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アリーナ・イブラギモヴァの印象 [国内クラシックコンサート・レビュー]

昨日ミューザ川崎の東京交響楽団の名曲シリーズで、かねてよりぜひ実演に接してみたいと思っていたロシアの妖精、アリーナ・イブラギモヴァを体験することができた。 

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結論から言うと、期待通りの本当に素晴らしい奏者であった!

4年前に無伴奏バッハを生で聴いたことがあるのだが、その頃はそんなに印象に強く残っていなくて、記憶にあまり残っていなかった。(自分の過去の日記にもそれなりの感動はあったように書いてあるのだが.....)

ところが昨今、躍進著しくて、どうも自分的にものすごく気になる存在の奏者になっていて(いわゆるビビッとアンテナに引っかかるという感じ。(笑))、是が非でも、今の姿を拝見してみたい、という気持ちがスゴイ強くなっていたのである。

やはり若い演奏家というのは、凄くいい。

クラシック界を活性化してくれる。

新風を吹き込むというか、もちろん巨匠的存在のアーティストも重鎮で安定した人気の基盤があって素晴らしいのだけれど、そこにこういう若いアーティストがどんどん入り込んだ形で、いっしょに両輪となって業界を盛り上げていく、というのが本当の理想の形なのでは、と思う。

自分も巨匠を尊敬の念を含め、大好きだけれど、若い演奏家がとても好きだ。なんか先行きが明るくなるというか希望の光を感じる。

昨日のミューザ川崎では東響をバックに、モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番を披露してくれた。

ヴィヴィッドな真っ赤なドレス。

ジャケットでは、小柄な女性のようにイメージを受けるのだけれど、実際観た印象では、かなり大柄な女性で驚いた。

その奏法というか弓使い、立居姿などを拝見すると、非常にダイナミックというか男性的だなぁ、という印象を持った。

上げ弓や下げ弓などの動作もすごく豪快でありながら、奏でられる旋律は非常に鋭利的というか切れ味鋭い音色で、芯のしっかりした骨太さが基幹にあるのだが、一方でそんな研ぎ澄まされているようなそんな怖さがある音色。

立居姿も体を激しく大きく動かしながら演奏していくタイプで、非常にダイナミックでありながら情感たっぷりという風情で、”妖精”という呼び方の乙女チックな印象とは随分イメージが違うような気がした。

美人でありながら、このような所作というのは、どちらかというと玄人肌の演奏家のようでもある。
自分にとってはすごく個性的で魅力的な演奏家に見えた。

驚きだったのは、アンコールでのバッハ無伴奏のパルティータである。

彼女のVnの音色が途端に朗々とホールに響き渡るというか、あぁ~これこそ彼女の持ち味だなぁ、とつい思ってしまった。コンチェルトのときは、それはそれで素晴らしいと思ったのだが、オケとの協奏で、どこか枠の中に閉じ込められた感じで、そのフレームの中に収まるように、という感じがしないでもなかった。

そう感じたのが、この無伴奏バッハを聴いたときだった。もう遮るものはなくて彼女のヴァイオリン1本の音色だけで広大な空間キャンパスをストレスフリーに埋め尽くすという「さま」が妙に彼女のスタイルに合っているような気がした。

心なしかヴァイオリンの音量もコンチェルトのときと比較して、朗々と鳴るという感じでスゴク大きく聴こえたような気がした。こちらのほうが断然彼女の魅力が引き立つというか、自分のカラーが出ているのではないかなぁと感じたのである。

やっぱりバッハの無伴奏は彼女の18番なんだよなぁ、と思うことしきり。

でも彼女のコンチェルトでの魅力もこんなものではないだろう?
もっといろいろな演目での彼女の協奏曲を聴いてみたいものだ。

そういう意味では、10/1に王子ホールでのモーツァルト・ソナタは、ある意味では彼女のいい持ち味が存分に味わえるそんなシチュエーションなのだろう、と思う。

アラベラ様とは、なにからなにまで、すべてにおいて、まったく違うタイプ。

そういう意味で、イブラギモヴァ嬢にこれからも注目して応援していきたい演奏家という想いを新たにした。

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2015/9/27(日)14:00~
ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第110回

指揮:パトリチア・ピツァラ
ヴァイオリン:アリーナ・イブラギモヴァ
コンサートマスター:大谷康子

管弦楽:東京交響楽団

前半
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216

~アンコール
J.S.バッハ 無伴奏 ヴァイオリンソナタ 第3番 パルティータ

後半
ベートーヴェン 交響曲第7番 イ長調 作品92


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