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京都大好き [国内音楽鑑賞旅行]

2日目。今回の京都ツアーの真の目的は、15:30からのコンサート。これには絶対遅れる訳にはいかない。よって初日含め、それまでの間に計画していたスポットは制覇しておかないといけない。

初日終わって、スケジュールはいっぱいいっぱいに押していた。
正直結構プレッシャーはあった。

2日目最初のスポットは、宇治の平等院を目指した。
京都からかなり離れている郊外で、京都より奈良線で、結構の時間がかかる。
宇治に着いてから、駅から平等院に行くまでが、これまた結構時間がかかる。
(徒歩で10分くらい。)

宇治はお茶の街。街の景観を楽しみながら、平等院を目指した。

平等院

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圧巻だった。これは美しい。
京都に残る数少ない平安建築の色彩。平等院の中でもこの写真の鳳凰堂は、とても有名。
あの10円玉に刻まれている建築物こそ、この鳳凰堂なのだ。鳳凰堂には、阿弥陀如来像が設置されていて、信仰の場だけが持ちうる厳粛な空気が漂っていた。圧巻の一言。


この後、当初の予定にはなかったのであるが、奈良線で宇治に行くまでの途中に、稲荷という駅があって、ここには伏見稲荷大社があることを知っていて、ここも有名スポットだったので、ぜひ、ということで途中下車した。

駅前が、すぐに伏見稲荷大社の門。

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伏見稲荷大社

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商売繁盛の神を祀る稲荷社の総本宮。境内は、朱色の社殿や鳥居が立ち並び、特に千本鳥居は有名。立ち寄ったきっかけも、この千本鳥居を体験したかったからだった。

自分の今年の祈願も商売繁盛。願ってもみない絶好のチャンス。
ちなみに、この伏見稲荷大社は、外国人観光客の人気観光スポット 3年連続第1位であるほど超人気なんだそうだ。

お目当ての千本鳥居。

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中にいると、目が回る~。(笑)

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奉納すると、このように柱1本1本に名前を刻んでもらえて、このように立ててもらえる。日々増えているそうだが。。。



スケジュールが押していたので、急いで、京都駅に着いてから、市バスで金閣寺方面へ。
目指すは、有名な石庭がある龍安寺へ。

地図を見ると、金閣寺の傍にあるように見えるのだが、実際行ってみると、なんと徒歩20分もかかるところにあった。時間が押していて、焦っているところに、この徒歩20分は相当堪えた。徒歩20分って相当歩きますよ。(笑)歩いても歩いても、辿り着かない。不安で途中で街に人に聞いたりして確認。足がかなり棒になった。

なんと龍安寺の前にはバス停があって、バスで行けばもっと適切なアクセスになったようだ。

ようやく龍安寺。

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そして有名な石庭。

室町中期に細川勝元が創建した龍安寺。砂紋の描かれた白砂に15個の石が置かれただけの石庭。いろいろなことを連想させる底の深い芸術品。あのエリザベス女王も絶賛していた!

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石庭が目標なので、達成したら、即座に退散。(笑)目指すは、逆に戻って金閣寺。このまた戻るときの徒歩20分がキツかったな。たぶん今回の京都ツアーの中で一番ツライと思った瞬間だった。

京都に来たら、やはり金閣寺、銀閣寺はどうしても寄っておきたい。ご挨拶みたいなもの。
この日は快晴で、休日ということもあって、大変な混雑。過去3回訪問の中で一番混んでいた。

もう相変わらず外国人観光客だらけ。あまりの混雑ぶりに外人さん、切れていました。(笑)このやり場のない、どうしようもない状況にストレスいっぱいだったんでしょう。


やはり京都観光の大本命、金閣寺。圧倒的な美しさですね。

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最後ラストは、銀閣寺。市バスで向かう。
バス停を降りたら、まず、これもおなじみ京都銀閣寺ますたにラーメンの総本山である、京都の中華そば「ますたに」北白川本店へ。

まさに京都ラーメンの聖地巡礼ですね。

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もう店内に入るだけで、すごいクセのある臭みの匂いが漂っている。
そう!この匂い。日本橋本店にはない、この臭み。この匂いこそ、ますたにラーメンの真髄。

さっそく本場のますたにラーメンをいただく。メン固め、ネギ多めで、ごはんもつけて、男らしい!

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そして銀閣寺へ。

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何度も申し上げているが、自分的好みからすると、落ち着いた感じの和の様式美というセンスからすると、金閣寺より銀閣寺のほうが風情があるような気がするのだが、いかがであろうか?


これにて、予定していたスポットはめでたく、全部廻ることが出来た。時間ぎりぎりセーフ。
銀閣寺は交通のアクセスがあまりよくないので、このようにタクシーがスタンバイしてくれている。

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京都来た時は、いつも銀閣寺を最後に持っていき、最後はタクシーで、京都コンサートホールへ向かう、という感じなのだ。


これはさか戻って、初日の夜のことだが、京都タワーにある大浴場も体験。(笑)
初日も本当に歩き回って足が棒になった。湯船で筋肉十分ほぐすことができた。なかなか中規模に豪勢でいいお風呂であった。

写真撮影は、ここまで。裸族が写ってしまい、盗撮行為と間違われるので。(男の裸体でも)
でも、京都タワーでお風呂入る人っていないよね。(^^;

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春の桜の京都劇場、これにてお終まい。お馴染みの京都駅構内にある「京都茶寮」というお店で抹茶セット。去年から3回京都を訪問して、大体のところは網羅できた、と思います。なんか、とりあえずの征服感あり。これで、しっかり自分の街になったような気分です。やはり日本のイメージを国内外に表現できる最高の街だと思いますね。

これですっかり京都大好き、京都フリークになりました。
またチャンスがあれば、訪問したいです。


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桜の春の京都のはずが・・・ [国内音楽鑑賞旅行]

夏と秋の紅葉、そして春の桜の京都を体験する、と目論んだのだけれど、そうはうまくいかないんだな。今年は寒いようで、開花宣言が1週間遅れになるそうで、今週末が4月上旬に満開になるそうだ。

去年2回も京都を訪れたけれど、もうひとつ行きそびれたスポットが、何か所かあり、今回行くことで、全部制覇したいという目論見。

もちろん、本来の目的は、広上淳一指揮京都市交響楽団の演奏会にあった。

今年は、武家政権終焉の大政奉還150周年ということで、元離宮二条城がスポットのようだったので、まず最初にそこを狙った。


今年は大政奉還150周年。

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この季節の二条城は、二条城桜まつりということだったらしのだが、残念ながら桜は咲いていなかった。

元離宮二条城

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門をくぐると、かの有名な二の丸御殿

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さっそく御殿の中へ。やはり京都観光は、圧倒的に外国人観光客に占められますね。80~90%くらいがそうではないでしょうか?さらに中国、韓国のアジア勢が多いこと。話し声で一発でわかる。

二の丸御殿の中は、こんなに薄暗い。床がミシミシと鳴きます。
基本的に城内は、撮影禁止だったようなのだが、まったく気づかず、バシャバシャ撮っていました。(笑)

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そして、ここが大広間。あの15代将軍徳川慶喜が、大政奉還を告げた広間である。

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歴史の教科書で何回観てきたことであろう。
感動したが、思っていたより狭い印象だった。(教科書の絵だと本当に大広間という感じ。)



次に訪れたところが、京都御所。(京都御苑)

二条城と地理的に近いので、ぜひ寄ろうと思った。

首都が東京に遷都する前は、古来からずっと、天皇陛下は、この京都御所に住まわれていたのだ。

これがもう驚くぐらいスゴイ広い敷地なのだ。圧倒されるのと同時に、その中を徒歩で移動するのが相当つらかった。それくらい広い。外は普通の街の喧騒なのだが、敷地内に入るとその趣きというか空気が全然違う。さすがにセキュリティが厳しく、カバン中身チェックをやっていたし、宮内庁の職員スタッフが所々に立っていた。

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まず御殿に入る前がこんな感じで果てしない。(笑)

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これが紫宸殿。

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京都御所において最も格式の高い正殿。即位礼などの重要な儀式がここでおこなわれた。
明治、大正、昭和の三代の天皇の即位礼は、この建物内で行われたそうだ。

その周りは朱肉色のこのような塀で囲まれており、この紫宸殿がものすごく権威のある建物に見える。

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実際天皇が住まわれていた住居として使われていた御殿。

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驚いたのは、この天皇のお住まいの御殿の前に造られていた庭園(御内庭)。あまりの美しさに言葉も出なかった。こんな美しい和の雅を感じる様式美の庭園は観たことがない!

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とにかくとても厳粛な気持ちになった。

つぎに、場所は京都の端のほうにある嵐山まで行くことにした。
地下鉄を乗り継いで、こ~んなレトロな電車(笑)、嵐電線だ。

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私が乗った車両には、偶然にも天井に桜の飾りが!

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なんとも長閑な雰囲気で揺られながら、嵐山駅に到着。

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これはなんだろう???とても日本風で面白い。

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なんとホームの上には足湯があるのだ。和だねぇ。(^^)

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まず目指したところは、渡月橋。

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もうこれはとても有名なところですね。駅を出たら左折して歩いていたらすぐに到着する。

これで、つぎの嵐山の観光名所である竹林の道、竹林の小径を訪れることにした。
今度は駅を出て右折する反対方向にあり、10分位歩くだろうか?

最初、プロの写真で観ると、もうとても幻想的で、感動もんなのだ。
これにつられて、自分はぜひ行ってみたいと思ってしまった。

これがプロの図。

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で、いざ自分が直接行ってみると、確かに感動。写真と違って観光客が多いけれど。でも自分が写真を撮ると、これが全然ダメなんだな。(笑)プロのような幻想的な雰囲気が出せない。もちろん人っ子一人いない現場を作るのだけれど、プロはやっぱりスゴイと思った。

私の撮った図。

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もうこの頃になると足がかなり棒状態。相当疲れていた。京都御所がキツかった。



ついでに、この竹林の小径の隣にある天龍寺の有名な庭園を観ておこうと思った。
天龍寺というのは足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために建立されたお寺だそうである。

そこに有名な庭園があって、嵐山の雄大な眺めと曹源池が一体になったこのアングル。超有名だそうだ。美しい!

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ここまで来ると、足はもう棒状態で限界。空腹の極致だったので、休憩がてら、京都名物であるとうふと湯葉を使った精進料理をいただくことに。


「嵯峨とうふ福」というお店

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湯豆腐と湯葉のいろいろなメニューがあるのだが、私は嵯峨御膳という主に湯葉をメインにした精進料理を選んだ。

嵯峨御膳

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美しい京料理の代表的な感じですね。

一番左下にあるご飯に醤油の餡がたっぷりかかっていて、それに黄身絡み(?)の豆腐と湯葉が絡んだものが、信じられないくらい美味しかった。




初日はこんな感じ。トータル2日間の滞在であったが、本当によく歩いて移動した。
ひとつの場所でじっくりと時間をかけて、ではなく、なるべく有名なところを短時間でたくさん観て回るという貧乏性な性格なもんで、お恥ずかしい限りです。

もし伴侶がいっしょに居たなら、「あなたといると疲れるわ」と言われそうな旅程であった。(笑)


広上淳一さんが京都市交響楽団を振る。 [国内音楽鑑賞旅行]

京都市交響楽団(京響)の創立60周年を締めくくる第610/611回定期演奏会が京都コンサートホールで行われた。

25/26日の両日行われ、自分は25日に参加。

マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」という大曲で、合唱を含む総勢411人が壮大な音楽絵巻を繰り広げた。

自分はかねてより、「広上さんが京響を振る」という絵柄をどうしても見ておくことが、自分の音楽人生にとって避けられない運命のように感じて、機会を狙っていたのであるが、創立60周年を締めくくる定期公演のラスト、そして千人の交響曲という滅多に演奏される機会が少ない大曲、という願ってもなかった大舞台で、それを実現することができた。

広上淳一さんは、まさに2017年度で京響常任指揮者としては最長の在任期間である10年目を迎える。 


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広上さんが常任指揮者に就任してからの京都市交響楽団は驚異的な能力の向上を遂げたとして、京都市交響楽団とともに「第46回(2014年度)サントリー音楽賞」を受賞している。

まさに、いまの京響サウンド&演奏スタイルを築き上げてきたのは、広上さんであり、団員からも絶大の信頼を得ているのだ。



自分が拘る理由がもうひとつある。

SNSで交友のある演奏家の方々が、広上さん門下生というか、教えを請うた者が多く、なにかこれも不思議なひとつの縁なのか、と自分で思うところがあった。

広上さんは、1958年生まれ。意外や自分とそんなに歳も離れていない。東京音楽大学出身。
日本デビューは、1985年のN響公演。その後、日本フィルの正指揮者にも就任。

海外オケとの客演では、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団など他多数客演。

2007年には、サイトウ・キネン・フェスティバル松本にも客演している。
群馬交響楽団、札幌交響楽団の友情客演指揮者にも就任。

そんな輝かしい来歴の中でも、やはり京響の占める割合が多く、充実と蜜月の日々を過ごしてきていて、まさに広上さんの分身ともいえるオーケストラなのだろう、と思う。

去年の夏と秋に、京響の演奏は、この京都コンサートホールで堪能できたが、いずれも客演指揮で、やはり「広上さんが振る京響」という図をどうしても観ておかないといけないという想いが強かった。


念願は成就した。願ってもいなかった大舞台のコンサートという形で。


今回の座席は、なんと最前列のスーパーかぶりつき。(笑)

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どうしても、京響&京都コンサートホールの公演でチケットを購入すると、いずれも前方かぶりつきの座席になるのが不思議だ。マラ8の千人の交響曲なので、ステージ後方座席は、合唱団で占有される。


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京響にとって、千人の交響曲を演奏するのは、じつに22年ぶり。

ステージに独唱の声楽家たち(指揮者の前)と約120人編成のオーケストラ、その後方には京都市少年合唱団と、一般公募を含む混声合唱団(後方座席)が陣取った。


この大曲に相応しい壮大なスケール感、合唱のハーモニーの美しさなど圧倒的な公演だった。
特に合唱のハーモニーの美しさは絶品で、音の厚みと和声感のある気持ちよさと言おうか。

いつも思うことなのだが、合唱を聴くとき、どうして人の声ってこんなにドキッとするほど、神聖な感じの美しさで重なり合ってホール内を響き渡るのだろう。楽器の響きにはけっして負けていない、というか根本的に違った魅力の人の声だけが持つ美しさがある。

一般公募も含む、ということだが、かなり高水準の域のように感じた。

広上さんの指揮は、過去2~3回拝聴したことがあるが、こんな間近で観るのは初めて。
汗が飛んできそうな感じだ。(笑)

過去のイメージと変わらず、相変わらずの広上節ともいえる指揮振りだった。
指揮台をピョンピョンと跳ね飛んで、まさに体いっぱい使って表現するエネルギッシュなその指揮法。

指揮者という稼業は、年齢が若い時は、それなりに体全体を使うダイナミックな指揮振りであっても、それが経年とともに、体が言うことを聞かず、年相応の動きの小さな指揮振りに変化せざるを得なくなっていくもの。

あのカラヤンがそうだった。

でも広上さんは御年の割には、まったくそのような心配が要らない、逆を言うと観ている自分たちが心配してしまうほど、躍動的でエネルギッシュそのもの。マラ8という大曲ということもあるが、まさに全身を使って、オーケストラから見事な躍動的なサウンドを引き出していた。

音のうねりやグルーヴ感を捻りだすところなんて見事であった。




今回は独唱の声楽家陣に不運が重なった。


当初予定されていた内外声楽家など、公演間近に続々とキャンセルが相次いだ。
急遽ピンチヒッターが任命された。

以前、堀米ゆず子さんのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のことを日記で触れたが、ヴァイオリン協奏曲でおよそこれだけの難曲を、直前のキャンセルでピンチヒッターで弾かなければいけなかった堀米さんの当時のプレッシャーと、それを見事に演奏しきったことには本当に敬服するばかり。

ゴローさんの日記で、この件と併せて、ピンチヒッターについて、もう2例取り上げられていたことがあったので、紹介しておこう。


35年ぐらい前に、ヴァイオリニストで芸大教授の海野義雄さんが、いわゆるグァダニーニ事件で検挙され ブラームスのヴァイオリン協奏曲をほとんど本番前日にキャンセル。

当時コンサートマスターに就任したばかりの徳永二男さんが、ピンチヒッターに立ち、オーケストラともども火を吹く様に激烈な演奏を展開し、男を上げたことがあった。



さらに、もう15年以上前のことになるが、ゴローさんがN響の番組を担当していたときに同じような状況で ピアノのソリストがキャンセル、 清水和音さんが ブラームスのピアノ協奏曲第2番のピンチヒッターを努めたことがあった。

本番前日のオーケストラとの練習にあらわれた清水さんは、充血した目に牛乳瓶のふたのような眼鏡をかけて 憔悴した受験生のようにすら見えた。 徹夜で練習したのに違いない。そんな姿を 彼が見せたのは初めてで、ゴローさんはとても驚いたそうだ。

なぜなら清水和音さんといえば いつも自信たっぷりで、歯にモノを着せぬ物言いで、その頃、しばしば物議をかもしていたからだそうだ。(真偽は不明ですが?)

結果は 見事だった。これぞ超一流のプロ!という立派な演奏で、ゴローさんの清水和音さんに対する見方が 大きく変わるきっかけとなったそうだ。




この3つのケースを書いてきた曲目が 

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、
ブラームスのヴァイオリン協奏曲
ブラームスのピアノ協奏曲第2番

とそれぞれのジャンルでも指折りの名曲・大曲揃いで、そのことが やはり演奏家のチャレンジ根性を引き出すのだろう。

厳しい見方かもしれないが こういう時にこそ演奏家の真価が問われるのかもしれない。



この日の独唱の声楽家たちは、見事にその重責を果たしていたと思う。マラ8という声楽が占める割合の多い曲で、ものの見事に代役の役割を完遂し、これを聴いていた自分は、まさにこのピンチヒッターという日記を思い出して、彼らを讃えるとともに、このことをぜひ日記に書こうと思った次第なのである。





京都市交響楽団 第610回定期演奏会
2017/3/25(土)15:30~ 京都コンサートホール

マーラー交響曲第3番変ホ長調「千人の交響曲」

指揮:広上淳一

髙橋絵理(ソプラノ)
田崎 尚美(ソプラノ)
石橋 栄実(ソプラノ)
清水 華澄(メゾソプラノ)
富岡 明子(メゾソプラノ)

福井 敬(テノール)
小森 輝彦(バリトン)
ジョン・ハオ(バス)

京響コーラス、京都市少年合唱団 ほか

管弦楽:京都市交響楽団


世界の朝食を食べさせてくれるお店 イスラエルの朝ごはん [グルメ]

2か月単位で、特集される朝ごはんのメニューが変わる。

3,4月はイスラエルの朝ごはん。

さっそく行ってきた。レギュラーメニューのイギリス、アメリカ、スコットランド(4月まで)の朝食は制覇したので、あとは、この2か月のインターヴァルで特集されるスペシャルメニューを制覇していくのみ。

いつまで特集できるかわからないが、できる限りチャレンジしてみる。

お店の門構えには、特集されている国の国旗が飾られる。これがイスラエルの国旗。

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客層は、相変わらず若い女性が多い。今日は外国人の方も2人いらっしゃった。

これがイスラエルの朝ごはん。

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東欧やアラブ諸国といった各地の食文化と、ユダヤ教であるユダヤ人本来の食文化とが融合してできたといわれる現在のイスラエルの朝ごはん。

写真に見える主食のパンが、東欧に住んでいた人が持ち帰った全粒粉でできたパン。

それにアラブ諸国の料理をベースにした目玉焼きがのったシャクシュカ。
ひよこ豆のペーストのフムス。
白いチーズにオリーブオイルとスパイスをかけたラパネ。(これはパンにつけて食べるものらしい。)


これがイスラエルの朝ごはんの全布陣。


ワンドリンクは必ず頼まないといけないので、イスラエルのザクロジュースを添えて。

我々日本人の味覚からすると、なかなか微妙な、なんとも言えない初めての味だった。
もちろん美味しいとは思うのだが、彼らとは基本的な食生活、味覚の感覚が違うような・・・。

我々がふだん美味しい、香ばしいと感じるのは、必ず油成分や塩分成分が含まれていると思うのだが、そういうものといっさい無縁のような気がする。


目玉焼きがのったシャクシュカ。

赤いのは、トマト味で味付けられている感じの不思議な食感。
化学調味料なんかいっさい使っていないトマトだけで味付けられている。


ひよこ豆のペーストのフムス。

これまた経験したことのないような不思議な食感。豆をすりつぶしてペースト状にした食べ物で、これも味付けはほとんどない。なんか芋をすりつぶして練り状にしたものを食べている感じ。フシギな食感・・・。


白いチーズにオリーブオイルとスパイスをかけたラパネ。

自分にとって、これが唯一のヒット作で、直感で美味しいと感じたもの。
白いチーズとのことなのだが、なんかヨーグルトみたいな味覚、食感で、それにかかっているオリーブオイルがとてもいい感じ。

デザートの一種なのかな?と思ったが、後でメニューを見ると、パンにつけて食べるんですね。
忘れてました。(笑)


そして、

全粒粉でできたパン。

これもかなり微妙な食感。日本のパンのように豊かではない。(笑)
かなり質素な造りで、パサパサな感じで、正直美味しいとは思わなかった。


とにかく、我々の味覚とあまりに違う、経験したことがないような味で、香ばしい、美味しいというよりは、化学調味料いっさいなしの健康食に近いような味だった。

普段の自分の舌が、いかに化学調味料こってりに染まっていて、それを美味しいと思っているかだね。

イスラエルという国は、どうしても戦争が絶えない危険な国という認識で、自ら旅行で訪れるということも、これからも一生ないと思うので、ある意味貴重な体験であった。

逆を言うと、そんな危険な国の朝食を日本で実現するというのは、随分思い切った、というか勇気のいるチャレンジだな、とも思い感心した次第である。(もちろん安全ルートでしょうが、どうしても先入観が・・・。)

とてもユニークなアプローチでよいと思いました。

このお店は、オーダーから最後の支払いまで、iPadのような携帯端末で全部処理しているのが、なんとなく進んでる印象でよかったです。(笑)






 


ゴローさんの置き土産・・・仲道郁代さんがデビュー30周年記念Blu-ray発売! [クラシック演奏家]

ゴローさんがディレクションして、世に出すチャンスのないままに、眠っていた映像。これを仲道郁代さんが今年でデビュー30周年として、なんらかの形で世に出せないかと、所属レーベルのソニーのプロデューサー古澤氏と検討しつつ、ついにめでたくお披露目となった。 

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「ショパン・ライヴ・アット・サントリーホール」
Chopin LIVE at Suntory Hall /Ikuyo Nakamichi
~サントリーホールに満ち溢れる最愛の作曲家ショパンへの美しいオマージュ~

http://www.sonymusic.co.jp/artist/IkuyoNakamichi/info/478594


https://goo.gl/8UjeN5 (Amazon)


仲道さんのライブの映像としては、じつに10年ぶりとなる。2010年のサントリーホールでのコンサート。ショパンの世界を、スタインウェイとプレイエルと、両方で描いている。

仲道さんは、今年デビュー30周年なのだが、サントリーホールも開館30周年で、そのサントリーでのライブをパッケージ化というのも、なにかしらの縁のように思える。

ゴローさんの遺作。もちろん5.0サラウンドだ。

仲道さん曰く、

「カメラワークの細やかさが素晴らしくて、悟朗さんに対する尊敬と感謝で胸がいっぱいになりました。この映像を世の中に出すことが出来るようになって嬉しいです。」

「悟朗さんのセンスと愛にあふれる映像です。こんな風に記録を残してくださったことに感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。ちなみに、悟朗さんは、NHKのショパンの足跡を辿る旅の番組をつくってくださった方でもあります。もっと長生きしてほしかったです。」



これは絶対買いだ。



ゴローさんが逝って、早4年経つ。


目まぐるしい音楽業界では、その存在を忘れかけられそうな感じなことも否めないが、嬉しいではないか!このように、ちゃんとゴローさんのことを忘れずに、メモリアルとして世に語り掛けてくれること自体が。

ゴローさんって確かにオーディオが趣味であるけれど、やっぱり「映像の人」というイメージがある。クラシックコンサートを撮影するカメラワークには一種の拘りがあった。

EuroArtsなどの欧州のBDソフトのカメラワークなど、演奏の旋律に合せて一瞬で、”ある特定のショット”にパンするのが、すごいあざとくて嫌なんだよね、と言っていた。

自分の美学というのを持っていた。

逆に自分のクラシック友人は、EuroArtsのBDソフトは、刺激的な演出。。。それに対して、NHKのBDソフトは優等生的な演出で退屈と言っていた。

やはり人が受ける印象はそれぞれなんだなぁ、と感じた。

ぜひ仲道さんの10年振りのコンサートライブを、ゴローさんのカメラワークで堪能したいところだ。

今回のソニーミュージックのBDソフトの紹介説明文で、とてもうれしい記述があったので、ここで紹介しておきます。これを読んで、自分はすごく嬉しく感じました。


映像監督は元NHKの名プロデューサーであった小林悟朗氏(2012年逝去)。NHK時代にさまざまな音楽番組の制作を手掛け、中でも小澤征爾から全幅の信頼を寄せられていました。ブルーレイディスクによるクラシック音楽ソフトとしてベストセラーとなった、2008年カラヤン生誕100年記念演奏会での小澤/ベルリン・フィルの「悲愴」も小林氏によるもので、演奏家の魂の躍動を映像化することが出来た稀有のプロデューサーでした。小林氏渾身の映像は、サントリーホールに満ち溢れる仲道の演奏の魅力を余すところなく描き出しています。

仲道郁代さんは、とてもピュアなお方で、聡明で、しかも自宅にGOTOシステムを持つオーディオファン!女性、しかも演奏家、一番オーディオをやらなさそうな人が、じつはコアなオーディオファイルなので、我々もビックリしたところだ。ゴローさんが、惚れこむのもわかるような気がする。

昔、ゴローさんがエム5さんに、「GOTOシステムで鳴らしてるピアニストが居る、しかもそれが女性なんだ。。。」と。そして黙って、ある一枚のBDをエム5邸サラウンドシステムに載せ150インチスクリーンで再生。そこにはスタジオで一心不乱に曲を奏でる仲道郁代さんの姿が。。。

視聴後、「どうだい?日本人でもここまで弾けるピアニストが居るんだよ!」って胸張って、仰ったそうだ。

言葉も無い位にグッときて、いまもエム5さんにとって、忘れられぬ、素晴らしい思い出の一つになっているそうだ。


体験!松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) [コンサートホール&オペラハウス]

たぶん室内楽ホールとして最高の音響だと思えた。

最近知ったことなのだけれど、人の耳の聴こえ方って、指紋、声紋と同じで、耳の構造、音の捉え方、聴こえ方って、個人、1人1人で全然違う特性・個性なのだそうだ。コンサートホールの音響にしても然りで、その評価基準で、個人差はあると思うので、決めつけたりはしない。

またコンサートホールの優劣や順番つけというのは、音楽界での社会的マナーとして原則やってはいけないものだと最近思っているので、そこも詳らかにはしない。

あくまで自分の鑑賞基準だけれど、この松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)は、室内楽ホールとしては、自分が過去聴いてきた室内楽ホールの中では最高水準のように思えたのだ。

首都圏の室内楽ホールで、自分がお気に入りなのは、上野学園石橋メモリアルホール、東京文化会館小ホール、そして白寿ホールが3本の指に入るホール。

石橋メモリアルホールは、とにかく聴いた第一印象がすごいライブな空間で、なんともいえない残響感が堪らないホールだった。

調べてみると、満席時で、1.5秒~2.0秒の残響時間で、中音域から低音域がやや持ち上がった特性で、豊かさと輝きのある独特の響きの空間が特徴。竣工当時、東京ではもっともライブな空間で、音楽ファンに与えたこのホールの響きのインパクトは、かなり大きかったのだそうだ。

自分がこのホールを最初に聴いた印象は、まさにそんな感じの音響空間だった。

ホールの構造が、側方反射音を意識した設計になっていて、人間の耳というのは左右90度の真横から反射音が入ってきたときが1番音の広がりを感じる構造になっているのだそうだから、この側方反射音が得られるように設計されているという理屈は、その結果として、このライブな空間が得られているという結果、納得いくところであった。

コンクリートなどの石造りのホールで、硬質なサウンドが骨子なので、ひんやりとしたクリスタルなサウンドも堪らなかった。




東京文化会館小ホールは、扇型の形状で、シューボックスが保証する側方反射音はなく、客席への反射音は、舞台正面の折れ壁状の反射板と、ステージ奥から客席後部に傾斜している天井の2ポイントから発生する。つまりステージから縦方向に、直接音と反射音が到来する音像型の音響。

残響時間も1.4秒と少なめ。でも自分は、ここでのピアノリサイタルなどのピアノのクリスタルな音、節度のある響きの中で聴きとれる楽器の細やかなサウンド。最近のホールにない落ちついたシックな空間が、とてもお気に入り。

ここも前川國雄さん設計のコンクリート打ちっぱなしの石造りのホール。硬質なクリスタルなサウンドだ。



白寿ホールは、奇抜な内装空間で、壁と天井を流線型のフォルムで構成されていて、その現代的で斬新なデザインは圧巻。

ここの印象は、とにかく、ステージからの音のエネルギー感がたまらなく大きいというか、要はステージの音が飛んでくるのだ。後方座席に座っていたのだが、まるで、前方座席に座っているのと変わらないくらい、音のエネルギー感が大きい。シューボックス型で、この流線型のフォルムというのが、音が濃い、座席による優劣がない、というところに起因するのかな?とも思える。このファクターは、コンサートを鑑賞する立場からすると堪らない魅力である。




なぜ、松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)を訪問しようと思ったのか?

