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カンタータを制覇する。 [ディスク・レビュー]

予想に反して、鈴木さん&BCJの「教会カンタータ全集」をほぼ毎日聴きこんでいる。

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購入前は、これだけの全集ものは、買ってもほとんど聴かず、百科事典的な使い方しかしないであろう。ひょっとしたら新品未開封のままであったり。(笑)

現に、その前に所有していたトン・コープマン全集と、アーノンクール&レオンハルト全集が、ほとんどそういう状態であったので、そんな気がしていたのである。

ところが、という話になる。

購入したのが4月であるから、2か月経過しているのだが、55枚のSACDを完聴して、それをさらには2~3回くらい反復しているのである。まさか、バッハのカンタータ全集を完聴できるとは思いもよらなかった。

もちろんBWV体系でネーミングされていて、1曲1曲、曲名と合致、理解しながら聴くということは、さすがにできないが、BGM的に流すように聴きこむと、あら不思議、どんどん進むように聴けてしまうのである。

その1番の理由は、やはりSACDサラウンドで収録されていて最新録音である、ということ、聴いていて、とても気持ちがイイの一言に尽きるのだと思う。やっぱり自分はオーディオマニアなんだなぁとつくづく思ってしまう。録音がいいものは、自分から積極的に聴き込もうという気持ちになるし、やっぱり新しい録音で音質の優れた盤は、そのファクターだけでスゴイ魅力的。

カンタータ全集を完聴なんて退屈な作業と思われがちだが、実際聴いてみるとまったくそんなことはない。1曲1曲が新鮮な発見の連続で、あれよ、あれよとご飯が進んでしまうのである。自分でも驚いている。

聴く時間帯は、会社から帰宅して、夕食後から就寝の夜中まで。ほぼ毎日。
音量的に大音量である必要のない音楽なので、その面も助かる。

とにかくBGM的に聴いていて、本当に美しくて、これぞ教会音楽の真髄と思えるような調べに毎日癒されていた。BCJの本拠地である神戸松陰女子学院大学チャペルでの録音なのだが、教会らしい豊富な残響空間がよくわかり、さらにBIS録音であるので、彼ら特有のダイナミックレンジの広い透明感のあるサウンドで、じつに美しい。

みなさんご存知のようにオーディオファンって変わった人種(笑)で、「音楽を聴いているんでなくて、音を聴いている」という有名なフレーズがあったりするのだけれど、よい音楽を聴いてその旋律に感動するのではなく、ここの急峻な立ち上がりの部分が快感であるとか、いわゆる音としてのエンタメ性を感じる個所、そういう部分部分で解析して悦に入ってたりする人種なのである。(笑)

でもこのカンタータ全集を聴いているとそんな細かい、些細なことなどどうでもいい、と忘れさせてくれる。そんな我々を一音楽ファンに戻してくれる、そんな魅力がある。

特に人の声、合唱、これが限りなく魅力的。澄み切った高音域の声が、広い広い教会空間の中を響いてすぅっと消えていく余韻の美しさは、まさにこれぞ教会音楽のサウンドと言える醍醐味。

やはりバッハの音楽って、どこかその背景に宗教(キリスト教)が垣間見えて、教会でのミサなどで、心が清められる、浄化してくれる、そんなイメージが湧いてきて、崇高な雰囲気が漂う。

自分は、この魅力に取りつかれて、あれよあれよ、という間に完聴してしまった。

もうひとつ言えることは、やはり完成されたBOXとして購入したので、完聴が可能だったのだと思う。もしこれが単盤1枚づつ買い揃えていくということになると、飽きてしまい挫折したことだろうと思う。

カンタータは元来礼拝用の音楽。

日本にはキリスト教の信仰の場というのがないので、日本の大半のクラシックファンは、実はヨーロッパ人にとって一番身近な、礼拝音楽に触れたことがない。そのため、バッハの街であるライプツィヒでトーマス教会やニコライ教会などで「カンタータ礼拝(カンタータ上演の本来の形である、礼拝でのカンタータ上演)」を経験すると、その感動は余りあるものだった。自分がまさにそうだった。

まさにバッハの時代の正当な音楽の場であったこのような催しを体験することは、日本では絶対に体験できないことで、バッハゆかりの旅をするなら1番体験すべき「きも」であったりする、ことが、自分が勉強した時に理解できたことで、1番感動したエッセンスでもあった。

トーマス教会&ニコライ教会では、今も礼拝で当時の流れを汲む音楽が演奏されていて、この種の教会音楽は、昔も今も身近なものとしてこのバッハの街に存在しているのだ。

この鈴木さんの全集のカンタータを聴いていると、そんな想いが必然と湧いてきてどうしようもない衝動にかられてくる。(笑)またライプツィヒやドレスデンに行って、そのバッハの世界に浸ってみたいな、と強く思ってしまう。

ライプツィヒは、バッハがその後半人生を過ごした街で、トーマス教会でトーマスカントールとしてカンタータを作曲した時代でもあった。

バッハゆかりの街は、このライプツィヒ以外にもたくさんあるのだが、ケーテンという街にバッハが住んでいた時代では「ブランデンブルク協奏曲」、「平均律クラヴィーア曲集」をはじめとする数多くの協奏曲や室内楽曲、器楽曲を書いていて(自分はこの時代の作品が好きでバッハ・マイフェバリット作品のリファレンスでもある)、隔年開催であるが、この街でケーテンバッハ音楽祭という催しもあって、これもすごく魅力的。いつか訪問してみたいバッハゆかりの街、音楽祭である。

数年後まで予定びっちりの現在、これを実現するのは、いったいいつのことになるだろうなぁ。(笑)


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