、駅のすぐそばにあって徒歩5分くらい。目の前に現れた建物が上の写真。映画館、劇場などがある総合施設バービカン・センターで、コンサートホールは、この施設の中の一施設という位置づけで入っている。

バービカン・ホールは、そもそも会議場・コンファレンス会場として計画されたもので、音楽ホールとしてではないのだ。だから、できるだけステージの近くに聴衆を配置することに主眼が置かれ、その残響時間も1.4秒と短く設定された。

これがある意味、このホールの悲しい運命の始まりでもあった。

その後、コンサートホールとして使用することが決まったが、その時点で残響時間を増やすために天井を高くしたり、シューボックスに近づけるべく、横幅を狭くして奥行きを増やすという工程も無理だった。

さらに音響的な障害として、ホール天井の横方向全域に深さ3.7mの大梁が走っているのだ!

「梁」というのは建築用語で、たとえば床の下に、床の上からの重みに耐えられるように、補強する仕掛け部材のことで、その重みのエネルギーを逃がしてやるようなものでしょうか。

ふつうは床の下なのだけれど、もちろん屋根裏部屋のようなものもあって、その屋根の重さがある場合、その屋根の下(つまり下の部屋からすると天井)にこのような「梁」という仕組みを重み・振動逃しのために組み込むこともあるのだ。

今回のバービカン・ホールは、この屋根側に相当すると言っていい。バービカン・ホールの場合、屋根とその上部の屋外プラザの重みを支持するために、この「梁」という仕掛けが、ホールの天井を走っている。

だから、その内装写真を見るとあきらかなのだが、天井からの反射音を客席に返すなどというクラシックホールの基本構造は難しいのである。

これじゃあかん、ということで、1994年と2001年に大規模な改修工事があって、ステージ天井と客席上部に反射パネルが取り付けられた、ということで、かなりの改善はあったものの、残響時間1.4秒は変わらず。

なんか、ここまでくると、元々がクラシックコンサートホール専用設計ではないので、それをその用途に使うための弊害が、あっちこっちで出てきていて、無理があり、厳しいなぁという印象を感じる。

自分の周りの方やネットでの、このホールの印象も、このホールは、みんな音響がデッドだというので、上記のような過去の歴史事実を知ると、なまじっか納得のいくところでもある。


ロンドン交響楽団(LSO)とBBC交響楽団の本拠地である。


ベルリンフィルを2018年に退任予定のサー・サイモン・ラトル氏。次期職場として、LSOの首席指揮者に就任予定で、もう実際LSOのSACDを出すなど活動を始めている。

ラトルほどの輝かしい経歴を持った指揮者で、今後は、このホールをホームとして演奏と言うのも、なんか可哀想な気がする。もうちょっといいホールで活躍させてあげたいみたいな。。。


このホールが入っているバービカン・センターというのは、いわゆる総合施設そのもの。ヨーロッパ最大の文化施設だそうで、コンサートホール、劇場、映画館、アートギャラリーや、公共図書館、3つのレストランほか大学の音楽学部などが入居している。

女王エリザベス2世の名の下に「国民へのプレゼント」として建てられた。以来コーポレーション・オブ・ロンドンにより運営されているのだそうである。

もちろんフロアの中に入ることが出来て、1Fだけではあるけれど、写真に収めてきました。

フロアを歩いてみて、フロアの内装空間の印象は、とても綺麗でモダンな造りで、少し造形アートを感じるようなデザインになっている、ような気がした。

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ホールへのゲート。あちらこちらにある。

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バービカン・ショップ。

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店内は、こんな感じ。

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なんと! LSO Liveがぁぁぁあああ!

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このバービカン・ショップのすぐ横にホールへのゲートがあったりする。

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かなり近代的でモダンな施設だと思いました。

野外のテラス。

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やっぱり、コンサートホールだけは、なんとかしてあげたいなぁ、という気持ち。(笑)


●ロイヤル・オペラ・ハウス (ROH)

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最寄り駅は、Covent Garden。

この街はとても雰囲気があって、いい感じの街だなぁと思いながら歩いていた。
ちょっと自分の視覚にビビッと来るショットは、思わずパチリ。

なんでも、Covent Gardenは、ミュージカル、そして映画化もされた「マイ・フェア・レディ」の舞台となったところだそうで、その歴史事実が十分納得できるぐらい洗練された、素敵な街並みであった。このことをコメントで後で知らされたときは、それを知らずして、自分が最初にこの街に抱いた感覚が間違っていなかったことがうれしかった。 

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まさにイギリスを代表する、最も由緒あるオペラハウスでもある。

エントランスのところ。

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伝統的な馬蹄型もしくは円形の劇場で、すべて原語上映(大半はイタリア語)で、ステージ上方の幕に英語の字幕が出る。

こんなに美しい神殿のような造りとは思いもよらず感激した。その場にいると、この神殿の造りのオブジェがど~んと目の前にそびえ立つ感じで圧倒される。

ROHのオペラやバレエは、結構いままで家でDVDで観てきているので、内装空間もわかるし、ぜひ近い将来、ここでじかにオペラ観劇してみたいものです。

ちなみに、イギリスでは、オペラといえば、上流階級の楽しみということで相場が決まっているそうだ。


●ウィグモア・ホール

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今回宿泊したホテルの比較的近いロケーションにあった。

伝統的な室内楽ホールで、かなりフォーマルな雰囲気のホール。
自分がロンドンのホールでぜひ行ってみたいと思うのは、敢えて言えばこのウィグモア・ホール。

ホール内のアールヌーヴォー調のキューボラ(丸屋根)の天井画が超有名で、ぜひ直接観てみたい!

友人の投稿写真で、内装空間とか見たりしているが、なかなか雰囲気があって、自分好み。音響もよさそう。ただ、床には赤い絨毯が敷き詰められているそうで、音響的に気になることは確か。でもそんなマイナスファクターを取り除いても、素晴らしい音響なのは間違いない。

それは、このホール自体、自主制作レーベルを所有していて、ウィグモアホール自主制作ライブというCDを世に出してきている。そのCDを聴く限り、とてもいい響き、ホールトーンが、そのディスクの中に格納されていて、実際のその場の空間でもいい響きがするんだろうなぁ、ということが容易に想像できるからだ。

最近のアーティストでは、お気に入りのアリーナ・イブラギモヴァさんのCDが、ウィグモアホール自主制作ライブのCDですね。



以上、ロンドンのコンサートホール事情で、中に入れなかったホールを、実際目の前に行ってきて、特集してみました。

いつぞやか、ホールでコンサート&オペラを鑑賞したいけれど、やはりヨーロッパ&世界のホール事情の優先度からするとロンドンのホールは厳しいかなぁ。(笑)




 


グラインドボーン音楽祭 [海外音楽鑑賞旅行]

グラインドボーン音楽祭は、いまやウィンブルドンと並ぶ英国の夏の風物詩。ロンドン郊外の喉かな田園地帯のオペラハウスと、幕間ブレイクのときに楽しむピクニック・ディナー。とても英国流というか、エレガントな世界でふだんの自分とは似合わないような世界だった。(笑)

そもそも、今回の旅行は、昔住んでいたロンドンに行くことが目的で、そのときに夏の音楽祭でイギリスでやっているもの、という選択肢、そして松本音楽祭で観た小澤征爾さんの「ラヴェルの子供と魔法」の演出が、このグラインドボーンの演出と全く同じだったことなどから選んだだけであった。

でも、いろいろ準備していくにつれて、かなり英国貴族社会風な、とてもセレブな音楽祭であることがわかってきて、少し緊張したりもした。

気候に恵まれた5月から8月に開かれ、やや敷居が高い音楽祭という位置づけでもあり、そのセレブな世界は、じつに素晴らしい体験であった。

なによりも、自分が一番感動したのは、その自然の豊かさ、緑の多い、本当に田園地帯という美しい景観の中に、そこにポツンとオペラハウスが立っているという感じ。そして単にオペラを鑑賞するという目的だけではなくて、幕間休憩のときのピクニック・ディナー(これは今回教えてもらってはじめて知ったセレモニーだったのですが。)のような一種独特な英国風エレガンスな究極的な時間の過ごし方、楽しみ方があるんだな、という経験ができたことだった。

超セレブで、とてもエレガントな音楽祭だと思います。

雰囲気、その場の空気がとてもイギリス的。日本では意外と知られていない音楽祭のようなので、それが、とても残念。

さっそく、その模様をレポートしてみたい。

この音楽祭の一番のネックは会場へのアクセスだろうか?

地元の人は、自家用車で来る人も多いようなので、そういう人たちは問題ないのだろうが、私のような旅行者は結構ハードルが高い。

ロンドン郊外の南下したところにあり、ロンドンのVictoria駅からLewes駅まで、大体1時間くらい列車で揺られて移動する。そして、そのLewes駅には、音楽祭用ということでシャトルバスが待っているのだ。それに乗って会場まで行く。

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ただし、行きだけという訳にはいかず、必ず帰りの往復利用することが前提。会場に着いて、バスを降りるとき、こんな復路のチケットをもらうのだ。(でも終演後にバスに乗るとき、この復路のチケットの確認などはやっていませんでした。)

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復路のバスの出発時間は、終演後あまり余裕がないので、乗り過ごさないように注意が必要。もし、このシャトルバスを逃したら、超田舎のポツンとしたところなので、Lewes駅までの足がなく、途方に暮れてしまう。

これがグラインドボーン音楽祭の会場であるグラインドボーン歌劇場。歌劇場前の一面に広がる草原から撮影しています。

歌劇場は、手前の建物の、その後ろに映っている円形上の建物。

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右横からのアングル。

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左側には、さらにこのような建物が連なっており、これはなんなのでしょうね?

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そして、これらの建物の前は一面に素晴らしい景観の草原が広がっている。
ここで、ピクニックを楽しむわけだ。

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まず開演前に、この草原で場所取りをして、とか一連の作業をやる段取りだったのであるが、この日は、なんとあいにくの雨。それもかなり強烈な雨。まことに残念。

なので、開演前の儀式のピクニックはいっさいなし、ということになってしまった。

代わりにみなさん、開演まで、どこで過ごしたか、というと、建物の中になる。歌劇場の前のところが、いわゆる室内のホワイエ空間のようになっていて、その外側に、さらに屋根にテントを張って、その端のほうがバーカウンターやショップのようになっている、という感じである。

このオレンジ色の壁が歌劇場の建物になる。(正確には、ホワイエの部分。)

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2Fの部分はホワイエでの室内レストランのようなエリアになっている。

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左側が歌劇場、そして屋根がテントの歓談エリアがあって、その端に、バーカウンターやショップがある。

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こちらは歌劇場の建物の中のホワイエというか、歓談エリア。

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ここがグラインドボーン・ショップ。

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ショップ内はこんな感じ。

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ドレスコードは写真を見てもらえばわかるように、完璧正装。男性はタキシードが多いし、女性はドレス。自分は礼服&ネクタイでのぞんだが、問題なし。ダークスーツでも一切問題なし。

ただし、絶対に正装必須で、カジュアルはいっさい不可ということ。基本、超セレブな音楽祭なのである。


オペラハウスへの入り口は、原則地下にある。
絵画が壁に飾られている。

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地上にも入り口がある。ゲートは木製でこんなにクラシック!