それは、オーディオライフをやってきて、このホールで数々の名録音が生まれていて、それを聴いてきて育ってきているので、ぜひ訪問したいホールだったのだ。


松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)での優秀録音と言えば、この2枚が挙げられる。 

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工藤重典さんと吉野直子さんのフルートとハープのデュオ

https://goo.gl/T2QTNl


これはじつに美しい録音。聴いていて心の底から癒される1枚である。本当に美しい!ダマーズ、フォーレ、クルムフォルツ、ロッシーニなどの珠玉の名曲を、工藤さんのフルートと吉野さんのハープで奏でていく。

せっかく美しい音響空間のホールなのに、やや近接のオンマイク気味の録音なのだが、録音レベル、音圧も大きく、とてもエネルギー感溢れる録音になっている。おススメの1枚です。 

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バッハ ブランデンブルグ協奏曲(全曲)
サイトウ・キネン・チャンバーズプレイヤーズ

https://goo.gl/KzZ6GM


古楽器で奏でるブランデンブルグ協奏曲の素晴らしさ。これも近接オンマイク気味だが、この古楽器の落ち着いた感じの音色が心地よい。とてもいい録音だと思います。この盤は、自分のこの曲のバイブルになっています。



松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)は、じつは松本市内にある訳ではないのだ。松本に着いたら、さらにローカル線の大糸線で、2駅行ったところの島内駅で下車する。

下車したら、すぐその近くに佇んでいる。

美しい自然の公園の中に、佇んでいる感じで、本当に美景観、絵になるショットだ。


松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)

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エントランス

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メインホール(室内楽ホール)と小ホールの施設がある。
こちらは小ホール入り口

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ホワイエ

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いよいよメインホールに潜入。

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最後尾から前側方を撮ったアングル。

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ステージから最後尾を撮ったアングル。
座席には傾斜がついていて、かなり急勾配。

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ステージから、後側方を撮ったアングル。

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天井

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ステージ(今日は室内楽コンサート)

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パイプオルガン(ベッケラート社(ドイツ)製オルガン設置)

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自分の今回の座席。(前方3列目のかぶりつき。(笑))

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693席の室内楽ホール。
シューボックス型のホールである。
天井が教会のように、三角形の形である。天井の高さはかなり高い。

全体にコンクリートの石造りのホールである。

とにかくすごいライブな空間。残響時間は、2.2秒。(満席時で、2.0秒)石造りのホール独特の硬質でクリスタルなサウンドで、あまりに響きが豊富なので、真っ先に思い浮かんだのは、ヨーロッパの教会の中で演奏を聴いている感じで、自分の周りが響きで囲まれているかのような錯覚に陥る、あのイメージだった。

やっぱりシューボックスなので、ステージからの音が四方面で反射を繰り返し、音が濃くて、響きに囲まれている感じになるのだろう。音の広がりを感じさせる要因の側方反射音も、この構造なら、簡単に実現できる。

前方かぶりつきにも関わらず、ホールの響きがこれだけ豊富に聴こえたら本物。

あと天井が高いので、ホールの容積も室内楽ホールにしては大きいほうの部類に入り、広い空間で音が伝搬するときに感じるような”スケール感”みたいなものが快感だった。

音色の芯が濃くて太く(特にフルートの音色)、がっちり安定して聴こえて、音像もキリッと鮮明。響きが豊富なので、ピアノは混濁寸前。(笑)

でも響きが豊富なホールにありがちな「響きに音像が埋没する」という現象はなかったと思う。音像と響きはきちんと分離して聴こえていた。

もう言うことなし、という感じで、これだけのサウンド・パフィーマンスであれば、どんな方が聴いても、音がいい!とわかるんじゃないかなぁ。(^^)

とにかく脅威の音響だった。そしてなによりも自分好み。

この音響を聴いたとき、1番先にイメージに湧いたのが、石橋メモリアルホールの音響イメージに近いな、と思ったこと。すごいライブな空間といい、なんか自分の耳に聴こえてくるイメージが、石橋メモリアルホールの雰囲気とすごい近いと感じたのだ。

いやぁ、何回も通いたいなぁと思ったが、松本は遠すぎ。(笑)

さて、今回は、ここで室内楽コンサートを堪能した。

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佐藤俊介&小菅優&L.コッポラ トリオ
20世紀の作品群 ヴァイオリン、ピアノ、クラリネット三重奏


ミヨー、ラヴェル、ベルク、ハチャトリアン、ストラヴィンスキーの三重奏を、素晴らしい音響下のもと、思う存分楽しんだ。途中、佐藤俊介さんのMCでのレクチャー入りで、見識深い背景なども拝聴しながらのコンサートだった。

自分は、音響がいいと、本当にうっとりする感じで、演奏も文句なく満点を与えてしまうような傾向にあるのだが(笑)、でもそういう環境抜きにしても、お世辞ではなく、質の高い演奏だったと思う。

前方かぶりつきで聴く室内楽は、フレージングや演奏者の息遣い、お互いのあ・うんの連携感がリアルにわかる妙があって、これがたまらなく生々しかった。



小菅優ちゃんは久しぶり。

ずっと応援してきている演奏家で、しばらくご無沙汰だったのだが、まったく外見、演奏も変わらないイメージで安堵した。昔、小澤さん&水戸室とのメンデルスゾーンのピアノ協奏曲のBlu-rayを、もう擦り切れるほどよく繰り返して観ていたものだった。

これからも機会があれば、演奏会に足を運びたい。

早朝5時に家を出て、帰京したのが23時という強硬日帰り日程だったが、終わってみれば素晴らしい室内楽ホールとの出会い、そして室内楽コンサートを楽しめたこと、まったく疲労はなかった。


ぜひチャンスがあれば、またこのホール、体験してみたいものだ。


世界の朝食を食べさせてくれるお店  中国の朝ごはん [グルメ]

2か月単位で期間限定メニューで世界の朝食を紹介していく仕組み。もちろん先述のレギュラー・メニューでサーブされる3食の世界の朝食も健在だ。

1,2月の期間限定のスペシャル編は、中国の朝ごはん。

これが中国の朝ごはん。

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見ての通り、中華粥がメインでど~んっと!中華まんの姿も見える。あっでも肉まん、あんまんではありません。(笑)

そしてパンみたいな棒状のものがあるのだが、最初固いと思っていたら、スゴイ柔らかくて脂状に香ばしくてメチャウマー!

そして、付け合わせがついている。これがワンプレートになって、中国の朝ごはん。

それぞれ詳しく説明していこう。


中国の朝ごはんは、温かい消化によいものを食べるというのが特徴。特に上海ではお粥が好んで食べられるんだそう。中でも人気なのがピータンと脂身の少ない豚肉のお粥。

このお粥には別皿で、シャンツァイ(パクチー)、ザーサイ、豆腐乳のお粥用のトッピング付きなのだ。お粥を食べるとき、これらをお粥にかけて豪快に食べる。

ものすごく美味しいけど、同時に健康的な感じ。お粥は無味ではなくて軽い塩味がついていたような???でも基本はトッピングをたくさんかけて掻っ込むという感じ。スゴク美味しいです。

肉まん、あんまんみたいな中華まんですが、これはそうじゃなくて(笑)、中には椎茸や青葉などの餡が入っていて「菜包(ツァイパオ)」といった点心類。

どちらかというと、やや無味無臭に近い感じだけど、ほんのり薄味がついている感じかな?

そして見かけ上、冷たい固いパンに見えた棒状のもの。これは、小麦粉を棒状に揚げた「油条(ユーティアオ)」というもの。これはすごく温かくて揚げたてという感じで、小麦粉なので、食感もモチモチで、これまたメチャウマーです。

自分の好みでは、これが最高にうまかったかな~(^^)

これが中国の朝ごはんの定番だそうだ。

そして上海で人気の小菜(簡単な料理)である高菜と菊と枝豆を和えた、付け合わせがある。

これらがワンプレートになっている。


美味しいけど、意外と中国の朝ごはんは小食なんですね。(笑)

でも大変美味しゅうございました、です。

次回の3,4月の期間限定メニューは、イスラエルの朝ごはんになります。


世界の朝食を食べさせてくれるお店 レギュラーメニューの朝ごはん [グルメ]

じつは、3回目になる北海道の友人を「東京へおもてなし」をする計画を立てている最中で、そのときにネットをググっていたら、偶然見つけたお店であった。

WORLD BREAKFAST ALLDAY
http://www.world-breakfast-allday.com/

「朝ごはんを通して世界を知る」をコンセプトに、世界中の朝食を食べさせてくれるお店なのだ。

伝統的な朝ごはんは世界的に消えつつあるが、そんな朝食を、ここ日本で堪能できて、世界中を旅した気分になれる!

これは、すごい素敵なコンセプトだと思った。
いままで全く知らなかった。

過去のメニューのアーカイブを覗いてみる。

http://www.world-breakfast-allday.com/archives

この世界の朝食の写真の一連を見て、これは素敵!だと思った。
こんな料理は、ちょっとそこらでは絶対体験できない。

自分は、この写真でいっぺんにやられた。(笑)

これはぜひ体験してみたい!

自分の取材心に火をつけ、一連の世界中の朝食を全部制覇して日記にしようと即座に決心したのである。

メニューを覗いてみる。

http://www.world-breakfast-allday.com/menu


大きな柱として、レギュラー編とスペシャル編の2部構成に分けられる。

レギュラー編というのは、いつ行っても食べられるレギュラーでサーブされる朝食。

イギリスの朝ごはん
アメリカの朝ごはん
スコットランドの朝ごはん(ポーリッジ)


そしてスペシャル編というのが、2か月単位で、メニュー変更していく期間限定の特別メニューだ。

1,2月は中国の朝ごはん。
3,4月はイスラエルの朝ごはん

という予定なのだ。

写真は、FBからお借りしているイスラエルの朝ごはん

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7:30 am~20:00 pm までやっていて、年中無休のようだ。(もちろん夜だから夕ごはんを出すのではなく、1日中朝ごはんを提供するというものです。)

残念ながらサイトにアクセスマップがないのだ。

住所は、東京都渋谷区神宮前 3-1-23-1F

となっている。

電話でお店の方に最寄り駅を聞いて、現場に着いてから再度電話上でナビゲートしてもらったら、辿り着くことができた。

なんか知る人ぞ知る隠れ家の名店みたいだ。(笑)

ここで私が写真付きでナビゲートしておこう。

メトロはいろいろなところからアクセスできるのだが、私は銀座線の外苑前駅で下車して3番出口を地上に上がっていく方法を選んだ。(お店の方によると、このアクセスが1番簡単なんだそうだ。)

そういうとこういう風景に出くわす。

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目の前の信号&横断歩道を渡り、BMWのビル(そしてマクドナルドの赤い看板)の前をひたすらまっすぐ歩く。

そうすると最初に交差点&信号にぶつかるので、そこを右折する。
右折して、まっすぐ歩道を歩く。(車道は左側になる)

そして、3分位歩くと、車道を挟んで向かい側に、香港屋台のG-1というお店が見つかる。
そのすぐ左隣が、目的地のWORLD BREAKFAST ALLDAYなのだ。

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WORLD BREAKFAST ALLDAY

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なんかとてもマニアックな雰囲気があってグー。1,2月の期間限定は、中国の朝ごはんなので、入り口のところに中国の国旗が飾っている。


店内(キッチンの方向へ)

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店内(入り口の方向へ)

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テーブル

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とても狭いお店で、長方形のテーブルがど~んと縦長に置いてあって、みんなで相席。

ここで、レギュラー編の3品を紹介していこう。
(あっ念のため、一遍に食べたのではありません。(^^;; 取材のため、数回にわたって通いました。)

客層は、圧倒的に若い女性ばっかり。ときより海外の方が1人で立ち寄るみたいな感じが数人。
やっぱり女性と外国人の方が圧倒的ですね。

休日の朝の時間帯に行くと、超満員。この長テーブルに若い女の子でぎゅうぎゅうでいっぱいになる。オジサンにはツラいものがあったかも・・・(笑)

自分は平日にも行ったので、時間を外すと空いていた。外国人の方がぽつりぽつりという感じ。

お店のスタッフの方は、みんな若い女性。日本人が大半だが、片言の日本語の女性の方もいらっしゃいました。(でも日本語上手!)

店内には音楽系のラジオがかかっていて、海外(英語)のラジオが音楽とともに流れているのだが、これがおそるべく音がいいのだ。(笑)店内のSPを捜したのだけれど、わからなくて音の出どころがわからない感じで、店内を広がって聴こえるんだな。

驚いた。

壁はベージュで土塗りの感じ。壁をコンコンと叩いてみると、中が空洞になっているということもなく、びっちり埋められている感じで、壁反射&空洞による2次共振という弊害もなさそうで、音がいいのもそのためか、とも思ったり。

スンマセン、また職業病が・・・。


レギュラー編の3食は、大体1500円くらいのお値段。
ここで食事をするなら、必ずワンドリンクは頼まないといけないルール。

まず

アメリカの朝ごはん

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パンケーキですね。(ホイップバターがのっている。)それにカリカリに焼いたベーコン、エッグ、マッシュルームという典型的なアメリカン・ブレックファースト。

まっ普段食べている、海外ホテルのコンチネンタル・ブレックファーストのちょっと廉価版という感じでしょうか?

そして、

イギリスの朝ごはん

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産業革命の頃から食べられているイギリスの定番朝ごはん「フルブレックファースト」というもの。フライドブレッド(乾燥したトーストパン)、ベイグドビーンズ、卵、マッシュルームとトマトのソテー、ハッシュブラウン、そしてソーセージ。

これは、自分はウマいと思った。アメリカの朝ごはんより、ずっとこちらのほうが美味しい。ソーセージと卵、ベイグドビーンズが絶妙の掛け合いで超ウマい!

よくイギリスはメシがマズい、とみんなから言われるけれど、なになに、決して捨てたもんじゃないよ!という感じである。

イギリス・ロンドンに住んでいた自分として溜飲を下げた感じである。


そしてスコットランドの朝ごはん、通称ポーリッジ。

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これは1番ウマかったねぇ。こういう独特のお店のコンセプトなら、ぜひこういうちょっと食べたことのないような一風変わったよう朝ごはんを食べることをお勧めします。一応レギュラー編の中には入っているけれど、正確には11月~4月の限定メニュー。

お早めにどうぞ!自分は、これを1番お勧めします!

とにかくいままでに食べたことのない味で、すごい不思議な食感、香ばしくて美味しかった。

スコットランドなどのヨーロッパ北部で食べられる温かいオーツ麦のお粥なのです。1粒を2つか3つにカットしたピンヘッドオーツ麦をコトコト煮て、冷たいミルクとゴールデンシロップをかけて食べるのが正しい食べ方。そこにフルーツシチューにすりおろしリンゴとナッツを添えてシナモンをかける。

メチャウマー(^^)って感じです。


こうやって世界各国の伝統の朝食をサーブできるって、じつは相当大変なことだと思います。

食材を各国から提供してもらうパイプラインを確保しないといけないし、現にスタッフたちが世界各国に行って、その各国の伝統の朝食の作り方を伝授してもらわないといけないこと。それだけのコネクションが世界中にないといけないことですよね。

それを世界各国でやるとは!大変なことだと思います。

しかし、このお店、昔から有名だったんだろうか?
自分は先日存在を知ったばかりなのだが、とてもユニークなお店で気に入りました。

ぜひ取材を定期的に続けて、世界の朝食を全部制覇して日記にしてみたいです。

次回は、中国の朝ごはんになります。


PENTATONEの新譜:コジュヒンというピアニスト [ディスク・レビュー]

この新譜は間違いなくAuro-3Dで収録している。ポリヒムニアがそう宣言して投稿していた。

Auro-3Dはベルギー発の3次元立体音響のフォーマット。

基本用途は映画での使用で、従来のX-Y軸の水平方向のサラウンドだけではなく、Z軸の高さ方向のディメンジョンを加えた3次元空間での音表現を目的としていて、高さ方向として天井SPを配置した9.1chなどの3Dサラウンド環境で聴くことを前提としている。

でも、この開発者は、もともとは教会で聴く音楽を、自分の周りを美しい音の響きで包まれたような(彼らの用語でイマーシブ・サウンドという呼び方をしている)、この感覚をぜひ再現したい、というところからスタートしていて、そのルーツにはやはり音楽があった。

その点、Dolby AtmosやDTS-Xなどと比較すると、より音楽的アプローチの色合いが強いフォーマットなのだと思う。

そこにポリヒムニアが着目して、Auro-3Dを、いわゆる収録時でおこなう隠し調味料的な使い方をするようになった。

別に9.1chの天井SP環境で聴かないといけない訳ではなく、従来の5.0chのサラウンド&SACDという物理媒体フォーマットで聴くことが前提で、でも聴いてみると、しっかりと高さ方向の3次元空間が感じ取れる、いわゆる下位互換が成り立つ、そんな隠し調味料的な使い方で我々に、このフォーマットを紹介してくれた。

だからブックレットを見ても、Auro-3Dというロゴもないし、記述も一切ない。

つまりPENTATONEの新譜は、どれがAuro-3Dで録っていて、どれがそれじゃないのか、など普通では知り得ないのだ。

でも大体聴いたら一発でわかります。(笑)

でも、今回のこの新譜は、最初からポリヒムニアが、Auro-3Dで録っていると宣言していたので、だから着目していたのだ。

録音ロケーションは、ポリヒムニアにとってもう専属契約スタジオと言っていい、オランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5。

そのときのAuro-3Dでのセッションの様子。(以下に掲載する写真は、FBからお借りしています。)


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そんな楽しみな1枚だったのが、このディスクだ。 


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ブラームス主題と変奏、バラード集、幻想曲集 

デニス・コジュヒン


https://goo.gl/0Epwr6 (HMV)

https://goo.gl/a5i7oh (Amazon)

https://goo.gl/7mTfV3 (Tower Records)



デニス・コジュヒンというロシアの俊英ピアニスト。 


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世界三大ピアノコンクールの一つに数えられるエリザベート王妃国際コンクール。

その2010年の覇者である。

2011年、2013年、2014年と立て続けに日本公演を行ってくれていて、音楽仲間による、その公演評は、ほとんど絶賛の嵐という凄い評判であった。

自分は実演に接することはできていないのだが、そこまで凄いピアニストであるならば、ぜひ聴いてみたい、観てみたいと思うのが心情というもの。

そんな情報を持っていたので、そんな彼が去年の2016年にPENTATONEの専属契約アーティストになったことは驚きだった。

PENTATONEからの第1作目は、チャイコフスキーとグリーグのピアノ協奏曲。これは、まだ聴いていないので、今回の新譜を聴いて、あまりに素晴らしかったので、ぜひこの1作目も聴いてみたいと思い、慌てて注文しているところである。

2作目にあたる今回の新譜は、ブラームスのピアノ独奏作品をとりあげた。
クララ・シューマンに献呈された「主題と変奏」で、弦楽六重奏曲第1番の第2楽章をピアノ独奏にブラームス自身が編曲した作品。そして「バラード集」と「幻想曲集」。

ブラームスのピアノ独奏作品に特有な内省的でありながら叙情的でもあるその調べを、まるで濃淡のくっきりした水墨画を観ているかのように、描き上げる表現力はかなり聴きごたえがあって、さすが評判が高いだけあると自分も認識できた。

とくにピアニッシモの弱音表現が素晴らしく秀逸で、ソフトなピアノタッチが柔らかく安定していて、そして奏でられる音色の柔らかい質感。

これって、かなり難しい。

ピアノって、速射砲のように連打するトリルのような表現が、いかにもピアノが上手いと思われがちだが、じつは弾く側の立場からすると、超弱い打鍵で、優しく、長く安定して弾くことのほうが遥かに難しい技術なのだ。

このコジュヒンというピアニスト、もちろんブラームスの独奏作品ということもあるかもしれないが、この弱音表現が、じつに深みがあって、情感豊かで、こちらに訴えかけてくるような雄弁さがある。

たしかに凄いピアニストの片鱗を垣間見た感じ。

ぜひ実演に接してみたいピアニストだ。

なんでも今年の秋にまた来日してくれるという噂もあるし、ベルリンに今年の3月にオープンする新室内楽ホールである「ピエール・ブーレーズ・ザール」(去年亡くなったフランスの作曲家&指揮者のピエール・ブーレーズを冠にしたホールで、ダニエル・バレンボイムが中心となるバレンボイム・サイード・アカデミーの本拠地。)でも、ベルリン・フィルのエマニュエル・パユとデュオのリサイタルをやるそうで、これは行ってみたい。(ホールもすごく興味があるのだ!)


そして、お待ちかねのサウンドの評価。

まずすぐに印象に残ったのは、ピアノの音色の質感が、すごく洗練されていること。従来のPENTATONEのピアノの柔らかすぎな音色ではなく、かなり洗練されている。そう!先日の児玉麻里・児玉桃姉妹のチャイコフスキー・ファンタジーの音色と全く同じ毛色の質感に感じる。

PENTATONE(ポリヒムニア)はピアノの録り方がうまくなったよなぁ。(笑)

基本はやや硬質気味で、ほんのり響きがうっすら乗って潤いあるみたいな感じ。キンキンしたキツイ感じはないし、どんより籠っている感じもない。

バランスが取れた洗練された潤いのある音色の響き。

そしてなによりやっぱり立体感だよなぁ。もう何回も口がすっぱくなるほど言っているけれど、そのホール&スタジオでの空間、エアボリュームの気配感を感じるような音の佇まい。

ピアノが鳴っている音と、この空間とのバランスが見事に調和していて、じつに立体的に聴こえて、これぞ優秀録音という感じで、いかにもオーディオマニアが喜びそうな録音に仕上がっている。

高さを含めた3次元の空間で音が鳴っているように感じるのは、やはりAuro-3Dで録っている効果なのだろう。

一度、こういう「音のさま」で聴いてしまうと、もう後戻りはできないと思う。

もう実現しているのかもしれないが、これだけ効果がてきめんで聴こえるなら、今後もずっと全作品ともAuro-3Dで録ってほしい。

今回のトーンマイスターは、バランスエンジニア&ミックス&編集とも、エルド・グロート氏の仕事。さすがの一言!いい仕事をする。

ディスクレビューの日記を書くのは、結構エネルギーがいるので、このところ立て続けに書いていることもあって、今回の新譜は日記を書かないつもりだった。

でも、これだけ素晴らしい録音で、素晴らしいピアニストを聴くと、やはり日記に書いて紹介しないと罪作りだと思えた。(笑)

PENATONEは、本当に素晴らしい希有のピアニストを、自分たちの布陣に加えることができたと心から嬉しく思う。


児玉桃さんのECM録音 第2弾 永遠のパートナー [ディスク・レビュー]

ECMというレーベルは、マンフレート・アイヒャーによって設立されたレーベルで、ミュンヘンに拠点を持つ。まさにアイヒャーのワンマンと言ったら語弊があるが、彼の持っているビジョンが、レーベルのすべてのカラーを決めているような一種独特のセンスを持ったレーベルだ。

厳冬を思わせるシルエットで統一感のあるジャケット、寒色系でリバーブを少しかける鋭利なサウンド、メジャー路線には決して屈しない拘りぬいた所属アーティストのプロデュース、すべてがアイヒャーの持つポリシーのもとで、運営されている。

このようにあらゆる面で、レーベル全体が統一感をもって企画されているため、万人受けではなく、最初から固定ファン層を獲得することに狙いを定めているように思える。

かなり個性のあるレーベルだと思う。

元々ジャズをメインに録音してきたレーベルなのだが、1984年にECM New Seriesと称して、現代音楽、バロック音楽などの録音も始めるようになった。このジャンルが、彼らのECMレコードのクラシック録音ということになる。

こんな強烈に個性のあるレーベルに、日本人としてECMと初めて契約して、CDを出したアーティストがいる。

ピアニストの児玉桃さんだ。

2012年に第1弾が出て、武満さんやラヴェル、メシアンの曲などを収録している。

自分はこのCDの存在を後年に知ったのであるが、ECMから日本人がCDを出せるなんて、ということで、大層驚いたし、素晴らしい優秀録音で、自分の日記にも書いた。

そして、ついに第2弾が出たのだ。 


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『点と線~ドビュッシー:12の練習曲、細川俊夫:エチュードI-VI』 児玉 桃

https://goo.gl/pOBNMq (HMV)

https://goo.gl/QtiZOS (TOWER RECORDS)


作品は、ドビュッシー晩年の名作「エチュード(練習曲)」に、日本の現代音楽作曲家の細川俊夫さんが作曲した「エチュード(練習曲)」を交互に挟みながら構成されているコンセプトアルバムである。

なぜドビュッシーのエチュードと、細川さんのエチュードを交互に挟んだ構成なのか?

これはライナーノーツに児玉桃さんが詳しくそこに至るまでのプロセス、心情の過程を寄稿している。

いままで長い間、リサイタルで、ドビュッシーの曲を弾いたり、細川さんの曲を弾いたりしてきたことで、この2人が、前任者と後継者の関係にあるという立ち位置で、自分の中には、浮かび上がってくるのだそうだ。

そして桃さんが、アイヒャーに、この2人の作品(エチュード)を交互に配列して弾くことを提案。

でもこの試みには、もうひとつ大きな個人的見解があって、フランスと日本の音楽家、アーティストには、お互いの国の文化を交互に尊敬しあう興味深い嗜好があること。ドビュッシーは、日本の文化を深く愛していた。彼の作品の交響詩”海”の初稿の表紙には、葛飾北斎の画が使われていたり、フランスの画家のモネは、日本の木版画をコレクションしてたり、非ヨーロッパ的なものに憧憬の念を抱いてきた。

片や、日本人の作曲家の武満徹さんは、ドビュッシーに代表されるようなフランス音楽に大きな影響を受けてきた。

このようにフランスと日本人の芸術家たちは、お互いの文化を尊重し合ってきた。細川さんの曲を初演含め、委託されて弾くことの多い桃さんにとって、細川さんの曲は、とくにドビュッシーの曲に相通ずるものが多いのだそうだ。

自由な作曲技法、配色の重ね合わせ&表現などなど。特に黙想を思わせる”間”や、音楽表現の中に現れる、詩的表現、叙情的表現などがとてもかなり深い部分で、この両作曲家には共通しているものを感じるとのこと。

そんな想いから、両作曲家の曲を交互に並べるというコンセプチュアルなアルバムをアイヒャーに提案し、実現となったようだ。

以上は、児玉桃さんの寄稿の部分を私の拙い英語読解力で書いているので、かなり曖昧なこと、お許しください。(笑)



実際アルバムを全般に聴いてみての私の印象を述べてみる。

ドビュッシーと細川さんの曲を交互に並べ再生されるのだが、ドビュッシーは薄暗い闇の中の微かに漏れこんでくる採光、そして続く細川さんの曲は、陰影感たっぷりの漆黒の世界というまさに”明・暗”の世界が交互に並んでいるように自分には聴こえた。

でも、そこには、両者とも、現代音楽特有の前衛的な表現が共通していて、隙間の美学、鋭利な音表現の世界は、確かに相通ずるものがある、と自分にも理解できる。


いやぁ、かなり芸術的で抽象的・文学的でさえある精神性の高いアルバムに仕上がっているなぁ、と思いました。


かなり硬派な路線のアルバムです。

こういう硬派路線では、サウンドのクオリティーが高くないと洒落にならない。


そこで・・・サウンドの評価。

2chステレオ録音。

前作のECM録音第1弾は、先入観なしに聴くと、それはそれは素晴らしい録音なのであるが、どちらかというとオンマイク気味の録音で、ECM独特のリバーブを施しているのがはっきりと分かる感じのテイストであった。

ギラギラした感じの結構鮮烈なサウンド。

自分の好みからすると、もうちょっと空間感というか、マイクとの距離感が欲しい感じがして、スタジオもしくはコンサートホールのエアボリュームの存在が分かるようなアンビエンス&気配感があったほうがいいな、と感じた。

ある空間の中で、発音体があって、その空間と、実音&響きの3セットが遠近感含めバランスよく”立体的”に聴こえる。どこからか俯瞰して聴いているような感じの聴こえ方が好きなのだ。

つまり、ダイナミックレンジの広い録音が好きなんですね。

これはあくまで、自分の耳の好みの問題ですから、絶対値評価ではありません。人それぞれですから。

でも今回の第2弾は、まさに自分のそのような気になっていた点を全部払拭してくれたかのような出来栄えだった。

本音だよ。自分は録音評にはお世辞は言いません。

1番気になっていたマイクとの距離感もややオフマイク気味でいい感じ。そしてなにより大切な適度な空間感がある。1発目の出音を聴いたときのホッとしたこと。(笑)

やはりECM録音。

全般の印象からすると、やっぱり全体的にうっすらリバーブかけているような感じはする。でも、そのリバーブをかけているのか、かけていないのか、わからない程度のナチュラルなピアノの音色の質感は好印象。

非常にしっとりと滑らかな質感で、実際の生演奏のピアノの音に近い。クリスタルな透明感も文句ないし、高音域にいくほど煌びやかに聴こえるのも、やはりややリバーブをかけているためにそう聴こえるのか?

