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アラベラ・美歩・シュタインバッハー& N響のチャイコフスキーのコンチェルト [国内クラシックコンサート・レビュー]

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今年で47回目を迎える都民芸術フェスティヴァルの「オーケストラ・シリーズ」。

東京芸術劇場に行ったところ、ポスターに当フェスティヴァルで出演するオーケストラの一覧と演目が書かれていた。

N響、都響、新日本フィル、東響、読響、日本フィルなど蒼々たる在京楽団の名が連なっていて、それぞれが各々独奏ソリストを携えて、魅力的な演目を演奏するようであった。

私が行ったのは、N響&アラベラ・美歩・シュタインバッハーのコンサート。

もちろんアラベラ様のコンサート目当てに知った公演ではあったが、冬の風物詩として有名なこの公演に参加できたことは、本当に光栄だと思う。

この公演のチケットは予想以上に大変な争奪戦で、スタートと同時に2時間位で、即日ソールドアウト。

アラベラ公演は、2年前位は余裕でいい座席を取れたものなのだが、日増しにどんどん知名度が上がってきて、チケットも簡単には取れなくなってきた。

人気が出てくるのはファンとしては嬉しいのだが、チケットが取りにくい、というのも正直困る。
この公演も予想もしなかった大変な争奪戦だったので、やっとネットにつながってとれた座席は、こんな1階席前方の右側の端っこという最悪の座席であった。

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まぁヴァイオリニストと対座して顔の表情が見えるという点ではいいかもだが、音響的にはいかがなものか?という感じである。

今日の演目は、前半はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、そして後半がムソグルスキー(ラヴェル編曲)「展覧会の絵」だった。

チャイコフスキーのコンチェルトは、もう盛り上がること間違いなしのヴァイオリニストにとって”魅せる”には最高の曲と言っていい。

アラベラ様のチャイコフスキーの演奏姿を見れる、というのがなによりの楽しみ。

この日のドレスは装い新たな新調したピンク色のドレスであった。

いままではどちらかと言うと、緑、青、赤といった全体のシルエットが締まる感じのドレスが多かったのだが、なんか新鮮な感じ。

そして演奏。

やはり圧巻だった。期待を裏切らない素晴らしいパフォーマンスだった!

この曲はチャイコフスキーらしいスラブ調の哀愁を帯びた甘美な旋律が全体に漂っていて、うっとりすると同時に、結構技巧的にも難しくて、奏者にとって魅せる要素の強い曲だと思う。

ある意味パフォーマンス性抜群の曲とも言えて、ヴァイオリン協奏曲としてはわかりやすくて一番受ける曲。

彼女がこの曲をどのように演奏するのか、その姿をぜひ観てみたいという衝動がずっとあった。

いままで観てきた彼女はどちらかというと容姿、奏法双方にて、お嬢さん的でエレガントな奏者というイメージが強かったが、今回はかなりイメージが覆るくらい違って正直驚いた。

全体を通じて、かなり男性的かつ攻撃的な演奏で、弓裁きもかなりアクション付きで派手。

彼女の演奏スタイルの特徴は、立居姿が絵になるというか、美しいところだと思う。

ヴァイオリニストにとって、演奏している最中の姿勢ってある意味、無意識なもので、演技しようとしても、そうそう簡単に演技できる領域のものではないと自分は思うのだ。

でも彼女は鏡の前で練習しているのではないか(笑)(でもふつう奏者はそのように練習している?)と思えるほど、背筋がピンとしていて正統派の立居姿で、ボーイングも美しくて絵になる。

弓裁きに特徴があって、下げ弓した後に空中に放り投げるようなスタイルも自分が考えたアクションなのだと思う。美しく見せるための工夫を普段から意識しているのだろう。

いままではその容姿のイメージから、そのような優雅な立ち振る舞いのイメージが大きかったのであるが、今回はチャイコフスキーの曲調に合わせて、かなりきびきびと引き締まった所作、鋭敏な弓裁きで相当格好良かった。

オーディオで聴く彼女の音色は、やや線が細い弱音表現に長けた奏者というイメージをずっと持っているのだが(体格からしてパワータイプでない)、やはり生演奏は違う。実音に実在感がしっかりあって響きも豊富。

かなり潤いのある音だった。申し分なかった。

演奏解釈はスタンダード、違和感はない。

オーディオでのインテンポな演奏と比較すると、ややテンポ速めで、高速パッセージなど超絶技巧を駆使して、後半になるにつれて、どんどんクレッシェンドしていくその疾走感ぶり、オケもどんどん彼女を煽っているかのような掛け合いで、最後のクライマックスは、まさにその頂点に達するフィニッシュ。

自分は全身に稲妻のような衝撃が走った感覚になった。

”シビレル”という感覚は、まさにこのことを言うのだろう。

どちらかというと控えめな性格で、終演後のパフォーマンスもおとなしい彼女なのだが、さすがにこの曲のこのエンディングの後は、思わず指揮者と両手でハグする興奮ぶりで、心の高揚がよく見てとれた。

このときの観客の歓声と興奮もスゴイものであった。

普段の彼女とは一味も二味も違う面が観れて幸せだった。
やはり演奏する曲によって大きく左右されますね。

休憩を挟んで後半が始まっても、ずっと余韻が続いていた。

後半は、ムソグルスキー(ラヴェル編曲)「展覧会の絵」。
今度は指揮者とN響を評価しないと。(笑)