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そして、いよいよオペラハウスの中に潜入。

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じつは音楽祭創設当時のオペラハウスを立て直し、現在の建物は1994年に建て替えられたもの。キャパは、1243客席。オペラハウス自体、円形状の形になっていて、オペラハウスでは、よくみかける馬蹄型の全体の枠ラインをまん丸の円形にしたような感じ。

正直、ホール内装の写真を撮影するのに、こんなに難しいホールはない、と感じた。

全体がわかるようなフレーム撮りが、わからなくて試行錯誤で、結局、これ!という感じの写真は撮れなかった。

内装は、全体に木でできているのか、木目調な色彩で、木独特の暖かい空間が漂っていた。中は薄暗く照明が落とされていて、オレンジ色~黄色のライトニングがされている感じであった。

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天井。

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ピット~普通の開放型ピット。

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ステージ~比較的広いステージだと思ったが、印象的だったのは、高さがかなり普通のオペラハウスよりある、ということ。自分の直感ではあるが、感じたことだった。

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客席形状が円形というのは、音響コンサルタント的には、歌手の声をホール内に均一に伝わらせることに関して、結構難しいらしいのだそうだが、随所に反響面の設置など工夫がされている。

最初の前奏曲のときのオケの演奏を聴いたとき、なんたることか、ちょっとドライな響きに聴こえて、焦ったことも確かだが、全曲通して、そんなに違和感のないノーマルな音響であると感じた。

スペック的には、満席時の残響時間が1.25秒とのことであるから、自分の感じた感覚もそんなに外れでもないであろう。

今日は、ここでベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」を鑑賞する。

自分は、このオペラハウスで何回もオペラを観たなどという経験は、もちろんなくて、今回が初めてであるが、演出ともに非常にクオリティの高いオペラ作品を上演することに定評がある。

公演の感想は、またあとで。


そして幕間ブレイクのピクニック・ディナー。

今回自分ははじめて知ったのであるが、この音楽祭は、オペラ本番も大切だが、ある意味、目玉といえるのが、この幕間のピクニックディナーなのだそうである。 幕間の休憩は1時間20分。この間に、おもいおもいにピクニック・ディナーを楽しむ。

さきほど写真で示したように、オペラハウスの前は、一面の草原になっていて、ここで、テーブルをセットして、正装姿の紳士淑女が、この大自然の中で、ピクニック・ディナーを楽しむ。食事の準備をしてくれるポーターさん(かわいい学生の男の子や女の子がバイトでやっているようです)が料理をセッティングしたり、飲み物を注いでくれるんだそう。

草原には羊などが放牧されているときもあって、なんとも長閑。これが英国流エレガンスな過ごし方なのだそうである。

ところがあいにく、この日は雨だった!(自分の普段の行いが悪いのですね。)

ネットからの拾い絵で失礼しますが、本来であるならこんな図が展開されるはずだった。

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雨なので、主催者側も今日は、みんな室内のレストラン、というように方針転換したようである。誠に残念極まりない。


さっそくPicnic Collection Point(ピクニック貸出所)に出向く。

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予約番号とかあるのだが、自分の名前を言っただけで、すべてわかってくれた。

アシスタントさんが、私の分のバスケット(この中に、食事や食器が入っている。)を持って、2Fの室内レストランの予約場所まで案内してくれる。

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こちらのバスケットがナイフ、フォークなどの食器とかが入っているやつだったかな?

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そして、こちらが食事の入っているほう。

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食事のメニューの決め方は、時代に応じていろいろあるらしいけれど、今回の自分は、あらかじめ事前にメニューをもらって、その中から選んでおくという方法だった。

前菜は野菜中心、メインは牛フィレのステーキ、デザートはラズベリークリームといったメニューを決めていた。


そして、こんな感じ。グラインドボーンのシャンペンもついています。(^^)

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確かに火は使えないので、冷たい食事なのだが、そこそこに美味しかったと思う。



ディナーが終わったら、散歩がてらに劇場の前の草原を散歩してみた。

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雨は止んでいた。主催者側の判断で室内ということになってしまったが、でも歩いてみたら、数人の方が草原の自然の中での食事を楽しまれていた。食事も必ずオーダーしないといけないのか、というと、そうでもなくて、各自お弁当を持参して、というのも十分にあり。この風景だと、みなさんお弁当かな、とも思いました。わずか数人しかいないけれど、こういう自然との調和の中でのディナーって、これぞ!まさにピクニックですよね。やはりイギリス的でスゴイ素敵だなと思うところ。これはグラインドボーン音楽祭じゃないと体験できないことですね。

他の音楽祭では類をみないと思います。


これはイギリス伝統の遊びなのでしょうかね? (ふつうにゲートボールかな?)

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雨というアクシデントはあったけれど、散歩しながら、ほんの少し英国流エレガンスな雰囲気を楽しめた、というところであった。



さぁ、オペラ後半。

ここからオペラの公演内容の感想を少し。ベルリオーズの「ベアトリスとベネディクト」というオペラは、巷では、ほとんど予習素材がない珍しい演目である。でも去年の小澤さんの松本音楽祭のオペラで上演され、自分は観に行っていた。

さらに、そのときTVで放映されたものの録画を持っていたので、それできっちりと予習していった。この松本のオペラは、それは、それは、舞台芸術が、あまりに素晴らしくて、原色がくっきりの鮮やかな色どりの舞台装置で、オペラそのものに華を添えていた。

それと比較すると、今回のグラインドボーンの演出は、とてもモノトーンというかシルバー系で統一されたシンプルな色使いで、舞台全体に統一感があったように思う。すべてにおいて、ものすごいシンプル。

舞台装置や照明の使い方も、とてもシンプル。ただでさえ高さが異常に高いステージいっぱいに大きな箱が3つ現れて、その中に歌手がたくさん入っているという、ちょっとメルヘンチックな演出。

なんか松本音楽祭とは対極になるような作品に出来上がっていて、微笑ましい、可愛らしい感じの演出だった。

歌手も、みなさん個性的でよかった。

正直ツアー最終日のこの日、あまりに濃い体験の連日で、体調は最悪で、はやくツアー自体終わってくれないかな(早く日本への機上の人になりたいという気持ち)、という弱音を前日から感じていた、ことも確か。

願わくは、もう少しよい体調で、記念すべきこの演目を鑑賞したかった。

でも、田園地帯の中でオペラとピクニック・ディナーを楽しむ、という英国流エレガンス、十分堪能できて、一生の記念になりました。

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グラインドボーン音楽祭2016
2016/08/19  17:20

エクトル・ベルリオーズ
ベアトリスとベネディクト

制作チーム
指揮:アントネッロ・マナコルダ
演出:ロラン・ペリー
舞台:バルバラ・デ・リンブルフ
衣装:ロラン・ペリー
照明:ドゥエイン・シューラー


出演者
ベアトリス:ステファニー・ドゥストラック
ベネディクト:ポール・アップルビー
エロー:アンヌ=カトリーヌ・ジレ
クラウディオ:フィリップ・スライ
ソマローネ:ライオネル・ロート
ドン・ペドロ:フレデリック・カトン
ユルシュール:カテリーナ・ブラディック

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
グラインドボーン合唱団



BBC Proms & ロイヤル・アルバート・ホール [海外音楽鑑賞旅行]

正式名が、「ヘンリー・ウッド・プロムナード・コンサート(通称プロムス)」というもので、指揮者ヘンリー・ウッドが、貧乏な人たちにも良質なコンサートを、という主旨で、いまから100年以上も前に始められた夏の音楽祭。約2か月にわたり、リラックスした雰囲気の中で楽しんでもらおうという趣旨のとてもカジュアルな音楽祭なのだ。

2005年あたりからプロムスは、どんどんエンターティナー化していき、現在では国営放送BBCの運営にも関わらず、スポンサーがたくさんついた大がかりなイベントになっているようである。

会場は、ロイヤル・アルバート・ホールなのだが、それのみならずイギリス全国に拡大。スコットランド、アイルランド、ウェールズ、北イングランドの野外会場がロンドンと中継で結ばれるなど、本当にすごいエンターティメントぶりなのである。

登場するのは、クラシックのみならずで、ジャズやポップスも含まれていたりする。

創始者のヘンリー・ウッドは、日頃、クラシックに触れる機会も関心もない庶民を教育しよう、という使命を受けてはじめたものなのであるが、実際のところ、それに反して、どんどんエンタメ化していっているというのが実情だろう。

そういう趣旨の音楽祭なので、客層は本当にカジュアル。みんなで気軽にクラシックを楽しんでいこうという雰囲気がはっきりわかる様子だったように思う。

会場のロイヤル・アルバート・ホールには、地下鉄(Underground)の最寄り駅は、South Kensington。じつはこの駅から徒歩でかなりの距離歩く。

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手元に持っていた地図が、心もとないので、駅の前にあった地図掲示板をデジカメで撮影して、その地図のもとに歩いて行った。

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最初ちょっと曲がるが、あとはひたすら直進。でも歩いても歩いても、いつまでも姿が見えないので、確かに不安になってくる。(笑)

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そしてついに、ロイヤル・アルバート・ホール。

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カジュアルな客がたくさん長蛇の列を並んでいる。

さらにこんな感じ。(^^;;

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これは?

プロムスでは、平土間、つまりグランドフロアの座席は、すべて取り払われ、アリーナ(立ち聴き)として解放されているのだ。このチケットは、”スタンディング・チケット”の名で売られているのだが、当日券のみ。値段も5ポンド程度と安く、今日のような有名な曲、演奏家が出る日には、2時間以上も前から長蛇の列ができるらしい。

だからこの長蛇の列は、その平土間立ち聴きのための当日券の並びなんだね。

自分は歳なので、とてもコンサート中オールスタンディングは腰に来て無理だと思うが、この立ち聴きがまたいっそうコンサートのカジュアル感を醸し出している、と言っても過言ではなかった。



このホールの入り口は、やはり両サイドからだと思うのだが、自分は正面のこの入り口から、スルスルと中に入ってしまう。

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そこには、BOX OFFICEや、カフェスタイルなどがあったが、さらに進んでいくと、こうやってチケット持っている人のみのプレートが。

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まずこの前で、たぶん会場の中には、まだ入れないけれど、ホワイエなら解放というところなのだろう、チケットを係員にバーコードでスキャンしてもらって、中に入っていく。

なにせ、円形ドームなので、ホワイエ空間というものより、全体的にこんなスタイルの通路が延々と続く。

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自分のゲートはここだ!

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ここで、よく状況を把握できていなかった自分は、施錠されていないので、中にスルスルと入っていき、近くにいたホールの撮影機材スタッフと思われる人に、この座席シートってどこなの?と聞いてみたりしたのだ。

なにせ、座席表なんて気の利いたものは見つからなく、他人任せ。

そうしたらスタッフは、この扉を開けて、中に入って、最前列のほうに行ってみな?その番号あるよ。とにかく中に入ってみろ!と言うではないか!

