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体験!軽井沢大賀ホール [国内音楽鑑賞旅行]

国内のクラシックのコンサートホールはそれこそ首都圏にたくさん存在しますが、私にとってとても、こだわり、思い入れのあるコンサートホールが軽井沢にあるのです。それは軽井沢大賀ホール。

元ソニー会長/社長の大賀典雄さんが、自分の退職金16億をすべてをつぎ込んで、当時クラシックのコンサートホールがなかった軽井沢に寄贈したホールであります。それ以前の軽井沢は音楽会の演奏をするときは、軽井沢市内にたくさん存在する教会で演奏することが多かったようです。ところがこの軽井沢大賀ホールが建立されるようになってから、まさに軽井沢でのコンサート活動の本流となり現在に至っています。

ソニーの会長/社長であった大賀典雄さんは音楽の勉強をし、その道を志していたんですが、自分の意志とは全く予想もしなかった会社の経営者の道を歩むことになり、その間、常に音楽に携わりたいという自己内部での葛藤が常にあったそうで、ついに晩年指揮者デビューします。そして、その音楽活動の集大成として自分の退職金16億円をすべてつぎ込んでこの軽井沢大賀ホールを軽井沢市に寄贈したのです。

大賀典雄さん
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大賀典雄さんは私が1987年に入社したときにはソニーの社長でした。(会長は盛田昭夫さん)入社式のときに訓示のお言葉をいただいたのをいまでも記憶しています。

大賀さんは東京芸術大学を経て欧州のベルリン音楽芸術大学で声楽を学ばれているのです。(確かバリトン、話し声も凄い低音が素晴らしいです)そういう経歴で、井深さん、盛田さんとの親交で家電メーカーの経営者になるという異色の経歴の持ち主でした。

カラヤンとも蜜月の関係で、お互い飛行機の操縦の趣味、自動車の趣味、またカラヤンは機械ものに強く、ザルツブルグの自宅の地下の編集室にソニーの機材一式を購入して大賀さんに見せて自慢したなどのエピソード、CDフォーマットの記録時間決定の際のカラヤンのアドバイスなど非常にお互い公私ともに友好な関係でした。

あとカラヤンと大賀さんが、カラヤンのザルツブルグの自宅で会談しているとき、心臓発作でそのままカラヤンが倒れるように亡くなったのです。いわばカラヤンのご臨終を看取った人が大賀さんでもありました。私が大賀さんの偉大さを強く認識したのはずっと後年でしたが、家電機器を開発すると言う立場にいながら、クラシックに造詣が深い大賀さんはまさに私の尊敬する人で人生の鏡でもあったのです。なんか普通の会社経営者と違って「異色」なんですよね。

そんな大賀さんも2011年4月にご逝去なされました。まさにソニーの黄金時代を支えた経営者であり、一時代が去ったとも思える感があります。大賀さんの遺志が受け継がれているこのホールで演奏を聴くことが今の自分のできること。できれば大賀さんの指揮姿をこのホールで観ておきたかった。 少なくとも大賀さんの下で働いていた人間にとって、毎年1回は、このホールに通うことで、大賀さんの意志を受け継いでいきたいと思うのです。大きなイベントとしては、GWに開催される大賀典雄メモリアル・春の音楽祭と夏休みに開催される軽井沢国際音楽祭があります。今回はこの軽井沢大賀ホールの魅力について紹介していきたい、と思います。現在はこのホールの芸術監督にダニエル・ハーディングが就任しています。

東京上野から長野新幹線で1時間、軽井沢で下車。軽井沢駅から徒歩7分という非常に地の利がよいところにあります。

軽井沢大賀ホール
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大賀ホール、思っていたより小さめな建物でした。とても美しい建築美を伴った建物で外観が本当に美しいと思いました。玄関から横のほうに行くとカフェテラスがあってドリンク休憩ができるようになっています。大賀ホールの周りは緑の芝生、そして湖と、とても自然色豊かな環境で和みますね。

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開場時間になって、中に入ってみると、ロビーが物凄く狭い。確かに五角形の建物なんですが、入口は片側からしか入れないようになっているのです。だからロビーも五角形ホールの片側しか存在しないんです。

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第1印象。狭い。(笑)思っていた以上に狭いホールでした。都内のホールと比較すると小ホールの部類に入ると思います。データによると客席数は784席。大半を1階席が占めており、ホールの2階席は横木に腰掛ける立ち見席のみだった ようですが、利用者の要望により椅子を取り付けられたそうです。しかし立見席はホールを町に寄贈した大賀さんの「若者が良質の音楽に安い価格で触れることができるように」との意向で設けられたこともあり、一部はそのまま残されている、というのが現状です。

こういった背景もあるのか、コンサートのチケットも安いし、カフェのドリンク代 (なんと400円)ももの凄い安いです。いかに安価に音楽を楽しんでもらうか、の大賀さんのモットーなのでしょう。

ホール

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五角形の天井。(反響板がすごく大きい)

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ホールの中はステージがあって、確かに2階席はあるのですが、大半は1階席が主流。後方や真横に客席はなくてワインヤードでもない。かと言ってシューボックスでもない、独自のホール形式です。要はステージがあって、基本は前方席しかない訳で、それでいてホール全体が五角形なのです。

これがホール内のどの席へも音が均一に届くように建物の形状を五角形にした秘密なのでしょうね。ユニークなホールの形状だと思いました。

音響のほうはかなり残響リッチな音響です。かと言って音像がぼやける感はなく、明確な隈取りでしっかりした定位感があります。かなり濃い音ですね。オケの音は、響きが豊富なので非常にスケール感の大きい雄大な感じに聴こえ、ステージのちょうど上方にサウンドステージが浮かぶ感覚がするほどじつに素晴らしい感があります。またピアノリサイタルも聴いたのですが、1打鍵ごとの響きが長いので、強打鍵の連打の場面になると、混濁感一歩手前のレベルまでいくほど響き豊かです。基本的にこのホール、ライブ(響き多め)なんですね。響きの質感は、硬質、軟質というより、どちらかというと中間色な感じで非常に明晰で素晴らしい響きです。もうひとつこのホールの不思議なところは、通常この席は音響の素晴らしい席で、ランクが落ちていくにつれて音響が悪くなる、というのがコンサートホールの常なのですが、このホールはそういう常識は当てはまらず、ホール内のどこでも全く均一の音響を得られるというのが売りなのです。本当にそうなのかどうかは、そう何回も経験している訳ではないので立証できませんが、この独特のホール形状にその秘密が隠されているような気がします。

開演開始の合図は通常のコンサートホールですとベルなどを使用しますが、この大賀ホールでは、小型スピーカーから川のせせらぎが聴こえて、小鳥の鳴き声がして、最後に教会の鐘の音が鳴るのです。本当に緑の避暑地の軽井沢ならではの、なんとも小洒落たセンスではないですか!いずれにせよ、軽井沢というセレブな避暑地にぴったりのお洒落感覚に溢れた魅力あるホールであることは間違いないところです。

正面玄関を入ったところにある大賀典雄さんの銅像パネル
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