とにかく前作と比較すると、文句なしに断然に洗練されている。

素晴らしい!と思う。

やはり技術の日進月歩は本当に素晴らしい。

2chのピアノ録音作品としては、文句ない作品だと思う。自分好み。
DGのピアノ録音と遜色ないどころか、煌びやかさでは優っていると思います。

自分はサラウンド専門なので、オーディオオフ会で、お披露目する2chソフトってなかなか候補が少ないのだが、いいソフトに出会えたという印象である。


とにかく作品がかなり硬派な路線なので、それをきっちりサポートしているサウンドのクオリティの高さは本当に大切なこと。

今回の作品を聴いて感じたことは、やはり演奏家、アーティストにとって、自分のカラーを、きちんと表現、具現化してくれる永遠のパートナーに出会えるかどうか?ということが、その演奏家にとって、自分の演奏家人生の運命を決める大事なことではないか?ということであった。

児玉桃さんは、どちらかというと現代音楽がカラーの演奏家。
そういう意味で、細川俊夫さんとのパートナーはとても、大きな出会いでもある。

今回のECM録音のトーンマイスターは、前作の第1弾と同じステファン・シェールマン氏が担当している。やはり長年にわたって成功してきている演奏家は、自分の音を具現化してくれるトーンマイスターの、これまた永遠のパートナーがいるものなのだ。

自分がすぐ思いつくだけでも、

内田光子さん。

フィリップス時代から現在に至るまで、現ポリヒムニアのエベレット・ポーター氏が彼女の音をずっと録り続けている。


そしてエレーヌ・グリモー。

DGに移籍してから、というものの、ほぼ全作品といっていいほど、シュテファン・フロック氏が彼女の音を担当している。

長らく成功しているアーティストは、このように二人三脚で、自分のカラー、自分の音を知り尽くしてくれている、音職人のパートナーがいる、いや育ててきているものなのだ。

児玉桃さんに至っても、このECMのステファン・シェールマン氏がそのような永遠のパートナーになっていくことを心から願ってやまない。


 


埼玉初上陸!のだめコンサート@ウエスタ川越。 [国内クラシックコンサート・レビュー]

ついに今週の土曜日に、のだめコンサートがやってくる。今回は埼玉県にある川越市に去年平成27年の春にできたばかりの複合施設「ウエスタ川越」の大ホールでおこなわれる。

ピッカピカの新ホールだ。

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本来は多目的ホールの意味合いが強かったのだろうけれど、写真を見てもらえばわかるように、完璧な音楽ホールで、シューボックスに近い形。(やや扇型で外に広がっている。)天井や両側面には、調音のための反射板パネルが装備されている。

後方になるにつれて外に広がる形なので、後方になるにつれて、反射音がきちんと客席に戻ってくるように反射板パネルがさらに強烈な仕掛けになっている。ちょっと座席に傾斜があるかな?という感じはある。キャパは1700席程度の少なめでウィーン楽友協会とほぼ同じで、シューボックスに適した容積。

こ~れは音響良さそうだ!(笑)

まず、この面だけでも、自分には楽しみ!


のだめコンサートの魅力は、やはり心が暖かくなるというか、とても楽しいコンサートというところにあるのかもしれない。

ふつうのクラシックコンサートにあるような高貴な趣味という佇まいの雰囲気もいいのかもしれないが、のだめコンサートは、もっと庶民的で、とても人のぬくもりを感じる暖かい雰囲気のコンサート。

この点が自分には、とても気に入っている。

その証拠に驚くのは、その若い客層だ。

ふつうのクラシックコンサートって、自分の経験上、かなり高齢層のファンで占められている。サントリーホールやミューザ川崎で、自分の席に座ると、キョロキョロ見回してみるのだが、やはり年齢層が高いよな~、クラシックを支えているファン層って、やはり高齢層なんだな~と毎回思うものだ。

もちろん例外もあって、人気テノールのヨナス・カウフマンのリサイタルなんか、女性ばっかり、というのも確かにある。(笑)

最近クラシックを仕事面から考えることも多く、車の中でコンサートホールを実現というけれど、自分が長年経験してきているクラシックコンサートの客層って、間違いなく高齢層によって支えられているもので、そうするとシニア層による運転を狙うのか?

どういう運転層を狙うのか?とかマーケット面を真剣に考えたりするのだ。(笑)

それに対し、のだめコンサートは、信じられないくらい客層が若い。50歳台の自分が、ちょっと居心地悪いというか、恥ずかしくなるような感じがするくらい。若い男女カップル、若い女性同士、とにかく、周りの空気がパッと明るくなるような若い客層で占められている。

これって、とても大切なこと。
若いファン層に、クラシックに接してもらうとてもいいチャンス。

そして、こののだめコンサート、毎回開催すれば、必ず満員御礼の集客力。
その果たしている役割って大きいと思うのだ。

とにかくアットホームで心暖まる雰囲気で、客層がとても若い、ここに、いつもとは違う新しい形態のクラシックコンサートがあって、自分はそこにとても魅力を感じる。

企画、そして司会進行MC、そして指揮者が、現在NHK交響楽団の首席オーボエ奏者の茂木大輔さん。(以下写真はFBからお借りしています。) 

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大変マルチタレントな方で、有識者でもあり、いろいろな面で才能豊かな方でもある。ずっと応援してきている。茂木さんと、「のだめカンタービレ」の原作者の二ノ宮知子さんとの交流から、このコンサートは始まった。まさに茂木さんが引っ張っていっている企画なのだ。


そして、今回出演される高橋多佳子さん。 
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もう20回以上、そして毎回レギュラー出演で、高橋さん抜きののだめコンサートは考えられない。茂木さんと高橋さんのコンビで支えてきた企画と言えると思います。

超美人で優しい感じの方で、でもどこか3枚目キャラのあるところが魅力だったりします。(笑)ショパンコンクールで第5位という輝かしい経歴を持っていて、そのショパンの故郷 ポーランドにも12年暮しており、ショパンとともに人生を歩まれてきた。

現在も第1線のピアニストとして活躍されていて、桐朋学園講師、そしてコンサート活動、教育関連と幅広く活躍されています。



そして、もう1人、出演される岡田奏さん。 
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これは自分の考えなのだが、ある意味今回ののだめコンサートの主役は、この岡田奏さんなのではないかな?とも思っていたりする。北海道函館の出身で、パリ音楽院~パリ・コンセトヴァトワールをご卒業されたばかりの期待のホープ。

同じく北海道札幌出身の高橋さんと幼馴染だそうで、小さい子供の頃から岡田さんをよく知っている間柄なのそうだ。

自分がはじめて、のだめコンサートに行った聖地の愛知県の春日井市民文化会館のときのコンサートも、この高橋さんと岡田さんのコンビ出演だった。そのとき岡田さんはラヴェルのピアノ協奏曲を演奏されていたのではなかったかな?


驚いたのは、その直後だった!

なんとベルギーのブリュッセルで開催される国際音楽コンクールであるエリザベート王妃国際音楽コンクールで、ファイナリストまで選抜されるという快挙。

自分も心底驚いてしまった。

なんでも、このエリザベート・コンクールというのは、予選からファイナリストに選抜された後は、携帯などいっさい外部と繋がるものは没収されて、外部といっさい遮断された空間で監禁状態で、ファイナリスト集団とともに暮らし、最後のコンクール試験をおこなう、という特殊なコンクールなのだそうだ。


自分の曖昧な記憶だけれど、仲道郁代さんもエリザベート・コンクールのファイナリストだったと思ったし、堀米ゆず子さんは、このエリザベート・コンクールの優勝者だったと思いました。

岡田奏さんも、見事にその仲間入り。輝かしい経歴を刻むことができたのは、自分のようにうれしい。のだめコンサートの出演者から、そういう快挙が生まれた、ということ自体がなんとも嬉しいことではないか!

そういう素晴らしいことがあった後の、のだめコンサート出演なので、ある意味、岡田奏さんにスポットライトがあたる位置なのは、ごく自然のことではないのかな?と自分は思うのです。

コンクール期間中の監禁状態にあったとき、どんな感じの様子なのかなど、MCで聴いてみたいような気がする。(笑) ボクら一般市民ははじめて聞くことと思いますので。。。

今回ののだめコンサートでは、高橋さんがベートーヴェンのソナタ《悲愴》より第2楽章、岡田奏さんとのモーツァルトの2台のピアノのためのソナタ第1楽章、そしてガーシュウィンの《ラプソディー・イン・ブルー》を弾く。

そして岡田奏さんが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番という堂々たる大曲。

本当に楽しみだ。

のだめコンサートでのオケは、通常開催される地元のオケを使われることが多いそうだが、今回の川越公演は、主催者側の強い要望もあってほとんどオールN響選抜メンバー。(^^)

こういうときにN響のメンバーが一斉に集まってくれるのも、やはり茂木さんのN響内での信望の厚さを示しているのではないだろうか?

また、自分にとってのだめコンサートは、岡田さんのような新しい若い演奏家との出会いの場でもあったりするかもするかもしれない。新しい若い演奏家は、どんどんチャンスを与えて、クラシック界を活性化すべき、ということを過去に言及したこともあったのだが、どうしても演奏会に頻繁に足を運ぶ、という有言実行は正直できていなかった。

そういう点で、のだめコンサートは、そういう期待のホープの若手演奏家の演奏を聴ける自分にとってのいい場所なのかもしれない。

うぅぅぅ~、なんか書いていて、だんだん自分も高揚してきて、楽しみで楽しみで堪らなくなってきた。

そうして、ここからが本番当日。



堂々3時間のコンサート。期待を裏切らぬ楽しい&そしてクオリティの高いコンサートだった。

ウエスタ川越という複合施設が、去年できたばかりの新しい複合施設ということで、さらにその中の新ホールということで、自分は、まずそこがとても興味があった。

首都圏から電車で、大体1時間くらい。

ウエスタ川越

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大ホールへの入り口。

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こんなフロアが現れる。

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やっぱりのだめコンサートは客層が若い!

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原作者 二ノ宮知子さんから花束が。

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そして期待の新ホールに参入。

正面の図

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前正面から後ろをみた図

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側面

後方から前方側面を撮影

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前方から後方側面を撮影

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天井

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ネットの写真で見ると、完璧なシューボックスに見えたのだけれど、実際入ってみるとシューボックスではなかった。やはり音楽ホールがメインなのであるけれど、多目的にも利用できるみたいな幅の広い用途のホールのように思えた。

後方に行くにつれて、外側に広がっていって、上階席もある扇形のホール。

側面には、客席に反射音を返す反射板がしっかりと施されていて、天井もかなりしっかりした反射板の造りになっている。ステージ上は、客席に向かって放射状に開口する感じで、初期反射音を客席に返す仕組みも伝統的な造り。

音楽ホールとしては、さすが最新だけあって、かなりしっかりとした造りだと思った。

音響の印象は、座席が前方9列中央だったので、直接音中心のサウンドであったが、響き具合としては、ややライブ気味だけど基本は中庸、響き過ぎず、ドライでもない、という佇まいの良さで、帯域バランスは、偏っていなくて、いいバランスだったと思った。

最初ホールに入ったときの暗騒音は、客席の話し声のざわめきを聴いた限りでは、空気が澄んでいて、S/Nは良さそうで、ライブ気味な印象だった。

オケの弦楽器の音が、厚みがあって、かなりずっしりと重心が低くて、いい音響だな、と確信。

ピアノの音も、もっとライブで響きに混濁するくらいかな?と予想していたのだけれど、まったくそんな感じでなく、打鍵の音もクリアで、1音1音分離して聴こえる。

新ホールとして合格点、素晴らしい音響だと思いました。




さっ、本番ののだめコンサート。

ロッシーニのウイリアム・テルから始まる。
今回のウエスタ川越のだめスペシャルオーケストラは、大半がN響メンバーから選抜された特別なオケとなった。急遽、特別参加で、いま話題の美人チェリストの新倉瞳さんが急遽オケメンバーに参加されていたようです。

この最初のウィリアム・テルを聴いた限り、いい感じ。弦&木管&金管と、ともに安定していて、聴いていて危なげのない安心できるサウンドだった。うまいオケ!

これで、これからの3時間安心して聴けそうだ、とホッとした。
オケって、オーディオと同じで最初で、力量、素性がある程度わかるもんなんですよね。

そして高橋多佳子さん。

最初のベートーヴェンのピアノ・ソナタの悲愴、第2楽章。

高橋さんの演奏で、この曲を、のだめコンサートで聴くのは2回目だと思ったが、じつは、この曲、オヤジが他界した時、ずっと気分が地獄に落ち込んでいた時に、魂のレクイエムとして繰り返し聴いていた曲で、この曲を聴くだけで条件反射的に「どっーー!」と涙が溢れ出てきてどうにも止まらなくなる曲なのだ。

もう今回もそうだった。のだめと千秋の出会いのときのメモリアルな曲なので、このコンサートでは大切な1曲。

高橋さんの印象は、いままで通り、とても女性的な繊細なピアニストであることを再確認。

特に印象的なのは、肘から指先に至るまでの腕の部分の動きがすごい柔らかでしなやかなこと。特に手首のスナップの使い方見ていても、とても柔らかいよなぁ、と感じる。シルエットとしても女性的に見えてしまうのも、そんなところが要因なのかも?

でも、ラプソディー・イン・ブルーのときは、基本柔らかいんだけれど、あのカッコよいリズミカルに弾ける姿は、かなり格好良くシビレました。これはじつに素晴らしかった。

あっ、岡田奏さんとのモーツァルトの2台連弾のときの、原作の弾き始めで間違えるコントも素晴らしかったです。(笑)



そして岡田奏さん。

ある意味、今回の主役とも言える。

いやぁ、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番は、これはじつに素晴らしかった。ブラボーです♪

奏さんの印象は、やっぱりパワフルで男性的な力強さが基本だと思います。ところがpp弱奏のときの弱音表現のときが、これまた打って変わって、腕、手首の動きがものすごく柔らかくて、こういう弱音表現もじつに素晴らしい。

強打腱なパワフルな表現と弱音表現の両方、力強さとしなやかさの両方、緩急の使い分けがこれだけきちんと表現分けれるのは、ちょっと驚きというか、素晴らしい才能だと思いました。ラフマニノフの2番をずっと観て、聴いていて、それが1番強く印象に残りました。

アンコールのラヴェルのピアノ協奏曲 第2楽章のあまりの美しさに涙。

いやぁ将来本当に楽しみな大器だと思います。


番外編として、今回は、おならたいそう、という笑える演出もあって、のだめコンサートらしくてよかった。

全編を通して、茂木さんのMC、手慣れた司会進行、笑いあり、博識なところもあり、安心して聴いていられた。もう自分も大分のだめコンサートに慣れてきたかな?(笑)

投影のほうも洗練された描画づくり、シナリオストーリーで素晴らしかった。ただ、思ったのは、なんかいつもよりスクリーンのある場所が、かなり高い位置にあったこと。

なにか理由があるのか、わかりませんが、いつもだと演奏を聴きながら(つまり演奏者を観ながら)、スクリーンの投影がそのまま目に入ってくるので、自然だったのですが、今回は、あまりに高い位置にあるので、意識して頭、目線を上げないと投影内容を見れず、本番は、ついつい演奏者を見てしまうので、投影のほうがついついスルーで見ていなかったり、ということがたびたびあったのが、難しいな、と感じたところでした。

ステージの背面のところには、音響反射板が設置されていて、そこに背面のスクリーンを被せては、確かに音響的には、オケの音を客席に返す初期反射音で不利に働くということも考えられるので、高い位置に上げた、というのも予想されます。

あるいは、自分の座席が1階席前方だったからかもしれませんね。広いホールなので、上階席や後方席の人には、あのくらいの高さじゃないとダメという判断だったのでしょうか?

でも自分は、やっぱりのだめコンサートの素晴らしさは、この投影の効果が大きい、と思っているので、やはりいつものスクリーン高さのほうが、演奏家を見ながら自然と投影が目に入ってくる、という点でよいのでは?と思います。

なには、ともあれ、堂々の3時間のコンサート。楽しくて、素晴らしいコンサートでした!

全国各地から招聘されて、どんどん活動の幅が広がるのだめコンサート。7月には、2回目の調布での東京公演も決まった。(自分は行けるかどうかビミョー(^^;;)

長野から初招聘の話も来ているそう。。。

この調子で、どんどん、全国制覇していってほしいと願うばかりです。


終演後のサイン会。(手前から茂木大輔さん、岡田奏さん、高橋多佳子さん)

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茂木大輔の生で聴く「のだめカンタービレの音楽会」
2017/1/21(土)14:00~16:45 ウエスタ川越 大ホール

前半

ロッシーニ 歌劇「ウイリアム・テル」序曲よりマーチ(スイス軍の行進)

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調「悲愴」op.13より第2楽章
ピアノ:高橋多佳子

モーツァルト 2台のピアノのためのソナタK448 ニ長調より第1楽章
ピアノ:高橋多佳子&岡田奏

野田恵(リアルのだめ)作詞:作曲
おならたいそう
うら:田村麻里子

ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調 op.92より第1楽章

ガーシュイン 「ラプソディー・イン・ブルー」(倉田典明編曲)
ピアノ:高橋多佳子

休憩

後半


ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
ピアノ:岡田奏



毎年の聴き初めは、小澤征爾&水戸室内管弦楽団@水戸芸術館 [国内クラシックコンサート・レビュー]

毎年、聴き初めのコンサートを体験すると、あぁぁ、これで今年のクラシック・コンサート通いが、また始まるんだな、という身が引き締まるような想いがする。

人間の感覚って不思議で、クリスマスから年末にかけては、もうその年のいろいろな想い出が走馬燈のように頭の中を駆け巡るのだが、不思議と、年が明けて正月三が日を過ぎると、急にそれらは遠い世界のように色褪せて、新しい世界の幕開けのような白いキャンバスが広がるような感覚に陥る。

今年は、事情があって、生活環境の大きな変化が起こる可能性があり、コンサートの予定も4月まで入れているが、それ以降は白紙で、逆に入れられない。

ただ、コンサートに行く、オーディオなどの趣味は、自分の環境が許す限り、相応のレベルで楽しんでいきたいことには変わりない。

なんか不安定な日々の連続で、少々気が滅入っているのだ。(笑)

今年の聴き初めのコンサートは、水戸まで赴いて、水戸芸術館で、小澤征爾&水戸室内管弦楽団の定期演奏会。もうここ3年連続、ずっと聴き初めのコンサートは、これにしている。

やっぱり小澤さんで、その年の自分のクラシック人生をスタートさせるのは、とても自分のカラーに合っていると思うし、自分も気に入っている。


今週末は、大雪予報で天候が危ぶまれたが、極寒であったけれど、首都圏はいたって快晴。

水戸芸術館の、らせん状に天に伸ばした高さ100mのシンボルタワー(アートタワー)が眩しい。

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今日の演目は、

前半は、水戸室のスーパースター団員である竹澤恭子さん(ヴァイオリン)と、同じく川本嘉子さん(ヴィオラ)によるモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラの協奏曲。

そして後半が小澤さん指揮で、ベートーヴェン交響曲第1番。

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小澤&水戸室は、ただいまベートーヴェン・ツィクルスを進行中なので、その一環の公演という位置づけになる。

竹澤さんは、2年前に水戸室に入団と同時に、そのお披露目公演もあって、自分は馳せ参じて、その男性的なダイナミックで躍動感ある演奏にすっかり虜になって大ファンになってしまった。それ以来、ずっと応援し続けている。現在パリ在住で演奏家活動を続けられている。

川本さんは、もう何回も触れているが、サイトウキネン、水戸室とずっと小澤ファミリーの中心人物として長年活躍して、自分は昔からずっと応援してきている演奏家なのである。サロンコンサートで、直接お話させていただいたのもいい想い出。

そんな二人によるジョイントで、ヴァイオリンとヴィオラの協奏曲をやる、というのは、とてもタイムリーでいい企画と思った。

公演を前にして、水戸芸術館スタッフブログで、2人のインタビューが掲載されていた。
とても興味深い内容で、大変面白かった。これは、ぜひ、ぜひ読んでみてください。


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(左が竹澤恭子さん、右が川本嘉子さん)


水戸芸術館スタッフのブログ

http://blog.arttowermito.or.jp/staff/?p=18759


今回扱うモーツァルトの曲が、いかにヴァイオリンにとって、その倍音の出方からして、いかに弾きにくい、というか美しい響きを奏でるのが、難しい曲なのか、演奏家でないとわからないような考察をされていて、自分は随分興味深く拝読させてもらった。

竹澤さんと川本さんは、なんと!桐朋学園高校の同級生なのだそうで、当時の授業で、小澤さんが飛び込みで、「ちょっと俺が振ってみようか」、という思い出話に華が咲き、大変面白い。

前半は、そんな2人が主役のモーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲。

指揮者なしで、竹澤さんと川本さんが指揮者のところで、仲良く横並びで、弾き振りをする感じで、オケを引っ張っていく、というスタイル。

指揮者なしは、なかなか全体のバランスをとるのは、難しいことは確かだが、水戸室のメンバーは、もう指揮者なしのスタイルは昔からのお家芸で、お手の物。

自分の評価では、今回の演奏の作品の表現力、演奏技術の完成度は高いと感じた。

ヴァイオリンとヴィオラが交互に、各自のパートを演奏し、それにオケが追随する感じで進めらるのだが、2つの楽器の旋律が前へ前へ出るように、主張して、同時にオケも交えた合奏が全体の様式美・形式感を整えていて、じつに美しい楽曲体系を構築していたように思えた。

両人のインタビューでは、ヴァイオリン&ヴィオラの倍音が美しく響きにくい難しい曲とのことだが、駄耳の自分には(笑)、十分すぎるハーモニー&和声感のある気持ちよさだったような気がする。

そのような印象に拍車をかけたのが、やはり水戸室の弦の優秀なサウンドなのだと思う。水戸室の弦は、世界トップクラスの弦の厚み、ハーモニーといってもいい。


同じく鑑賞していた仲間が、指揮者のいる統率感、推進力のようなものがもう少し欲しかった、という印象を語っていた。まっそう言われれば、理解できないこともない。

でもそう言われるまでは、自分はまったく意識しなかったし、弾き振りというスタイルでは、これで十分すぎるレベルなのではないだろうか。


後半は、いよいよ小澤さん登場。お見かけしたところ、元気そうで何よりだ。

サントリー30周年記念コンサートのときは、常時座って指揮する姿に、ちょっと寂しい想いをしたことは確かだった。でも、いまでは、この座りながら指揮して、大切な部分では立って指揮をする、というスタイルがすっかり馴染まれて、曲の全体の流れから、じつに自然で、流暢な動きのように思えて、小澤さんの現在の体力にあった自然な指揮のスタイルを確立できたのかな、という想いがあった。

無理をすることない。自分は小澤さんには、できるだけ細く長くやってほしい、と思っているので、その都度自分の体力に合った指揮のスタイルを模索して見つけ出していけばいい。

小澤さんが立つと、やはりオケが締まる。サウンドはもちろん、気が入る、というか、団員たちの魂の持っていきかたのツボを心得ている。

団員のみんながいかに小澤さんを信頼しているか、長年の信頼関係が築き上げてきた、その到達した高みがなせる業なのだと思う。

思わずそう感じるくらいのオケの”気”を感じ取れた。

ベートーヴェンの1番は普段あまり聴かないマイナー感があるが、メジャーな5番,7番,9番などに負けないくらいいい曲じゃないか?(笑)

やはりその年の聴き初めの公演は、小澤征爾&水戸室管弦楽団を水戸で聴く!これは、今後も続けていこうと、今日改めて決意を新たにした。

それがなによりも自分に合っている。

つぎの5月の定期公演では、共演ソリストに、なんとマルタ・アルゲリッチが登場!そして、その次の定期公演では、ついに頂点の第九と進んでいく。

小澤&水戸室@水戸定期から今年も目が離せそうにない。

問題なのは、はたして自分が観に来れるかどうかだ。(笑)

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水戸室内管弦楽団 第98回定期演奏会
2017/1/15(日) 14:00~ 水戸芸術館コンサートホールATM

・第1部 指揮なし
モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364(320d)
独奏:竹澤恭子(ヴァイオリン)、川本嘉子(ヴィオラ)

・第2部 指揮:小澤征爾
ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 作品21

管弦楽:水戸室内管弦楽団

 


謹賀新年2017 [雑感]

あけましておめでとうございます。

昨年は、拙ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
本日より、仕事始めとなりました。

昨年は、全く予想だにしなかったことが突如起こり、クラシックファンとしては、遠い、遠い永遠の夢と想っていたバイロイト音楽祭に行くことができました。

いまでも夢のようで鮮烈に蘇ります。

また、日本の中で、最も日本らしい都と言える京都を、夏、秋に渡って、2回訪問でき、京都市交響楽団の演奏を堪能できたこと。

その他、数えきれない演奏会の数々。。。

また、オーディオの趣味に至っても、広島遠征、近々での仲間内でのオフ会、そして優秀録音ソフトとの出会いなど、充実していたと思います。

今年に至っては、同じレヴェルの経験ができるか、あるいは予定を立てているか、と申しますと、3月までは、ある程度予定がありますが、それ以降は、全く入れていません。

生活環境ふくめ、いろいろ想うところがあり、なかなか難しい状況です。

前職を退職して、第2の人生を歩むことになって、趣味を生活の主軸に置いた人生に重きを置いて参りました。

それによって、非常に心的に豊かな人生を歩んでいるな、という実感はありました。

確かに「ワークライフバランスで、ライフがワークを遥かに超えているのは、いかがなのものか?」と言われれば、なにも言えない訳ですが。(笑)

人生におけるひとつの転機に差し掛かっているのか、いろいろ熟考していることは確かです。

不透明な面が多いので、これ以上は言及しません。

ただ、演奏会に行く、オーディオなどの趣味は、自分の環境が許す限り、相応のレヴェルで楽しんでいきたいことには変わりません。

ブログに日記を投稿するのも、精神、体力が許す限り、続けていきたいと思っております。

なにとぞ、本年もよろしくお付き合いいただけると幸いと思っている所存でございます。

去年の年末は、北海道は記録的な大雪で、最初の帰省の便は、空港に着陸できず、成田に戻ってまいりました。2度目の大晦日のチャレンジで、このように快晴となり、無事に実家で年末年始を過ごすことできました。

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リサさま降臨 [クラシック演奏家]

ユリア・フィッシャー、アラベラ・美歩・シュタインバッハー、そしてリサ・バティアシュヴィリ。

自分が深く入れ込んでいて、現在のヴァイオリン界を彩る新星たちのプロフィールには、指導者として決まって、その人の名があるアナ・チュマチェンコ女史。 


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「音楽であろうが何であろうが、指導者には人間を形成する使命がある。」

それが彼女の教育理念。

「生徒は、演奏家としてではなく、まず人間として育てたい」。

感性豊かな時期に演奏漬けにならず、文学、絵画、演劇に心を揺り動かすことの大切さを実感している。 だからこそ、コンクールに対しては慎重にならずにいられない。

「勝つこと、優勝することは、芸術家の人生においては実に小さなこと」

この考え方は、アラベラさんのインタビューで確かに読んだことがある。
「若い頃は、演奏漬けの毎日でなく、人間らしい生活をすることを心掛けました。」と彼女は言っていた。恩師のアナ・チュマチェンコ女史の考えを純粋に、しっかりと受け継いできているんだな、と今思えば合点のいくところだ。

ご存知のように、いままで、ユリア・フィッシャー、アラベラ・美歩・シュタインバッハーと自分の日記でも、何回も何回も、とても深く取り上げてきたのだが、もう1人、とても大切な女性ヴァイオリニストを、きちんと日記にすべきと思った。


リサ・バティアシュヴィリ 


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(以下掲載させていただく写真は、FBの公式ページからお借りしています。)

ゴローさんとも所縁の深いヴァイオリニストで、自分にも想い出がたくさんある。

ある意味、ユリアやアラベラさんと比較しても、クラシック界で待遇されているステータス、格からして、3人の中でもダントツに格上だと思う。

そんな彼女を取り上げずにいるのは問題だし、ちょうどつい最近、新譜のCDとBlu-layが発売されたばかり。とてもいい機会なので、彼女のことを調べて、この日記で紹介したいのと、自分の想い出や、自分の彼女に対する印象などを素直に書いてみたいと思った。



リサさんを知ったのは、2011年のゴローさんの日記からであった。

いつも女性ソリストばかり追っかけている(笑)自分と違って、硬派だったゴローさんにしては、珍しく鼻の下を伸ばした感じでリサさんにゾッコンという感じだった。

ちょうど弾丸来日中で、N響との定期公演で、自分もぜひ観てみたいと思い、当日券で馳せ参じた。

この日の公演は、バルトークの「青ひげ公の城」の演奏会形式がメインで、確かこの年は、小澤さんのサイトウキネン松本でも同演目が演じられて、それで注目されていたコンサートでもあった。その前半ということで、リサさんはブラームスのコンチェルトを演奏することになっていた。

「当日券で、NHKホールに見参!」と相変わらずのノリでつぶやいていたら(笑)、それを見たと思われるゴローさんから携帯にかかってきて、「ブレークのときにロビーで落ちあいましょう。」ということになった。

前半が終わって、落ちあって、「いやぁ素晴らしい!感動しました!」と、「ねっ?いいでしょ?」ってな感じで、2,3言交わしたら、ゴローさんの携帯に電話がかかってきて、その後に、「ゴメン、リサからお呼びがかかってしまった。今回彼女のお世話役しているんだよね。後半も楽しんで!」と言って嬉しそうに、楽屋に向かっていったのでした。(笑)

そしてコンサート終演後に、軽食&お茶しようということになって、NHKホールからの渋谷駅の帰路のカフェでお茶したのであった。

いろんな話をした中で、当然、リサさんの話題も多く、

「いやぁ彼女はいいよ!才色兼備で実力も確かで、これからの時代を担うヴァイオリニストになることは間違いないよ。」

「ベルリンフィルとも共演しているんだよ。2007年のヨーロッパコンサートでラトルといっしょにやっている。ぜひ観てみてごらん。」

「なぜ、ブラームスのコンチェルトを急遽の弾丸来日で、今回やったかというと、たぶん彼女、録音でブラームスをやるからだと思うんだよね。 よくやることなんだよ。自分が録音をする予定の曲があるときは、その曲を事前にツアーで何回も演奏することで、イメージを掴むということを。」


確かにその後、2013年に彼女のブラームスのコンチェルトの録音が出たことは確かであった。(笑)


残念だったのは、このときの公演は、メインの「青ひげ公の城」は絶賛されるも、前半のリサさんのブラームスはボロクソの凡演だった、という酷評が多かったことだ。N響の演奏がボロボロで、彼女が可哀想、所詮、「青ひげ公の城」の前座に過ぎない、という公演評が多かった。

TV収録したのは初日。自分が観たのは2日目だったが、そんなに悪いとは全く思わなかったし、逆に素晴らしいと思ったほどだ。あとで、TV放映を観て初日公演も観たが、確かに破たんのあるところもあったが、そんなに酷評するほどのことかな?と感じた。

ゴローさんは、この酷評に、「くやしくて、くやしてくて、仕方がないよ!」とボヤいていた。

リサさんがN響の定期公演に出演しているのは、2004/2006/2009/2011年の4回。自分が観たのは、この2011年の公演だった。

まだこの当時は、これからの世代を担うホープという印象で、これがリサさんとの出会いだった。 


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リサさんのキャリアを紹介しておこう。



グルジア出身(グルジアは現在ジョージアと改名)、アナ・チュマチェンコに師事。11歳の時に一家でドイツ・ミュンヘンに移住。1995年シベリウス国際コンクールに史上最年少の16歳で出場し、第2位。

2001年BBC が立ち上げた"New Generation Artists"の初代メンバーに選出、BBCプロムスでのデビューはBBC Music Magazineで"本年最も傑出した存在"と称賛。2003年にはシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭でレナード・バーンスタイン賞を獲得、その後ボン国際ベートーヴェン音楽祭ではベートーヴェン・リング賞を獲得。(所属先のUniversal Music JapanさんのHPより。)

2001年にEMIよりCDデビュー。その後ソニー・クラシカルから2枚のCDをリリースし、2010年にはDG(ドイツ・グラモフォン)へ移籍。現在に至る。


現在、欧米のオーケストラから引く手あまたのリサさんは、2012~13年シーズンにはシュターツカペレ・ドレスデンとケルンWDR響の、2014~15年シーズンにはニューヨーク・フィルハーモニックのレジデンス・アーティストを務めている。(レジデンス・アーティスト:そのオーケストラのその年のソリストとしての”顔”的な称号。)

そして、今シーズン 2016~2017年には、ついにロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のレジデンス・アーティストを務めることになったのだ!