自分は、あくまでその指示通りにしたにすぎず、中に入ると、中にいきなり空席のホール空間が一面に現れる。びっくりして大興奮。


これは、またしても、やっぱり音楽の神様が、ホール愛に満ちた自分にくれたご褒美なのか、と勝手に勘違いして(笑)、また空席のホール空間を撮影できるチャンスをものにすることができたのだ。

たぶん、まだ開場前だったと思うんだが。。。(笑)

6000人くらいのキャパの大容積。でも場内を一周して撮影してみたのだが、意外や小さく感じて、あっという間にグルッと一周できてしまう広さ。東京ドームよりももちろん全然小さいと感じる。

そして空席のホール内を一周しながら撮影した。でもプロムスは、やはり観客が入って、照明がついたほうが遥かに華やかで素晴らしい。

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天井がぶら下がっている、これはなにか?というのは後で説明する。

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これが大オルガン。

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撮影したら、満足がいって、開場までにホワイエで座って休憩したいと思い、こういう場所を見つけて休ませてもらった。

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ホール側、音楽祭側のスタッフたちが開場前で忙しく準備している。

その中で、特に右手側の白ジャケットの女性。華麗なクィーンズ・イングリッシュを流暢に話し、それが相まって見た目・スタイルともに、超カッコイイ。異性の男性である自分から見ても、いやぁイケているなぁ、と惚れてしまいました。やっぱり英語って周りがパッと明るくなる、明るいトーンというか聴き映えして、全体のオーラを輝かせると思ったひとこまであった。

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そうすると時間が来て、開場。両サイドの扉から、ぞくぞくと入場。

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ホール内は、みるみる内に観客で埋まっていき、照明もついてきて、スゴイいい雰囲気。なんか、かなり華やかな空間にいるのではないか、という印象に陥る。

これぞ、まさにBBC Proms!!!

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ブレイクのときのひとこまであるが、こんな感じ。

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そして私の座席からステージを見た光景。

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今日は、ここで、アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団の演奏を聴く。もちろんプラチナ・チケット完売だ。

まず、自分のお仕事であるホールの音響面の印象について、実際、自分の耳で聴いた印象と、帰国後、この日記を書く上でいろいろ調べた結果を書いてみたい。


なにせ、ご覧のように、生音主義の直接音&間接音のクラシック専門ホールとは、まったく無縁のドーム型のホール。そして、なによりも6000人キャパの大容量。自分は完璧にPA主導型のサウンドだと思い込んでいた。

でも実際、自分の座席で聴いた印象は、Non-PAではないか?というものだった。

まずなによりもオケの音量が小さ過ぎる!ステージ周辺で鳴っているような感じで、この大空間の対容量比を満たしているものとは、到底思えなかった。

もし、PAを通しているなら、もっとホール内のあっちこっちのSPから聴こえて、ホール充満度があるからだ。またクラシックホール内でのPAにありがちな音の出どころがわかってしまう、音離れしていない、という感じでもなかった。

自分はステージで鳴っているサウンドの音を聴いて、たしかに音量は小さいけれど、この大容量のホールでふつうに演奏しているだけではないのか?PAかかっているかなぁ?と何回も思ったほど。

また音を聴いていても、いわゆるPA臭さというのも感じない。

もしくは、PAエンジニアが優秀なだけかもしれない。BBC Promosは、BBCを始め、いろいろメディアで収録、放映されているので、やはりPAを通している可能性も強い。でも自分にとって、全く違和感を感じないほど、シームレスで、終始、これPAかかっているのかなぁ?という感じで頭をひねること、しきりだった。

あくまで、ステージ周辺で鳴っている感じで、この大空間を満たしていないなぁ、と思うだけで。。。サウンドの質感も、そんなに違和感はなかった。許容範囲だった。

正直バリバリの電気くさいPAサウンドをイメージしていたので、ちょっと拍子抜けという感じでもあった。

この大容量のドーム空間の音響は、この100年以上、ずっとエコーとの闘いと言ってもいいものだった。

なにせ、この大空間、ステージからの直接音に対して、初期反射音がホール内で長い距離を伝搬するために、音量エネルギーが失われ、遠方の壁からホール前方に戻る初期反射音が、非常に大きい遅れ時間を持つので、いわゆる”エコー”が発生するのだ。

まさに大容量、大空間ならではの悩み。

ホールの音響って、やはりステージ上の発音体に対して、適切なホール容積というものがあって、直接音に対して反射音の時間差がある程度の時間差内、短いほうが心地よい、そういう許容範囲があるものなのだ。あまりお互いが分離しているというか時間差があり過ぎると、わずらわしい”エコー”になってしまう。

このロイヤル・アルバート・ホールでのウェールズ公のはじめてのスピーチでも、「すべての座席に聴こえるように、明瞭な声で発声されたところ、多くの場所で、その声が二重に聴こえ、奇妙なエコーのために次に始まる言葉に、その声が重なった」、とこのホールの歴史資料には書いてあるそうだ。(笑)

もうそこからはエコーとの闘い。

いろいろ改修デザインを試みるもエコーはなかなか解決できず、エコーが完全に解消したのは、この天井からぶらさがっている音響拡散体(フライングソーサー(空飛ぶ円盤))を設置してからなのだ。

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このソーサーの上には吸音材が貼られていて、天井からの余分な反射音を吸収する(中音域で過剰に長い残響時間のf特のフラット化)という問題解決と、あと、これは、いまのホールでも当たり前で行われているホール上空での反響板に相当する役割。。。天井までの距離が長いので、反射音が遅れてしまうので、それを、そこまで到達する前に、このソーサーで早くいち反射してしまうこと。

などが対策された。このソーサーが設置されたおかげで、遠方の座席からすると初期反射音が遠い、とか薄いというエコーの原因の最たる弱点も解消される。

満席での残響時間は、2.4秒。

やっぱり決定的なのはオケの音が弱いというか小さいということ。これは、やはり6000人も周りが人で囲んでいては、音を吸っちゃうよなぁ、というのは当たり前に思ってしまうことだ。

いまでこそ、こういうパラドックスがわかってきているから、最初から無茶なホールは設計しないけれど、このロイヤル・アルバート・ホールが設計されたのは、1800年代のこと。当時はそんな理論なんてわからないわけだから、作ってしまったものに対して、やはり試行錯誤で、ここまでつじつまを合わせてきた、という感じであろうか。

もちろん自分が聴いていた分には、このエコーは発生していなかった。

さて、いよいよ本題のBBC Promsの演奏会に移ろう。
この日の演奏会は、プロムス43というプログラム。

アルゲリッチ&バレンボイムで、ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団の演奏会。
アルゲリッチの大ファンでもあるし、バレンボイムも好きだ。
もうこの2人は大の仲良しですね。

この日の演奏曲は、なんとワーグナー一色なのだ。

アルゲリッチはリストのピアノ協奏曲なのだが、今回いろいろ日記を書いているうちに、よく考えると、リストって、ワーグナーの妻コジマのお父さんであるから、親戚な訳で、そうすると結局全演目ワーグナーづくし、ということだったのかなぁ、と思ったりする。

アンコールも、トリスタンとイゾルデと、ローエングリンの第3幕の前奏曲だった。(笑)

バレンボイムとワーグナーというと、自分がいつも思い出すのは、ワーグナー音楽がタブー視されているイスラエル圏内にて、強硬演奏するというチャレンジングな試みを過去に幾度かやってきた、という想い出。

話が逸れてしまうが、自分の過去の日記でも何回か、取り上げたことがある。


ワーグナーは、19世紀後半に音楽界だけでなくヨーロッパ文化に広く影響を及ぼした文化人として知られる一方で、じつは反ユダヤ人思想を持つと言われる彼の音楽は、ヒトラーのユダヤ人絶滅思想にも利用されてきた。 そのため、イスラエルにおいてはワーグナーの音楽そのものが長らくタブー視され、 今日においてもその見方が強いのだ。

現在バイロイト音楽祭の総監督で、ワーグナーの子孫にあたるカタリーナ・ワーグナーさんは、

「ワーグナーはいつも狂気の中で生きていた。常に自己崇拝しており、世間から天才として認められることを期待していた。だから自分以外に高く評価されている人は言うまでもなくライバルであり、敵であった。 若きワーグナーの前に立ちはだかる男たちがいて、メンデルスゾーンやマイヤーベイアーを代表とするユダヤ人作曲家。

彼らに対する妬みは、ワーグナーを人種差別主義者に変えていった。。。」

とインタビューで答えている。

バレンボイムという人は、こういう問題を抱える中で、2001年にエルサレムで開かれた 「イスラエル・フェスティバル」の中で、ベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮した彼が、アンコールにワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」の一部を強行に演奏して、彼はアンコールの前に、「私は誰の感情も害したくはない。もし聴きたくない人がいるのならばこの会場を去って欲しい」とヘブライ語で語り演奏を始め、アンコールはスタンディング・オベイションを受けたものの、一部の観衆は「ファシスト!」などと叫んで席を 立ち、騒然となり後日大変な騒動となったという有名な事件がある。

自分は、バレンボイムとワーグナーとのかかわりの時を考えるとき、バレンボイムのイスラエル方面への力の入れ方も強い人だっただけに、どうしても、こういうチャレンジングな彼の過去の勇気ある行動をいつも思い出してしまうのだった。

今回の旅行は、なにかとワーグナーと関連性、所縁のある旅だと感じるので、ワーグナーのいい面ばかりではなく、こういうマイノリティーな部分も触れないといけないと感じた。



今日の演奏。タンホイザー序曲、神々の黄昏より-夜明けとジークフリートのラインへの旅、神々の黄昏より-葬送行進曲、ニュルンベルクのマイスタージンガー 序曲、とワーグナーづくし。もうとても満足できる演奏であった。

オーケストラの演奏レベルとしては、正直まだまだ粗削りのところもあるな、と感じるところも多々あったが、お祭りムードに支えられて、素晴らしく感動できた。観衆は、もう大歓声であった。

(コンサートマスターが、風貌を見る限り、昔ベルリンフィルにコンサートマスターをやっていて、安永さんの後任として樫本大進をベルリンフィルに誘った、あの方じゃないかな、と思った、名前はど忘れしちゃったけれど。。。~・ガイという名前だったかな?)

