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鈴木雅明&BCJのマタイ受難曲 [国内クラシックコンサート・レビュー]

バッハ・コレギウム・ジャパン(Bach Collegium Japan, BCJ)というのは、バロック音楽を専門とする日本のオーケストラおよび合唱団のことで、古楽演奏がそのベースにある。1990年に鈴木雅明によって設立され、まさにバッハ音楽の演奏、録音では日本の第1人者的存在なのだ。

もちろん鈴木雅明氏はそんな日本が誇るバッハ解釈の御大、第1人者な訳である。

鈴木雅明&BCJは、BISによる教会カンタータの全集録音という偉業を達成したばかりでいま最もホットなお方達かも。

バッハの教会カンタータの全曲録音という作業は、まさに膨大な年数を要する訳で、これを完結したのは、過去にトン・コープマンやアーノンクール&レオンハルトなど本当にごくわずか。

今回SACDでの全集完成というのは、史上初で、まさに最新録音&最新演奏での作品で、それを日本の団体が達成したということに限りなく誇りに思える。

レーベル選びの段階で、当初少なくとも全曲録音なら15年はかかる、とレーベルに持ちかけたら、日本のレーベルはほとんど拒否反応だったそうで、その中でBISが興味を示したそう。

やはり日本のレーベルのような場当たり的なリリース計画と違って、きちんと先を見据えた計画的なビジネスというのは、日本に限らずメジャーレーベルでも難しい昨今の状況の中で、この決断には本当に先明の功があったと思える。

ライプツィヒを始め、現地では、いままさに、イエスの受難、そしてその後の復活を象徴する復活祭のシーズン真っ盛りなのだが、私も先日ここ日本でマタイ受難曲を聴いてきた。

ミューザ川崎で、鈴木雅明氏&BCJによる演奏。

じつは自分にとってマタイは想い入れがある曲で、ゴローさんとの思い出がいっぱい詰まっているのだ。 ゴローさんが1997年に小澤サイトウキネンとはじめて仕事をしたときの曲がマタイで、それ以来、我々にその曲のオーディオでの鳴らし方などいろいろ教わったものだった。

2012年にNHKで聖トーマス少年合唱団のドキュメンタリーと、あとこの少年合唱団&ケヴァントハウス、そしてトーマスカントールのビラー氏での指揮で聖トーマス教会でのマタイの演奏という2部構成が放映され、録画して食い入るように何回も観た。

そしていつかこの聖地で、この曲をこのコンビで聴いてみたい、と思うようになったわけだ。今年実行しようと思ったが、あえなく討死。(苦笑)

なので、この日の日本でのマタイは万感極まるものがあった。お恥ずかしながらBCJの生演奏を聴くのは初めて。ピリオド楽器による弦のノンビブラートな響きなど正直苦手だなぁ、という勝手な先入観があったが、実演に接してみて、まったく心配は取り越し苦労。管楽器は木管のみのすごい小編成。

これがじつに素晴らしい演奏で、もう大感動!録画で観ている聖トーマス教会のコンサートより数段レベルが高い、というか自分好みに思った。

特に合唱が異常に素晴らしい。その発音されるとき、オケの音よりも数段音量が大きく、そのハーモニーが実に美しい。
低音がよく出ており、それが中高域と相俟ってじつに耳障りのいいバランスが取れていた。

そしてなによりも、きちんと粒揃いなのだ。聖トーマス合唱団のものは、やはり少年達の集まり、精神を集中させて、ピタッと全員が揃うのは難しい。それがBCJのほうは合唱団は本当に小編成で、それがピタッと音の一瞬の振るえまでが揃っているような感じで素晴しく美しいのだ。

ふっと音のステージが浮かび上がるような感じで、響きが少し遅れて聴こえるような感覚になり、それが立体感を紡ぎだす。3階席センターで聴いていたのだが、いままでミューザの音響を人が言うほどそんなに感動したことのなかった自分にとって、今日は本当に白眉という感じであった。

この合唱が唄うマタイの旋律ってホントに泣けるのよねぇ。もう聴いていてうっとりという感じであった。
福音史家やイエスをはじめ、各歌い手達の歌唱も申し分なし。BCJの合唱団のレベルの高さを感じた。

BCJの演奏、音色は、ピリオド楽器という先入観を払拭するかのような洗練された音色だったが、コンマスのソロの部分など、時間が経つにつれて、やはりモダン楽器とはちょっとその響きかたが違うのが聴き取れるのだが、違和感はまったくなし。自分には演奏にミスらしいミスもなかったように思え、じつに想い入れの曲にふさわしい力演か、と思えた。

別に現地ライプツィヒでの本場本家の演奏でなくても、こんな素晴しいマタイを聴けるのだ。

鈴木雅明氏は、白髪の長髪で、指揮姿の動きが大きくすごいダイナミック。その後ろ姿を観ていると、なにか小澤さんのような感じもしなくもない。(笑)

鈴木雅明氏は、今年の6月のバッハフェスティバルでも、ライプツィヒ・ケヴァントハウス大ホールで、ケヴァントハウス管で聴く予定なので、本当に楽しみである。

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J.S.バッハ マタイ受難曲 BWV 244
2014/4/13(日)15:00~ ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:鈴木雅明

ソプラノⅠ:ハンナ・モリソン
ソプラノⅡ:松井亜希
アルトⅠ:クリント・ファン・デア・リンデ
アルトⅡ/証人Ⅰ:青木洋也
テノールⅠ/福音史家:ゲルト・テュルク
テノールⅡ:櫻田亮
バス/イエス:ベンジャミン・ぺヴァン

合唱&管弦楽:バッハ・コレギウム・ジャパン 


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