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今年の動きだけでもスゴイのだ。いまが旬というか絶頂期とも思えるくらい。

ベルリンフィルとは、彼らの定期公演で演奏している。(あるいは演奏予定。2016-2017年のベルリンフィル定期公演のソリスト・カレンダーに掲載されていたので覚えていました。)

そして、今年2016年のベルリンフィルのヴァルトビューネ野外コンサート(ヤニク・ネゼ=セガン指揮)で、見事ソリストを務める。

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ウィーンフィル(エッシェンバッハ指揮)とは、ウィーン楽友協会で演奏をおこなっている。
意外や意外、ウィーンフィル&ウィーン楽友協会は初体験だったそうだ。

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そしてロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(ダニエル・ガッティ指揮)とは、まさに今日からの12/14~15の2日間、アムステルダム・コンセルトヘボウで公演を行っている最中なのだ!まさに、この写真もホッカホッカだ!

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まさに世界三大オーケストラと、彼らの本拠地で彼らをバックにソリストを務める!
これこそいま演奏家人生で最高潮のバイオリズムにいるときなのかもしれない。


まさにそんな絶頂期にいる彼女の新譜がDGから出た。 


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チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 
リサ・バティアシュヴィリ、ダニエル・バレンボイム&シュターツカペレ・ベルリン


https://goo.gl/pHUQ7P


DGから通算4作目は、巨匠バレンボイムとその手兵シュターツカペレ・ベルリンとのコンチェルトで、チャイコフスキーとシベリウスという、もうこれは贅沢に贅沢を尽くした作品となった。

乗りに乗っているいまの彼女にふさわしい作品。

DGなので、Emile Berliner Studiosの録音かな?と思い、クレジットを確認してみたのだが、どうもそうでないようだ。(不明?)録音場所は、ベルリンでは、No.1と言ってもいいくらいの超有名録音スタジオであるTeldex Studio Berlin。

数々の名録音がこのスタジオから生まれた。

Teldex Stduio Berlin

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そのときの録音セッションの様子。おびただしい立脚マイクが生々しい。

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最初、封を開けて聴いた第一印象は、どうも自分のオーディオの2chシステムと相性が合わないというか、ピンとこなかった。

コンサートホールでのセッション録音と違って、キャパの狭いスタジオでの録音だとどうしても響きの少ないデッドな感じがして空間感も少ない感じがし、自分の好みの録音ではないような気がしたのだ。

でも休暇を取って、大音量で聴いてみると、ずいぶん印象が違った。幾分デッドな印象は、やはり拭えないが、でも骨太でがっちりした音の造りはさすがDGだと思ったし、響きもかなり改善して感じられた。やはり夜分での小音量では、真の録音の評価はできませんね。

後半のシベリウスのほうが、響きが豊富に感じました。編集&エンジニアの違いによるものでしょうか?

リサさんの演奏力は、やはり大したもの。王道たる演奏で、特にシベリウスは鳥肌がたつくらい狂気迫ったものがある。チャイコフスキーは、あまりに耳タコ名曲で、数多の演奏家が取り上げてきている曲なので、リサさんとしては、当初はあまり積極的でなかったのを改心して取り組んだようなことが読んだが、とても個性の強い前へ出るチャイコフスキーだったように思う。


さて、もうひとつの新譜が、今年のベルリンフィル・ヴァルトビューネ野外コンサート2016のBlu-ray。 


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『ヴァルトビューネ2016~チェコ・ナイト~スメタナ、ドヴォルザーク』 
ヤニク・ネゼ=セガン&ベルリン・フィル、リサ・バティアシュヴィリ


https://goo.gl/FPfh8Q


今年のテーマは、「チェコの夕べ」ということで、スメタナやドヴォルザークなどのチェコに所縁のある作曲家を取り上げる、ある意味とても濃厚なスラヴの香り漂うコンサートとなった模様。

この野外コンサートも一度でいいから体験したいと思っていたりする。PAらしくない本場のベルリンフィルハーモニーで聴いているようなリアルなサウンドだったとゴローさんが言っていた。

ここで、リサさんは、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を披露。

久し振りに観る演奏姿。やはり立居姿が美しい。絵になるヴァイオリニストですね。

やはり体格が大きいということと、全体から発するオーラというのがあって、こういうベルリンフィルとかウィーンフィルのような世界三大オーケストラをバックにしても堂々と渡り合える、決してオーラ負けしない、そういう自然な”風格”というのが備わっていると思うんですよね。

彼女の演奏スタイルの特徴は、とても自然流というか、変なクセがないとても美しいフォームだと思います。

ユリアは、小柄ながらとても男性的でパワフルな演奏スタイルで、それがきちんとサウンドになって現れていた。

アラベラさんは、ヴィジュアル・クラシックの典型で、本人も聴衆から観られていることを意識しているフォトジニックな演奏スタイルで、サウンドはとても女性的。(ソリストのお部屋には、等身大の鏡が必ずあって、そこに自分が弾いている姿を観て、常日頃全体のフォームをチェックしていると聞いたことがあります。アラベラさんのDVDを観ると、彼女の部屋にそういう鏡がありました。(笑))

リサさんの演奏スタイルは、あざとさがなくて、とても自然流のレガートな美しさがある。
技巧も高いレヴェルにあって、感性の鋭さも相まって、いまが旬というのが納得のいく映像だと思いました。


今日は、リサさん特集。持っている映像素材をすべてチェック。

前述の自分が観に行ったN響定期公演の録画BDも鑑賞してみた。

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自分が行ったのは2日目だったので、白いドレスだった記憶があるのだが、録画は初日だったので、紫色のドレスであった。

2011年12月9日:NHKホールとある。いまから5年前かぁ?月日が経つのは早い。
当時は酷評された公演だったが、今観ても、破綻している部分はあるけれど、そんなに酷評するほど?と、思えたのは変わらなかった。風貌や全体が今と比べて、やっぱり若いなぁという感じなフレッシュさがあって、微笑ましい感じがした。

この日の公演は、リサさんのブラームスを生で聴けるだけでも嬉しかったのだが、さらにさらに 第1楽章でクライスラーのカデンツァを演奏したことが希少価値に値する出来事であった。ブラームスのヴァイオリン協奏曲の場合は、作曲にあたってアドバイスし、初演もした名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムのカデンツァが演奏されるのがほとんどで クライスラーの美しいカデンツァは、中々生で耳にすることがない。もうこれだけでも大満足!

ところでディスクではどうだっただろうか?と思いをめぐらすと、クライスラー本人の古い演奏の他には、クレーメル カラヤン指揮ベルリン・フィルの70年代アナログ録音ぐらいしか思いつかない。

このことはゴローさんから教えてもらったことなのだが、この貴重なクライスラーのカデンツァを生演奏で聴けただけでなく、きちんと録音として残せたのも本当に幸運であった。



ついでに、そのときにゴローさんから推薦されたリサさんが出演しているベルリンフィルのヨーロッパコンサート2007のDVD。

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ふつうの中古市場では滅多にお目にかからないレアなDVDで、アマゾンの中古市場マーケットプレイスでもあることにはあるけれど、売価3万円とかすごいプレミアがついている貴重なDVDだ。

自分もそれくらいの値段で、思い切って入手した記憶がある。

こちらはもっと若い。(笑)
ブラームスのヴァイオリン&チェロの協奏曲だったのだが、今こうしてみると、演奏スタイルは今と変わらない一貫したものがあるんだなと感じた。(というかこれは無意識の産物で、意識して変えるというのは、なかなかできないこと。)





まさに今日は、”共演オファー殺到”の真っただ中にいるリサ・バティアシュヴィリを追ってみた。


そんな彼女だが、ロシアの軍事介入に揺れるウクライナ問題について、音楽家として静かな態度表明を行ったこともあった。

リサさんは、フィンランドのヘルシンキで行われた平和コンサートに出演し、ジョージアの作曲家イゴール・ロボダの「ウクライナのためのレクイエム2014」を演奏した。

そして、「民主主義と自由と子供たちのためのより良き未来を得るために闘っている民族と国家を蹂躙し辱める行いは正しくありません」と穏やかながら強い表現で聴衆に語りかけた。

「音楽は侵略的なものとは一切相容れない、最も平和な言語です。しかし同時にそれは私たち音楽家に、私たちなりの意見を、知性でなく感情に発する意見を表明する自由を与えてくれるものでもあります。」

祖国ジョージア(グルジア)の辿ってきた運命と相重なるところによる連鎖反応があるのも原因だったようだが、芯の強い、筋が通らないことにきちんと反対の意を唱えられるだけの心の強さ、実行力もあるのだ。


新譜も発表したことであるし、それに関連する世界ツアーもあるのでは、と思う。

ぜひ日本に呼んでほしい!!!

この最高に旬なときにいるリサさんを、もう一度生で観てみたい!

もう責任をもって盛り上げます。(笑)

そうすることが、ユリア・フィッシャー、そしてアラベラ・美歩・シュタインバッハーと、アナ・チュマチェンコ門下生を盛り上げてきた自分の最大の責務で運命だと思うからです。

また天国のゴローさんへの恩返しにもなるかな?



 


NYWCC (NewYork Wolf Conservation Center) [雑感]

エレーヌ・グリモーが創立した狼保護施設センター(Wolf Conservation Center:以下WCCと記す。)の存在をキャッチできた。NY(NewYork)の郊外のSouth Salemにあることがわかった。ありがたいことに自分のグリモーの日記にコメントを投稿していただき、いろいろ教えていただいた。

アメリカにも近い将来に行ってみる予定で、そのときに、このグリモーさんのWCCをぜひ表敬訪問したい夢を抱いていたりする。


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そのコメントをいただいた方は、なんと、そのWCCのFound Raising Dinner(いわゆる寄付金集めのための親交パーティのような感じ)に2回も参加して、グリモーさんと懇親を深め、とても近距離でグリモーさんと忘れられないような想い出をたくさん作られたんだそう。

グリモーさんの実物はさらに優雅で美しく、どんな人の話もあの目でじーっと相手を見ながら熱心に聞くので誰もが吸い込まれるように惹かれてしまうそうだ。

そのWCCのHP、もちろん英語で書かれているのだが、自分のつたない英語力で、さらっと一通り読んでみて、WCCの全容を紹介できたら、と思い日記にしてみることにした。なにせ近い将来行くところなのであるから、自分のためにもなるだろう。     

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

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WCCは、グリモーさんが1996年に創立して、基本は非営利団体・教育・環境保護団体で、自分から利益を出すビジネス体ではないのだ。すべて個人や団体からの寄付で、生計を立てている。

でも、このHPには、普通の民間企業のように、年度ごとのAnnual Reportというのを発行していて、このAnnual Reportを読めば、WCCが毎年どのようなことをやってきたのかの概要が分かる。

基本は寄付で、生計を立てている団体なので、どのくらいのインとアウトなのか、というと、2014年の寄付の収入は、

総額 $1,056,175
日本円で約1億!

個人単位の寄付から、団体、組織としての寄付など様々な形態が存在する。

さらに、その年度の支出は、

総額 $748,487
日本円で、約7700万。

黒字経営だ。(笑)

もちろんお金としての寄付が前提だけれど、現物支給(In-kind)としての寄付も受け付けている。(現物支給してくれた人の名簿リストもあるが、本当にスゴイ人数。)

このHPやFBなどから、いわゆるOnline Donation(オンラインでの寄付)ができる仕組みで、自分もさっそくDonateした。

自分のE-Mailアドレスや住所などの個人情報も送るので、なんかグリモーさんと繋がっている感覚になる。

実際のところ、その後、いろいろメールでWCCの情報が送られてきて、さらにDonationへの招待含め、WCCの活動の近況情報なども送られてくる。

Donateした人は、その金額に応じて、ランクごとに、そのAnnual Reportに名簿として記載される。上は、$25,000 (¥260万)から下は、$250~$499 (¥26000~¥50000)。

ハイ、自分はもちろん一番下です。

Donateするときは、どのくらい本気なのか、を確認する項目があって(笑)

In Honor of としてなのか、In Memory of としてなのか・・・ 毎月寄付してくれるのか?

など、ハイ、自分のできる範囲です。(笑)
自分もこのAnnual Reportの寄付してくれた人リストに掲載されるかな???

正規のスタッフは、全部で、22人。

ボード・オブ・ダイレクター 9人 (この中にグリモーさんはFounderとしての肩書で掲載されている。)アドバイザリー・ボード 8人 スタッフ 5人

という内訳。


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それに膨大な人数のボランティアがいる。

じゃあ、WCCってどんなことしているの?というと大きく次の3つに分けられる。

①狼を養育する。(Nurture Wolves)
②人々への狼に関する教育。(Educate People)
③支援者・資金などを結集する。(Mobilize Support)


①狼を養育する。

現在、WCCで飼育されている狼は30匹。広い敷地をランドスケープの敷居で囲まれた中で過ごしている。(28エーカーくらいの広さ。エーカーというのは広さ面積の単位だそうです。)狼の人口を回復し、狼と自然とのパートナーシップを援助、つまり自然に帰すための手助けをする。

②人々への狼に関する教育。(Educate People)

2014年だけでも、大人&子供(大半はキッズだそうです。)で4万人の人を教育。狼の生態、自然界とのパートナーシップ&今置かれている苦境などを人々に教育して伝え、支持者、資金などのサポートを得ることが目的。

教育する場所としては、屋内(In-site)の場合は、WCCの敷地内で行うし、屋外(Off-site)の場合は、アメリカの北東地域の学校、博物館、図書館、自然センターなどのロケーションで行うことが多いそうだ。

2014年だけでも、WCCの敷地内でおこなう屋内のプログラムは、385回にも及んだし、屋外の講演は、145回行ったそうだ。

ポイントなのは、このとき、その教育の対価として報酬をもらわないことですね。あくまで寄付という形で繋げるのが非営利団体の立場ですかね。

③支援者・資金などを調達する。(Mobilize Support)

ある意味、これがこの団体の命綱的なところもあるのだろう。
②のEducation Programを充実させて、その現実を人々に理解してもらったうえで、寄付してもらう道筋をつける。FBなどに代表されるようなSNSを使った宣伝、サポートも順調で、2億人のサポーターがいるそうだ。


WCCってこんな感じの団体。

狼を愛するが故の狼の啓蒙活動&教育をして、それに基づいての寄付金で狼の飼育含め、団体を運営している非営利団体。

ある意味、人間のご都合主義によって、狩猟のターゲットにされ、激減した狼の生態系。それをこのような形で、飼育してまた野生に返していく、という狼の保護団体というのが実際の姿だ。 

以前の日記で記載したように、グリモーさんが単身でアメリカで究極の貧乏生活の中、苦労しつつ1996年に創立した、その狼保護団体であるWCC。

現在は、スタッフ22人に多数のボランティアを抱え、年間1億の寄付を集める巨大な団体に成長していた。

WCCの年間カレンダーには、こと細かく、Education Programの日程がびっしり詰まっている。

もし、自分がWCCを訪問したい場合は、この年間カレンダーの日程を見ながら彼らの不在のときに訪問しないような注意が必要だ。さらにWCCのあるエリアは、かなり広大で、NY都心からも離れているようなので、相当用意周到に準備をしていかないと失敗する可能性が多いと思われる。

また、これだけの規模の団体なので、もう単に興味本位で立ち寄るというレベルではなく、きちんとWCC&狼のことを深く想う気持ち、つまり本気度が必要な気がしてきた。(どれくらいの頻度で寄付する、自分の本気度があるかどうか、も含めて。)

グリモーさんを思う気持ちから、狼のことをどこまで本気で思えるかですね?

う~む、まだまだ先の話だが、気が引き締まってきた。グルルゥゥゥゥ~。

Wolf Conservation Center 公式HP http://nywolf.org/


ヨハネス・モーザー [クラシック演奏家]

PENTATONEと専属契約を結んで第2弾の新譜がでた。それに絡んでということだと思うが、先週、来日を果たし、トッパンホールでチェロ・リサイタルを、そしてミューザ川崎では、東京交響楽団とチェロ協奏曲でコンチェルトも披露してくれた。

ヨハネス・モーザーは、PENTATONEと契約を結んだ2015年11月頃に知ったアーティストだったので、ぜひ、実演に接してみたいとずっと想いを馳せていて、念願かない、両公演とも参加してきた、という訳。

第1弾のドヴォルザーク・アルバムのときにディスクレビュー日記を書いたが、もう一度簡単に紹介しておくことにしよう。

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ヨハネス・モーザーは、ドイツ系カナダ人のチェリストで、1979年生まれの現在37歳。2002年チャイコフスキー・コンクールで最高位を受賞。

使用楽器は、1694年製のアンドレーア・グァルネリ。

モーザーは、いままでベルリン・フィル、シカゴ響、ニューヨーク・フィル、クリーヴランド管、ロサンゼルス・フィル、ロンドン響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管などなど、もう書ききれないほどの世界のオーケストラ&高名な指揮者と競演してきており、英グラモフォン誌からもその絶賛を浴びている。

室内楽奏者としても熱心に活動しており、五嶋みどり、ベル、アックス、カバコス、プレスラーなどとしばしば共演、ヴェルビエ音楽祭、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭など多くの国際音楽祭にも登場している。

モーザーはあまり知られていないレパートリーを取り上げ優れた演奏をするアーティストとしても非常に評価が高いようだ。

とにかく、写真を見ていただければ、お分かりのように、”ナイスガイ”という言葉がぴったりくるような底抜けに明るい青年。

そしてなによりも若い。まだ37歳にして、これだけのキャリアを積んできているのだから、本当に将来楽しみな大器であることは間違いない。

第1弾のドヴォルザーク・アルバムで彼のサウンドを聴いたとき、その外見からくる爽快なイメージよりも、もっと実は硬派で本格派&実力派の骨のあるチェリストの印象を自分は感じ取り、今後の”新しい録音”の時代の担い手という期待を寄せていた。

そんな彼をオーディオだけでなく、生で演奏する姿を一目観てみたいという夢を実現できた。

その前に、第2弾の新譜の紹介からしよう。 


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ラフマニノフ:チェロ・ソナタ、ヴォカリーズ、プロコフィエフ:チェロ・ソナタ、スクリャービン:ロマンス、他 
ヨハネス・モーザー、アンドレイ・コロベイニコフ

https://goo.gl/gNpZWd


第2弾はロシアン・アルバム。プロコフィエフ、ラフマニノフ、そしてスクリャービンのチェロ・ソナタをはじめとする作品が取り上げられている。

前作の第1弾がコンチェルトだったのに対し、今回は室内楽作品としてのアプローチで、実際の演奏活動でも、見事な両刀使いでもあることから、彼の演奏力、レパートリーの広さが伺えると思う。

何回も聴き込んでいるのだが、情感豊か、鮮やかではあるけれど、ちょっと渋めの色彩感というか、色に例えるならグレーで深い音色、という感じがして、表面はロマンティズムで溢れているものの、その背後にはロシアの厳冬のイメージが湧いてくるような、そんな雰囲気のアルバムに仕上がっていると思う。

あのロストロポーヴィチも協力したと言われるプロコフィエフのチェロ・ソナタと、哀愁漂うラフマニノフのヴォーカリーズは、トッパンホールのリサイタルでも披露してくれた。

録音は、もうお馴染みポリヒムニアの御用達でもあるオランダ放送音楽センターMCO5スタジオで収録。

下の写真はポリヒムニアのFB公式ページから、そのときのセッションの様子。

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ポリヒムニア側の録音プロデューサー&バランス・エンジニア&そして編集と、すべてエルド・グロード氏が担った。PENTATONE側のプロデューサーは、もちろんジョブ・マルセ氏。

もう王道のコンビであるし、録音の完成度の高さは言うまでもない。
明記はされていないけれど、Auro-3Dで録っているのではないだろうか?

空間は広く録れているし、チェロの低弦の解像度も高く録れていて、朗々と鳴る感じのボリューム&音量感も気持ちいい。ピアノの音色の質感は、これは伝統的なPENTATONEのピアノの音色。
(その点、児玉姉妹のピアノ音色は、ちょっと異次元でした。)

そしてチェロとピアノのバランス配分や、リスポジ・聴き手から感じる遠近感も違和感がなくて、さすがエルド・グロード氏の仕事だと思った。

かなりヘビロテで聴いています。

じつは、PENTATONEからの第3弾もすでに決まっているのだ。スイス・ロマンドとのコンチェルトを収録済みで、来年の3月にはマーケットにリリースされる予定である。あのスイス・ジュネーヴのヴィクトリアホールでのセッション録音で、すでに収録完了していて、ただいま編集中といったところだろうか。これは本当に楽しみである。


そんなヨハネス・モーザーを生で聴ける!

まずは、トッパンホールで、チェロ・ソナタとしての室内楽。

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ピアノのパートナーは、2012年の来日リサイタルのときと同じ高橋礼恵さん。

はじめて彼の実演に接した訳だが、その印象を、ずばり結論から言うと、”はちきれんばかりの体育会系ソリスト”という感じだろうか。(笑)

とにかく自分がイメージしていたそのまんま。(笑)

とにかくボウイング、弓使い、その演奏動作すべてにおいて、スピード感、切れ味が鋭くて、俊敏の極みのような演奏家で、スポーティーなスタイルにぴったり合致していた。

最初のヒンデミットやバッハの無伴奏のときは、楽曲のせいもあるのか、思ったほど冴えない感じだったのだが、3曲目のデュティユーから空気がガラっと一変した。剃刀のような鋭い跳ね弓や、弾けるようなピッチカートで、あまりに切れ味鋭いので、聴いていて(観ていて)かなり小気味いい感じだった。

後半のプロコフィエフのチェロ・ソナタや、ラフマニノフのヴォーカリーズなどになると、一転して、いわゆる聴かせるメローな感じで情感たっぷりに弾くのも、かなりサマになっていて、かなり演奏表現の幅が広い、と感じた。

高い技巧のチェリストだと思う。

揚げ足をとるようで、申し訳ないが、敢えて言えば、舞台袖に下がるときに、なにせ、エネルギー持て余している若者のせいか、セカセカ退場していくのが笑えるところだろうか。(笑)もっと余裕を持てばいいのに、と思うのだが、でもこのほうが若者らしくていいっか?(笑)

ヨハネス・モーザーというチェリストは、屈託のない明るい青年のイメージと、ぴったり合うようなスポーツスタイルの超絶技巧の演奏家である、というのが自分のイメージだった。


そしてミューザ川崎で、東響とコンチェルト。

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1曲目は、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲を団員達と一緒に弾き、そのまま止まらずに続けて、デュティユーのチェロ協奏曲を演奏する、という指揮者ノットの粋な計らい。

じつは、この日体調コンディションが悪く、前半は意識朦朧として聴いていたので、ヨハネス・モーザーの演奏をしっかり聴けていなかった。本当に申し訳ない。でもところどころの記憶では、リサイタルのときのイメージと全く変わらない。素晴らしい演奏だったと思う。

ヨハネス・モーザーのFBページからお借りしました。
(ルーツは東響さんの投稿だと思います。失礼します。ゴメンナサイ)

この公演の時のリハーサルの様子。

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そして終演後、東響のチェロセクションと記念自撮りの撮影中(笑)

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とにかく若くて明るいイメージそのもののナイスガイで、スポーティーな超絶技巧のテクニシャン。

新しい録音、新しい演奏、といったこれからの世代を担う若い演奏家として、とても有望株で、自分が肩入れしても許せる”男性の(笑)”演奏家に出会えた、という印象だ。






ヨハネス・モーザー&高橋礼恵 チェロ・リサイタル
2016/11/29 19:00~ トッパンホール

前半

ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタ Op.25-3
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV1010
デユティユー:ザッハーの名による3つのストロフ

後半

プロコフィエフ:バレエ音楽<<シンデレラ>> Op.87より<アダージョ>Op.97bis
ラフマニノフ:ヴォカリーズOp.34-14
プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op.119

~アンコール

スクリャービン ロマンス
サン=サーンス <<動物の謝肉祭>>より<白鳥>
チャイコフスキー ノクターン 嬰ハ短調Op. 19-4




東京交響楽団 川崎定期演奏会 第58回
2016/12/4 14:00~

指揮:ジョナサン・ノット
独奏:ヨハネス・モーザー(チェロ)

コンサートマスター:水谷晃

前半

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲
デュティーユ:チェロ協奏曲「遥かなる遠い国へ」

~アンコール
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第4番からサラバンド


後半

シューマン:交響曲第2番 ハ長調 作品61





秋の京都の紅葉散策 そのさん [国内音楽鑑賞旅行]

コンサートがもちろん主の目的なのだが、もちろんこの秋の季節の京都の紅葉を楽しむのも大きな目的でもあったので、最終日の月曜日、1日休みを取って、紅葉鑑賞の日にあてがった。

まず、目指すは平授庵。
ここは最高に楽しみにしていた。

ここもJR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンで採用された紅葉スポットで、これが実に素晴らしい絵柄で、ガイドブックの写真を観たときは、絶対ここにいくっ!という感じで楽しみにしていたところであった。

建物の室内から外の紅葉を撮影するのが、ひとつのポイントになっていた。

本来であれば、こんな素晴らしいショットが撮影できるはずであった。

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ところが実際行ってみると、こんなん感じであった。(笑)

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紅葉は完全に盛りを過ぎているようだった。あと、入り口の門のところのおばさんに聞いたところ、室内には入れないそうで、そうすると、例の室内からの紅葉の撮影はできないことになる。詐欺だ。(笑)

でも盛りが過ぎたいまの時期だから、そうなのであって、紅葉真っ盛りのときは、室内からの撮影も許可されるのかもしれない。

この平授庵では、こんな庭園もあって、それなりに和の風情があって素敵だと思った。

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また、ここ平授庵では、こんな人力車が大変多く、京都にいたときに感じたのだけれど、結構観光客って、こういう人力車に乗ってみたい、というニーズがあるみたいですね。あちらこちらで、散見されました。

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つぎに目指したのが醍醐寺。豊臣秀吉ゆかりの大寺院で、ここの入り口から入った1番奥にある弁天堂というエリアの紅葉が、ガイドブックにも乗っている最高の紅葉スポットになる。


さっそく、そこに到着。

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う~ん、確かにガイドブックの写真と比べると、盛りは過ぎている感じなのだけれど、紅葉の自然と、全体のフレーム内での構図のセンスの良さは抜群で、これは絵になるショットだと思いました。素晴らしい絶景だと思う。




次に向かったところは、高台寺。

まずは、ここにも人力車がスタンバイされていました。京都では、この人力車に乗ってみたい、というビジネスが盛んなんですね。

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ここはどちらかというと、約1300個もの照明を使う大規模なライトアップが評判で、紅葉の木々が夜の水面に浮かび上がる幻想的な臥龍池が超有名で、このお寺での一番有名なスポットでもある。

どちらかというと夜のライトニングのほうがいい感じですね。

でも、この臥龍池の存在がわからなかった。(大泣)
スタッフの人に聞いても、池はここにありますけど・・・?う~ん?という感じで、心もとない。
結局場所を特定できず、とりあえず、美しいな、絵になるな、というショットを撮影してきました。

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ここは、この時間帯は逆光になってしまったけれど、石&砂の庭園と紅葉が妙にマッチした、とても絵になるフレーム構図だと思いました。

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こんな青竹の森林のような場所もあって幻想的。

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敢えて言えば、このショットが1番絵になるかな?という自分の印象。

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そして最終章の訪問先は、北野天満宮のもみじ苑。
ここは永観堂についで、最高に素晴らしい紅葉スポットだと思いました。

かなりの庭園の広さで、もみじでいっぱい!
樹齢400年以上の楓、豊臣秀吉ゆかりの史跡でもあり、昼間に訪れましたが、やはりここも夜の
ライトアップがいいですかね。

とにかく紅葉したもみじでいっぱい。

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ここの1番の紅葉スポットは、たぶんここ。

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なんとプロのモデルさんによる撮影が行われている最中で、結婚式の記念撮影は、このスポットで撮影しましょう!というプロモ的な写真を撮影しているのだと思う。

ご覧のように照明機材があります。ディレクター、照明係、衣装係、撮影スタッフなど、かなりのスタッフ陣で物々しい感じで撮影がおこなわれていました。

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ショット最終形は、こんな感じなのでしょうか・・・?