そして、アルゲリッチのリストのコンチェルトも素晴らしかった。彼女、ここに健在!この後のアンコールでは、なんとバレンボイムとの連弾も披露。もう自分にとってはこれ以上ないご褒美となった。BBC Promsでのこのコンビによる演奏。最高の想い出になった。

一生忘れ得ることのできない、素晴らしい夏の一夜を過ごすことが出来た。

写真は、Twitterで、Argerichfanさんの投稿のそのときの写真をお借りしています。

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BBC Proms

2016年8月17日 19:30
Royal Albert Hall  ロイヤル・アルバートホール
プログラム43

<曲目>
イェルク・ヴィトマン
コン・ブリオ

フランツ・リスト
ピアノ協奏曲第1番

リヒャルト・ワーグナー
タンホイザー序曲
神々の黄昏より-夜明けとジークフリートのラインへの旅
神々の黄昏より-葬送行進曲
ニュルンベルクのマイスタージンガー 序曲

マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
ウェスト・イースタンディヴァン管弦楽団
ダニエル・バレンボイム(指揮)



大都会で多様民族の集まりであるブリュッセル。 [海外音楽鑑賞旅行]

品格のいいバイロイトから、ブリュッセルに移動してきたときに、あきらかに、その街の風情というのが違うことが、自分の肌でわかる。目に入ってくる街の景観、通行人の”なり”から明らかに感じが違うのが、はっきりわかる。

ブリュッセルに入ってきたときは、なにか、こう退廃的というか(笑)、荒んでいる感じがしてならなかった。

やはりテロ厳戒態勢下にある感じがして、駅を始め、市街のあちこちで、通行禁止になっていて、おびただしい警官、軍隊メンバーがいたりするのを頻繁に見かけた。

なにを隠そう、我がホテルにも、たくさんの軍人が出入りして、なにごとか!と思わず聞いたら、いや、ただ休憩しているだけだ、ということだったが。(笑)

でも時間が経つにつれて、慣れてきて、いわゆるブリュッセルの街独特の雰囲気に溶け込んできて、自分も同化してくるような感覚になってくる。

やっぱり都市間の移動した瞬間は、その差というのがどうしても気になるのだが、数日間滞在していると、慣れてくる。

ベルギーではフレミッシュという言語とフランス語が話される。フレミッシュというのは、オランダ語と同じ種類の言語だが、アクセントが異なるらしい。同じベルギーの中でもフレミッシュを話す地域と、フランス語を話す地域が分かれている。

でも、このフレミッシュ、ブリュッセルなどベルギーの南に行くと使われなくなり、南側の人々はほぼフランス語しか話せないのだそうだ。

22年前、自分が住んでいたときは、ブリュッセルの街の中のレストラン・メニューは、ほとんどがフランス語で書かれていたような気がする。今回体験したレストランでは、英語&フランス語であった。

ベルギー人はほとんど英語を話すことができる。英語はきちんと通じるし、うまいと思う。

英語の普及率は高いが、授業が始まるのは日本と同じくらいのタイミングなのだそうだ。

正式には、ベルギーの公用語としては、フランス語、オランダ語、ドイツ語の3か国語となっていて、(ザーベンタム)空港の標識なんかもそういうトライリンガルな表示になっている。

わずか2日間の滞在だったが、その間にすっかり22年前の感覚を完璧に取り戻し、今回ベルギーを訪問した甲斐があったというものだ。

ブリュッセル北駅で下車して、タクシーを使って、自分のホテルに行こうとして、ホテル情報を運転手に伝えたところ、いきなり”10ユーロ!”と言われ、そのときは、意味がよくわからなかったのであるが、途中で気がついた。料金メーターがついていないことに。。。かなりラフ。(笑)

でもブリュッセル名誉回復のために、言っておくと、その後頼んだタクシーはすごい近代的で素晴らしかったです。スマホをカーオーディオのヘッドユニットにデザリング接続していて、スマホでナビをしていた。単独のナビは使っていないですね。カー業界の最先端ですね。

さて、今回宿泊したホテルは、バイロイトについで、これまた、ブリュッセルの中でも最高級クラスのホテルと思われるほどゴージャスだった。近代ホテルというより、歴史感ある感じ。


Hotel Metropole

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部屋

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フロント

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朝食をとる軽食レストラン

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エレベーターもこんなにクラシック!

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居心地は最高だった。なによりもWiFiが、かなりブロードバンドでサクサクだった。
溜まっていた写真を一気にアップロード。


ホテルから、グランプラスは本当に近い。徒歩7分程度。

ホテルからまっすぐ歩いていくと、証券取引所が現れる。

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証券取引所手前の道路は、歩行者天国状態であった。

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これを手前に左折するとすぐにグランプラスに到着。

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今回は、滞在期間が短いし、目的はフラワーカーペットなので、グランプラスから大きく離れる散策をするつもりは到底なかった。だからグランプラス周辺を散歩程度にぶらぶらした程度。

第一目標のフラワーカーペットを見た後、グランプラスから出る枝道をぶらぶら。歩いていて思い出したのだが、こちらの道路は、石畳が多いんですよね。歩いていて、足の裏がすごい痛くなってくる。

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とりあえず、その辺でベルギービールを1杯!暑いときに最高にウマい!

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天気がいいので、みんな外でカフェスタイル。ヨーロッパだねぇ。

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さらにグランプラス周辺と言えば、この定番は行かないと。

小便小僧。小さいねぇ。いや、ナニがという意味ではなく、全体が、という意味です。(^^;;

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もう大変な観光スポットで、すごい人だかりでございました。



グランプラス内にベルギービール博物館というのがある。入ってみた。

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中は、ちょっと貯蔵庫的な薄暗いアングラな雰囲気で、なかなかよい。ここに入るには、入場料的な意味合いとして、まずベルギービールを頼まないといけないのだ。

今回は、ちょっと嗜好を凝らして、レッド・ビールを。。。なんかファンタのグレープにアルコールが入っているような味がしました。

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さらに別室に行くと、ベルギービールができるまでの映画が上映されているのと、パネル展示があったりする。でも、それだけ。(笑)

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グランプラスは、それこそ、フラワーカーペットで大盛況であったが、そこは、やはりこういう感じで、軍人の方が常にパトロールしていて、テロ厳戒態勢下であることを感じさせてくれる一幕もある。

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でも、なぜか背後にGODIVA。(笑)

ベルギーと言えば、ベルギービール、GODIVAのチョコレート、ワッフル、レースなどが挙げられるだろう。

このお店もグランプラス広場に面したお店なのだが、レースのお店。

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このお店、間違いなく22年前も存在した。あきらかに覚えている。まったく変わっていないで、このまんま残っているなんて、なにか、やっぱり進化が激しい東京に住んでいると、信じられないくらい、ヨーロッパは、いつまでたっても変わらないんだなぁ、としみじみ。


グランプラスから出て、ちょっと歩いたところに、ギャルリー・サン・チュベールというショッピングアーケード街がある。ここも昔よく歩いたところだった。懐かしくて寄ってみたくなった。

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中は、まったく変わっていなかった!

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ところがなんと!驚いたことに、このアーケード街の天井に、過去20年間のフラワーカーペットの花絨毯の模様が1年単位の布製パネルになって、上からぶら下がっていたのだ!

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昔、ブリュッセルに住んでいた時に、自分が遭遇したフラワーカーペットの模様がどんな模様だったかを調べたくて、ネットでいろいろググってみたのだが、うまく見つけられず、書籍&写真集にもなっていないようだった。

それが、こんな形でお目見えしようとは。

そして見つけてしまった。
これです!

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自分が住んでいたのが、1994年。このときに開催されたフラワーカーペットの花絨毯の模様。まさに間違いない。あの当時、夜と昼の両方観たのだが、とにかく頭の中は、一面真っ黄色の記憶が、頭にこびりついてたので、このデザインを見たとき、まさにこれだ!という感じでひらめき、蘇った!

感無量です。

そうしたら、後日、フラワーカーペットの公式HPを発見しました。

http://www.flowercarpet.be/en

こちらには、過去20回のカーペット模様が全部掲載されていました。
普通に考えれば、当たり前ですよね。

こうやって過去20回の花絨毯の模様を、ずっと一気に眺めていくと、その模様は、年々洗練されていっているのがよくわかるのが面白い。


このショッピングアーケード街にとても素敵なレストランを発見。

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ムール貝を食べなあかんな、と思っていたところに、外のテラスで、老夫婦がボールのムール貝を食べているのを見つけて、おっこれだ、という感じで、このお店に入ったのでした。

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店内は、とても綺麗。ベルギー・ブリュッセルは、富裕層、貧困層含め、あらゆる階級の人が混在して、レストラン、というよりカフェスタイルも庶民的なところが多いのだが、このレストランは、客層がとても上品で上流階級の人が多そうな感じでいい。なによりも清潔感がある。そして値段も安い。

このレストランは、とても気に入りました。

さっそくボール単位のムール貝を注文。ベルギービールも。あと、ベルギーはフライドポテトも有名ですね。

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おいしかった。白ワインに貝のエキスがしみ込んでいて、最後の残された白ワインを飲むのがとても美味しい。もちろんスプーンですくう訳で、間違ってもボールごと口に持っていくことはしません。(^^)


夜のライトニングのフラワーカーペットを見るために、夜の9時頃にならないと、あたりが暗くならないので、ホテルで休養していたりしていたが、腹が減ってきたので、ガッツリいきたい気分で、結局このレストランの印象がよかったので、再訪。

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ご覧のようにガッツリいかせてもらいました。もちろんベルギービールも。結局この日1日だけでも5~6杯は飲んだのではないだろうか?下戸なのに。(笑)

いままで朝食はしっかり取って、夕食は少な目、という感じだったので、常に空腹感という感じであったが、さすがにこれには満足。

このレストラン、おススメです。ショッピングアーケード街にあります。偶然見つけました。


ブリュッセルに入った時は、退廃的なんて、大変失礼な言葉を発してしまったが、2日間過ごしてみて、すっかり慣れてきて、22年前にワープできたのと、やはりブリュッセル、すなわちベルギーという国は、いろいろな人種の多様民族の集まりだということが、通行人を眺めているだけでも、それがはっきりわかる。

そして、なによりも大都会。

こんなに道路をたくさんの人がぎっしり歩いているなんて、やはり観光都市なんだなぁ、と感じたことだった。

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ベルギー・フラワーカーペット2016 [海外音楽鑑賞旅行]

2年に1回、ベルギー・ブリュッセルの世界遺産であるグランプラスで、開催されるフラワーカーペット。

今年が第20回目(40年)の開催で、今年は、日本&ベルギー友好150周年を記念して、花絨毯模様が、日本をテーマにデザインされる。日本人デザイナー 鈴木不二絵さんのデザインによる「花鳥風月」。

1994年ころにブリュッセルに住んでいた自分は、当時このフラワーカーペットを偶然経験したことがあって、今年日本がテーマということで、ぜひ行きたい、音楽旅行とはもう別物で、音楽抜きでぜひ行ってみたいと思っていたところ、夢が叶った。

今年は8/12~8/15の期間で開催されて、実際広場に花を敷き詰める作業は、8/12の早朝から行われたそうだ。実際始まる初日の朝にやるものなんですね。

今年の絨毯模様は日本がテーマということで、たくさんのブリュッセル在住の日本人の方が、この花の敷き詰め作業を手伝ったそうである。

じつに22年振りのグランプラス。

ホテルから徒歩7分位でグランプラスに着くのだが、この広場に入った時の興奮と言ったら、それはもう!

