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LINNレコードのSACD [ディスク・レビュー]

LINNレコードのSACDを聴いてみた。英国の老舗オーディオブランドのLINNがレコード会社部門を持っているなどとは、全く知らず、しかもHMVで覗いてみたら、かなりSACD主体路線なのには驚いた。


マイミクさんの日記であまり芳しくなさそうな風評だったので(笑)、期待はしていなかったが、とりあえず一通りのジャンルを聴いてレーベルの素性を確かめてみたいと思った。全部で5タイトルくらい購入したのだが、まぁとりあえず当たりというか、聴けるのはこの3枚かな、という感じ。


LINNレコードは、ジャズ/クラシックやスコットランド/ケルト系の音楽に強いところがミソのようだが、LINNはオーディオだけではなく、トータル的に音楽を見ている広い視野を持っていると言えるのだと思う。


またネット経由でのハイレゾ配信も盛んのようで、それもCD次元からのアップサンプリングでの補完ではなくて、マスターから直接96/24もしくはそれ以上などに落とすリアルなハイレゾで、「スタジオクオリティ配信」と銘打ってアピールしているみたいだ。

マスタークオリティの配信についてはLINNレコードはいわばコンテンツホルダーなので、自分でマスターを保持しているわけで著作権絡みも含めてある程度、上流から下流まで、トータルにシステムを作れるというかビジネスを作りやすいのだと思う。


そういえばLINNといえば、LINN DSを思い出す。PCオーディオの草分け的存在で、そういう開発背景も、やはり自分でレーベルを持っていて、それでいてネット配信、ハイレゾなどのバックグラウンドがあって必然と生まれてきた商品なのかな、とも思ったりした。

そんなLINNレコードがつくるSACDとはどんな感じなのか?


たった5枚での印象だけれど、一言でいうとS/Nがいい、というか美音、クリアという印象。


ただし、マルチチャンネルの造り方に違和感というか、普段聴いているレーベルとはちょっと違った印象で、リア効果をあまり使わないところに特徴があるように思う。


あくまでフロント3本主体で、前方のほうで奥行感が出るようにステージ感が広がる感じに聴こえる。


全体に包囲感というにはちょっと乏しい感じ。

これはこれで、クラシックのサラウンドの王道なのかもしれない。映画じゃあるまいし、部屋中の四方から効果音がビュンビュン飛んでくるような感じではなくて、前方のホールのステージから音が真っ当に聴こえて、後方からは壁からの微かな反射音を聴いているお淑やかな感じ....そんな正攻法なサウンドつくりのように思える。


ただジャンルによって良し悪しが出るような印象を受ける。

とにかく美音な音造りなので、音数の少ない隙間があるような室内楽などは透明感があって非常によろしい。

でもオケものなどの大編成で音数が多いものになると、うねりというか重厚感がないというか腰高なサウンドなので、来るものがないというか、この軽さでは正直酔えない。(笑)


また既述のような共通のトーンポリシーはあるみたいなのだが、結構ディスクによって録音の出来のバラつきがあって、5枚購入したら結構がっかりする作品も多かったので、難しいレーベルのように感じる。


全体の印象は、やはり英国紳士のような上品なクリアな音造りで、ガッツリ系とは程遠いという感じで、やはりクラシックの中でも室内楽、歌曲集、交響曲などのジャンルによって得手不得手が出てしまう、という印象だろうか。



でもジャケットのデザインなど、かなり洗練されていて、上品な感じでいい感じ。なんかクリアなサウンド造り、そして洗練されたジャケットデザインなど、全体的なブランドイメージ造りに統一感があって、ブリティッシュ・ライクな感じがよく出ていると思う。

いかにもLINNって感じ。 

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24の前奏曲、マズルカ集、夜想曲第3番、第8番 イングリット・フリッター.



2014年の最新録音で、イギリス、サフォーク、ポットン・ホールで録音された作品。


2000年の第14回ショパン国際ピアノ・コンクールで第2位に輝き、一流のショパン弾きとして目下活躍中のイングリット・フリッターによるまさにお得意のショパンの作品。


これは今回購入した5枚の中で1番当たりだった録音。LINNにはこういうピアノソロなどが良く似合う。透明感があって、どちらかというと柔らかい質感の音色で、響きも豊かで、暖色系の温もりのある音色。空間も広く録れていて、聴いていて気持ちがイイ。LINNのサラウンドの中では唯一リアが比較的豊かに聴こえた作品。



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シューマン:歌曲集、ブラームス:歌曲集 アン・マレイ、マルコム・マルティヌー



アイルランドのダブリン生まれで、ロイヤル・オペラ・ハウス、コヴェント・ガーデンなど主要な英国オペラ・シーンで活躍してきたメゾ・ソプラノ、デイム・アン・マレイの歌曲集。

2013年の録音で、スコットランド、アーガイル、クレアー・スタジオでのセッション録音。


これも恐ろしくS/Nがいい美音タイプの録音。自分の大好きな歌曲集のジャンルなので、かなり期待していたが、声質の透明感、明晰な感じは非常によく録れていて印象がいいのだが、リア成分がまったく聴こえてこなくて、マルチチャンネル録音としてはかなり違和感。

やはりサラウンドは、自分の周りを包み込むように音が埋まってほしい願望があって、この録音を聴いたとき、ちょっと物足りないというかさびしい感覚であった。2ch+αの高さと奥行感が増した感じというイメージだろうか。


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交響曲第2番、第7番 セナゴー&BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団



2014年の最新録音で、イギリス、カーディフ、BBCホディノット・ホールでのセッション録音。


う~ん、これは演奏のせいなのか、録音のせいなのか、判別つかないのだが(たぶん両方(^^;;)
どうもこういうジャンルは苦手のような感じを受ける。ピンと来なかった。大編成のオケを聴く上で大切な聴き手側の感情の抑揚感、ここでぐぁ~と盛り上がってほしい、というようなドラマティックな展開に聴こえない。(笑)


腰高なサウンドなのだ。やっぱりオケものは低域の量感含め、重心の低いサウンド造りがきもと言えると思うのだ。


LINNサウンドはどちらかというと中高域の透明感を売りにしているようなサウンド造りのよう思えるので、こういうジャンルはいまいち聴き手側に訴えるものが乏しいような気がする。

ちょっとお耳汚しのご意見をさせていただくならば、LINNサウンドを聴いて納得いかないところは、オーディオで私的に1番大事な痛い音が出てこないこと。綺麗で滑らかなだけの表面を見繕った感じに造られている。だからリアリティがなくて、そこで実際に演奏しているという実体感が感じないのだ。なんか、どのディスクも綺麗なBGMを聴いているみたいな感じ。
弦楽器などもきちんと弦の擦れた音でない。それがLINNサウンドのトーンポリシーと言ってしまえばそれで終わってしまうのかもしれないけれど、そこにいまひとつ自分の心をがっちり掴んでくれるサウンドのようには思えない。 


う~ん、今後も聴き続けていくレーベルかとなると難しい選択だ。(笑)

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