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帰りの路すがら、紅葉の落ち葉が川沿いに集まって幻想的。

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紅葉散策の最終地を、この北野天満宮のもみじ苑にしてホントに良かった。
最後を締めくくる最高の紅葉スポットだと思いました。


これにて京都ツアー全日程終了。
自分に、まずご苦労様と言いたい。(笑)

日本の和のテイストを味わう旅行として、京都を選択するのは、至極当然だし、海外旅行とは違った、本当に素敵な体験ができた。まっ自分は、食生活だけでなく、基本、和党の人間なので、大変満足のいく音楽旅行だと思いました。


秋の京都の紅葉散策 そのに [国内音楽鑑賞旅行]

京都に来たら、ベタだけれど、金閣寺、銀閣寺はどうしても寄りたいと思っている。

9月に訪問した時は、とても感動した。特に金閣寺は、入り口から長々歩いていると、突然あの風景が現れるときは、心臓にドキッとするくらい感動するのだ。

紅葉時期を迎えて、綺麗に色づいていると、さらに映えて見えるだろうな、と思い、訪問してみることにした。

まず金閣寺。
意外や、ほとんど色づいていなかった。
でも、この荘厳なお姿は、相変わらず圧倒される。

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どうしても紅葉の金閣寺を撮影したい自分は、スポットを探った。

そうすると、ここからのフレームが、秋の紅葉の金閣寺を連想できて、素敵だと思った。

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つぎに銀閣寺。
こちらのほうが色づきはよいように思えた。

この日は、あいにく1日中雨が降っていて、写真を撮影しても、フォーカスや輪郭が甘いというか、ぼやけているように見えるのだが、でも色づいた銀閣寺は美しい。

まっ、これは自分の嗜好の問題だが、金閣寺も素敵だけれど、銀閣寺のほうが、庭園などの和の様式美が整っている感じがして美しい気がする。

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そして京都市交響楽団の素晴らしいコンサートに大感動して、一気にボルテージが上がり、雨が降っているけれど、遠征して出向いているので、これは行かなきゃ損ということで、この晩も秋の紅葉狩りに出かける。


選んだのは永観堂。

これが大正解だった!

たぶん今回の紅葉散策の中で、1番最高の紅葉スポットだと思えた。

永観堂は、京都屈指の紅葉名所で、平安時代にその紅葉が和歌に詠まれるほど歴史は古く、いつしか「もみじの永観堂」と呼ばれるようになったそうだ。

境内には、もみじが3000本以上と京都で最多!
中心部より寒いので、色づきの良さでも評判が高い。
伽藍や池など、秋の境内は絶景ビューが目白押し。

とにかく、秋の京都の紅葉散策をするなら、敢えて1箇所を選ぶなら、迷わず、この永観堂をお勧めします!

とにかく入り口からこんな絶景な通りが現れる。いやが上でもかなり期待させられる。

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このフレームが現れた時点で、もう永観堂は間違いなし!と確信が持てた。

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以下、庭園内をいろいろ散策して、アンテナにビビッときたショットを撮影してきたので、ご覧ください。境内は、かなり広いです。そして色づいたもみじで一杯!

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たぶん、このフレームが、この永観堂の中で最高のスポットだと思われる。
ガイドブックに載っているのは、このショットだと思います。
美しすぎる!

なんと庭園内には、雅楽の旋律が流れていました。

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ほかにも、帰りの道すがら。。。

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とにかくこの永観堂は最高の紅葉スポットだと、つくづく実感したし、2日目にして、これだけ堪能できたのなら、今回の秋の京都の紅葉ツアーは大成功だと確信できたのでした。


秋の京都の紅葉散策 そのいち [国内音楽鑑賞旅行]

JR東海が、1993年からやっているキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」。

そんな昔からやっていたんだ?(笑)

自分は今年になって京都を強く意識したので、このキャッチフレーズも今年になって、はじめて耳にするような感じがした。

なにせ普段TV観ない(少なくとも音声は聴かない)人なので。(笑)

まさに京都には世界文化遺産の寺院が集中していて、「日本&和」を意識する絶景の景色が集中している。

特に秋の京都の紅葉は、大変な人気で、この時期はまず宿泊が取れない。
何か月も前から予約しないといけない。

以前、この時期に宿を取ろうとしたら、東は名古屋付近、西は岡山あたりまで、びっしり予約満杯で取れなかった経験がある。「理由は秋の京都の紅葉は、毎年こんな感じなんですよ。」という旅行会社のお姉さん。

今回、京都のツアーで11月下旬にコンサートに行くので、この時期は紅葉真っ盛りだな、ということで早めに予約しておいた。

紅葉鑑賞はやはり、昼間もキレイだけれど、夜のライトニングのほうが、ずっと感動しますね。
あの衝撃の美しさは、間違いなく夜のほうが感動する。

秋の紅葉の鑑賞の時期のタイミングって難しい。

ガイドブックに載っているような絶景の写真は、もちろん撮影用で、年間の中で最高の瞬間を撮影した写真。自分のように、限られた日程で、いろいろな寺院を廻るとなると、どうしても当たりはずれが出てしまうのだ。

まだ色づいていない、紅葉真っ盛り、盛りが過ぎた、この3種類のどれか。
全部の寺院が揃うということはまずない。

今回行って大正解だと思ったのは、永観堂、清水寺、そして北野天満宮だと思った。
前者2つの寺院は、夜のライトニング。やっぱり夜のほうが感動する。

では、実際の旅行では、3日に分けて、紅葉狩りをしたので、それに合わせて3部構成の日記で紹介したいと思う。



1番最初に行こうと思ったのは、毘沙門堂。
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」の初年度のキャッチコピーのときに使われた紅葉スポットで、


こんな目の覚めるような素晴らしい絶景の写真を期待していた。

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でも実際行ってみたらこんなんだった。(爆笑)

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もうがっくり、の極致。

そのときガイドブックの写真って、絶景の最高のタイミングで撮影しているから、実際はこんなもんかもよ、という友人のコメントもあり、はぁ~、今回の秋の京都の紅葉ツアーって意気込んで楽しみにしていたけれど、実際はこんなもんで、過度の期待はしないほうがいいのかなぁ、という気持ちになった。

申し訳ないが、嫌な運気が漂っている感じがした。

それを見事にぶっ飛ばしてくれたのが、京都市交響楽団のコンサートであった。

大変素晴らしかったので、よっしゃ、夜の紅葉を観に行こうと思い、9月の時は、絶景の撮影ポイントである「奥の院」が工事中で、いい写真が撮れなかった清水寺に行くことにした。


今回学んだことは、やっぱり「秋の京都の紅葉鑑賞」は、人混みとの闘いである、ということ。
ある意味当たり前だよね。みんな考えることは同じなんだから。

とにかく時間に余裕をもって、行列を待つ覚悟でないといけない。

もちろんお寺によって人混みのバラツキはあるのだけれど、特に大激混みだったのが清水寺。

清水寺は、平成20年に開始した平成の大改修工事の真っ只中で修理している箇所がたくさんある。

この大改修は、安全に工事を進める必要と、美しい景観をできるだけ保つため、少しずつ行われてきたのだが、いよいよ「清水の舞台」で知られている本堂が、早ければ来年2017年の春、改修のため素屋根で覆われることになるそうだ。

素屋根で覆われることになる期間は、清水の舞台を過ぎてすぐの高台(いわゆる奥の院)から普段であれば眺めることができる「右に清水の舞台、左に京都の街並み」というおなじみの景色が見れなくなってしまうことを意味している。

その直前ということは、いいタイミングで拝観できると思った。

でも行ったら、地獄が待っていた。(笑)

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この大行列を観て、このまま帰っちゃおうか?と思ってしまった。(笑)
気が遠くなる。


えっつらえっつら、ようやく清水寺の境内に入ったはいいものの、中も大変な人混みで身動きが取れない。もう中でスタッフの方が交通整理をやっているのだ。

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もうこんな状態で、絶景を撮影するポイントである「奥の院」までは、あと1時間かかりそうです、というアナウンス。なんか雨も降ってきた。。。


そして待つこと1時間超、ようやく絶景の撮影ポイントに到着。

おぉぉぉ~!これでオレは十分報われたか???
嬉しかった!

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さらにもう少し離れたところから。左に京都の街並みが見えるようなポイント、つまりを「右に清水の舞台、左に京都の街並み」を探って、こんな感じ。

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ありがとう!もう思い残すことはないよ。



雨は降っていたけれど、足取りは軽かった。
秋の京都の紅葉が、ちゃんと美しいところもある、ということがわかったので、今晩のショットだけでも充分救われた。

大切なものが撮れたので、あとは、帰路の最中、ビビッとアンテナに引っ掛かったポイントを撮影。

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素晴らしかった!

コンサートをきっかけに嫌な運気を一気にぶっ飛ばした!
疲れたけれど、最高の1日となった。




京都市交響楽団定期演奏会 11/26 & 11/27 [国内音楽鑑賞旅行]

前回9月の公演の時は、オーケストラ、コンサートホールすべてにおいて、はじめてづくしだったので、なにか試験を受けさせられているような気分で、心臓が痛くなるくらい緊張したし、まずはオケの技量やホールの音響などを確認するというところから入っていった。

でも今回は、すでに素性がわかっているので、本当にリラックスできて楽しめた。
そしてなによりも、楽曲の素晴らしさ、純粋にこれだけに専念でき感動できた。



メシアン トゥーランガリラ交響曲。



今回のコンサートの感動は、この楽曲に尽きると思う。

もちろん指揮者、ソリスト、オーケストラのみなさんのすべてが素晴らしいのはもちろんなのだけれど、この曲のとてもユニークでちょっと不思議な調性の旋律が、自分の心を鷲掴みにした。

メシアンは、20世紀を代表する作曲家で、ジャンルとしては現代音楽なのだが、現代音楽のような”前衛的”な要素よりも、もう少し万人に受け入れやすいような親しみやすさがある。

今回この曲が、自分の心を動かしたのも、そんなところに要因があるのだと思う。

調べてみると、このトゥーランガリラ交響曲の日本での初演は、1962年、小澤征爾さん指揮&NHK交響楽団によるものであった。

小澤さんは、メシアンの生前とも交流があったようで、このトゥーランガリラ交響曲の録音を捜してみたのだが、意外や数が少なく、その中でも小澤さんは積極的に録音をしている。


そして現代クラシック界で、メシアンの演奏家として第一人者なのが、児玉桃さん。
オクタヴィア時代から、メシアンの作品をずっと録り続け、メシアンの演奏に関しては、彼女の右に出る者はいないと思う。

このトゥーランガリラ交響曲の中で、大活躍なのが、オンド・マルトノという古楽器。この楽器の演奏の第一人者である原田節さん。この曲を演奏するだけでも300回は下らない、という。

そして指揮者が、京都市交響楽団の首席客演指揮者の高関健さん。自分の中では、若き頃にカラヤン指揮コンクール・ジャパンの優勝者というイメージがどうしても強いのだが、児玉桃さんのデビュー以来、ずっと彼女をサポートしてきた恩師のようでもあるそうだ。


こうしてみると、このようなバックグランド&布陣で、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の演奏で、この演目を聴くのは、やはり自分の運命のような気がしてならない。


今回の座席は、

初日は、こちら、1階席1列10番目。
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2日目は、1階席3列17番目。
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なんと!驚いたことに、9月のアラベラさんのときの座席と、両日とも全く同じなのである!
こんなことってあるのだろうか!(驚)

神様の誘いんですね。きっと。。。


このトゥーランガリラ交響曲の編成は、最前列に、ピアノをはじめ、鍵盤の古楽器がずらっと並び、その後ろに大編成のオーケストラが陣取るというまさに大編成そのもの。


最前列は真ん中にピアノがあるのだが、その左側に、チェレスタ、ジュ・ドゥ・タンブル、ビブラトンという古楽器が並ぶ。

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右側にオンド・マルトノ。

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ステージ全体を俯瞰してみると、こんな感じの大編成なのである。

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特に、自分の中では今回大活躍というか、曲全体に山椒にピリッという感じで、素晴らしいアクセントを加えていたのが、オンド・マルトノであった。

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オンド・マルトノという楽器自体は初体験ではなく、以前にサイトウキネン松本で、「火刑台上のジャンヌ・ダルク」で使用されていたことで、記憶にあったのだが(このときの演奏も原田節さんだと思う)、こんな至近距離で聴くのははじめてであった。


オンド・マルトノというのは、いわゆるシンセサイザーの原型ともいえる古楽器で、上の写真のように、鍵盤そのものの以外にスピーカーが何個も立てられている。20世紀前半に誕生・発展した電子楽器で♪ピュオ~ンというグリッサンドのかかったいかにも電子音的なサウンドが印象的。

非現実的な宇宙サウンドと言ってもいいのではないか?(笑)

クラシック音楽の世界では、今回のメシアンのトゥランガリラ交響曲がオンド・マルトノを効果的に用いた楽曲として 最も有名かつ成功作だと言えると思う。

ゴローさんが、その昔、サイトウキネンの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の撮影で、現地から、このオンド・マルトのことを日記にして発信していたことを覚えていた。

その日記の中で、「SACDの初期にDECCAからリリースされたシャイー指揮RCOのトゥランガリラ交響曲では、5.0サラウンドで まさに部屋を縦横無尽に駆け巡り非常に印象的な効果をかもしだしていた。」と書いてあって、うっ欲しい~と思い、捜してみたのだが、廃盤のようで見つからなかった。いつか中古市場で、必ず!(笑)



トゥランガリラ交響曲を聴いての全体の印象。

とにかく不思議な調性の旋律が魅力的で、自分が一番感じたのは、音数が多いな、ということだった。(笑)

古楽器含め、これだけの大編成で演奏される曲なのであるから、ある意味、”音数が多い”のは当たり前なのかもしれないが、座席もかぶりつきということもあって、かなりの迫力で自分に迫ってくる感じで、たいそう気に入ってしまった。

とにかく一番大変なのは、ピアノの桃さん。

まさに80分の大曲で、交響曲という名前だけれども、ピアノはずっと弾きっぱなし。ある意味、すべての楽器を従え、ピアノがぐんぐん引っ張っていっているような”ピアノ協奏曲”で、まさに全身全霊の熱演に、観ているほうが魂を何回も吸い取られそうな感じになった。

交響曲といっても全10楽章からなる変則の構成で、1楽章づついろいろなバリエーションの表現が要求される。静謐な美しい調べから狂喜乱舞の和音の連打に至るまで・・・いろいろな表情を見事演じ切っていた。


京響のオーケストラサウンドも申し分なかった。やはりこのオケは、ホントに弦が極めて優秀。音にしっかりした厚みがある。

そして先日の日記でも書いたけれど、ヴァイオリンが奏でる帯域、ヴィオラが奏でる帯域、チェロが奏でる帯域、コントラバスが奏でる帯域、弦楽器だけでも高域から低域にかけて様々に異なる周波数帯域を持つ楽器の合奏なのがオーケストラ。

この日の合奏は、オーディオ的なアプローチでいうところの見事な周波数領域上での”和声感”を感じるサウンドだった、ように思う。


指揮者の高関さんは、素人の自分がいうのは大変恐縮なのだが、指揮の振りが非常に美しくてレガートな印象だった。特に指揮棒を持たない左手の表情が豊かで美しく感じる。

今は亡き、クラシック写真家の木之下晃さんが、仰っていたことなのだが、カラヤンの指揮の美しさは、指揮棒を持つ右手ではなく、その左手の表情の美しさにある、という言葉を思い出した。

とにかくいままで聴いたのないとてもユニークな楽曲で、演奏の出来含め、今年1年を締めくくるイヴェントとして相応しい素晴らしい演奏だったと思う。

前回の9月、そして紅葉が美しかった今回の11月と、京都ツアーと題して、京都市交響楽団&京都コンサートホールを体験したが、海外音楽鑑賞旅行に決して負けない同等、いやそれ以上のレヴェルの質の高さと充実した音楽旅行だったと、いま回想してみていえるのではないだろうか。


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(左が児玉桃さん、右が原田節さん)





京都市交響楽団第607回定期演奏会
2016/11/26 & 2016/11/27 14:30~
京都コンサートホール

指揮:高関健
独奏:児玉桃(ピアノ)
   原田節(オンド・マルトノ)

管弦楽:京都市交響楽団

メシアン:トゥーランガリラ交響曲(80分)




東京文化会館バックステージツアー [コンサートホール&オペラハウス]

1986年にサントリーホールができる以前は、首都圏のクラシック文化のメッカは東京文化会館が担っていた。

首都圏のクラシックのコンサートホールの歴史を紐解いてみると、1890年に日本で初めての演奏会場である旧東京音楽学校奏楽堂ができた。

それから、1929年に日比谷公会堂が戦前の主要演奏会場として使われ、カラヤンのベルリンフィルの初来日公演もここでおこなわれた。

そして、1954年に神奈川県立音楽堂が完成した。木造ホールで、「東洋一の響き」と言われた。

1961年に東京文化会館が完成して、初めて内外に高い評価を得ることができ、主要な演奏会場となった。サントリーホールが1986年 にできるまでの25年間,音楽演奏の中心にあり続けた。

そして1986年にサントリーホールが開館して、東京文化会館と人気を二分する形で現在も活躍している。

日本のコンサートホールの設計に関する歴史上の重要人物を上げるなら、前川國男氏と永田穂氏が挙げられる、と思う。

永田穂先生は、もうご存知、永田音響設計の礎を築き、日本の代表的なコンサートホールをほとんど全てと言っていいほど手掛けてきて、更には世界の著名なコンサートホールにもその実績は及び、日本のコンサートホール音響設計のパイオニアといっていい。

神奈川県立音楽堂と東京文化会館を設計したのが、前川國男氏。

専門が建築の彼の音の拠り所は ル・コルビジェのもとで過ごしたパリにあると考えられる。
彼の音のルーツにはフランスの音がある、といえ、彼がフランスで学び,終生建築時の技術の核とした「コンクリート打ちっぱなし」という技術は、建物の建築においてコンクリートの肌がむき出しで、東京文化会館ではホール内壁にも現れていて音響にも大きく影響している。

そんな前川國男氏の最大の建築物の遺産といえる東京文化会館のバックステージツアーに参加してきて、その舞台裏に迫ってきた。


東京文化会館

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国立西洋美術館の基本設計を行ったル・コルビュジェは、美術館のほか周辺一帯の敷地に劇場、企画展示館を含む文化センター構想を提案していた。そこに弟子である前川國男氏が、劇場として東京文化会館を設計した。

東京文化会館は、クラシックコンサート、オペラ、バレエの上演を目的とした公共音楽文化施設で、1961年4月にJR上野駅公園口にオープン。大ホール(2303席、純音楽、オペラ、バレエ)と小ホール(649席、リサイタル、室内楽用)、そしてリハーサル室、練習室、音楽資料室などがある。


今回のバックステージは、大ホールのみである。


前述のように、このホールの特徴は、建築の基本技術が,前川氏がル・コルビジェの元で学んだコンクリート打ちっぱなしの技術であること。そのためホール内でも例えば2階席や3階席の張り出し部や柱などがコンクリートの肌がむき出しになっている。


我々のオーディオ&音楽仲間内では、東京文化会館大ホールの音響はデッドというのが定説。
データによると満席時の中音残響時間は、1.5秒と確かに数字的にもデッドであることが証明されている。そういう大ホールの中でも音響がよくてお勧めなのが、最上階の5階席というのが仲間内でも通説になっている。

でも意外や意外、自分はこの最上階の5階席というのは経験がなかった。今回のバックステージツアーではじめて5階席に昇ってみた。

そうすると、こんなに見晴らしのいい光景が!

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これだけステージの奥行き含め、全体がすっきりと俯瞰できて、しかも音響が一番素晴らしい座席ということなのであれば、次回からはこの5階席を選んでみようと思った。


両サイドにつくった雲形のブナ材で作った拡散体は戦後の抽象彫刻を代表する作家の一人である向井良吉さんのよってつくられているそうだ。

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建築家が設計する幾何学的な面によってではなく芸術によって創造する造形によって成し遂げようとして設計責任者の前川氏は、彫刻家向井氏にその意図を伝えるのに「火山が爆発寸前だ。大地が亀の子状に地割れしてところどころに赤い火が燃え始めたというよいな壁はどうだろう」と持ちかけた、ところからこのようなデザインになったそうだ。左右でデザインが違うのだ。おわかりいなるだろうか・・・



ホールの形状は六角形。ホールのタイプ別としては、いわゆる扇型のコンサートホール。


この扇形状は他のホールにはないほど両壁面が開いたもので、壁面間での反射音の行き来が少なくなることを意味していて、このこともこのホールの音の響きを特徴づけている。

このホールは、シューボックス型のホールの側方からの反射音で響きを作る方式ではなく,ハース効果の理論で音響設計されている。ハース効果とは直接音に対して 50m秒までの反射音は直接音を強化するが、50m秒以上の時間遅れの反射音は分離してエコーになってしまうというもの。

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そのため、50m秒以内の主たる響きを作る反射音を舞台後方から客席深く天井に伸ばした可動式反射板(これは後で説明する)で作っているのだ。50m秒以上の反射音に関わる壁面には拡散体や吸音面を設置している。ステージの両脇につくった雲形のブナ材で作った拡散体はそのためのもの。


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このホールの音の流れというか音響の特徴って、反射音はステージ背後から客席上部の天井にかけて設置された反射板により客席に届けられる。

シューボックス型の場合、反射音は左右の平行な壁面から客席に届く。そのため人体の耳が左右にあるのでどうしても音像が揺れたり膨らんだりする。

その反面、人間の耳の左右サイドから反射音が入ると、音の広がりや響きが豊かに感じるという人の聴覚の特徴から、シューボックスって響きに囲まれていて音が濃くて、いい音響と言うような印象が強い。

しかし,東京文化会館は、どこのホ ールよりも大きく開いた両側壁面は その役目を持っていない。つまりこのホールって、前方から直接音が来ると同時に、タイミングが遅れて、反射音が、これまた前方からやってくる、というのが、大きな音の流れの特徴になっていて、側面からの反射音の影響は少ないという構造になっている。

なので両側面で反射を繰り返す響きの豊富なシューボックスにありがちな音像の響きのよる埋没・混濁という影響も少ない。演奏でも個々の楽器の音像が融合することなく明確な輪郭でしかも小さい音像で存在する、というように理論上ではなっている。

あくまで教科書的な机上の考え方であるけれど、このように側面壁の影響がなく、前方から直接音、反射音がやってくるというのは、響きで音像が広がらず、コンパクトにしかし奥行き方向に響きができるので音像が立体的に感じられる、という表現がぴったりくるのかもしれない。

実際の聴感上でも、ぶっちゃけデッドに感じるのも側面の反射音が期待できず、前方のみの反射音&響きに依存するところが多いのが原因なのでしょうね。

音像が小さく立体的というメリットとのトレードオフなのかも?です。オーディオルームでも同じですが、”音像と音場の両立は難しい”というセオリーがここでも立派に成立すると思いました。


東京文化会館のような響きが多すぎなくややドライで,個々の楽器が明快で曖昧さがなく集中できるホールでは,一つのものに向かって行くベートーヴェンのような古典派のような音楽がこのホールにあっていて、オーケストラが取り上げることが多いようだ。

シューボックス型のホールでは溢れんばかりの響きで情感の高揚感を味わうロマン派の音楽が適しているし、ワインヤード型などのアリーナ形式のホールは、ホールのコンセプトとして演奏者と聴衆の交流とか、音についてもステージと客席の一体感を目指しているので、聴き終わったあとは、みんなで良かったね、と喜びあって聞き終える音楽の演奏に合ったホールだと思う。


東京文化会館の大ホールは、クラシックコンサートとオペラの舞台が共有できるので、どうやっているのか、昔から興味があった。それが今回のバックステージツアーで解決できて、頭がすっきりした。

クラシックコンサート用のステージは、背面から天井に向かっての反射板が、もうステージ固定で取り付けられていて、この反射板がくっついたまま、ステージごと地下の奈落に格納される仕組みになっているのだ。

そしてそのクラシックコンサート用のステージの上空側にはオペラの舞台ステージがある訳。


つまり反射板ごとのクラシックコンサート用のステージを可動で、地下の奈落に格納すると、上からオペラの舞台ステージが下がってくる。逆を言えば、オペラの舞台ステージを上方に可動で上げると、地下からクラシックコンサート用の反射板が取り付けられたままのステージが、上がってくるという仕組みなのだ。ステージにデファクトで取り付けられている可動式の反射板は、天井サイドとガチャンと接合する。

1998 年に13ヶ月をかけて行った大改修があり、その中で大きな工事は、いま言及したオペラ やバレエにも十分対応できる舞台にするため,ホールの舞台反射板をス テージ部の地下の奈落に収納できる ようにしたこと。そのため奈落 の下を8m掘り下げた。


この写真は結合される側のホールの天井。

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へぇー。

さっそくバックステージツアーで舞台裏に潜入して、地下の奈落に格納されている状態のクラシックコンサート用のステージを発見。

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その後、オーケストラ・ピットに潜入。
結構深い。団員70名くらい入るそうだ。

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ステージ直下のところのエリアが納屋みたいになっていて、そこに椅子やプルト譜面だが格納されている。

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ワーグナーのような大編成になると、さすがにこのピットエリアだけでは足りないので、この納屋の部分の扉を全部取っ払って、この納屋エリアにも団員を配置するそうだ。なにせ、納屋に人員を入れ込むため、音が籠ってしまう。その際は、なるべく打楽器など、音色が籠っても大きな影響がないような楽器を優先に、この納屋スペースに入ってもらうのだそうだ。



このピットの床は可動式になっていて、高さを調節できるようになっている。
だからオペラではなく、普通のクラシックのコンサートの場合は、このピットエリアの床は、そのまま上に可動になって、ステージと同じ高さになってステージ本体と結合するわけだ。


ぐんぐん床が上がってくる。

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そしてオペラステージと同じ高さに。。。ステージ本体と結合する。

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へぇー。


ステージ上からホール背面をきちんと撮影してみる。

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ここで観客席が大半は赤いのだけれど、ところどころで、色が違うものが散乱しているのがわかるだろう。これは、なんのためにやっているかというと、客があまり入っていないとき、ステージ上の出演者たちから見たとき、客席の赤いのが目立つといやなので、色をこのようにカモフラージュすることで、空席ということをわからないようにしている工夫なのだそうだ。(笑)


つぎにオペラ用ステージ上の舞台装置などを支える仕組み。
上空からこんなフレームの集合体がぶら下がっている。
これらのフレームは電動で上下に動く訳だ。

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もちろんその中から1組のフレームだけ下がったりして操作できるようになっている。
これらがオペラの舞台装置にいろいろ奮闘する訳ですね。

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ピットの中からステージの両サイドの中の様子が垣間見え、興奮。(笑)

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オペラのステージには、もうひとつ面白い仕掛けがある。
それは写真のようなプロンプターというお仕事。

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オペラステージには、このような四角い穴が開いていて、そこに人が入って、そこからオペラ歌手たちに、オペラ劇の進行に合せて、立ち位置を指導したり(そこの場所じゃないとか。(笑))、つぎはあなたが歌う番なのだよ、とかいうゲキをこの穴から指示をするのだ。

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その声は、絶対観客席には聴こえないそうだ。だってオペラだからオケは鳴りっぱなしだし、オペラ歌手はずっと歌っている訳だから。この穴の中にカメラが設置されているのがわかるだろう。これがステージの状態を映し出している。これを見て、アドバイスのゲキを送っているということのようだ。


実際は地下から階段で上がってこの場所に座るそうだ。この四角いサイズは、もちろん世界中のオペラハウスで、違うだろうし、中に入る人のサイズも考慮されているのかもしれない。外国のオペラハウスは、巨大な外人が入れるように大き目のサイズにしているとか。。。



つぎにホワイエに移動。
じつに美しい個性的なデザイン。

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外側をガラス張りにして、エントランスロビーから大ホールホワイエまでは上野公園の中であることをイメージしたそうである。コンクリート製の柱は木と見立て、木目が写っている。また床のタイルは落ち葉。天井の照明は天の川。一面の星空が、みなさまをお迎えします。(笑)ちなみに、木目が写ったコンクリート製の柱は、国立西洋美術館でも見受けられる。



つぎに客席の最上階5階のほうにあがる。

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ここでは、両サイドにカーテンコールのときに、歌手たちにスポットライトを浴びせる照明室がここにあるのだ。実際、その照明を触わらせてくれて、ステージの歌手たちに見据えたツアー客にスポットライトを浴びせるデモもしたりした。



つぎに、ステージの両サイドのスペースを散策。
観客席から向かって、右側のサイド。

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うっ壁が、もう出演者のサインでびっしり。

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そして反対側の左側のサイド。
もうここは、出演者のサインの巣窟であった。
もうびっしり。圧巻!まさに文化遺産ですね。

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こうやってテーブルに置いたまま保管されているサインもある。カラヤンのもあった!