こんな花一面で出迎えてくれた。

広場の花絨毯に沿って一周してみる。やはり思うのは、地上から眺めている分には、花鳥風月のデザインがわかりくいな、と思ったこと。

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フラワーカーペットに使われる花は主にベゴニアの花を中心に使われる。

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このフラワーカーペットのデザインがわかるように見るには、建物の中に入って上から眺めないと、デザインがわからない。渡欧前に旅行会社スタッフと事前に打ち合わせたところ、この建物、市立博物館の2Fが外を臨むベランダになっていて、ここから見れるんではないか、という作戦を立てていた。

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実際入ってみたら博物館なので入場料8ユーロ。こちらのベランダは、あまり知られていないというか、穴場なのか、ガラガラで空いていた。

2Fから花絨毯を覗いてみたら、こんな感じで見えました。ちょっと慣れていなくて、絨毯を1枚のフレーム・アングルの中に納まりきらなくて分断で申し訳ない。

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じつは、グランプラスに居たら、この花絨毯を上から覗くのは、この市立博物館の反対向かい側にある、こちらの市庁舎のほうでも2Fのベランダを開放していることが現場でわかりました。こちらのほうは、じつは、かなり本格的で、フラワーカーペットのオフィシャル・スポンサーではないか、という感じがしました。

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なにせ、このような正式なゲートがある。そして長蛇の大行列。仕方がないので、私も並んだ。

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入場料は4ユーロ。こちらでは入場料を払うと、こんなフラワーカーペット特集の冊子も、もらえた。

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冊子の中では、過去の20回の花絨毯の模様の特集も組んでいたりする。

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この市庁舎のほうの2Fのベランダは、ご覧のように常に満員で、1日中満員御礼で空いているときがなかった。さらに、こちらのほうは、夜のライトニングのときも開放しているのだ。

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市立博物館のほうは、夕方5時で閉まってしまうので、夜はこちらの市庁舎しかソリューションがない。でも、市庁舎のほうは、いつも大変な行列で、かなり効率が悪く、市立博物館のほうが穴場だと思いました。撮れるアングルは、ほとんど同じ。

市庁舎から撮影したものは、こちら。

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さて、結局この日は、グランプラスにずっと居たり、散策したとしてもグランプラス周辺くらいしか動かなかった。早朝誰もいないときに絨毯を撮影できてよかった。

この日が最終日ということで、日中深くなってくると大変な人混みになってきた。あちこちから日本語が聞こえてくる。日本人もたくさん来ている。

地上から見ているとデザインがよくわからいので、こんなふうに撮影している方もいらっしゃいました。(笑)

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そして特設会場という感じで、高さがある程度ある台座を設置して、そこにみなさん登って撮影。今回思ったことは、自撮り棒って、スゴイ普及しているな、と思ったこと。(笑)みんな絨毯をバックに自撮り棒で撮影していた。

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日が深くなっていくにつれて、もうグランプラスは、ごった煮状態と化してきた。

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じつは、フラワーカーペットは、夜のライトニングされたほうが、さらにもっと美しいのだ!ライトニングの仕掛けは、絨毯のサイドの地面に設置されている、このライト群。このライト群がいっせいに光ることで、絨毯が闇の中で浮かび上がるようになるのだ。

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さらに市庁舎の上階のほうには、このようにライトが設置されている。これは後で説明するが、夜のあるショーのためである。

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さて、こちらヨーロッパは夏は日が長いので、暗くなるのは大体夜の9時くらい。それまで、周辺を散策したり、ホテルに帰還してひと休みしたりして時間をつぶした。


暗くなってから、ふたたびグランプラスに行くと、闇にライトニングされた花絨毯があった。感動!

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やはり、これは上から見ないといけないだろう、ということで、再び夜もやっている市庁舎の2Fのベランダに直行。みんな思いは同じで、大変な行列。写真は、手前向こう側にベランダがある。その手前の行列。

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そしてようやく、2Fベランダから撮影に成功。

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もう思い残すことなし。

再び、広場地上に降りたところ、夜のショーが始まった。グランプラスいっぱいに広がるPAサウンドで、和琴や尺八の音色で、”さくら・さくら”が流れる。そして市庁舎の上部に設置されたライトで、赤、青のビームが乱射する大サービスのショー。

もうグランプラスは大変な盛り上がりでした。

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これで、このフラワーカーペットを見に、ベルギー・ブリュッセルのグランプラスまで日本からやってきたミッションもコンプリート。

思い残すことはありません。記念すべき、2016/8/15でした。

このイベント終了後、この花絨毯をどうするか、というと掃除機でグァァ~とバキュームしてあっという間だそうです。(笑)


 


ベルギー・ブリュッセルのラーメン屋「やまと」。 [海外音楽鑑賞旅行]

後ろ髪魅かれる想いで、バイロイトを後にして、1日中、列車の旅。車窓からの美しい眺めに心癒される。バイロイトからニュルンベルグに出て、そこからICEでフランクフルトで乗り換えてベルギー、ブリュッセルへ。

昔住んでいたベルギー・ブリュッセル。

いまでこそ、ブリュッセルに日本料理屋と言えば、二桁の数の店舗はあると思われるが、22年前に住んでいた時は、ラーメン屋の「やまと」とお寿司屋&海鮮丼の「三辰」の2店舗しかなかったように思う。

もちろん随分入り浸してもらった。

和党の人なので、この2店舗はかなり重宝させてもらった。

22年以上経過しても、店内の様子とか、その想い出は、くっきりと頭の中に刻まれていて、今回ブリュッセルに行くなら、ぜひ寄りたいと思っていたお店だ。今回の影の主役だったりした。(笑)

当時30歳代の自分の青春時代を過ごした街で、この2店舗は外せない思い出だった。

ブリュッセルに到着したのは、18時半。
ホテルにチェックインして、部屋で一息ついて19時半くらいには出発した。

まず、向かうは、ラーメン屋「やまと」。

ホテルからは、かなり遠く、足なしでは、無理なのでタクシーで行った。

タクシーから見える風景は、ずいぶん懐かしかった。はっきり覚えていた。自分のマイカーの運転席から見ていた街の風景。

昔は、「やまと」には、マイカーで通っていた。
いま思うには、どこに車を止めていたのか覚えていないのだが。(たぶん路駐。)

そして、「やまと」到着。

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おぉぉぉ~!まったく変わっていない!
まったく、そのまんま!

ただいま、夏シーズンということで、外でも食べられるようになっている!
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店内もまったく、これっぽっちも変わっちゃいない。
22年前に自分の頭に中に刻まれていた通りの姿であった。


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スキンヘッドの方が、2代目日本人店長の若旦那。
(他のスタッフ2名は現地人。)


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お客さんは、昔からそうなのだが、じつは在住の日本人というより、現地のベルギー人の方が圧倒的に多いのだ。


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ここに待っている間の本棚があったり、待合の座席も、まったく昔の通り。


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メニュー。昔と比べてレパートリーが増えただろうか?
昔は、もっと簡単なメニューだった。


店内に入った時は、カウンター席満席で、待合座席で待っていた。
そして席が空いて、カウンターに座った時に、このスキンヘッドの日本人の方に話しかけてみた。

ノンノン「じつは22年前に、ここブリュッセルに住んでいたんですよね。そして、この「やまと」
             
によく通っていたんですよ。今回22年振りに訪れてみて、ぜひこのお店に来てみたかっ
             
たんです。」

若旦那「あ~そうなんですか?じつは、このお店を開いて開店以来ずっとやっていたオーナーの
     初代ご主人が一昨年にやめて、いったん閉店になったのですが、私が、その後を継い
     で、スープの味も引き継いでお店を再開したんですよ。店内もまったくそのまんま
              です。」

この話を聞いて合点が行った。じつは渡欧前に「やまと」のことをネットでいろいろ調べていた時に、ほとんどの記事で、「閉店した」と記載されていて、もう残念至極だったのだが、FBでは彼らの公式ページがあるし、そのTLを見ていると、なんか普通に毎日営業しているみたいなので、どこか半信半疑だったのだ。(でもぜったいお店はやっている、という確信はあった。)

三辰のことも聞いてみたが、ご主人はサマーバカンスのようでお店自体はお休みだそうだ。

これはショック!

でも、やまとの若旦那は、三辰さんは相変わらずですよ、お客さんがいらっしゃった時とな~んにも変わっていませんよ、と仰っていた。何を隠そう、この若旦那、三辰にも勤めていたらしいのだ。

じつに久しぶりに感じるこの空間。
自分がいまこの場にいることが、限りなくうれしい。

このお店のこの空間のことは、はっきり頭の中に刻まれているのだけれど、不思議とラーメンの味は、まったく思い出せないんですよね。人間の味覚って、記憶力はないと思います。(笑)


さっそくオーダー。

なにが、このお店の看板なのですか?と聞いたら、一応ウチは味噌かつラーメンが売りなんですよね、と言っていたので、それをオーダー。

「やまと」の看板メニューの味噌かつラーメン。

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食べてみたら、失礼であるが、予想以上に、かなり美味しい!

日本では、かなりの頻度でラーメンを食べているかなり麺通の自分。(かなり偏った趣味ですが。。。(^^;;)

麺は縮れ麺の細麺だったような記憶。味噌スープが、見た目よりも味噌の味が濃厚で、かなり美味しいと思った。そりゃあ、ふだん日本で美味しいラーメンを食べ尽くしている自分からすると、「美味しいラーメン」というレベルから比較すると可哀想かもしれないが、ヨーロッパでなかなかラーメンが食べれない環境下では、十分美味しいと思いました。

現地ベルギー人にも固定した人気を持っているのでしょう? もう30年以上もベルギーで活躍している老舗のラーメン屋です。

現地人は、相変わらずラーメンを食べるのが下手。(笑)

音を出して食べれないし、箸の使い方もどこかぎこちなく、麺をレンゲの中にクルクル巻いて、ふうふう冷ましながら食べている。これじゃ、回転率悪い訳だ。(笑)

私が、ラーメンの食べ方はこうするんだ!とばかり、箸で麺を大盛につまんで口に持って行って「ずずっー!」と大きな音ですする。(笑)そうやって、さっさと食べ終わったのでした。(笑)


22年振りの「やまと」。ご主人は変わっていたけれど、店内ふくめ、なんら変わっていなかったお店。ラーメンも美味しかったし、十分満足して、今回のベルギー訪問の影のミッションを完遂したのでした。

あっ、ここは餃子も美味しいらしいよ!


