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木管奏者によるソロ作品集 [ディスク・レビュー]

先日のサントリーホールでおこなわれた新日本フィルの首席オーボエ奏者の古部賢一さんのバッハのオーボエ協奏曲は、非常に心惹かれるものがあり、ぜひ体験したかったのだが、先約の公演とぶつかってしまった。無念の限り。

大分以前に何回か日記にしたことがあるのだが、オーボエ奏者によるソロ作品集というのは、自分にとって非常にツボに嵌るというか、オーディオで聴いていてもリラックスできる、かなりお気に入りのジャンルなのである。

オーボエに限らず、木管楽器全般に言えるのだが、この嫋やかなしっとりとした暖かい音色がとても好き。

オーディオでもコンサートなどの生演奏でも言えることだが、オーケストラを聴いているときに、多種多様の楽器群の鳴る音をどのように聴いているかというのが個人の好みによるところだと思うのだが、自分は、オケのサウンドの大半を占めるのがストリングス(弦楽器セクション)だと理解していて、ベートーヴェンからブラームス・チャイコフスキーに至る交響曲を美しいと思うのは ストリングスがちゃんと鳴っている(音色が厚くてピタッと揃っていること)ということが一番の肝だと考えている。

だから一聴して解像度が高く音色が魅力的な現代の最新スピーカーであってもオーケストラのストリングス・セクションがきっちり描けないスピーカーを自分は受け入れられない。

それでその聴こえ方にも拘りがあって、第1ヴァイオリンが、ステージの左端からセンターまで席を埋め、 第2ヴァイオリンやヴィオラが 音楽を内から高揚させるように内声をきっちり表現していて、かつチェロ・バスの低音弦にも ちゃんと拡がりと音としてのボディー感がある。それでいて奥の木管楽器から金管・打楽器に至るまでの遠近感・立体感が曇りなく見渡せる.......

そういうバランスがきちんと取れているオケが、演奏のうまいオケだと思うし、またオーディオ再生でもそのように定位して聴こえるようにセッティングするのが、スキルなのでは、と思うのである。

さらに突っ込んだことを言うのであれば、そのように聴こえるように収録する録音スタッフ側のスキルが試されるところなのでは、と思う。

なので、このようなオケの聴こえ方を希望するのであれば、コンサートホールでオケを聴くときは、できればステージに対して正面から聴けるような座席が1番理想なのではないか、と考える。

P席やサイド席だと、ステージからの発音のエネルギーバランスを真正面で捉えられなくて、どうしても偏りがあって無理がある。どこの座席でも音響は変わりません、というのが理想なのかもしれないが、実際はそうではない、と思う。

まぁ、ホールの座席の嗜好については、何回も通ってカット&トライですかね。 

それで特に自分が聴いていてゾクっと快感だと思うのが、前方のほうで厚い弦楽器セクションの音色のエネルギーの凝縮があって、その奥のほうから木管が嫋やかな音色で、サラッと流れてくる、その瞬間なのである。

このときはゾクっとするというか堪らない。(笑)オーディオ再生でも、ここは譲れないところで、奥行きを十分に表現できていること、2chステレオでもセッティング次第で、かなり追い込めるが、やはりそこはマイクの本数、設定などによる2chステレオによるオーケストラ録音・再生の約束事というか限界があるのだ。サラウンドだとより高いレベルで実現できる。

そういう遠方からやってくるように聴こえる木管の音色がスキという自分の嗜好もあって、このように断言してしまうのは、いろいろ意見もあると思うが、常日頃、木管楽器というのはオケの顔、というか華というか、そんな華やかなイメージを受けるのである。

要所要所で、その嫋やかな音色がスパイスのように、オケのような大編成の音を引き締めているように思えるのである。

また映像素材などの演奏風景でカメラワークでフルートやオーボエ奏者などをショットで抜くシーンを観るとすごくイケているし、カッコいいと思ってしまう。

そんな訳もあって、木管奏者によるソロの作品集というのが、とても自分の嗜好に合う。

特に、オーボエ奏者にとって、バッハ、モーツァルトのオーボエ作品集を録音するのは、ひとつの登竜門というか、晴れ舞台、一流の証なのだ、と思う。普段は超一流オケの首席オーボエ奏者という立場で演奏し、その一方でソリストとして、このバッハ、モーツァルトを出すというのはオーボエ奏者として、まさにエリートの道まっしぐらとも言え、オーボエ奏者として選ばれし者だけが得られる特権のような感じがする。