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つぎに細い通路を通りながら、リハーサル室に入る。

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ここで、オケのみなさんや、歌手のみなさんは本番前のリハーサルをやっているんですね。

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さらに楽屋訪問。

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大ホール個室1~6は、指揮者とソリスト&歌手たちが待機するお部屋。

こちらが指揮者の個室。ソファがあるのが特徴。シャワーも浴びれるようになっている。

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こちらがソリスト&歌手の個室。指揮者のお部屋とはちょっと違いますね。

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しっかし、楽屋を通るまでの通路の壁は、ホントにサインでびっしり!スッゴイ!

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つぎにオケメンバーなどの大人数の待機部屋。この日は特別に壁をぶち抜いて、広くしているとのことであった。

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なぜか、洗濯機を設置するところもあった。(笑)

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出演者専用のカフェや軽食時をできるようなところ。
なにかここで食べてみたい。(笑)

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そしてピアノ格納庫。スタインウエイやベーゼンドルファー、ヤマハのCFXなどが格納されていた。
もちろん大ホールだけでなく小ホールで使うピアノもここに格納されている。
普段は、扉を閉めて、厳密に湿度管理などをしているそうだ。

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そしてバックステージツアーも最後の大詰め。

最後は、みんな平土間の観客席に陣取って、オペラ用ステージとクラシックコンサート用ステージの入れ替えを視覚体験。地下から反射板が固定で装着されているコンサート用ステージがあがってきて、それに合わせて、オペラステージが上空にあがっていく様子である。

最後は、コンサート用ステージに装着されている反射板が天井とがガチャンと結合される。

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これで東京文化会館のバックステージツアーは終了。

今後の企画として、ちょっとリクエストしたかったのが小ホールのほうのバックステージツアーも入れてほしいと思ったこと。個人的な感想ではあるが、小ホールの音響は、ソリッド気味でクリスタルな響きが魅力の、じつに素晴らしくて、国内の室内楽ホールとしても指折り本数に入る秀逸なホールだと思っている。ステージ後方にある小ホールの音響反射板は、設計した彫刻家 政之氏がタバコの箱の銀紙をぐしゃっとつぶし、広げたものだとか。


あと、ここには音楽資料室が4Fにあって、音楽関係の書籍、CD等音資料、DVD等映像資料等を無料で閲覧・試聴できるようになっている。

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まさに首都圏のクラシック文化を一手に担ってきて、今現在もトップであり続ける東京文化会館。
そのすべてを拝見させていただいたようで、大変貴重な経験でした。

これからも第一線で貴重なコンテンツ&文化を送り続けるホールであって欲しいと願いつつ、今後も足繁く通い続けさせていただく決心を新たにしたのでした。







 


エディタ・グルベローヴァ [オペラ歌手]

オペラに開眼したのが遅かったので、エディタ・グルベローヴァの全盛期はもちろんこと、彼女の生の声を聴いたことがなかった。

2012年のウィーン国立歌劇場の来日公演「アンナ・ボレーナ」を最後に日本での引退宣言をしてしまい、自分としては、今後は、ヨーロッパにこちらから聴きに行く、というスタンスでない限り、もう縁のない歌手になってしまったという悲しい想いだった。

自分の中で一生悔いの残る、なんとも言えない気持。

そのことが、逆にグルベローヴァに対する猛烈な憧憬の念を、さらにひき立てることになってしまい、より一層遠い夢の世界の人のように感じてしまった。

40年以上もオペラ界でトップを走り続け、現在69歳で、カール・ベーム、ヘルベルト・フォン・カラヤン、カルロス・クライバー、そしてリッカルド・ムーティなど蒼々たるメンバーとの共演を誇り、「コロラトゥーラの女王」とか、「ベルカントの女王」の異名をとり、その圧倒的な歌唱力は、まさに世界最高のソプラノ。

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彼女に対する想いと、そのディスコグラフィーはほとんど聴き込み完全制覇して、日記にしたのが2013年。そんなグルベローヴァがなんと今年、奇跡の来日公演をおこなうという。

オペラ、オペラ・アリア、そしてリート(歌曲)・リサイタルと、オペラ歌手として考えられるすべてのパターンを網羅した3公演で、さらに東京だけでなく、日本縦断。まさにグルベローヴァという歌手のすべてを日本の方々に知ってほしいという企画のようにも思えた。

このような粋な計らいをプランニングしてくれ、実現の域まで導いてくれた招聘プロモーター(今回3公演で別々のエージェンシーが担当のようだった。)には、 本当に感謝し尽せないほど感謝している。本当にありがとうございました。

彼女の声を一言で表現するなら、”クリスタル”という感じだろうか。

超高音域につけ抜けるその透明感は、まさに驚異的な美しさがある。そして彼女の代名詞である、一つの音節に対して、複数の音(装飾音)が充てられる形、高音域で自由自在にクレシェンド・デクレシェンドして、速いフレーズの中に、軽快に音階を上下するコロラトゥーラと呼ばれる歌唱法。

そしてアジリタ・・・軽快、機敏を意味するイタリア語で、オペラでは細かい音符で書かれた早いパッセージ(装飾音)のこと。

コロラトゥーラというのは、ドイツ系のテクニックで、アジリタというのは、イタリア系のテクニックという使い分けをされている考えの方もいらっしゃるようだが、自分はどちらも本質的には変わらないものと考えるし、グルベローヴァの唱法を例えるなら、この2つの表現が一番シックリくる。


オーディオで聴く限り、この人の声、このフレーズを聴くと、まさしく天からの授かりものという感がある。

なにせ、じかに聴いたことがないので、彼女に関する逸話がどんどん一人歩き、自分の中で神話化することもあった。

本番のコンサートの直前では、自分の声のコンディションを維持するために、娘との会話でも筆談を使う徹底したプロ意識。

また、声楽、つまりオペラなどの歌手の声は指向性がある。つまり音の伝わる方向の角度が狭くて、歌手の向いている方向の座席に座っている人たちと、その方向から外れている座席に座っている人では、その声の聴こえ方が違う。だからオペラものは、結構座席選びが重要。 でもグルベローヴァだけは例外で、この人の声はどこの席に座っていても同じに聴こえる、全方位の無指向性だという。まぁそれが可能なだけの歌唱力、声量な訳で、ますます彼女に対する憧憬の念が増していった。


今回の3公演は、以下のような布陣。

オペラ~ ノルマ(ベッリーニ)@Bunkamuraオーチャードホール
オペラ・アリア~オペラ名曲を歌う~2つの狂乱の場@東京オペラシティ
リート&オペラアリア・リサイタル@川口リリア・メインホール

オペラとオペラ・アリアでは、プラハ国立歌劇場を携えてのコンサートであった。

この3公演を体験して、感じたグルベローヴァの印象を統括的に述べてみる。

3公演を通じて感じたことは、彼女はすごいスロースターターだなぁ、ということ。(笑)

オペラ歌手や合唱団などの声もののコンサートは、自分が経験した中では80~90%の確率でこの定説は間違いなく当て嵌まる。ほとんどがそうだった。

最初のときは、喉が充分に暖まっていないこともあり、聴いている聴衆があれ?本当に大丈夫?と心配するほど、かなり不安定なものなのだが、中盤から終盤にかけて、エンジンがかかってきて、もう最高に感動するくらいの歌唱力で圧倒するエンディング。

特に、グルベローヴァはその傾向にあって、かなりのスロースターター。3公演ともそうだった。エンジンがかかりだすまで、結構時間がかかるという印象だった。もう御年70歳ということもあり、そういう部分もあるかな、と感じたし、なかなか全盛期のようにはいかないのだろうと思う。

オペラの「ノルマ」のときは、もう最初は絶不調の極みで、耳を疑った。
でも中盤から終盤にかけて、喉が暖まってくると、まさに感動の頂点とも思える様な熱唱ぶりで、前半と後半では別人のようだった。

生で聴いたグルベローヴァの声の印象は、いまどきの全盛期の歌手たちと比較すると、声の線が細くて、非常に繊細で、デリケートな声質だな、と感じた。圧倒的な声量でホールを圧するという馬力型のタイプの歌手ではなく、線の細い透き通るような美声で、でもツボに入った時の熱唱は、まさにホールを圧すると言ってもいいほどの聴衆への説得力があり、比較的緩急のある表現力をもった歌手だと感じた。

そして、印象的だったのは、選曲にもよるのかもしれないが、彼女の歌い方は、非常に難しい、テクのいる唱法だな、と感じたこと。なんかすごい歌うのが難しそうに感じるのだ。彼女の声が、いまいち不安定に感じるのも、その歌い方に起因していて、あの難しい声の回し方で、安定して歌うことって相当技術のいることなのでは?と思うのだ。

自分がいままでの聴いてきたオペラ歌手のソプラノは、もっと聴いていてイージーに歌っているように感じるし、安定感もある。でもグルベローヴァの歌い方は、声がデリケートな繊細な声質である上に、コロラトゥーラのような超絶技巧の唱法を伴って歌うので、本当にだれもが歌える訳ではない、普通のオペラ歌手では歌えない、コロラトゥーラ歌手だけが歌える技巧の難しい歌い方と感じてしまう。

だから余計不安定要素も目立ってしまう。。。そんな感じがするのだ。
そのような技巧的な歌い方をしながら、ツボに入った時の熱唱のアリアの部分では、まさにホールを圧するという感覚があるので、その相乗効果で聴衆はいっきに興奮のるつぼと化す。そんな感じの印象だった。彼女のコンサート全般を通して。


あと、もうひとつ驚異的だったのは、そのピッチ(音高)&キーの高さであろうか?

ピッチ&キーの高さが普通のオペラ歌手のソプラノより遥かに上域で、突き抜ける高音という感じがして、ちょっと自分がいままで聴いてきたオペラ歌手のソプラノとは異質な世界を感じた。コロラトゥーラの技法もさることながら、このような基本的な声域の高さが、ちょっと普通のオペラ歌手と違うので、いままで聴いたことのない脅威な声質だと感じた。

ちょっとこういうタイプの声質&歌い方をするソプラノ歌手は、聴いたことがないなぁという感じ。

オーディオなどのCDで聴いている分には、確かにすごい超絶技巧の歌い方であることはわかるのだけれど、でも実際生で聴いた感動は、その超絶技巧・表現力がより一層デフォルメされている、と思えるぐらい鮮烈に聴こえる。

臨場感、迫力、発声の張り出し感など、その一瞬の感動の大きさは、やはり この点、生演奏には絶対かなわないと思ったところでもあった。


もちろんいいところばかりではない。自分は全盛期の彼女を知らないので、いまとの比較はできないが、どうしても高域の部分は、苦しそうな歌い方をしていたし、歌っている最中も、つねに不安定な部分が見え隠れするのも、全盛期だったら、ばっちり安定していたんだろうな、という想いを抱きながら聴いていたことも確かだ。

でもこれが御年70歳の歌手のパフォーマンスと思えるだろうか?信じられない位の若々しさで溢れ出ていたし、引退なんてまだまだしないでほしいし、いまでも十二分の一流のパフォーマンスができていると思う。




なによりも、最高に自分が感動、印象に残ったのは、カーテンコールなどでの彼女のステージ上での立ち振る舞い。

その振る舞いそのもの、手の指先の表情に至るまで、じつに往年のスーパースターらしい貫禄があって、まさに優雅で、凛とした立居姿・立振舞いに、長年オペラ界で最前線を走ってきたスーパースターの経験の積み重ねが自分の意識なしに、そういう所作、振る舞いに自然と現れているものなのだと思えた。

自分は、この最後のカーテンコールでの彼女の凛とした立居姿に、相当参ってしまった。

グルベローヴァに抱いていた積年の想いは成就した。
感無量としか言いようがない。

繰り返しになるが、今回のこの一連の公演を実現してくれた招聘プロモーターさんたちには、 本当に感謝の限りです。

じつは、非公式ではあるけれど、来年も「ランメルモールのルチア」で日本に来てくれるようなのです。

あっちなみにですが、一番最後の昨晩の埼玉県川口でのリート・リサイタルでは、アンコールの最後に、日本語で、「さくら・さくら」を歌ってくれる大サービス!もう観客席は、大歓声で、大いに盛り上がりました。

サービス精神旺盛で感動的なコンサートを本当にありがとう!


Bunkamuraオーチャードホールでのノルマ

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この上の写真はFBの「チェコへいこう!」さんの公式ページから拝借しています。

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東京オペラシティでのオペラ名曲を歌う。(前半と後半でドレス衣装替え!)

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川口リリア・メインホールでのリート&オペラアリア・リサイタル

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2016/11/6 ベッリーニ「ノルマ」
      Bunkamuraオーチャードホール

指揮:ペーター・ヴァレントヴィチ
      管弦楽:プラハ国立歌劇場

      ノルマ:エディタ・グルベローヴァ
      アダルジーザ:ズザナ・スヴェダ
      ポリオーネ:ゾラン・トドロヴィッチ 他


2016/11/9 エディタ・グルベローヴァ オペラ名曲を歌う~2つの狂乱の場~
      東京オペラシティ

      指揮:ペーター・ヴァレントヴィチ
      管弦楽:プラハ国立歌劇場

      前半
ロッシーニ 「セビリアの理髪師」序曲
      ドニゼッティ「シャモニーのリンダ」第1幕からアリア「私の心の光」
      ドニゼッティ「ドン・バスクァーレ」序曲
      ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」第2部 第2幕から~狂乱の場~
            (「あの方の優しいお声が」~アリア「苦い涙をこぼして下さい。」)
      ドニゼッティ「ロベルト・デヴリュー」序曲
      ドニゼッティ「ロベルト・デヴリュー」第1幕から
             (公爵夫人、熱心な嘆願を~」~アリア「彼の愛が私を幸せに
                                      してくれた」)


      後半
      ベッリーニ「ノルマ」序曲
      ベッリーニ「清教徒」第2幕から~狂乱の場~
           (「ここであなたの優しいお声が」~アリア「いらっしゃい、愛しい方」)
      マスネ  「タイス」から間奏曲”タイスの瞑想曲”
      ベッリーニ「異国の女」第2幕から
           (私は祭壇に・・・慈悲深い天よ」~アリア「ああ、儀式が始まり
                                 
ます。」)

      アンコール
      プッチーニ「トゥーランドット」(「お聞きください、王子様)
      J.シュトラウス「こうもり」(「無垢な田舎娘を演じる時間」)

2016/11/12 エディタ・グルベローヴァ ソプラノ・リサイタル
      川口リリア・メインホール

      ピアノ:ペーター・ヴィレントヴィッチ

      P.チャイコフスキー (6つの歌 Op.6)より、
                第5曲「なぜ?」
                (6つの歌 Op.16)より
                第1曲「子守歌」

      リムスキー=コルサコフ (春にOp.43)より
                   第3番「清くかぐわしいあなたの立派な花環」
                   第2番「高嶺に吹く風もなく」

      A.ドボルザーク (ジプシーの歌 Op.55)より
              第1番「私の歌が鳴り響く、愛の賛歌」
              第2番「さぁ聞けよ私のトライアングル」
              第3番「森はひっそりと静まりかえり」
              第4番「わが母の教えたまいし歌」
              第5番「弦の調子を合わせて」
              第6番「大きなゆったりした軽い亜麻の服を着て」
              第7番「鷹の翼はタトラの峰高く」

      ~休憩

      G.シャルパンティエ 歌劇「ルィーズ」より
                ”その日から”
      G.プッチーニ 歌劇「つばめ」より
               ”ドレッタの夢の歌”
      E.ディラクァ 牧歌
      A.アリャビエフ 歌曲「夜鳴うぐいす」
      J.シュトラウスⅡ 歌劇「こうもり」よりアデーレのアリア
               ”侯爵様、あなたのようなお方は”

      ~アンコール
      スメタナ キス
      ピアノソロ:ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番&その他の曲などの即興アレンジ
      ワーグナー タンホイザーより
      さくら






PENTATONEの新譜:児玉麻里・児玉桃によるピアノ・デュオ「チャイコフスキー・ファンタジー」 [ディスク・レビュー]

ピアノ録音で素晴らしいと思うレーベルは、2chなら文句なくDG、そして5.0サラウンドならBISといったところが自分の好みの基準。

特にDGなんかは、歴史・伝統があり、数多のピアニストの作品を残してきた。最近の新鋭ピアニストが、みんなDGとそそくさに契約してしまうのは、そういった過去の積み重ねと、他レーベルを圧倒的に駕倒する、その歴然としたピアノ録音の技術レベルを感じ取っているからではないだろうか?

DGやBISに、どちらにも共通する、そのピアノサウンドの特徴は、硬質でクリスタル系であるということ。

特にBISは、全体的にクールダウンした温度感低めのサウンドで、ワンポイント録音の彼らは、マイクから程よい距離感があって、そういう空間がはっきり認識できて、その中でクリスタルに鳴るので、異様に美しく感じる。どちらかという薄味のサウンド。

それに対し、DGは、かなり音の密度感が濃くて、いわゆる骨格感がしっかりしていて、男らしいサウンド。そういう音の芯がしっかりしていながら、クリスタルに鳴るので、これぞピアノ録音の王道と思えるような境地を感じる。

特に彼らDGが録って造り上げたピアノの音というのは、単にコロコロ転がる美しさではなく、1音1音に質量感があって、タメのある鳴り方をするので、それに打鍵の美しい余韻が加わり、まさに濃い、美しいピアノの音色が聴けて、極上と思うのである。



PENTATONEのサウンドは、基本はとても柔らかい質感で、いわゆる暖色系とよばれるような温度感の高いサウンド。(このようにレーベル、つまり技術者によって音の造り上げ方、音のイメージが全然違うので、じつに面白い。)

なので、じつは自分的には、PENTATONEのサウンドというのは、あまりピアノには向いてないのでは?、と思っていた。もちろん彼らのピアノ作品もそういう先入観なしに聴くと、それはそれで適した素晴らしさがあるのだけれど、自分はやっぱりピアノは硬質でクリスタル系が好きなんだな。(笑)

ところが、今回の児玉麻里・児玉桃姉妹によるピアノ・デュオのPENTATONEの新譜を聴いたときに、その過去にずっと抱いていたイメージが払拭されて、まさに驚愕であった。

彼ら独特の柔らかい質感の気配は残しつつも、かなり硬質寄りのサウンドになっていて、音色もクリスタル。そして適度な空間感もある。とてもPENTATONEのサウンドとは思えなく、自分の耳を疑った。


なんと洗練された音なのだろう!


アラベラさんの新譜のときにも思ったのだけれど、ポリヒムニアの音の録り方、作り方は、本当に年々どんどん進化しているというかすごい洗練されてきているのがよくわかる。もう聴いた1発目の出音のニュアンスで、完璧にわかるのだ。

いやぁ洗練されているよなぁ、という感じで。

先日ユリア・フィッシャー来日公演に合せて、彼女の旧譜を聴いたのだけれど、当時はあれだけ興奮したサウンドだったのだけれど、いまの垢抜けた音作りを聴いてしまうと、どうしても古さを感じるし、やっぱり時代の流れってあるよなぁと感じるのだ。

技術の進歩ってほんとうに早い!

とにかくPENTATONEサウンドらしくない音で、時代の最先端をいくようなピアノサウンドと言ってもよく、自分の判断基準では、おそらくPENTATONEの過去のピアノ作品の中では最高傑作のサウンドだと断言できる。

なんでも編集時に6人のエンジニアの耳(過去最高?)で入念にチェックを重ねた万全の作品だそうであるから、その成果は十分に成し遂げれらたのでは、ないだろうか。 



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『ピアノ連弾による3大バレエ~アレンスキー、ラフマニノフ、ドビュッシー、ランゲリ編曲』 
児玉麻里、児玉桃

https://goo.gl/e7mTTk


児玉麻里・児玉桃姉妹によるデュオ作品というのは、じつは意外や意外、はじめてのことらしい。
麻里さんのほうは、PENTATONEでベートーヴェンのピアノソナタ全録音の偉業を達成しているし、桃さんのほうは、オクタヴィア、ECMで録音を重ねてきて、昨今は、ヨーロッパ、日本でのコンサートなど、その活躍・躍進は本当に目を見張るばかり。

麻里・桃姉妹によるデュオ作品をPENTATONEから出そう、という企画は、輸入元のキングインターナショナルさんのアイデアだったようだ。PENTATONEのリリース計画で、そのことを知ったときは、本当に夢のような気分だった。


今回の扱う作品&テーマは、「チャイコフスキーの三大バレエ作品」を、いろいろな編曲家によって編曲されてきたピアノ・ヴァージョンの曲をデュオで弾こうという試み。


ラフマニノフ編曲の『眠りの森の美女』と、ドビュッシー編曲による『白鳥の湖』など、本当に耳慣れたチャイコらしい親しみやすい旋律が最高に癒される。チャイコの三大バレエ作品は、もうクラシックファンに限らずとも、誰もが聴いたことのあるその優雅な旋律の宝庫ともいえる、本当に美しい作品の集まり。

特に、超お宝がアレンスキー編曲による『くるみ割り人形』。この編曲は楽譜が極めて入手困難なため伝説となっていたそう。それがついに音になった。アレンスキーは『くるみ割り人形』全曲を4手連弾用に編曲しているが、ここでは人気の組曲ナンバーと『パ・ド・ドゥ(グラン・アダージョ)』を披露。ピアノ・デュオ書法を知り尽くしたアレンスキーならではの効果が素晴らしい。(HMV記載の輸入元情報から抜粋)

自分は、チャイコの三大バレエの作品の中では、『花のワルツ』が最高に大好き。なんかお花畑にいるようなメルヘンティックな旋律で、聴いていてとても幸せな気分になれる。この曲は、アルゲリッチのDG盤を昔かなりの頻度で聴いていた。実に久しぶりに聴いて、やはりいい曲だよなぁとしみじみ。

このようなメロディの宝箱のような華やかな作品を、4手連弾のピアノデュオで聴く。

オーケストラ・ヴァージョンと比較しても決して聴き劣らない、聴く者を充分に満足させてくれる、圧倒的な音のボリューム感。

逆にピアノだからこそできる、軽やかさ、軽快感など、その絶妙な2人のやりとりは、たぶんお洒落感覚の極致だと思う。

4手連弾のピアノデュオと聞くと、どうしてもピアノにしては音数が多くてヘビーなイメージが湧いてしまうのだが、このアルバムを聴いたときは、はて?4手連弾?と感じることが多いくらい、ふつうの2手の作品のように聴こえてしまう。

重音ではなくて、うまく時系列的に4手が繋がっているような巧妙さを感じて、とても軽やか。
この作品を、ピアノに編曲した編曲家もすごいのだけれど、やはり児玉姉妹のピアノタッチの奏法の素晴らしさも大きな要因じゃないかな?


今回のこのアルバムは、ポリヒムニアが録音で使うオランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5で録られた。もうこのスタジオは、おそらく専属契約していると思われ、ポリヒムニアは、ずっと昔から、このスタジオを使い続けてきた。

以下、その収録の模様を、ポリヒムニアのFB公式ページから拝借してご紹介。


オランダ、ヒルフェルムス、MCOスタジオ5
こんな感じで、スタジオにピアノが2台置かれていました。

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収録中に仲良く記念撮影。(ポリヒムニアのジャン=マリー・ヘーセン氏は、今回録音エンジニア&編集を一気に引き受けた。)

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お仕事中。

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フォト撮影

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自分は、ライブな生演奏も好きだけれど、やはりオーディオファンなので、このように、”いわゆる作り上げた音”の作品が好き。

やっぱり録音って芸術作品だと思う。

生演奏は生演奏の良さ、感動があるけれど、こういう録音の素晴らしさ、「ピアノがこんなに綺麗に録れているなんて!なんて素晴らしい録音なんだろう!」エンジニアの苦労を評価できるのは、なんとも言えないオーディオだけが持っている価値観だし、オーディオファンだけが持ち得る幸せだと、思う。

自分は、録音エンジニアたちが、この空間を切り取ってくる、その芸術作品につねに尊敬の念をやまない。

チャイコの4手連弾は、過去に何枚も作品はあるかもしれないが、今回の児玉姉妹による作品には、過去のその時点では捉えられなかった「音のさま」があって、なんと言ってもうむを言わさぬ説得力がある。

過去最高のチャイコのピアノ4手連弾作品と堂々と胸を張って言えるし、ちょっと早いけれど、クリスマス・プレゼントとして贈るには、あまりにぴったりな軽妙洒脱な作品に仕上がっている、と思う。


ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル [国内クラシックコンサート・レビュー]

自分のクラシック音楽人生の中で、ユリア・フィッシャーを生で観れるとは思ってもいなかった。
自分からヨーロッパに出向いて会いに行かない限り縁のない類のアーティストだと、ずっと思っていた。
 

若くして10代の頃に8つの国際コンクールで優勝するという凄さで、そのうちピアノ部門が3つというから、本当に恐れ入る。まさにヴァイオリンとピアノの両刀使いの才能なのであるが、彼女自身としては、ヴァイオリンのほうが演奏家人生としての本筋である、ということも周囲の知るところでもある。

2006年7月には23歳の若さでフランクフルト音楽・舞台芸術大学の教授に就任している。(ドイツ史上最年少記録!)