Yamato(ラーメン やまと)

address:Rue Francart II, 1050 Brussel
TEL: 02-502-2893


バイロイトって、こんな街。 [海外音楽鑑賞旅行]

パリCDGからニュルンベルグへのフライト。小さい飛行機なので、カートをすぐにピックアップして、そこからタクシーで、ニュルンベルグ中央駅までタクシー。そしてDB(Deutsche Bahn)在来線に乗る。その間、わずか1時間の早業。(笑)

それで、ようやくバイロイトに着いたのが、夜中の2時頃。


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バイロイト中央駅(Bayreuth Hbf)

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雨が降っていた。タクシーが1台だけ止まっていた。助かった!こんな夜中で、もしタクシーが1台もなかったら、雨に濡れて、途方にくれて最悪だったろう。

タクシーに乗って、自分のホテルまで行く。

この間がすごく嫌なのだ。見知らぬ土地に行くとき、自分のホテルまでタクシーで行く間が、なにか見知らぬ土地にふっと投げ出されたような感覚になり、方向感覚がマヒして、とても恐怖感に襲われる。

バイロイトって、すごい小さい街なのに、タクシーはグルグルといろいろ道を曲がりながら行くので、すごい恐怖感だ。


バイロイトでのホテル。

ARVENA KONGRESS HOTEL

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バイロイト市内でも超有名で高級ホテル。
お値段も素晴らしく高かった。

渡航の3週間前に捜したのに、奇跡的に空いていたバイロイト市内のホテル。祝祭劇場まで徒歩圏内ということであったが、いやはや、中央駅からかなり歩くので、そこからさらに祝祭劇場まで徒歩は厳しいものがある。でも送迎バスがある。

フロント

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そして部屋。

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なかなか雰囲気があって、とても素敵。居心地は素晴らしくよかったが、唯一の不満だったのは、WiFiが細かったことであろうか?結局パソコンで写真をアップロードできず、今回の旅行は、つぶやき中心で進めることに決定。でも結果的それがよかった。旅行中は、つぶやきぐらいがちょうどいい。


朝食、昼食を食べるレストランが、すごい豪華!
驚いてしまった。(右に映っているのがワーグナー像です。(笑))

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ピアノも置いてある。

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欧州テイストのお洒落感満載で、超高級ホテルだなぁ、という実感。
過去の音楽鑑賞旅行で、こんなに豪勢なホテルはなかったと思う。

ホテルの前には、なんとワーグナーさんが!(笑)

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さっそくバイロイトの街の散策。

バイロイトって、どんな街ということを一言で言うと、音楽祭が開催される街としては、たとえばルツェルンのような自然の風光明媚な美しさ、とか、ザルツブルクのような女性に好まれる華やかさ、という煌びやかさという輝きは、ないけれど、独特の味というか、非常に雰囲気のある、とても素敵な街だという実感。

とにかくワーグナー一色なのである。

マイスタージンガー通りだとか、タンホイザー薬局だとか、通りの名前や建物など、いろいろなところにワーグナーに関連する名前がついているし、このように、至る所にワーグナーさんの銅像が立っていたりするのだ。

実際自分はそういう類のショップに寄ることはできなかったけれど、ワーグナーの楽譜、書籍、記念グッズなど、ワグネリアンにとっては、とてもお宝となるようなものが、いっぱいある素敵な街なのだ。

女性が、自分の部屋にぬいぐるみなど、自分の好きなものでいっぱい囲まれる幸せ感、といおうか、自分の好きなワーグナー関連のもので、周りがいっぱい囲まれている幸福感というか、そんな街なのだ、バイロイトって。。。

さっそくホテルから中心街へ歩く。
観光処が集まっている中心街へはかなり歩くことになる。

ずばり中心街、つまり最初にきっかけで、中央駅まで行く基準とした通りは、この通り。

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最初、こんな風景が続くので、ずいぶん地味な街だなぁ、と。(笑)

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いきなりタンホイザー薬局。(笑)

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そして本屋を見つける。ウィンドウを覗くと、1930年代のバイロイト音楽祭のプログラムなのだろうか、ずいぶん古くて貴重な書物が陳列されている。指揮にフルトヴェングラーと書いてある。

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かなり歩いて中央駅付近の十字路に出たら右折で、中心街に向かう。

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ちょっと自分の視覚にビビッと来る建物があったら、すかさずパシャリ。いい感じのホテル。

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この通りが、たぶんバイロイトの街の中で一番大きな通りで自動車がバンバン通っている。

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さらに歩いていくと、教会のようなものが見える。
ガイド本には、お城としか書いていない。

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この教会の鐘が街に鳴り響く音って、やっぱり堪りませんね。素敵すぎる。

そうこうする内に、バイロイトの辺境伯歌劇場を見つける。

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1747年に完成したドイツに現存する唯一のバロック式劇場。絢爛豪華な装飾で埋め尽くされ、美しい内装空間を誇り、ヨーロッパで最も美しいバロック劇場のひとつとして世界遺産に登録されているのだ。

ここはぜひ観覧してみたかった。残念ながら現在修復閉館中で、外観から撮影するのみ。ワーグナーも、その昔、ここでベートーヴェンの第九を振っているのだ。

その向かいにギリシャ神話風の彫刻。

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ここから最初に目指すは、ハウス・ヴァーンフリート。

この辺境伯歌劇場のある通りであるOperanStr.をずっと登っていくと、こんな景観。

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ここのホテル&カフェはお天気のいい昼間は、テラスでお客さん、いい雰囲気。

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坂を上りきった反対から見下ろすと、こんな感じ。

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そして再び十字路。ここにも大きなテラスがある。

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ここを左折すると、ハウス・ヴァーンフリートのあるRichard Wargner Streetに出る。

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ここからRichard Wargner Streetの景観の様子。

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途中でワーグナーさんと愛犬、発見!

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あの奥に音楽祭の旗が立っている所が、ハウス・ヴァーンフリート。

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ここは、すでに前回の日記で紹介しているので、また元に十字路のところに戻って、Richard Wargner Streetと反対方向のMaximilianStr.ほうを散策する。

いきなりこの美しい景観。

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たぶん、この十字路からこのMaximilianStr.のほうを俯瞰した、このショットがバイロイト散策した中で一番気に入っている。


さきほど述べたガイド本にお城としか書いていない建物だと思うのだが、この通りまで伸びてきていて一面に大きな敷地を占めている。なんか外装が美しい。

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そこで、こんな風景も。。。

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そしてさらに歩いていく。

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歩いていると、喉が渇いたなぁ、と思っていたら、こんなところにこんなものがぁぁああ。自動販売機は助かるのだけれど、その横の屋台店が全体が赤くてお洒落。

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このBRATWURSTEってなんなのだろうなぁ?とそのときは思っていた。(ドイツ語で焼ソーセージのことなんですね。)

そうしたら、反対方向のRichard Wargner Streetでも同じような屋台店を発見!ここにもBRATWURSTE(ブラートブルスト)とある。

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はて?買って食べているお客さんの手元にあるものを見てみると、ハンバーガーの2枚のパンの中に焼ソーセージが2本くらい挟んであって、それを調味料をつけて食べるファーストフードみたいだ。ドイツでは、有名な焼ソーセージのファーストフードみたいで、あとでガイドブックで確かめてみたらきちんと載っていました。


さらに歩いていくと・・・こちらは、いまだにvodafoneなのでしょうか?(笑)

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そしてランチ用レストランということで、狙いをつけていた、オスカーというビアレストランを発見。築600年以上という館の中にあって、気軽なビアレストラン。

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さっそく中に入る。

とても素敵なお店の内装。

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ここで、まずビールを一杯、グイッと。ウマい!!

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フランケン風焼ソーセージとザウアークラウトを頼もうと思ったのであるが、ちょっと朝早すぎて、また朝食時間タイムらしく、ふつうのメニューには、あと1時間半かかると言われて、あっそう、じゃあいいや(笑)という感じ。

店を出て、さらにMaximilianStr.の奥のほうに歩いてく。

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そうすると、Marketといって、ちょっとした広場に出る。

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なんと、ここで野外バスケットをやっていた。クラシックな街だと思っていたが、なかなか。同性から見ても、たくましい体をしたお兄さんたちが、汗水流してバスケットやっていました。


ただで、やっている訳ではありません。DJの方がヒップホップの音楽をかけながら、ノリノリでやっているのです。バイロイトのイメージがぁぁあああ!(笑)

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通りに行きついたところで、教会(Spitalkirche)に遭遇。

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ここを左折する。

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雰囲気のいいカフェを発見。

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ふらっと歩いているうちに音楽祭に時間が近づいてきて、タイムアウト。Uターンしていま来た道を戻っていく。


そうするとワーグナーさん、化粧品売っていました。(笑)

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路上で、古楽器を使って喉かな演奏会。
いい雰囲気です。

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バイロイトって、こんな感じの街です。滞在期間2日間ですので、回れるところが限られましたが、十分街の雰囲気が味わえたと思います。やはり、華やかさというより、いい味出している街という表現が合っていることがわかるでしょう?(笑)

ワーグナー一色の街で小さな街ですが、とても雰囲気があって、私は大変気に入りました。音楽祭に限らず、オフシーズンでも寄ってみたい街だと思いました。


ハウス・ヴァーンフリート [海外音楽鑑賞旅行]

ワーグナー好きにとって、バイロイトの街に来たら、祝祭劇場に次いで大切なのは、ハウス・ヴァーンフリートだ。

呼称として、ヴァーンフリートだけでいいと思うのだが、現地の方に道を尋ねたときに、ヴァーンフリートでは、わかってもらえなくて、「あぁぁ、ハウス・ヴァーンフリートね!」という感じだったので(笑)、ハウス付きの呼称で今後、統一する。

自分のホテルは、中央駅から結構距離があるロケーションで、バイロイトの街で、観光処の集まっている市街地に行くには、かなり歩かないといけない。

ガイド本の地図を見ているだけでは、どうしても地理感が養えなくて、結局通行人の方に結構聞いた。

そして、辿り着いたハウス・ヴァーンフリート。

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祝祭劇場を建てるために、バイロイトに移り住んだワーグナーの住んでいた館である。

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館の前には、ワーグナーの創作活動のパトロンだったルートヴィヒ2世の胸像が立っている。ルートヴィヒ2世がいなければ、ワーグナーも後世にこれだけの功績を残せなかったであろう。

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さっそく、ハウス・ヴァーンフリートの裏庭のほうに移動する。

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ここには、ワーグナー、そして妻コジマ、さらに愛犬が眠っているのだ。

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心の中でこのように祈った。「あなた様のオペラを愛し、とうとうこの聖地までやってきました。これを機会に、より一層、陶酔感のある、あなた様の作品に向かい続けていくことを誓います。」

目的達成。もうこれで十分。(笑)

あっという間の出来事であった。

このお墓のさらに奥の裏側には、緑一面の公園が広がっている。
素晴らしい環境。

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ハウス・ヴァーンフリートの正面向かって左側の横には、息子のジークフリートの家がある。

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もう少し拡大して撮影してみると、下のほうにジークフリードの家と書いてある。
                                                                                                                                                                                         
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そして右側の横には、ワーグナー博物館とカフェがあるのだ。ワーグナー博物館のほうは後でまた説明する。お天気の中、カフェのお客さん、気持ちよさそう。

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ワーグナー博物館の中の受付で、観覧のチケットを購入して、緑のシールを胸に貼って、館内を見学する。

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ハウス・ヴァーンフリートは、ワーグナーが暮らしていた書斎やリビングなどの生活空間をそのまま残し、遺品などを展示して見学する博物館のようになっている。

館内撮影OKのようで、みなさん、バシャバシャやっていましたので、私も撮影することにしました。どうしても人が写ってしまい、肖像権NGだが、仕方がない。。。申し訳ない。


ハウス・ヴァーンフリートの最大の見どころは、ワーグナーの書斎。
入り口にワーグナーとコジマの胸像。

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入ってみると、これが、じつに素晴らしい!

