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シューマンの「女の愛と生涯」 [ディスク・レビュー]

BISの4月の新譜に、スウェーデンの歌姫のミア・パーションのオペラ・アリア集が出るそうだ。とても楽しみ。HMVのキング・インターナショナルさんの解説文によると、なんとパーションはバッハ・コレギウム・ジャパンの教会カンタータに独唱としても、参加しているそうだ。(もともとBCJのソリストとして活躍していた。)

まぁ同じBIS所属なので別に不思議ではないのだが、なんか自分がずっと聴いてきたアーティスト達が必然とつながっているような感覚がして、嬉しいような気分。

自分がミア・パーションに惹かれるようになって、本格的に聴き始めるようになったのは、じつはつい最近のことで、4年前のBISからのショーマンの歌曲集である「女の愛と生涯」を聴いてからだった。

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シューマン:女の愛と生涯、メアリー・スチュアート女王の詩、クララ・シューマン:ローレライ、他 パーション、ブラインル .

http://goo.gl/U0kKuP

シューマンの歌曲集「ミルテの花」作品25の「献呈」「くるみの木」からスタートして「女の愛と生涯」で終結する流れに妻のクララ・シューマンが作曲した歌曲を織り込んだ考え抜かれたプログラム。

録音もいかにもBISらしいテイストで、室内楽のように距離をとったワンポイント・マイクで歌唱を捉えようとしているからだと思える。パーションの声が、あたかも背筋をピンと伸ばした一途な女の生き方を感じさせるような「凛とした」響きとして再生されているように思えてとても魅力的なソフトであった。

シューマンは、あたかもペアを構成するように男と女をそれぞれ主人公にした連作歌曲集を作曲している。

「女の愛と生涯」
「詩人の恋」

「女の愛と生涯」の魅力的は、「詩人の恋」に決してひけをとらない。最後に第1曲が回想される長い後奏のところまで聴くとどんな演奏であっても 深い感慨に誘われると思う。

ただ、この曲、特に男性には出会い・恋心・異性と結ばれる不安・結婚・出産・死別・・・と順当に進行する内容なので、「詩人の恋」のようなドラマティックな展開がない。しかし一方で童話作家の故佐野洋子さん風に言えば「ふつうがえらい」的なストーリーであって、平凡な中にあるささいなときめきやドラマを描いているのだ。

そういう魅力が、自分にとって、詩人の恋には負けていない、シューマンの連作歌曲集の中でもとても気になる歌曲のひとつになっている。特に4トラック目の「わたしの指の指輪よ」。この旋律の美しさには涙する。最も有名な旋律で、この美しさに心揺さぶられない人などいないだろう。

じつは、この「女の愛と生涯」の録音で、いままで、これはと思うような録音になかなか巡り会えなかった。そんな中で、mixiのマイミクさんの中で、この歌曲集で、とても話題になったディスクがあった。

それはエディット・マティスのDG録音。

エディット・マティスはもうご存知、自分が産まれる前の世代から活躍しているスイス生まれの往年の名ソプラノ歌手。この世代のドイツ圏のソプラノとしてはトップクラスの美貌、それもどちらかといえば愛嬌のあるルックスが大きな魅力。現在もお元気だ。

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そんなマティスが歌う「女の愛と生涯」。

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シューマン
「女と愛と生涯」
「ミルテの花」(抜粋)
「ヴィルヘルム・マイスター」からの歌曲集(抜粋)
「子供のための歌のアルバム」

 <演奏>
エディット・マティス(s)
エッシェンバッハ(p)


このマティス盤 シューマン歌曲全集の中にはいっていてなかなか単売されず、入手にはかなり時間がかかった。というか、現在ではほとんど幻の名盤と言っていいほどで、中古市場にもほとんど出ない。自分が存在を知って、探し始めてから半年から1年はかかっただろうか。

毎日、お茶の水や新宿のディスクユニオンなどで探しまくり、ネットではUSA,カナダ,ドイツはじめ、ほとんどの海外アマゾンを物色。そしてある日、お茶の水のディスクユニオンの棚の中に偶然あったのを見つけたときは、震えた、というか、もう心臓が止まるほど、あのときのドキドキは一生忘れられないだろう。

そして立て続けに、カナダの海外アマゾンでも発見。すぐにポチッてしまった。2枚も買ってどうするんだ、という感じだが、それほど貴重で、自分にとって捜し求めていた超お宝だった。

そしてマティスが歌うこの「女の愛と生涯」を聴いたときに、ときめいた感動。やはりパーションが歌う最新録音とは違う、女の色気、けれんみ、というか、深みのある味というか重みがある。マティスの声には少し控えめで聡明な女性像を感じることがある。声の美しさはもとより発音も見事で、装飾音符の扱いもきわめて上手い。さすがマティス。このマティス盤を聴くと、パーション盤はすごくさっぱりしたテイストに聴こえてしまう。

マティス盤は、自分にとってこの「女の愛と生涯」の最高傑作と言ってもいい。滅多に手に入らない貴重盤だから尚更そう感じてしまうのかもしれない。
 
話を戻して、ミア・パーション。
彼女は、Blu-rayのコヴェントガーデン歌劇場の「コジ・ファン・トゥッテ」での好演が強く印象に残っている。ディスクでは BISからモーツアルトのアリア集(SACD)、CHANNEL CLASSICSからイヴァン・フィッシャー指揮 マーラー 交響曲第4番(ソプラノ・ソロ)などがすぐに思い浮かぶ。容姿端麗な北欧美人である。

新国立劇場でも、コジの実演にも接した。

そんな彼女のディスクで、もうひとつ魅力的なアルバムがある。
イギリスのウィグモア・ホールでのリサイタル。レーベルもこのホールの自主制作。

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歌曲リサイタル~シューベルト、グリーグ、シベリウス パーション、ヴィニョールズ .

http://goo.gl/zfEs1g

シューベルト、グリーグ、シベリウス というプログラムで 特に最後のコーナー、シベリウスのスウェーデン語の歌曲コーナーが素敵だ。

・春は過ぎてゆく
・初めてのキス
・あれは夢だったのだろうか?
・葦よそよげ
・逢引きから帰った少女

という選曲は シベリウスの歌曲の中から最もメロディが親しみやすい曲を 上手く選んでいる。録音は シンプルなライブ録音らしい素直な仕上がりだった。

イギリスのコンサートホール事情は、なかなか自分的に惹かれるホールは少ないのだが、このウィグモア・ホールは、その中で1番訪問したいホールでもある。近いうち必ず実現したい。

そんな魅力的な歌姫であるパーションの4月の新譜は、いまから本当に楽しみだ。特にアルバムコンセプトが、オペラ・アリア集というのが、また自分の嗜好にあっていて(笑)、本当に楽しめそうだ。


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