そんなことを急に思い出し、狂ったように、木管奏者によるソロ作品集をラックから取り出して聴いてみた。

この分野では、やっぱりオーボエ。

自分にとって、この分野の最初のトリガーであったのは、ベルリンフィルの首席オーボエ奏者であるアルブレヒト・マイヤーのソロ作品集。DG録音。バッハアルバムとモーツァルトアルバムであった。

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右がバッハアルバム、左がモーツァルトアルバム。

HMVさんですが、一応リンクも貼っておきます。

アルブレヒト・マイヤー氏(BPO)のバッハ・オーボエ作品集
http://amzn.to/18w5CW5

アルブレヒト・マイヤー氏(BPO)のモーツァルト・オーボエ作品集
http://bit.ly/11ujNui

特にバッハアルバムは秀逸で、友人から紹介されて知ったのであるが、バッハの美味しいところをつまみ食いしているかのようなオーボエの音色で紡がれるその美しい小品集は、自分を虜にした。

イタリア協奏曲、オルガン・コラール、フルートソナタ、マタイ受難曲、カンタータなどなど。バッハの曲にオーボエの音色というのはホントによく似合う。

マイヤー氏は、その後もシュトラウスの曲もソロで出しているようなので、またこれを機会に集めて聴いてみたい。

そして、たぶん自分の持っているこの分野のソフトの中で1番素晴らしいと思うのが、ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の首席オーボエ奏者であるアルクセイ・オグリンチュク氏のソロ作品。

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右がバッハアルバム、中央がモーツァルトアルバム、左がヒンデミットなどの現代音楽作品。

アレクセイ・オグリンチュク氏(RCO)のバッハ・オーボエ作品集
http://bit.ly/18w5vcZ

アレクセイ・オグリンチュク氏(RCO)のモーツァルト・オーボエ作品集
http://bit.ly/192VEK2

アレクセイ・オグリンチュク氏(RCO)の20世紀オーボエ作品集
http://bit.ly/1rp1uUG


オグリンチュク氏のバッハアルバムは最高傑作。BIS録音なので、特に録音が非常に素晴らしい。オーディオファンにとってこのファクターは演奏力よりも大切。(笑)SACDサラウンドでの収録。

弦が美しくて、残響感たっぷりのテイストで、オーボエの音色が弦に埋まって聴こえるほどのバランス。これをオーボエでやる理由がどこにあるの?全部弦で表現すればいいのに、と仰った拙宅オフ会でのお客さんの声もありました。

音場感もスゴクて、これはかなりいい録音だと思います。バッハのオーボエ協奏曲。オーボエ協奏曲というのは正式なバッハの作品表の中には存在しないのだが、チェンバロやヴァイオリンとの演奏が原典になっているようである。(カンタータのフレーズにも??)

特にこのバッハアルバムでは、ヴァイオリンとの共演では、昨今躍進著しい若手のホープであるアリーナ・イブラギモヴァと共演しているのも魅力的。彼女は、いまもっとも実演に接してみたい有力候補で、10月の王子ホールでのモーツァルト・リサイタルは2連発で行く予定。(笑)(2011年に初めて体験しましたが、素晴らしかった!)


そしてバッハのオーボエ作品集として有名なのが、アルクセイ・ウトキンの作品集。SACDサラウンドでの収録。

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ウトキンはロシア人のオーボエ奏者で、この人の作品を聴くと基本的に古楽アプローチ、と思えるテイストですね。CARO MITISというちょっと聞いたことがないレーベルで、現在入手も困難なのであるが、この人の作品はかなり買い込んでいた。録音は素晴らしいと思います。



こうしてみると、バッハのオーボエ作品というジャンルは、オーボエ奏者にとって、ひとつの定番なのかな、と常々感じていた。ホリガー、ウトキン、ボイド、マイヤーなど 名だたる名手が同じような選曲のアルバムを作っている。


そしてクラリネット。この木管楽器も非常に丸みを帯びた柔らかい質感で、耳に優しい。聴いていて、非常に癒される音色。ソロ作品となるとその良さが浮き彫りになる。

自分が好んで聴いているのは、BISの専属アーティストのクラリネット奏者のマルティン・フレストのソロアルバム。オケに在籍という訳でなくて、クロスオーバーから弾き振りまで多才なタレントの持ち主で、非常にユニークな存在である。

この人の作品もじつに素晴らしい。録音もBISなので、もちろん素晴らしい。

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新日本フィルのコンサートに行きそびれて、悔しさいっぱいでしたが、これだけ聴きまくって、日記に書いたら、少し気がスッと晴れました。(笑)

願わくば、日本のオケの首席オーボエ奏者の方々もどんどんソロ作品集を録音という形で出していただいて、我々を魅了してほしいと想うばかりなのです。


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