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赤のカーテンに白の壁というツートンカラーの組み合わせが素晴らしく、さらに裏窓のある高級感のある雰囲気。

左右両サイド、そして背面には書籍がびっしり。
その本棚の上には、自画像の肖像画や、コジマ、ジークフリート、リストの肖像画もある。

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そして立て掛け型の大きなコジマの肖像画。

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天井は、豪勢なシャンデリアとセンスのある塗装のカラーリング。

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なんとも素晴らしい書斎空間。

驚いたのは、ここで室内楽コンサートを模様しているのだ。

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ヴァイオリンとハープの室内楽で、30分くらいのコンサートを繰り返して演奏する、という感じ。(ヴァイオリン奏者は東洋人の方のようでした。)

これが、またじつに音が素晴らしくて驚くのだ。下手な室内楽ホールよりも素晴らしいと思えるほどだ。音がすごい濃厚で、ハープの下から上までのとても広い音域を隈なく出し尽くしているという感じで、ボロロンというなんとも心地よい響きが部屋中に広がる。ヴァイオリンの音色も妖艶だ。2人のハーモニーのアンサンブルは、それは、それはとても美しい音色であった。

ここで聴いたタイスの瞑想曲は一生忘れることができないでしょう。

贅沢な瞬間。。。


さて、書斎以外の部屋も見学。


妻コジマの父は、ピアニストのフランツ・リスト。このバイロイトにもリスト博物館があり、ワーグナーとリストは切っても切れない関係にある。

所蔵のピアノの上に、ワーグナーとリストの肖像画。

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ワーグナー一家が使っていたと思われるワイングラス、コーヒーカップ、スプーンなどの食器。
博物館の中の展示は、大抵が、外気に遮断するための容器をかぶせられている。

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食卓。

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2階のほうに上がる。

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ソファ。

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椅子。

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ローエングリンの衣装。

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パルジファルの衣装。

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ワーグナーの肖像写真。

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ワーグナーとジークフリートの写真。

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直筆譜。

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そしてワーグナー一家の家系図。

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感無量である。


つぎに、このハウス・ヴァーンフリートの正面向かって右側にワーグナー博物館がある。

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受付。(ここで入館のチケットの胸のシールをもらう。)

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受付のフロア。

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展示物は、地下にある。

時代の古いもののために、暗幕で覆われていて、太陽の光、照明はいっさい入らないような部屋になっている。

まず、祝祭劇場のミニチュア。

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プロジェクター投影。

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そしてパルジファル、ローエングリンなど、一連の楽劇に使われた衣装がケースに保管されている。

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これはなんだろう?そのときはわからなかったのであるが、当時の舞台芸術のミニチュアなのだろうか?

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そしてバイロイト音楽祭で指揮をしてきた往年の名指揮者たち。(写真ボケてしまいました。)

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フルトヴェングラーやトスカニーニの姿もある。

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なぜか、日本流和風な庭園を観ながら、おそらくワーグナー音楽を聴いているリスニングルーム。

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そして往年(最近?)のバイロイト音楽祭での名シーンを撮影したショットが展示されている。

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祝祭劇場の他に、ここを観れただけで、自分はもう十分だと思いました。ワーグナーの聖地バイロイトに来たなら、このハウス・ヴァーンフリートとワーグナー博物館は、必ず訪れないといけないスポットであることは間違いなし。

もう思い残すことはありません。


バイロイト音楽祭 「トリスタンとイゾルデ」 [海外音楽鑑賞旅行]

ワーグナーの楽劇の中でも、「トリスタンとイゾルデ」はとても大好きな演目で、拙宅オーディオオフ会でも有名な第1幕への前奏曲は、よくおかけするのだ。もちろんPENTATONEのヤノフスキ&ベルリン放送響であることは言うまでもない。

この第1幕への前奏曲、そして第3幕の終結部(イゾルデの愛と死)は、ワーグナーのオペラでは、示導動機といって、この前奏曲の部分に使われた動機(モティーフ)がオペラ全体の中で何回も登場してくる。(ワーグナーの手法)

とても情感的で、美しい旋律で、この楽劇のテーマである「官能的な愛」が、とても色濃く表現されている。なにか、大きな「うねり」のようなものを感じて、大河のごとく壮大な美しさを感じる。ワーグナー音楽の代表格とも言えるドラマティックな展開なのである。

オペラ自体は、劇としては意外や動きは少なくて、延々とトリスタンとイゾルデとの熱烈な愛をお互い語り合う、愛し合うというところが多い、ある意味、ちょっと重たい部分もあるのだが、ワーグナーが「最高」としただけの作品の完成度はあると思う。

愛聴盤のPENTATONE ヤノフスキ盤では、トリスタンにシュテファン・グールド、そしてイゾルデにニーナ・ステンメというキャストで、この盤をずっと聴いてきた自分にとっては最高の当たり役というか、これが自分のリファレンスにもなっている。

今回のバイロイトでも、トリスタンは同じシュテファン・グールドで、これが楽しみで仕方がなかった。

「トリスタンとイゾルデ」は、バイロイトだけではなく、東京二期会やMETでも上演されるようで、なにか今年のひとつのキーになっている演目なのかな、と感じていて、注目の演目なのだと思うようになってきた。

東京二期会の公演もさっそくチケット購入して、観劇に行く予定である。


今回のバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」は、バイロイト音楽祭の総監督のカタリーナ・ワーグナーさんが演出を担当、そして指揮が、クリスティアン・ティーレマン。ティーレマンは同音楽祭の音楽監督でもあって、鉄壁の両コンビで挑む。

カタリーナさんの演出家としての腕前は、どのようなものなのか?去年も披露されている演出だが、自分は敢えて情報集めはしないで頭を白紙で臨んだ。


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写真提供:Bayreuther Festspiele


第1幕。とても幾何学的&無機質なデザインな鉄筋で出来た格子状の階段&通路オブジェ。

やっぱりバイロイトの演出だなぁ、という第1印象。とても抽象的で、どういう意味があるのか観客に考えさせる舞台装置。なんでも、このセットは18世紀、イタリアの建築家で版画家としても活躍したジョヴァンニ・バティスタ・ピラネージの名作「(幻想の)牢獄」をモティーフに考案されたものなのだそうだ。

歌手たちは、この階段&通路を動きながら、ある場面になると、その心理表現に同期して、この階段&通路が縦方向にスライドしたりして、観ている側をスリリングな気持ちに陥れる。

本当に不思議な空間、そして演出効果だ。


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写真提供:Bayreuther Festspiele

トリスタンとイゾルデが「愛の薬」を飲み合う場面では、なぜか2人は薬を飲まずに捨て、薬に頼らなくても、お互い深い愛に満ちているかの如く、抱き合い、愛を確かめ合う。

ここも、原作とは一味違うスパイスを加えたカタリーナさんの演出効果なのだろうか?


じつは、この場面に限らず、数多くの部分で、原作とは違う解釈、登場人物のキャラクター設定などの妙を加えているのだが、それが決して破綻した内容ではなく、許容範囲でいい方向に作用しているように思えた。



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写真提供:Bayreuther Festspiele



第2幕のトリスタンとイゾルデの密会の場面、そして瀕死の重傷を負ったトリスタンが、イゾルデの幻影に想いを寄せ語り掛ける部分の第3幕とも、非常に簡素な舞台装置で、特に第3幕は、装置はいっさいなかった。闇の中で、写真のような投影技術をうまく使った光の三角錐の投射イメージの中に、イゾルデの幻影を映し出し、そこにトリスタンが語り掛ける。

バイロイト祝祭劇場は、ものすごい古い劇場なのだけれど、舞台装置や照明などのIT化は、近代的というか確実に進んでいて、いまの時代に合っている印象を受ける。特に第3幕での闇の中での、この光の投射効果は、とても美しくて印象的だった。

全3幕とも正直照明は、ほとんどないと言ってよく、闇の中で、そこに少ない光を巧みに使って効果を出していたようなそんな照明演出だった、ように思う。

イゾルデがかけつけると同時に絶命するトリスタン。
最大のヤマ場である「愛の死」をイゾルデが歌う。


抽象的で奇抜な演出が多いバイロイト演出の中では、演出、舞台装置、照明ともに、とてもシンプルな構成で、ある意味普通のオペラっぽいところが、とても自然でよかった。でも第1幕のようなバイロイトらしい、ちょっとした山椒のピリッと効いた仕掛けもあって、単に平凡で終わらないところが、自分にはカッコよい感じがして素晴らしい演出だと思った。

素直に感動できました。

カタリーナさんの狙いも深いところは、もちろん、もっとあるのだろうが、才能あると思います。(笑)(前回の演出のマイスタージンガーでは散々なブーイングだったようですが。。。)

バイロイトの聴衆は、かなり乱暴というか、はっきりと意思表示する、と思った。終演後の最初の歓声がブーだった。(笑)そして、その後、割れんばかりの大歓声、ブラボーと足踏み鳴らし。

ヨーロッパのオペラ聴衆は、いいものはいい、悪いものは悪いとはっきり意思表示する、と聴いてはいたが、オペラ鑑賞歴の浅い自分は、ブーを初めて聞いた。

どういう意味でのブーだったのかは、不明だが、その後の大歓声を聞くと、やや意味不明でもある。やっぱり品行方正の日本のオペラファンの聴衆とは、かなり温度感が違うと感じたところである。



歌手陣。 

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シュテファン・グールド(トリスタン)
写真提供:Bayreuther Festspiele

トリスタンのシュテファン・グールド。同役では自分のリファレンスであることを言ったが、本番の生を観てもやはりよかった。バイロイトで、自分の本懐を遂げられたと感じた。小柄ながら、いわゆる馬力型のヘンデルテノールなのかも。この人の実演は、近年では、東京・春・音楽祭でのN響ワーグナーの「タンホイザー」演奏会形式でも聴いた。ワーグナー歌手としては、もう脂が乗りきった人ですね。カーテンコールでは、出場歌手の中でダントツの大歓声、ブラボーを集めていました。 

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ペトラ・ランク(イゾルデ)
写真提供:Bayreuther Festspiele

ある意味、泣かせる官能的な旋律である「愛と死」は、このイゾルデが担わないといけない、この楽劇では本当に決め処の役。十分その大役を演じ切り、歌い切ったと思った。声質も声量も十分。安定した歌唱力。ただ、煩い自分にとって(笑)、敢えて言えばもう一息、この楽劇で大切な「うねり」の感覚、ぐぅ~っと腹の底からホール内を圧するような馬力、粘着力というか”濃さ”みたいなものがもう少し欲しい感じがした。ニーナ・ステンメはヴィブラートが強い歌手ですが、その点が、イゾルデに関しては、自分を満足させてくれる歌手なのでした。