本当に若くして、大変な才能の持ち主なのだけれど、不思議と日本とは縁がなかった。

トッパンホールが、2004年に彼女のリサイタルを招聘して(現在も続く「エスポワール・スペシャル」)大成功を収めた後、2006年、2009年の2度にわたってリサイタルで招聘したのであるが、いずれも中止。そして今回のリサイタル開催において、じつに12年振りの来日ということになった。

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今回の来日に際して、さらにジャパン・アーツが東京オペラシティで、同内容のリサイタルを招聘してくれた。

本当にうれしい限りである。
この時期に、彼女を呼んでくれるなんて夢にも思わなかった。

ユリア・フィッシャーのことは、過去に何回も日記に書いてきているので、繰り返しになるので詳細には書かないが、自分にとって、ユリア・フィッシャーといえば、PENTATONEレーベル。PENTATONEといえば、ユリア・フィッシャーだった。

それだけ自分の青春時代の圧倒的な存在。

PENTATONEの存在を知ったのは、mixiに入会した2009年であるから、彼女を知った時期としては晩年なのかもしれない。でもPENTATONEから次々とアルバムをリリースする彼女はじつに輝いていた。

いまは亡きヤコブ・クライツベルク指揮のオランダ放送フィルとの数々のコンチェルト、そして室内楽では、今回のパートナーでもあるマーティン・ヘルムヘンとの作品。ユリアとマーティンは、まさに美男美女のカップルで、PENTATONEの黄金時代を支えてきた看板スターの2人と言っても過言ではなかった。 

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ご覧の2人のシューベルトの室内楽作品は、まさに珠玉の作品でかつ優秀録音で、この作品で、ドイツの名誉ある「エコークラシック賞」を受賞している。

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mixiに入会したての頃は、自分はどちらかというと音楽というよりオーディオ寄りのスタンスだったので、その点からしても、PENTATONEのユリア・フィッシャー盤が、いわゆるオーディオオフ会の定番のソフトだったりしたのだ。

コンサートホールでのセッション録音全盛時代のいまと比較すると、彼らポリヒムニアがよく使うオランダ・ヒルヴェルスムのMCOスタジオや、ロシア・モスクワでのDZZスタジオ5といった専属契約のスタジオで、比較的小編成のスタイルで録る”スタジオ録音”というのが主流だった時代。

結構エンジニアの脚色がよくついた技巧的な作品で、オーディオ的快楽を強調したような、オーディオマニアが喜びそうな、聴いていて気持のいい録音作品が多かった。

いまでこそ聴く機会も少なくなったが、ユリア盤は自分の宝物であるし、今回リサイタルを聴いてきて、久し振りにユリア&マーティンのシューベルトの室内楽作品を聴いていたりする。

さて、そんなじつに12年振りのユリア・フィッシャー&マーティン・ヘルムヘンによる室内楽リサイタル。東京オペラシティ&トッパンホールともに、当初のプログラム3曲に出演者側の要望で、1曲プラスされるという構成だった。

東京オペラシティ
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トッパンホール
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はじめて、ユリアを生で観た印象。

誇張した表現・オーバーアクションがない極めて正統派の演奏スタイル。ユリア盤を聴いてきて、あれだけの音を出すのだから、さぞかしすごいダイナミックな演奏に違いないと思っていたのだが、ある意味拍子抜けしたくらい。じつに真っ当なスタイルで、背筋がピンとしていて、弓の上げ下げのボーイングも、幾分腕の動きが縦気味であるものの正統派そのものであった。

しかし奏でる音は極めて力強くパワフルで、安定感抜群。ボウイングの弓を引く力が段違いに強い。非常に男性的な演奏だと感じた。まずなによりも音程がいい。ホール空間の中の定位感、見事なまでにある。

体格は、かなり華奢で小柄なタイプなのだが、そのサイズからは想像できないくらいの上げ弓、下げ弓がパワフルで、キビキビしている。

それでいて的確で繊細なヴィブラートや情熱的なフレージングといった男性奏者顔負けの強烈で個性のある演奏なのだ。

PENTATONEの現マドンナのアラベラさんは、非常に繊細で女性的で弱音表現に長けていて、演奏表現自体も外から見て絵になることを意識しているヴィジュアル・クラシックだと感じる。ユリアはその対極にあるような男性的な奏者で全くタイプが違うのだと思えた。

前半3曲は、どちらかというと、「ソナチネ」という「ソナタ」よりも小さめの可愛いらしい作風ということもあって、完璧なまでに綺麗にまとめ上げているという印象で、つつがなく、という感じ。なので、そこには、美しい作品と思うことはあっても、こちらの心を大きく揺さぶるまでの感動を与えるとまでは言えなかった。

ところが、最終のブラームスのヴァイオリン・ソナタ3番。

これには恐れ入った、心が揺れた。

とくに最終楽章に向けて、怒涛の波が押し寄せるように、どんどんクレッシェンドしていくときの強烈なパッセージの連続、彼女の体全体も何回ものけぞるように、リズミカルで、観ているほうが、どんどん興奮のるつぼに陥ってしまう。

まさにブラボーだった!

終演後は大歓声。最後はさすがに魅せてくれた。

この最後のブラームスが、このリサイタルのすべてを語っていると言ってもよかったのではないか?

相棒のマーティンの安定した和音進行の妙は見事というしかなかく、しっかりユリアの演奏に華を添えていた。

ずっと長年自分が想いを寄せてきたユリア・フィッシャーというヴァオイリニストを、「どうだ!すごいだろう!」と周りに自慢げに思えた一瞬だった。

歓喜はこれだけは終わらなかった。

なんとアンコールでは、ユリアはヴァイオリンを持たず、マーティンと一緒にピアノを披露!
これには観客は湧いた!

しかし、本人のアイデアなのか、主催者側の要望なのか、わからないが、なんと気の利いたイケているアンコールなんだろう。(笑)ユリア・フィッシャーがピアノの達人ということをみんな知っているだけに、余計に盛り上がる。

素晴らしい饗宴の一夜だった。
自分の長年の想いは成就した。

今回、ユリアを呼ぼうという夢を実現してくれた招聘プロモーターのジャパン・アーツ&トッパンホールさんには、本当に感謝する限りです。

どうもありがとうございました。


東京オペラシティでのサイン会

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トッパンホールでのサイン会

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いずれも両日とも大変な長蛇の列でした。




ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル

2016/10/15(土)14:00~ 東京オペラシティコンサートホール
2016/10/16(日)15:00~ トッパンホール

ヴァイオリン:ユリア・フィッシャー
ピアノ:マーティン・ヘルムヘン

前半

ドヴォルザーク:ソナチネ ト長調 Op.100

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第3番 ト短調 D.408

~休憩

後半

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ 第1番 ニ長調 D384

ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.108

~アンコール

ブラームス <<F.A.E.ソナタ>>より第3楽章 スケルツオ

ハンガリー舞曲集より第5番 嬰ヘ短調(4手連弾)


LCC専用 成田国際空港 第3ターミナル [雑感]

1年間の年間のうち、海外旅行と小澤さんの松本の音楽祭、などいろいろ予算取りをする。インとアウトの関係で、インは決まっているので(笑)、要はアウトをいかに工夫して充実した音楽ライフ、オーディオライフを過ごすのかを決めるのが予算作成の醍醐味。

その予算決めの中で、毎年頭が痛いのが、夏のお盆と年末年始のお正月の年2回の北海道の帰省。

母親から言わせると、「金かかるから、帰ってこなくていい!」と言うのだが(笑)、このようなことを言っている間は、元気で何よりなので、息子として安心なのだ。逆にメソメソされると心配になってしまう。

普通のANAやJALのレガシーキャリアは、じつはずるくて、お盆の時期と、年末年始は、激混みが分かっているので、航空券の値段を高く吊り上げるのだ。

この時期だと、東京⇔札幌で、往復で6万!

年2回だと、12万!もちろんこれは航空券代だけなので、他に交通費、食費、雑費でさらに上乗せ。

じつは、この年2回の帰省というのは、結構予算組みの中で、かなり負担だったりする。

そこで、北海道行専門のキャリアであるAIR DOが激安チケットということで、話題になったが、でもANAやJALもすぐに値下げしてきたので、あまり大差ない。

いままでは、AIR DOを使っていた。それでも、この時期だと6万弱であまりありがたみがない。

どうしても、この問題を解決したい自分としては、最近話題のLCC(格安航空キャリア)に目を向けたくなった。LCC自体は、ずいぶん前から話題になっているが、自分は時流に乗るのが遅いので、ようやく腰を上げた。(笑)

原則LCCは、自宅のパソコンで航空券を予約して、チェックインもパソコンからWEBチェックイン。そうすると搭乗券がダウンロードできて、印刷すれば、ハイ出来上がり。

空港で、いちいちカウンターや、自動発券機での手間がないから、らくちん!空港に入ったら、そのままゲートに直行。

気になるお値段の方であるが、LCCだと、東京→札幌 片道3400円から、なんて広告バナーが出ているくらいだから、さぞかし安いのだろう!と期待したのだが、実際買ってみると、お盆や年末年始ということもあるのか、往復47000円あたりで、思ったほど安くないのだが、でも気持ち程度。。。


でも圧倒的にいいと思うのは、チャージがかかるけど、予約の渡航日の変更がパソコンからなので、らくちん。

そして普通の航空券だと、渡航日の2か月前に発売開始となるのだが、LCCは、もっと早くから買えてしまう。(ちゃっかり今年の年末年始のチケットも買ってしまいました。)

こうしてみると、全部自宅のパソコンで全部できてしまうので、超らくちんなのだ。


国内便だが、LCCの発着陸の空港は成田国際空港の第3ターミナルになる。

自分が、LCCを使ってみようと思ったキッカケは、あるTV番組で、この成田国際空港の第3ターミナルを特集していたのを見たことだった。

とにかく海外旅行の国際便で羽田に押され気味の成田。運営も厳しいものがある昨今、じつは、このLCC専用の第3ターミナルが、LCCビジネスの台頭および、その独自のコストダウン戦略で、黒字でかなり儲かっている、という話なのだ。

その第3ターミナルの独自のユニークな仕掛けなど、TVで取材されているのを見て、これはちょっと行ってみたいなぁ、今度の帰省のときにLCCを使ってみようかなぁ、という気持ちになったのだった。


なので、今回の帰省は、もう最初から第3ターミナルを日記にすべく、取材モードだったのだ。(笑)

成田エクスプレスや京成スカイライナーで、成田国際空港第2ターミナルで下車する。

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第3ターミナルは、第2ターミナルから渡り廊下で、ずっと歩いていくのだ。かなり歩く。
その距離490m。(あるいは連絡バスもあるかもしれない。)

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そうして到着。

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中に1歩足を踏み入れると、こんな風景が!
まさにTVで見た通りだ!

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とにかく第3ターミナルで視覚的にびびっと来るのは、この加工なしの剥きだしの天井と、運動会を思い起こさせるような、青い歩行レールなのだ。(笑)

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この青い歩行レールは、なんのためにあるのか、というと、要はお客さんがゲートまで、なにも考えずに、そのレールの上を歩いて行けば、ゲートにたどり着けるようになっているということ。

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普通の空港だと、掲示板のパネルとかで、その天井からのパネルを見ながら誘われて、歩いていくという感じだろう。第3ターミナルは、小さい空港なので、そんな選択肢もなし。


そしてユニークなのが、この剥きだしの天井。ここまで隠さないでおおっぴらもスゴイ。(笑)
徹底的なコストダウンを計って、天井にかけるお金を削ったのである。

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空調

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成田国際空港 第3ターミナルは、ずばり、

①国内線、国際線セキュリティーチェック
②出発ロビー(チェックインカウンター)
③フードコートなどの24時間過ごせるエリア

この3つからなる。

まず①、こんな感じ。

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②はこんな感じ。

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基本搭乗券は自宅のパソコンでチェックインから搭乗券印刷までできちゃうので、敢えてこのチェックインカウンターを利用するのは、手荷物が大きい場合に預けるか、ということですかね?


そして1番特徴的なのが、この24時間過ごせるエリア。
ここは、ずっと1日中オープンなのである。

まずフードコート。

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いろいろな出店の飲食店がある。
お寿司、讃岐うどん、長崎ちゃんぽん、ハンバーガー、鉄板焼き、カフェなどなど。
この朝は讃岐うどんを食べた。うまかった!

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カフェなんて、”ミーティングポイント”だなんて、海外の空港(確かアムスのスキポールで見かけたなぁ。)の掲示板で見かける呼び名で、お洒落~♪

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そして、この24時間過ごせるエリアには、テーブルの他、横になれるソファベンチもあったりする。

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LAWSON(24時間)もある。(笑)

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さて、この後、セキュリティチェックを抜けて、それぞれのゲートに行くことになる。

正直言うと、突貫工事というか、とりあえず暫定で応急処置で作りました的な感じ(笑)で、貧乏っぽいところが、いかにもコストダウン的な感じだなぁという印象を受ける。

やはり成田空港が建てられた当初は、LCCというビジネスは存在しなくて、後でできたものであるから、このような突貫工事的な造りなのも仕方ないのかもしれない。さらに徹底したコストダウン戦略というのもあるのだろう。

ここがゲートの集まっているエリア。

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各ゲートの待合室の座るところは、こんな感じで、背もたれがほとんどない。普通の空港みたいに快適ではないのである。(笑)

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そして飛行機に乗り込む。

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自分はこの日にLCCを使うまで、まだどこかにLCCに対して懐疑心があって、完全移行しよう!という気持ちに成りきれなかった。

その気持ちを吹っ切ってくれたのが、この機内の様子だった。

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もちろん小さい飛行機なのだけれど、思っていた以上に、機内は広くて、なによりもキレイ!
これで自分の印象は倍増アップ!

この下部の部分に網掛けがなくて、あぁ、ここも削除してコストダウンなんだなぁ、と思ったら・・・

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上のほうにあった。(笑)

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機内中のドリンクサービスも、あらかじめ、ネットで予約するときに、そのサービスを注文するかどうか選択出来て、CAのお姉さんは、そのインプットされた座席データをもとにドリンクサービスをおこなうのだ。




この後、札幌から東京に帰京するときの第3ターミナルの様子。


手荷物カウンター。まぁ普通ですね。

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じつは、この第3ターミナルの特徴的なサービスに、早朝便とかあった場合は、前夜に空港内のカプセルホテルに宿泊できるなどのホテル施設もあったりするのだ。また出発に備えて、24時間滞在して過ごせる徹夜エリアもあるのだ。

これらの施設は、第3ターミナルにあるのではなく、第2ターミナルのほうにある。

第2ターミナルの端のほうで、第3ターミナルの通路側に位置するところに、”北ウェイティングエリア”というスペースがあるのだ。

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畳で過ごせるようなところもある。

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夜22時くらいだったので、人はほとんどいませんでした。

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WiFiもブロードバンドでサクサク。

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そしてカプセルホテルのほうにも行ってみる。

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なんか怪しげ。(笑)ホントに個室という感じで、写真の扉のところに男性のマークが印字されているけど、なんかトイレみたいですね。(笑)



こうやって第3ターミナル探検も終わり、こうやって考えてみれば、決め手は、やはり機内の綺麗さで(少なくともAIR DOと大差ない。)、そして、航空券予約やWEBチェックイン、搭乗券印刷、予約変更が自宅のパソコンで簡単にできる容易さ、が、次の決め手で、これはLCCに完全移行してもいいかな?と確信できたのでした。

でも海外旅行のような十数時間の長旅には、とてもでないが、LCCは使いたくないな。
やはり普通のキャリアで普通のサービスがいい。

LCCは、年2回の北海道帰省用ということですかね。


あえて難を言えば、成田って遠いよな、ということで、成田エクスプレスは運賃も高いし、夜は早く終電になってしまう。やはり京成スカイライナーが主役だと思うが、運賃も手頃だし、夜遅くまでやっている。でも日暮里は、あまりにアクセスが悪い。

海外旅行で国際便のシェアを、羽田に奪われつつある成田空港。自分の時代には、海外旅行と言えば成田だった。成田が、ビジネス的に勢いを盛り返すのは、いまや、このようなLCCなどのシェアでやっていくという流れなのだろうか・・・。


小澤征爾&ズービン・メータがウィーンフィルを振る。サントリーホール30周年記念ガラ・コンサート [国内クラシックコンサート・レビュー]

この日のコンサートは、コンサートというよりは、セレモニーと言ったほうがいいかもしれない。内容の良し悪しを云々言うのは野暮だと思いました。

贅沢を尽くしたコンサート。

そして、年間で、ここは!絶対に抑えておかないといけないコンサートでもある。

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今年開館30周年になる東京・赤坂のサントリーホール。

首都圏のクラシック文化をずっと支えてきたこのホールも30周年の節目を迎え、今季が過ぎたら、音響改修工事などのメンテナンスで一時的に休館に入る。

その30周年を祝う、所謂ガラ・コンサートを開いて盛大にお祝いしようという試み。

サントリーホールは、ウィーンフィル&ウィーン楽友協会と親密な提携関係にあって(ウィーンフィルは毎年来日して、サントリーホールで来日公演をやるのが常になっている。)、この盛大な祝賀コンサートをウィーンフィルが担うことになった。

指揮者はズービン・メータ。自分も、数年前に、メータ&ウィーンフィルの来日公演をサントリーホールで経験したこともある。そこに急遽、小澤征爾さんが友情出演ということで、参加することになった。小澤さんとメータは、もう同じ釜のメシを食べてきた同士のような関係で深い友情で結ばれている。

後述するエンドロールを見てほしいが、ソリストや演目も信じられないくらい贅沢に贅沢を尽くしたコンサート。

ヴァイオリンにお馴染みアンネ=ゾフィー・ムター、そしてソプラノに、ウィーン国立歌劇場など多数のオペラハウスなどで活躍著しいヘン・ライス。

演目も、モーツァルト「フィガロの結婚」序曲から始まって、シューベルト「未完成」、そして、武満徹「ノスタルジア」、ドビュッシー「海」、そしてとどめは、ウィーンフィルのお家芸である多数のワルツ・ポルカ。

普通の公演なら19:00~21:00くらいの2時間のものを、今日は18:00~21:00の堂々3時間!

チケットのお値段も信じられないくらいプレミア高額チケット。



よく、ウィーンフィルを聴くなら、なにも高額支払って日本で聴かなくても、本場ウィーン楽友協会で、安い値段で聴けるんだから、そのほうがずっとリーズナブルでしょ?と言っている人も多いが、自分はそれはおかしいと思う。

やはり今回の主役は、サントリーホールなのであって、サントリーの祝30周年を”日本人”としてみんなで祝いましょう、という主旨なのである。日本人だったら、この主旨の元、絶対日本で聴くべきだし、いわゆる贅沢の限りを尽くして、生涯の記念となるべくお祝いしたい指向もよくわかるし、それに見合うだけのステータスとしては、高額チケットもやむを得ないと、自分は理解できる。

日本人であれば、日本の催しごとは、日本で聴くべきなのである。


初日のこの日は、首相をはじめ、サントリー首脳陣、政財界大物など集まって、かなり物々しい雰囲気であった。

この日のコンサートは”正装コンサート”でもある。

正装コンサートは、いわゆるヨーロッパの夏の音楽祭などでは、至極当然的なところもあるのだが、日本の夏の音楽祭では、フォーマルな衣装を要求するという音楽祭はほとんどなくて、夏の音楽祭に限らず、日本でこういう正装コンサートというのは、自分にとってはちょっと記憶にない。(自分が経験していないだけで、過去何回か行われているのかもしれませんが。)

男性なら燕尾服、タキシード、女性ならドレスと言ったところであるが、この日の女性は和服が多かった。これは、素晴らしいと自分は思いました。ヨーロッパの音楽祭では、まず見かけないシーンだし、いわゆる日本独特の和の雰囲気があって、日本のフォーマル衣装でのコンサートとしては、とてもいい絵柄なのでは?と感じ入るところがありました。

自分は、今年のヨーロッパの夏の音楽祭で新調した、上下黒の礼服で臨みました。

サントリーに到着したら、もうびっくり。
うわぁ、これは、まさに記念祝賀コンサートというセレモニーだなぁ、という雰囲気いっぱい。

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レッドカーペットが敷かれている。長さは30周年にちなんで、30mなのだそうである。

開始前に、ウィーンフィルハーモニーのファンファーレを、ウィーンフィル団員メンバーによって演奏される。

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ホワイエに入ると、綺麗に花で飾られている。

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しかし、サントリーホールの内装空間の高級感やカラーリングのセンス(配色のセンス)は抜群だと思う。これだけ高級感やブランド感を感じるホールは、国内のホール中では他に類をみないと思う。

後で写真を載せるが、ステージ上もまるで、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートのように周囲を花で取り囲んで飾っていた。装花は、花人 赤井 勝さんによるものである。

では、紳士淑女の集い、正装コンサートの雰囲気をご覧になっていただこう。
肖像権配慮して選び抜いたつもりだが、完璧は無理。ご容赦ください。


やっぱり日本の正装コンサートは和服だよねぇ、という印象を持ったショット。
正装コンサートはさすがに威圧感がある。よかった。今年の夏にヨーロッパで鍛えておいて。(笑)

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財団法人サントリー音楽財団理事長、サントリーホール館長、そしてチェリストでもある堤剛さん(ご夫妻で)を発見。ずっと私が撮影しているので、なんでオレを撮っているんだよ!という感じでガン見されてしまいました。(笑)すみません、ご挨拶もできなくて。(^^;;

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この日に限って、ブルーローズ(小ホール)は、ドリンクバーに早変わり。


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そしてホールの外でも歓談は行われた。

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では、いよいよコンサートの模様に移ろう。

今回の私の座席は、ここ。清水寺の舞台から飛び降りるつもりで、大枚はたいて買ったが、予想外にここだった。2階席正面の最後尾。横にTVカメラがありました。

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お祝いなのだから、ああだこうだ、は言わないつもりだったが、これだけは言わせてほしい。これでもオーディオマニアの端くれなので。(笑)

やっぱり音が遠い。不満だった。確かに響きが豊富で、オケの音の全体が俯瞰して聴けるけど、不満。直接音がガツンと腹に響いてこないと欲求不満になる。

自分は、その昔は、中央から後方での直接音が少し遠く不明瞭になるけど、響きが豊富に聴こえ、全体のフレームが聴こえるような座席が好みだった。

でも最近やや好みが変わってきている。やっぱりかぶりつきがいいのかな?(爆)
全身にガツンと来ないとダメなんですね。



やっぱりウィーンフィルのサウンドは、濡れたような艶があって色気がある。パワフルなベルリンフィルのサウンドと違って、どこか繊細で、その艶やかさというのは、特に弦と木管の音色に、そのイメージを強く意識した。金管群もやはりちょっと違う感じかな。

ウィーンフィルの合奏のサウンドは、モーツァルトの「フィガロの結婚」序曲、ドビュッシー「海」、そしてワルツ、ポルカのときに、よく感じ取れて、基本自分たちのイメージをよく理解していて、それにあった選曲をしているなぁ、と感じることが多かった。

オケの発音のスケールの大きさも底々つつましやかという感じで、決して広大なレンジ感で圧倒するというのとは対極にあるような感じ。この点に関しては、ある意味、日本の在京楽団のほうが迫力があるかな、と思わないこともなかった。

やっぱりウィーン楽友協会は狭いホールなので、音が飽和しないように彼らは、そこでの節制した演奏の仕方というのを身につけていて、遠征先でハコが変わっても、なかなかその演奏法を変えられないのだろう。(サントリーではずっと演奏してきている彼らではありますが。)


ソリストでは、ムターはやっぱりスゴイ!と思った。

先だって京都でアラベラさんをずっと観てきた自分にとって、どうしても比較になってしまうのだが、ヴァイオリン楽器が、対体格に対して、ひとまわり小さく見える感じを受けて、充分自分のコントロール下にあるような余裕を感じるのだ。

この余裕って、ある意味、聴衆にヴァイオリンが上手いと思わせるトリックになっているような感じもする。(あくまで自分の勝手な解釈ですが。(笑))

もちろん実際上手いのですが。(笑)

まさに、”ムター言語”とも言えるべく、彼女の独特で強烈なフレージングは、聴いている者を圧倒する。なんといっても観ていて、存在感あるよね。ちょっと通常のヴァイオリニストでは出せないオーラがある。恐れ入りました。

(アラベラさんは、ムターから弓をプレゼントされたことがあるのです。あと、ムターの奨学金で勉強していた時期があったんじゃないかな?)


そしてソプラノのヘン・ライス。遠くからでもわかる素晴らしい美貌の持ち主で、声量はいくぶん控えめではあるものの、少しヴィブラートがかかった、その美しい声質は、聴いていて癒されるし、素晴らしいと思いました。特に「こうもり」のチャールダーシュは絶品!

こういうコンサートで、楽器だけの演奏ではなく、きちんと声ものを入れる配慮がうれしい。ゴージャスの一言に尽きる。ヘン・ライスは、大変失礼ながら、歌手にあまり詳しくない自分は存じ上げなかったのであるが、プロフィールを見ると、いろいろなオペラハウスを歌い回り、経歴も素晴らしい。驚きました。


指揮者のメータ。小澤さんと同い年だったと思うが、なんか小澤さんより元気そうで(笑)、タフガイなイメージは相変わらず。外見も数年前とあまり変わらないし、健康面も良好なんですね。ドビュッシー「海」と最後のワルツとポルカを担当であるが、ウィーンフィルから、彼ら独自のサウンドを引き出すのがうまくて、さすが長年お互いのパートナー同士だな、と感じた。


そして、小澤さん。

元気そうでした。ちょっと最近気になっているのは、小澤さん、もう常時立って指揮をするのは体力的に厳しくて、いまは逆に常時座って指揮をする。大方立っていた1,2年前を知っているだけに、少し寂しい気もするが、でも指揮そのものは元気いっぱい。シューベルトの「未完成」とムターと武満徹「ノスタルジア」を担当した。


なによりもカーテンコールや、メータとのジョークのかけあいなど、本当に観客を湧かし、なんだ!小澤さん、元気そうじゃん!と思いました。(笑)

サントリーホールのこけら落としのコンサートでは、体調不良で来日できなかったカラヤンの代行で、ベルリンフィルを指揮し、「英雄の生涯」を振った小澤さん。このサントリーホールの30年の歴史では、やはり小澤さんは欠かせない指揮者だし、このガラコンサートで友情出演するのは、当然のなりゆきだと思いました。


最後のアンコールのポルカ「雷鳴と電光」では、なんと、小澤さんとメータが一緒に指揮台に立って、2人で同時に指揮をする、というサービス旺盛な粋な計らい。場内大いに沸きました。

もうここまで贅沢で、こんな感じなら、やはりコンサートとして批評するというのは野暮なことしきりで、セレモニーとして楽しむ、というのが、一番いいのだと思いました。

すばらしいガラコンサートでした。

いい想い出になりました。


小澤さんとムター
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メータとムター
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メータとヘン・ライス
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メータ
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小澤さんとメータ
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最後はみんな集まって。(小澤さんとメータ、そしてムターとヘン・ライスとでカーテンコール)
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最後のアンコールのポルカ「雷鳴と電光」のエンディングでは、ホールの両サイドからラッパのような鳴り物と花吹雪が。。。(ウィーンフィルのFB公式ページから拝借しております。)

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終演後のバックステージでの小澤征爾さん、アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)、ヘン・ライス(ソプラノ)、そしてズービン・メータ。(ウィーンフィルのFB公式ページから拝借しております。)

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サントリーホール30周年記念ガラ・コンサート
2016/10/1 18:00~21:00 サントリーホール

第1部

モーツァルト:オペラ「フィガロの結婚」K.492から序曲。

 指揮:ズービン・メータ

シューベルト:交響曲第7番 ロ短調 D759 「未完成」

 指揮:小澤征爾

第2部

武満徹:ノスタルジア -アンドレイ・タルコフスキーの追憶に-

ヴァイオリン:アンネ=ゾフィー・ムター
 指揮:小澤征爾

ドビュッシー:交響詩「海」-3つの交響的スケッチ-

   指揮:ズービン・メータ

第3部

ヨハン・シュトラウスⅡ世:オペレッタ「ジプシー男爵」から序曲
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「南国のバラ」作品388
ヨハン・シュトラウスⅡ世:アンネン・ポルカ 作品117
ヨハン・シュトラウスⅡ世:ワルツ「春の声」作品410
ヨーゼフ・ヘルメスベルガーⅡ世:ポルカ・シュネル「軽い足取り」
ヨハン・シュトラウスⅡ世:「こうもり」から「チャールダーシュ」
ヨハン・シュトラウスⅡ世:トリッチ・トラッチ・ポルカ 作品214

ソプラノ:ヘン・ライス
 指揮:ズービン・メータ

~アンコール

ヨハン・シュトラウスⅡ世:ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」

 指揮:小澤征爾、ズービン・メータ

 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団







京都のきめ細やかな和のセンスを楽しみました。 [国内音楽鑑賞旅行]

京都を3日間歩いて感じた印象は、とにかく繊細、きめ細やかな感じというか、”和”てきなもの、日本が古からずっと持ってきたいいものを全て凝縮したような街である、という感じだった。

自分は京都に住んでいたことがある訳ではないし、本来の京都のことを知らないのかもしれないが、でも表面的なことしか知らなくてもいいではないか、と思えるほど、素敵な印象であった。

(数か月前にTV番組かなにかで、表面向きは柔らかいけれど、結構内面は皮肉、陰湿で裏があるとか、京都を揶揄しているのを見て、あまりいい思いをしなかったのであるが。。。)

話しかけると、その応対がとても親切ということ。いつも過ごしている日常空間より強く感じる。みんなすごい笑顔で親切。”おおきに~”という言葉がとても新鮮なアクセントだった。普段、自分の周りでは、まったく聞いたことのない言葉、アクセントだったので、かなり衝撃だった。


今回宿泊したホテルの部屋(シングル)も、素晴らしく和のセンスで素敵だった。

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ホテルに帰ったら、鶴を折って、部屋の清掃担当者名。なんか細やかな心遣いだなぁ、という感じですごい和を感じる。

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こういう素敵な空間にいると、もちろんパソコンを持ち込んでWiFiでネットしていた訳だが、筆がすすむ、すすむ。(笑)普段の自分の汚い部屋で書いているのと違って、こういう京都のホテルで書くと、とても素晴らしい日記が書けるに違いない。(笑)


個室のお風呂とは別に共用の浴場もある。
こんなに和の雰囲気。京都してるー。心地よい疲労感をさっぱり流す。極楽とはこのこと。

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このような京都の寺院巡りを含め、3日間でできるだけ和のセンスを楽しんでこようと思った。しかし、太平洋戦争終結のときに、アメリカが原爆投下の候補都市として京都が入っていたという事実は信じられない驚きと怒り心頭。


京都は、日本古来よりの首都、まさに世界文化遺産の集まりのような街。それを一気に死の灰の景色と化す、破壊するなどとは、考えたくもない暴挙。

京都の寺院巡りをするときの方法は、ずばり”市バス”を使うこと。東京やロンドンは地下鉄が発達していて、地下鉄の最寄り駅に観光地もあってスイスイ乗り継いでいく。京都で、それに相当するのが市バスなのだ。

JR京都駅

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中はすごい近代的なオブジェみたい。

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この京都駅前に京都タワーがある。

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このJR京都駅と京都タワーの間に、市バスの停留所が集中しているのだ。

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ご覧のように、もう観光名所の寺院が行先になって、その寺院をぐるぐる回って巡回するように、市バスのコースって決まっているのだ。だから自分が、どの方面の寺院を巡りたいか、この市バスの掲示板を見て、そのバスに乗ればいいだけなのである。


まずは、金閣寺に行くことにした。

その昔小学生の頃に、実家の九州佐賀県へ家族旅行した時、京都に寄った。そのとき京都寺院巡りをしたとき、銀閣寺は行ったのだが、金閣寺は遠く離れているので、やめようということになって、それ以来変なコンプレックスがある。(笑)

そのコンプレックスを跳ね返すべく、20年前くらいに1人で京都旅行をして、金閣寺に行ったのだがそれ以来。金閣寺&銀閣寺と両方いっぺんに行くのは今回がはじめて。

「金閣寺道」が最寄の停留所。

入り口の正門。

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このお札が入場チケットに相当するもの。

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そして、この景色が一面に現れたとき!もうなんともいえない大感動!美し過ぎる。まさに日本が誇る世界遺産。まさに京都観光の大本命といえるところだろう。

見よ!湖面に金閣寺がそのまま映り込んでいるのがわかるだろう!(水面に映る逆さ金閣)これは、11月の紅葉のときは、もっと感動するだろうな。

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金閣寺は正式名は、臨済宗相国寺派鹿苑寺。室町3代将軍足利義満によって建てられた。まさに公家+武家+禅のコラボ、北山文化の金字塔ともいえる。

金閣寺の前の池である鏡湖池。

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グルリと回って、その荘厳なるお姿を四方から撮影する。

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大体入門して、一通りの拝観コースを歩いたら所要時間1時間くらい。


つぎに目指すは、銀閣寺。既述のように、もう京都市内は、観光地寺院巡りがしやすいように市バスが、その循環をしてくれるのでその行先を見て乗ればいいのである。

金閣寺の前の市バスの停留所では、もう銀閣寺行の市バスが走っているので、それで、そのまま銀閣寺へ直行したわけだ。

フットワーク軽い。(^^)

「銀閣寺道」が最寄りの停留所。

なんと、この向かいに京都銀閣寺ますたにがある。(笑)初日あれだけ苦労して歩いて捜したのに、市バスを使ったらあっという間。(笑)もうスルスルと誘われるように、店に入ってしまい、至極の1杯を。。。

さて、銀閣寺に向かう訳だが、ここはバス停留所から、かなり歩く。ひたすらまっすぐ直進なのだが、結構な距離歩くのだ。

そしていよいよ入り口の正門。

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このお札が銀閣寺の入場チケットに相当するもの。

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さっそく本堂に向かうべき歩いていると、前に和服の女性2人。京都やね~。(^^)

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そして銀閣寺現る。

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銀閣寺と、その周辺の庭園のありよう、だとかを見ていると、いわゆる和の洋式感というか、和のテイストというか、心に染み入ってくる深いものがあるのは、金閣寺よりも銀閣寺のほうかなぁという自分の意見。

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銀閣寺は、室町幕府8代将軍足利義政が建てたもので、正式名称は慈照寺。
義政の美的センスが光る名庭と名建築の競演といったところだろうか。

これも11月の紅葉のときは、ホントに楽しみ!