指揮者は、チューリッヒ・トーンハーレ管弦楽団の音楽監督&首席指揮者であるリオネル・ブランギエ氏。

若くて有望な指揮者のようだが、指揮振りもどちらかというと随時各セクションへの細かい指示というよりは、もっと大きな全体の流れをコントロールするような指揮で、うまく全体のフレーム作りをしている印象であった。

N響は、自分の座席のせいもあるが、弦が厚くて秀逸だった。

自分のオケ判断は、オケの大半を占めるストリングス・セクションが鳴っていない、痩せている時点でNG。この点、この日は申し分なかった。前方かぶりつきの座席だと木管、金管の遠近感の聴こえ方にちょっと違和感を感じたことはい致し方がないと思うが、この曲の主題の冒頭のトランペットのファンファーレ的な「プロムナード」が安定していたのがなにより安堵。

ラヴェル編曲の効果である色彩感も表現できていたと思うし、フィナーレでの広大なスケール感も申し分なかった。

最悪の座席である右端の前方かぶりつき。

予想していたより楽しめた。

オケの配置が記憶がかなり曖昧なのだが、対向配置で、中央にチェロ、右奥にコントラバスがあったか?自分の座席からだと帯域バランス的に低弦寄りのサウンドに聴こえたことは仕方ない。でも対向ヴァイオリンがいたせいか、予想よりも、そんなに極端ではなかった。

なによりも感動だったのは、シャワーのように大音量を浴びるその感覚。

これはかなり快感。

自分はどちらかというと中後方座席でのホールの響きを感じられ、直接音と一定比率でブレンドされている感覚のサウンドが好みなので、かぶりつきがこんなに快感だとは思わなかった。

なによりも腹にずしっと響いてくるオケのサウンドが重厚感があって、これはいかにもオーマニ向き。かぶりつきの座席を見直すきっかけにもなった。

とにかくアラベラ様のチャイコフスキーのコンチェルトの演奏姿を見てみたい、という夢が叶えられて、最高の日となった。

素敵だった。

このように彼女の生演奏姿を見れるということ.....

これはひとえに、彼女を毎年呼んでくれるN響さんを始め、他の楽団さん、招聘スポンサーさんには本当に感謝しないといけませんね。

アラベラ&N響のタッグは、この後、四国巡礼ツアーに出かけます。

四国には自分のオーディオの友人も多く(現に四国のオーディオ友人達がこのコンサートに行きます!)、そこを巡礼してくれるなんてうれしいことではありませんか!

日本での所属マネジメント会社になるPCM(Pacific Concert Management)さんのサイトからお写真をお借りします。第2の故郷日本でのコンサートで喜びを表明するアラベラ嬢と指揮者ブランギエ氏。

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さらにRCOからのゲスト・コンサートマスター、ヴェスコ・エシュケナージ氏を交えて、3人で。
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すみません、最近カーテンコール撮影をしていないので、ブレて失敗しました。
(国内はなかなか難しいですね。)

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恒例のサイン会。

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都民芸術フェスティヴァル オーケストラシリーズ第47回
2016年2月26日 19:00~ 東京芸術劇場

指揮:リオネル・ブランギエ
ヴァイオリン独奏:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:ヴェスコ・エシュケナージ
          
(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団・コンサートマスター)

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35

アンコール~
イザイ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番から第3楽章。

休憩

ムスルグスキー(ラヴェル編曲)組曲「展覧会の絵」

アンコール~
ドヴォルザーク スラブ舞曲第1番


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michelangelo

ノンノン様

お邪魔致します。素敵なアラベラ様も御写真も掲載して下さり、目の保養になりました。以前は確かに白い美しい肌を際立たせる色味が目立っていた気がしますが、日本の桜を連想するかのようなピンク色も大変お似合いです。

チケット争奪戦と言うのは、N響であることも影響しているのではないでしょうか?私は数ヶ月前に、小遣い稼ぎにと副業で某ホールに身を置いていましたが、N響の演奏会は大人気で一度は完売。それでも、当日いざ蓋を開けると空席があることが殆どでした。室内楽でも、後からポロポロと良い席がチケット・リターンとして出てくることが良くあります。

演奏姿ですが、ヒラリー・ハーンさんはスポーツを通じて左右非対称のフォームが要求されるヴァイオリンに対応すべく、日頃から歪みを回避すべく工夫をしているようです。アラベラ様もスタイル抜群ですから、何か運動の御趣味もありそうですよね。私だったら、貴女のような美しい姿勢になりたいのですが、何かアドバイスを頂けませんか?と尋ねます。もし、ノンノン様が褒められたら、男性からの言葉ですから喜ぶと思います。

「かぶりつき」は当たると大当たりで、外れたとしても美男美女を眺めるのには最高です(笑)でも、演奏会に集中できないこともあるので一長一短でしょうか・・・
by michelangelo (2016-03-05 23:46) 

ノンノン

michelangeloさん

ご無沙汰しております。コメントありがとうございました。
N響のチケットに関しては、そうなんですね。
でもパーヴォ効果で、安定した人気が高騰気味で嬉しい限り。
そういう背景もあってチケットも争奪戦ですね。

やはりヴァイオリン奏者の方は、立居姿ふくめ、鍛錬されていますよね。雑誌で矢部達哉さんの練習部屋を観たことがありますが、
等身大で映る大きな鏡がありました。当然どのように見え方を研究されてますよね。でも演奏は無意識なものなので、大変ですよね。

かぶりつきのメリットはその通りですね。音響のことばかりではなくて、見栄えもありますね。オペラ歌手の演奏会形式なんて、前方のほうが全然いいです。アラベラさんの場合は、間近で見られるかぶりつきに限りますね!
by ノンノン (2016-03-06 14:44) 

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