そしてティーレマン。 

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およそ4時間の長丁場、見事にオケをドライブしてコントロール下において、素晴らしいサウンドを醸し出していた。同音楽祭の音楽監督ということもあって、ワーグナー解釈の第1人者でもある、その実力を見事に発揮していたと思う。ティーレマンという指揮者は、よく独自解釈&独特のテンポ感、うねり感を持つ人で、それが聴いている人にとっては違和感を感じる場合が多いという話もよく遭遇するのだが、今宵に関しては、まったくそういうことを感じなかった。まさに王道のトリスタンとイゾルデだった。

カーテンコールに現れたときは、もう大変であった。歌手たちを遥かに凌ぐ大歓声、ブラボー、足踏み鳴らしでホールが揺れた。

バイロイトの聴衆はよくわかっていた。

ティーレマンが、ピットに入っていたオケを全員ステージにあげてのカーテンコール。
オケメンバーは、全員私服です。(笑)

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バイロイト音楽祭2016 「トリスタンとイゾルデ」

2016/8/13 16:00~ バイロイト祝祭劇場


指揮:クリスティアン・ティーレマン
演出:カテリーナ・ワーグナー
舞台:フランク・フィリップ・シュロスマン
   マティアス・リパート
衣装:トーマス・カイザー
演劇構成:ダニエル・ウェーバー
照明:ラインハルト・トラウプ
合唱指揮:エーベルハルト・フリードリッヒ

トリスタン:シュテファン・グールド
マルケ王:ゲオルグ・ツェッペンフェルト
イゾルデ:ペトラ・ランク
クルヴェナール:イアイン・ペイターソン
メロート:ライムント・ノルテ
ブランゲーネ:クリスタ・マイヤー
羊飼い:タンゼル・アクゼイベック
舵取り:カイ・スティーファーマン
牧童:タンゼル・アクゼイベック



バイロイト音楽祭 「神々の黄昏」 [海外音楽鑑賞旅行]

バイロイト音楽祭で人生最初に鑑賞することになったのが、「ニュルンベルグの指環」の最終章の「神々の黄昏」。

事が決まって渡欧するまで、ほとんど時間がなかったので、予習素材としてDG/UNITELから出ている1980年のバイロイト音楽祭のDVDで1回さらっただけであった。

もともと指環(リング)って、神話のお話なのであるから、この予習素材は、それ相応の時代考証での舞台芸術、衣装で、好感の持てる、いわゆる保守的・伝統的な路線の演出だった。自分にとっては、とても受容的な演出だった。

オペラって、演出、舞台装置、衣装、演技、歌手の声などによる総合芸術と、よく言われるけれど、オペラを鑑賞するたびに都度思うのは、やはり演出の占める割合が、その公演の大部分の印象を決めてしまうんではないかな、ということ。

筋書は常に不変、そして作曲家ワーグナーがこの楽劇で何を伝えようとしたいのか、は固定で不変のはず。そして、なによりも音楽が不変。

でも演出家がそれをどのように表現して、あるいは読み替えたりして、どう舞台表現していくのか、の出来具合で、その作曲家の意図が歪めれられたり、観客にうまく伝わるのかが決まるのではないのか?とオペラ鑑賞歴の浅い自分でもそう感じてしまう。

今回の指環4部作の演出家は、フランク・カストルフ氏。

今回が新制作ではなく、3年前あたりから、ずっと同じ演出で毎年上演してきている。それを今年私は見た訳だ。



はっきり言おう!


カストルフ氏のリングのこの演出は、私には、全く理解不能で、「神々の黄昏」の筋書を、いま目の前で展開されている演出に、どのように解釈、結び付け、理解していくか、という頭の中の処理が、舞台進行のスピードについていけなかった。

こうやって帰国後に他人の感想を少し垣間見る感じで、はじめて、あぁそうだったのか?と理解する感じ。

3年前からずっとやっている演出なのだから、事前に情報を掴んでおくこともするべきだったかもしれないが、突然決まったことなので、そんな余裕はなかった。

ずいぶんと意味不明、理解不能でメチャメチャだなぁ、という印象で、悲しいかな、これが私のバイロイト演出の人生初の経験となった。

2,3年前のねずみのローエングリンでも、その最悪の演出ぶりが話題になったことは記憶に新しいので、やっぱりバイロイトの演出って一筋縄ではいかない、超難解・奇怪というのを、身をもって経験してしまった。

バイロイト演出は難しすぎる!

このカストルフ氏のリングの演出は、どうも私だけでなく、マスコミ、評論家あたりの評判もほぼ同様のようで、悪評にさらされているようだ。

ラインの黄金、ワルキューレ、ジークフリードなどは観ていないので、私が責任もっては言えないが、どうなのだろう?

毎年バイロイトに行かれている方であれば、この演出にも慣れて、どう読み替えられているのか、というツボがわかってその素晴らしさを評価できるのかもしれないが、人生初体験の自分には、あまりに荷が重すぎた。

時代考証は現代。舞台装置もかなり大がかりで、天井から白幕を吊るして投影したりもするのだが、その投影内容の画像も、なにかしら意味不明でどういうことを言いたのだろう?とまず考え込んでしまう。

過度の読み替え、抽象すぎて、何を表現したいのか?を常に観客に考えさせるような凝った演出なので、頭がそちらに集中しすぎて、歌手の歌声、演技、表現だとかのもう一つ大事なファクターに気が回らないのだ。


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写真提供:Bayreuther Festspiele


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写真提供:Bayreuther Festspiele


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写真提供:Bayreuther Festspiele


この日記で採用している写真は、バイロイト音楽祭の公式HPから正式に購入した写真で、著作権的にクリアされているものです。(HPの中の上のバーにあるFOTO ORDERから入っていて、写真を購入できます。過去の年度の音楽祭の写真も購入できます。)

バイロイト音楽祭公式HP
http://www.bayreuther-festspiele.de/english/english_156.html



第1幕と第2幕でのギービヒ家は、中央にケバブの売店がある。店内にはトルコの国旗とベルリンの熊のマークの旗が張られており、第2幕では一同がケバブを食べながら騒ぐ。

第3幕では、突然ニューヨークの証券取引所が出てきて、そのビルの前でラインの乙女たちが高級オープンカーの中で寝ており、(しかもラインの乙女はヤンキー女だし。)しかもそのクルマは1人の男をはねて重傷を負わせ、スクリーンではラインの女たちがその男の死体をトランクに詰め込む模様が写される。


ジークフリートが殺される前にラインの乙女のうちのひとりと、この車の上で情事に至る。

ハーゲンはジークフリートを背後から槍で刺すのではなく、金属バットで正面から殴り殺す。

ほんの一部を掻い摘んでいるにすぎないけれど、後出しじゃんけんで考えてみれば、その難解な解釈の真意がわからないでもない。でもリアルタイムには、あまりに自分の頭にある筋書のイメージと乖離しすぎて理解するには荷が重すぎた。

予習素材のDVDで見た1980年代の頃のような神話らしい時代考証の演出って、もうバイロイトでは復活することってないのだろうか?やはり現代の時代考証、そしてつねに一捻りある抽象的解釈優先なのだろうか?

でも歌手たちは、かなり善戦しているように自分には思われた。


特にカーテンコールで大歓声でブラボーで迎えられていたのは、ブリュンヒルデを歌ったキャサリン・フォスター。 

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キャサリン・フォスター(ブリュンヒルデ)
写真提供:Bayreuther Festspiele

ジークフリート亡き後の独唱は、すざましい壮絶なものがあって、まさに場を圧するという感じで、その勢いのまま、カーテンコールでのブラボーを勝ち取ったと言っても過言ではなかった。 


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シュテファン・ヴィンケ(ジークフリート)
写真提供:Bayreuther Festspiele

ジークフリートを歌ったシュテファン・ヴィンケも安定した歌唱力で、主役の大役を堂々と歌い切った。 


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シュテファン・ミリンク(ハーゲン)
写真提供:Bayreuther Festspiele


「ワルキューレ」ではブリュンヒルデというヒロインが、「ジークフリート」ではタイトルロールであるヒーローが活躍する。この「神々の黄昏」では、じつは悪役のハーゲンがそれに相応したりする。

そんな大切な役を、見事に演じたのがシュテファン・ミリンクで、悪役にふさわしい見事な役への成りきりっぷりで、バスの魅力的な声が劇場を支配していた。 




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そしてなによりも、自分にとって、この公演の大きな目玉だったのが、指揮のマレク・ヤノフスキ。

自分の音楽人生にとって、なにかと縁の深い巨匠である。彼のバイロイト・デビューの現場に立ち会えることができた、というのが、自分にとって一番大きな収穫であった。

ヤノフスキのリングの演奏は、テンポが速いとの話もあるらしいが、現地で聴いた限り、自分的には、そう?という感じであった。(笑)

「音楽だけに集中して舞台装置による解釈なしにワーグナーの楽曲の音楽的な質の高さを観客に伝えること。」と、演奏会形式のスタイルにこだわり続けてきた巨匠にとって、今回のオペラ指揮には、本人の大きな決断もあったようだ。

BR-KLASSIKでのインタビューで、ヤノフスキは、思わず本音で、このように答えている。

「自分も77歳。この機会を断ったら、あの音響が独特のオーケストラピットを味わうことは二度とできない。私は弱くなったのです。後悔はしていません。」

カーテンコールでの歓声は、1番大きかった。

相変わらず、控えめな所作であるけれど、この割れんばかりの大歓声・ブラボー、そして床の踏み鳴らしに、なにか自分が褒められているかのように嬉しく涙が止まらなかった。自分は惜しみない拍手をずっと送り続けていた。

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バイロイト音楽祭2016 「神々の黄昏」

2016/8/12 16:00~ バイロイト祝祭劇場

指揮:マレク・ヤノフスキ
演出:フランク・カストルフ
舞台:アレクサンダー・デニック
衣装:アドリアーナ・ブラガ・ペレツキ
照明:ライナー・キャスパー
撮影:アンドレアス・ダイナート&イェンス・クルル
合唱指揮:エーベルハルト・フリードリッヒ

ジークフリート:シュテファン・ヴィンケ
ギュンター:マルクス・アイヒェ
アルベリヒ:アルベルト・ドーメン
ハーゲン:シュテファン・ミリンク
ブリュンヒルデ:キャサリン・フォスター
グートルーネ:アリソン・オークス
ヴァルトラウテ:マリナ・プルデンスカヤ
ノルン1:ヴィーブケ・レームクール
ノルン2:ステファニー・ハウツィール
ノルン3:クリスティアン・コール
ヴォークリンデ:アレクサンドラ・シュタイナー
ヴェルグンデ:ステファニー・ハウツィール
フロースヒルデ:ヴィーブケ・レームクール

合唱:バイロイト祝祭合唱団
管弦楽:バイロイト祝祭管弦楽団


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