さて翌日、京都観光のために1日フリーで空けておいた。たくさん寺院を廻ろうとも思ったけれど、結構疲れていて、2つほど廻ったらもういいや、という感じになった。(笑)

まずは、平安神宮。FBへのアラベラさんの投稿を見ていると、この平安神宮を観に行った写真があったので、これは自分も観に行かねば、と急遽決めた。(ミーハー(^^;;)

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これは美しい。早朝に行ったので、人はまったくいなかったのであるが、その美しい姿に言葉が出なかった。明治時代に平安京を造営した垣武天皇を祀って創建された。


この平安神宮の近くに、ロームシアター京都があるんですね。そのとき気づきました。

京都府内唯一の2,000人規模のホールとして、コンサートを中心に講演会や映画の上映会などの開催を通じて(多目的なんでしょうかね?)、「文化の殿堂」として親しまれてきた「京都会館」が、2016年1月10日に「ロームシアター京都」として生まれ変わったとのことでした。

この話は、FBで知っていたので、ここがそうかぁということで感慨深くなりました。
いつか機会があれば、体験してみたいですね。



そしてつぎに向かったのは、清水寺。あの「清水の舞台から飛び降りる」で有名な寺院。

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これが、市バス停留所で降りてからが地獄のような思い。(笑)心臓破りの上り坂が延々と続くという感じで、登っていくのが本当にしんどかった。相当つらいです。

やっとの思いで辿り着く。清水寺では、どうしても撮りたいアングルの写真があった。
それは、とても、とても有名なアングルで、清水寺を向かって右側横の上方から撮るアングル。

ところが、なんと、その日から工事中になってその撮影の境内には行けなかったのでした。
残念極まりない!

打ちひしがれた自分は、仕方なく、下のほうから清水寺を撮るアングルにトライ。
これはなんなく成功。

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このお寺は、釘を1本も使わずに造った(いわゆる懸造という建築様式)冴えわたる職人技で、一度はめたら、決して外れない手法は地獄組みと呼ばれるそうだ。凄すぎる。




これで、もう体力的にも、また市バスでどこかの寺院を廻るという体力はなかったので、これで打ち止め。JR京都駅に戻って、待合室で少し休憩。

元気が少し出てきて、最後として、やはり京都と言えば、祇園だよなぁ、と。舞妓さんが歩く姿を撮影したい、そして京料理というのに舌鼓を打ちたい、という要望が出てきて、急遽、市バスで、祇園へ。


祇園の構造というか見所は、大きく2つに分けられると思う。

それは、いわゆる祇園商店街と呼ばれる四条通り沿いを歩くことと、あと、そこから枝道で、花見小路という通りがあって、これが昔からの京の面影を残す通り。舞妓さんが歩いているのは、この花見小路である。

まず四条通り。”おこしやす”というのが京らしい。

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こんな感じで祇園商店街が立ち並ぶ。風情あります。

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この四条通りを歩いていくと、歌舞伎の南座がありました。

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そしてここが四条通りからの枝道である「花見小路」の入り口。

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ここが花見小路。両サイドにぶらさがっている提灯が風情ある。
くぅぅぅ~残念、舞妓さんは、歩いていなかった。

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この花見小路にある京料理の料亭はたくさんあるのだが、ここで1軒見繕って入ってみる。

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こんな間に通された。畳の部屋なのにテーブルと椅子だ。(笑)

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さっそく、ランチメニューの京料理のフルコースを頼む。4000円です。
全品載せたら大変なので、抜粋で。

いやぁ京料理は、見た目、もう芸術というか、繊細な和のテイストいっぱいで、美しいし、もちろん美味しい。小品の集まりなのだけれど、結構フルコース食べたらおなか一杯になります。

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花見小路には、ほんとうに魅力的な京料理の料亭がいっぱい。
祇園に来たら、舞妓さんを見るという目的は達成できなかったけれど、十分満足でした。



そしてふたたびJR京都駅に戻って、あとはひたすら夜20時の帰京の新幹線まで時間潰し。

今回、京都に旅行するということで、いろいろガイドブックを買い込んで、予習したのであるが、ある疑問があった。

それは、やたらと抹茶関連の食が充実していること。抹茶そのものや抹茶パフェ、抹茶スィーツ、抹茶カフェラテ、などたくさん。紙面をかなりのページ割いて宣伝している。

なんで抹茶なの?抹茶って京都の名産なの?という疑問が湧いてきたのだ。

JR京都駅内にある抹茶専門のカフェ発見。
さっそく入ってみる。

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そこで、抹茶と白菊(という餡子入りの饅頭)のセットを注文。

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大変美味でございました。

そのとき、そのいままでの疑問を店員さんに尋ねてみた。そうしたら、京都の下のほうに宇治という街があって、そこがお茶の名産地なのだ、ということ。つまり、あの有名な宇治茶ですね。なので、抹茶もその宇治茶を使ってのもので、それで、有名なのです、というお答えでした。

私の謎は一気に解決してすっきり。(笑)


いい歳なので、体力的にこれらを廻るだけで精いっぱい。(でも限られた時間で、よく廻っているほうでは?)

11月下旬の紅葉シーズン真っ盛りでは、これらの美景にさらに紅葉が加わる。
相当絵になる、と思います。

さらに京都になると紅葉シーズンでは、単に寺院だけではなく、その紅葉独特の名シーンと言われるようなスポットがたくさんあって、寺院巡り以外にもそのような紅葉スポットを巡るという楽しみがあります。

国内旅行業界でも、毎年、この京都の紅葉シーズンは、大変な大稼ぎ・荒稼ぎの時期で、宿泊ホテルはどこも満席。旅行業界では1番盛り上がる時期ですかね。

東は名古屋、西は岡山に至るまで宿は、びっちり埋まっていて取れないと聞きます。
そんなことも予想していて、11月下旬の京都行きでは、もう宿泊ホテルをしっかり確保してあるのです。

11月下旬の京都は相当絵になる、というか写真映えするシーンがいっぱい撮れそう。
もう一大イヴェントというか、かなり盛り上がりそうです。本番のコンサートとともに昇天したいですね。

今回の京都ツアーでだいぶ京都の仕組みがわかってきたので、11月ではだいぶ楽になるのでは、と。

自分は食事も和党ですが、和のテイスト大好きです!




 


京都銀閣寺ますたに [グルメ]

いまから20年前の1996年ころに、前職時代のビジネスの取引先(インテル入ってる!)の方に、ノンノンさん、美味しいラーメン屋さんを紹介しますよ!と教えてもらい、いっしょに食べに行ったのが、東京日本橋にある「京都銀閣寺ますたに」というラーメン屋さん。


「京都銀閣寺ますたに」日本橋本店

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向かいにあの有名な洋食屋さんの「たいめいけん」さんもある。
いつも長蛇の列で、すごい並んでいるのだ。

東京には、じつはもう一軒、「京都銀閣寺ますたに」というラーメン屋さんがあって、田町にある。
暖簾分けだと思うが、でも日本橋本店のほうがずっと美味しいし、やはりお店が綺麗。

この「京都銀閣寺ますたに」というラーメン屋さんの元祖のお店は京都にある。

京都発祥のラーメン屋さんの暖簾分けが、この日本橋本店ということを知って、いつかは京都発
祥のお店に行ってみたいとずっと思っていたのである。

そう思いながら20年経っていたわけだ。(笑)

元祖のお店は、京都なのに、なぜ東京日本橋店のほうが「本店」と名乗っているのかわからないが、日本橋店のほうが大きいし、組織としてビジネス体という形になっているからであろう。

あと、「京都銀閣寺ますたに」という名前なのは、東京店につけられている名前で、本家本元の京都発祥のお店では、あくまで「中華そば ますたに」に過ぎないのだ。

京都発祥のお店から味などを引き継ぎ、暖簾分けしてもらいながら、京都のお店とは別に「ますたに」の前に、京都銀閣寺というその土地柄の名称をつけて、東京で商売するために、「京都銀閣寺ますたに」というビジネス体を別途新規に東京に造ったのかもしれない。


「京都銀閣寺ますたに」日本橋店の店内。

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これがチャーシューメンのネギ大盛増し。

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その1996年に教えてもらって、すっかりこのラーメンの虜になって、ずっと通い続けて20年になる常連さん。

鶏ガラの醤油豚骨がベースで、背脂醤油ラーメン、麺はストレート麺。
特徴なのは、スープが「こってり、さっぱり、ピリ辛」3層構造になっていることだ。
(上層:こってり、中層:さっぱり、下層:ピリ辛)

レンゲでかき混ぜたりしたらいけない。(笑)その3層構造のまま楽しむべきなのである。

これが背脂ラーメンなのに、こってりというよりサッパリ系っぽい感じ、不思議な病みつきな味で、ついついまた食べたくなるのである。

そんな20年通い続けてきた日本橋店の元祖のお店になる京都発祥のお店にぜひ行ってみよう!と今回の京都行に思ったのは自然の流れであろう。ということは京都に行くこと自体、20年以上はご無沙汰ということでもある。

背脂醤油ラーメンっていう類は、この京都のお店が発祥らしい。



まず、この京都発祥のお店は、京都のどこにあるのか?

ネットでググっても、出てくるのは、日本橋本店のお店の情報ばかり。
まあ行ってみてわかったのであるが、京都発祥のお店は、本当に小さなお店で、HPをご自分で作っているなどというIT化社会とは無縁のお店なのだ。(笑)

さて、どうやってたどりつくか?


一生懸命ネットでググり続けていたら、やっと見つけた!ラーメン愛好家のブログで取り上げられているのを!お店の住所も書いてあるし、さすがにブログなので地図はなく、最寄り駅が「出町柳」か「今出川駅」と書いてある。


最寄り駅から、相当歩く、とにかくめちゃめちゃ歩く、と書いてある。簡単なアクセス方法が文章で書いてあるだけなので、相当不安だったが、そのブログ情報をもとに当日トライしてみたわけだ。

出町柳駅
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メチャメチャ歩くということだったので、まず出町柳駅から少し歩いたところの定食屋さんのお店に入ってすかさず聞いてみたら、店員さんが、「ますたに」のことを知っていたのが助かった。

「歩くよ~。ここから歩いて30分以上かかる。とにかくこの前の道をずっとまっすぐ・・・・・・」ってな感じで、その情報をもとに歩いて行った。かなりずいぶん歩く。30分歩くって相当歩く、ということだよ!

基本は銀閣寺のそばなのだ。途中に京都大学の農学部キャンパスを超えてさらに歩く。

歩いても歩いても、いっこうにお店が見えてこないので、不安になり、途中何回も何回も人に聞いた。しっかし最寄り駅からこんなに歩くなんて、それ?って最寄り駅というか~?(苦笑)という感じで、ひたすら歩く。

そうして彷徨いながら、ついに発見!


「中華そば ますたに」 北白川本店。

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おぉぉぉ~!ついに発見!こんなところにあったのかぁぁあああ!という感じで感無量。

じつは、その翌日に銀閣寺に行くために市バスに乗って、「銀閣寺道」という停留所で降りたら、その向かいにちゃんとあるのでした。(爆)

みなさん、行くなら市バスで銀閣寺行きに乗って、「銀閣寺道」で降りましょう。そのほうがあっという間です。(笑)

さっそく、その北白川本店のお店に入ってみる。

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これは年季が入っている。創業60周年(昭和23年創業)だそうであるから、いかにも発祥のお店っぽく小さなカウンターと、こじんまりとしたスペースで、座って食べれるテーブル付きがあるだけ。店内のおばさんが、しきりに「おおきに~」を連発するので、うわぁ!京都って新鮮なアクセント~!という感じで、はじめて周りで鳴り響く「おおきに~」の雰囲気にとまどってしまった。


さっそく東京日本橋店で頼んでいるのと同じチャーシューメンのネギ大盛増し。

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見た目、こちらのほうが田舎ラーメンっぽい感じ。

さっそく食べてみるのだが、ひとくち目の印象は、ラーメンの豚骨醤油スープが、日本橋店に比べて、かなり臭みがあって、クセがある感じなのだ。こちらのほうが強烈。ストレート麺はほぼ同じ。

自分は、すぐにこちらの臭みのあるほうが好きになった。

やっぱり暖簾分けして長年して経過すると、味が変わっていくのかな?

もちろん基本的な麺とスープのブレンドした感じの味は、同じだし、あ~これこれ!という感じなのだが、スープにちょっと臭みがあるのが、京都発祥のお店の特徴ですかね?

でも京都北白川店の発祥の「ますたに」ラーメンは美味しかった。

とにかく東京日本橋で20年通い続けて愛してきた「ますたに」のラーメンの元祖発祥の京都のお店に行けて、本場のますたにラーメンを堪能できて感無量でございました。

11月下旬にも京都に行くので、そのときにまた通わさせてもらいますよ。(^^)




中華そば「ますたに」

創業昭和23年 元祖・鶏ガラベースの背油醤油

北白川本店

10:00~19:00 (日祝18:00まで)
月曜・第3火曜定休

住所:白川今出川交差点北西・疎水沿

電話番号:075-781-5762


京都市交響楽団 定期演奏会 9/24 & 9/25 [国内音楽鑑賞旅行]

初日の公演を聴くときは、相当緊張したのだった。京都市交響楽団の生演奏を聴くのは、人生ではじめて。深くは言及しないが、自分の音楽人生で必ず通らないといけない公演で、素晴らしくあってほしい!もしそうでなかったらどうしよう?という邪気な考えもあり、かなり緊張していた。

この公演の独奏(ヴァイオリン)は、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。

この公演のチケットは、座席指定ができず、カテゴリーだけの選択で、コンピューター側で自動計算されて選ばれるのだが、なんと2日とも前方超かぶりつき!


初日:最前列左側

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2日目:3列目中央

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やはり音楽の神様は、自分に救いの手を差し伸べてくれた。
アラベラさんを至近距離で見たいと思っていたところに、願ってもみなかった音響よりもヴィジュアル優先の座席。(笑)

まず驚いたのは、京響メンバーは女性団員が圧倒的に多いこと。
初日の自分の座席の目の前は、第1ヴァイオリンなのだが、ほとんどと言っていいほど女性団員だったような気がする。

1曲目は、ヴェルディの歌劇「ナブッコ」序曲。
最初の出音を聴いて、びっくり!

とにかく弦の音色が厚くて大音量。とても圧倒的な女性団員で占められている弦の音色とは思えず、男性並み、いやそれ以上のパワフルな音色なのだ。弦合奏の音色が、とても分厚くて、ハーモニーもじつに綺麗に揃っている。聴いていてバランスがいい。分厚く聴こえるということは、低弦などの低音がしっかり土台を築いていて、その上に中高音域がきちんと乗っているのだが、その豊かな低音に見合っただけの量の中高音域が出ていて、その全体のバランスがよいということ。

ヴァイオリン、ヴィオラからチェロ、コントラバスなどの低弦に至るまでフルに出し切っている、どれかひとつでも出し切っていないと、この全体のバランスが崩れて、聴いていて、すぐにわかってしまうものなのだ。

ホールの音響の良さも相まって、とにかく素晴らしいの一言に尽きるオーケストラ・サウンド。

自分は、この最初のつかみがよかったことに、どれだけ安堵したことか、おわかりになるだろうか。(笑)

ナブッコ序曲は、オケの合奏で聴くには、弦を中心にたくさんの楽器が参加する音数の多い曲。なによりも旋律が軽やかで聴いていて、とても気持ちがいい。あっという間の短い曲だけれど、このオケの実力の高さを感じ取るには十分であった。


そして2曲目。ベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」。
アラベラさん、いよいよ登場。

じつは2年前の2014年に、N響とアラベラさんがこの曲を演奏したのをNHKホールに聴きに行ったことがある。そのときと比べると、やはり女性演奏家って2年も経つとずいぶん変わるものだなぁと感じたことだった。

とにかくいまのほうが遥かに洗練されて垢抜けているし、妖艶さも加わって女性らしくなった。
雲泥の差である。去年に比べ、若干痩せているんじゃないか、とも感じた。

2年前も感じたことだが、やはりベルクの曲は難しい。新ウィーン楽派の礎の1人で、現代音楽の基礎になる無調音楽。普通のクラシック音楽ファンには理解し難い曲だろうな。

やっぱり調性のない曲を楽しむにはコツがいる。

この曲は、オケは伴奏に回って、ヴァイオリン独奏が前に出る曲。

隙間だらけの寒色系の音空間で、彼女の引き裂くような衝撃音というか弓と弦との摩擦音というか、そんな生々しい音がじかに聴こえてくるような感じでリアル感たっぷり。なにか尖った感覚というか、この恐怖の鋭利な世界といおうか。

彼女の演奏も2年前と比べると、随分、演奏の表現に余裕・幅が出てきて大人の装いがした。
いまのほうが断然いいし、やはり成長していると思う。

最後の音色は消え行くような感じで、弓の上げ下げで、息の長いフレーズが続く。そして音が消え去った後、アラベラさんはピクリともせず、沈黙が続く。その間、観客席は咳ひとつせず、息を呑んでその沈黙をずっと見守っている。

どれくらい時間が経ったであろうか。

かなり長く感じた。

フライングブラボーが問題視される昨今、この沈黙をずっと守り続けたこのホールの観客のマナーの良さには、ものすごく感動。なんと素晴らしいんだろう。このマナーは、彼女の演奏に華を添えたと思う。




そして後半。シューマンの交響曲第3番「ライン」。
ようやく京響の演奏に集中できる。(笑)

交響曲にしては、珍しい5楽章構成。
全体のイメージとしては、暖かい感じに聴こえるこの曲。楽章間で、緩急が結構あってドラマの筋書を見ているかのようなストーリー性も感じとれた。

この曲から耳を凝らして京響の演奏に集中してみる。

やはり弦の音色、演奏にとても秀逸なものを感じて、弦楽器間のバランス感覚もすごくいいし、揃っているし、いいオケだな、心底に思う。

ただ、自分的に思うところもないことはなかった。

それは、やや金管が弱いかな、と感じたこと。

たまたま、その曲のその部分的な演奏の出来の良し悪しではなく、2日間フルで聴いていて、やや思ったこと。音色に安定感がないかな、という思いはあった。

人によってオケの演奏を聴く基準が違うと思う。演奏のテンポ、抑揚などの演奏解釈にこだわる人、自分はオーディオマニアなので、バランスにこだわる。座席が悪いと、聴こえてくるバランスが崩れて楽しめない。バランスは、逆に言うと、演奏する側にも起因することで、どこかウィークポイントな楽器があると、全体のバランスを崩す。


でもそれ以外は、ほとんど不満なところはなく自分にとって肯定的な面が多く、素晴らしいと思うところばかりだった。

指揮者のガエタノ・デスピノーサは、若手の有望株で、N響をはじめ、日本でも活躍しているようだが、彼の指揮を見る限り、とてもメリハリの効いたはっきりとした指揮をする人で、とてもわかりやすい棒だと思う。指揮に躍動感があって、曲のリズム、抑揚に彼の動きがぴったり合っている感じで、見ていてとても小気味がいいし、気持ちがいい。オケ側も追従しやすい指揮者なのではないだろうか。



初日は相当緊張したが、想像以上に素晴らしく、2日目は本当にリラックスして聴けた。

「自分の音楽人生で必ず通らないといけない公演」、と大きな見栄を張ってまで宣言したが、でも偽りない気持ちだし、京都まで遠征してきた甲斐があった。

オケのみなさん、ソリスト&指揮者にご苦労様と言いたいし、なによりも自分にお疲れさまと言いたい。(笑)

紅葉真っ盛りの11月下旬に、このホール、このオケで再訪する予定。たぶん紅葉で観光もさらに盛り上がると同時に、公演の方も今年の集大成ということで、自分の今年の大きな事の仕切りごとになるのでは、と期待しているのだ。


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京都市交響楽団 第650回定期演奏会
2016/9/24,9/25 14:30~  京都コンサートホール

指揮:ガエタノ・デスピノーサ
独奏:アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)
管弦楽:京都市交響楽団


前半

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

~アンコール
J.S.バッハ無伴奏のヴァイオリンのためのソナタ 第2番からアンダンテ

後半

シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」op.97


体験!京都コンサートホール [国内音楽鑑賞旅行]

京都市交響楽団のホームグランドである京都コンサートホールを初体験してきた。
JR京都駅から地下鉄烏山線で、北山駅下車。所要時間30分もしないうちにホールにたどり着く。

自分は、2日とも午前中観光で遠方に出ていたので、そこから、また京都駅に戻るのが大変だったので結局両日とも観光先から直接タクシーだったりした。(笑)

京都コンサートホールは、京都市の世界文化自由都市宣言の理念を具現化するとともに、平安建都1200年を記念して建設された音楽施設で、1995年にオープンした。


京都コンサートホール

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ホール前は、かなり広い広場になっている。

そして写真の立方体の建物がいわゆるフロント空間で、実際のホールは写真左に少し写っている円形の建物のさらに先の上階にあるといったらいいだろうか?

入ったところのフロント空間。

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そこを突き抜けると、円形のこのような素敵な空間が現れる。

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なにかアート的な素敵な空間にデザインされていて、かなり芸術的な雰囲気。

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じつは、ここは通路がらせん状になっていて、ぐるぐると周囲を回りながら上に昇っていくのだ。
ホールの入り口は、この上のほうにある。

そして、このらせん状の通路を歩いていると、その壁の側壁には、なんと、このホールの過去の首席指揮者、客演指揮者、そして、このホールに出演した往年の演奏家や歌手たちのパネルが飾られているのだ。

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現在の首席指揮者の広上淳一さんを始め、小澤征爾さん、ムーティ、メータ、仲道郁代さん、そして、グルヴェローヴァも!じつに蒼々たるメンバーのパネルがかけられている。


大ホールと小ホールがある。
今回は大ホールなので、入り口から中のホワイエ空間を臨むと、こんな空間が現れる。

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そして、ホールに潜入。

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あれ?オルガンが右に寄ってる。。。(笑)


正面の面構えが、左右非対称で、とてもユニーク。
でもアシンメトリーなのは、この面構えの部分だけで、ステージから後方に至っては、きっちりと左右対称。

ホール形状は、拡張型シューボックス。

ステージ背面の座席、側壁の上階や、後方の上階などに座席が申し訳なさそうなレベルで存在して、きっちり厳密なシューボックスというより、いわゆる拡張型。(横浜みなとみらいホールのような感じです。)

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キャパは1839席。かなり容積的につつましやかな感じで、音響的にもかなり良さそうな印象を受けた。1階メインフロアは後方にいくにつれて緩やかなスロープ傾斜がある。このメインフロアはサイドバルコニーによる被りがなくて、拡張型とはいえ、結構シューボックスに近い理想の音響になるような配慮が見受けられた。


肝心の音響なのだが、これがじつに素晴らしい!

ものすごいライブ!


自分は最前列および3列目という超かぶりつきであったにもかかわらず、ものすごく響きが豊富で、響きに囲まれているかのような感覚になった。京響はものすごく弦が秀逸で、音が分厚くて、重心も低い。かなりの音の迫力が自分に襲い掛かってきた。


腹にズシンと響いてくる、という感じだろうか。

直接音主体で、響きが感じづらいかぶりつきの席でも、このように感じるのだから、すごいな、と思ったところだ。

やはり容積が小さくて、シューボックスだと原理的に音が濃い、というかロスするところも少ないので、このように聴こえるのも当然なのかな、と感じた。

いろいろ周りを見回してみると、特に高音域の拡散を狙った仕掛けが随所にあるのが即座にわかった。

まず驚いたのは、この天井に張り巡らされている拡散の仕掛け。

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斜めに切断された2000個(らしい)の立方体がこのように天井の中心全面を覆っているのだ!

これは、かなり強烈な拡散の仕掛け。

なにか天井からいっせいに高域の煌びやかな響きが降り注いでくるような感じがするのは、この仕掛けによるものだろう。ウィーン楽友協会の天井の張り巡らされている華麗な天井画の凹凸と同じ役割・効果ですね。

あと、メインフロアと第1バルコニーのコンクリート側壁にも、人工木材が接着されていて、このパネルの表面には、人工木材の木片がランダムな間隔で固定されているのだ。

波長の長い低域のコントロールは、ほぼホールの寸法比で決まってくるものに対し、波長の短い中域から高域にかけてのコントロールは、このように側壁や天井に凹凸を作って拡散させることで実現するというのが大体コンサートホール設計の常套手段ですね。

スペックによると、満席時の中音残響時間は2.0秒。

まさに響きのいいホールの前提条件である残響時間2.0秒。

ヨーロッパの優秀な音響といわれるホールを片っ端から測定していったら不思議と、どのホールも残響時間2.0秒だった、というミステリーな話を聞いたことがあるが、まさにその神の値である”2.0秒 ”。

どうりで音響がいいホールに聴こえるはずだ。

とにかく音が濃くて、響きが豊富なホールと感じて(大音量を出せる京響の力もありますが。)、素晴らしいホールという印象であった。


ご覧のように、この京都コンサートホールでは、「京都の秋 音楽祭」ということで、この芸術の秋に、たくさんの魅力的なコンサートが開かれる模様である。ダニエル・ハーディング率いるパリ管弦楽団の凱旋ツアー、そして、諏訪内晶子さんをソリスト独奏に迎え、ブロムシュテット指揮によるバンベルグ交響楽団演奏会などなど。

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自分も11月下旬の紅葉真っ盛りに、このホールを再訪する予定。
素晴らしいホールであることがわかったので、次回は緊張せずに安心して聴けそうだ。(笑)



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