So-net無料ブログ作成
検索選択

体験!松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール) [コンサートホール&オペラハウス]

たぶん室内楽ホールとして最高の音響だと思えた。

最近知ったことなのだけれど、人の耳の聴こえ方って、指紋、声紋と同じで、耳の構造、音の捉え方、聴こえ方って、個人、1人1人で全然違う特性・個性なのだそうだ。コンサートホールの音響にしても然りで、その評価基準で、個人差はあると思うので、決めつけたりはしない。

またコンサートホールの優劣や順番つけというのは、音楽界での社会的マナーとして原則やってはいけないものだと最近思っているので、そこも詳らかにはしない。

あくまで自分の鑑賞基準だけれど、この松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)は、室内楽ホールとしては、自分が過去聴いてきた室内楽ホールの中では最高水準のように思えたのだ。

首都圏の室内楽ホールで、自分がお気に入りなのは、上野学園石橋メモリアルホール、東京文化会館小ホール、そして白寿ホールが3本の指に入るホール。

石橋メモリアルホールは、とにかく聴いた第一印象がすごいライブな空間で、なんともいえない残響感が堪らないホールだった。

調べてみると、満席時で、1.5秒~2.0秒の残響時間で、中音域から低音域がやや持ち上がった特性で、豊かさと輝きのある独特の響きの空間が特徴。竣工当時、東京ではもっともライブな空間で、音楽ファンに与えたこのホールの響きのインパクトは、かなり大きかったのだそうだ。

自分がこのホールを最初に聴いた印象は、まさにそんな感じの音響空間だった。

ホールの構造が、側方反射音を意識した設計になっていて、人間の耳というのは左右90度の真横から反射音が入ってきたときが1番音の広がりを感じる構造になっているのだそうだから、この側方反射音が得られるように設計されているという理屈は、その結果として、このライブな空間が得られているという結果、納得いくところであった。

コンクリートなどの石造りのホールで、硬質なサウンドが骨子なので、ひんやりとしたクリスタルなサウンドも堪らなかった。




東京文化会館小ホールは、扇型の形状で、シューボックスが保証する側方反射音はなく、客席への反射音は、舞台正面の折れ壁状の反射板と、ステージ奥から客席後部に傾斜している天井の2ポイントから発生する。つまりステージから縦方向に、直接音と反射音が到来する音像型の音響。

残響時間も1.4秒と少なめ。でも自分は、ここでのピアノリサイタルなどのピアノのクリスタルな音、節度のある響きの中で聴きとれる楽器の細やかなサウンド。最近のホールにない落ちついたシックな空間が、とてもお気に入り。

ここも前川國雄さん設計のコンクリート打ちっぱなしの石造りのホール。硬質なクリスタルなサウンドだ。



白寿ホールは、奇抜な内装空間で、壁と天井を流線型のフォルムで構成されていて、その現代的で斬新なデザインは圧巻。

ここの印象は、とにかく、ステージからの音のエネルギー感がたまらなく大きいというか、要はステージの音が飛んでくるのだ。後方座席に座っていたのだが、まるで、前方座席に座っているのと変わらないくらい、音のエネルギー感が大きい。シューボックス型で、この流線型のフォルムというのが、音が濃い、座席による優劣がない、というところに起因するのかな?とも思える。このファクターは、コンサートを鑑賞する立場からすると堪らない魅力である。




なぜ、松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)を訪問しようと思ったのか?

それは、オーディオライフをやってきて、このホールで数々の名録音が生まれていて、それを聴いてきて育ってきているので、ぜひ訪問したいホールだったのだ。


松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)での優秀録音と言えば、この2枚が挙げられる。 

51IfGPQZRpL[1].jpg
 

工藤重典さんと吉野直子さんのフルートとハープのデュオ

https://goo.gl/T2QTNl


これはじつに美しい録音。聴いていて心の底から癒される1枚である。本当に美しい!ダマーズ、フォーレ、クルムフォルツ、ロッシーニなどの珠玉の名曲を、工藤さんのフルートと吉野さんのハープで奏でていく。

せっかく美しい音響空間のホールなのに、やや近接のオンマイク気味の録音なのだが、録音レベル、音圧も大きく、とてもエネルギー感溢れる録音になっている。おススメの1枚です。 

41X2KP6TGTL[1].jpg
 

バッハ ブランデンブルグ協奏曲(全曲)
サイトウ・キネン・チャンバーズプレイヤーズ

https://goo.gl/KzZ6GM


古楽器で奏でるブランデンブルグ協奏曲の素晴らしさ。これも近接オンマイク気味だが、この古楽器の落ち着いた感じの音色が心地よい。とてもいい録音だと思います。この盤は、自分のこの曲のバイブルになっています。



松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)は、じつは松本市内にある訳ではないのだ。松本に着いたら、さらにローカル線の大糸線で、2駅行ったところの島内駅で下車する。

下車したら、すぐその近くに佇んでいる。

美しい自然の公園の中に、佇んでいる感じで、本当に美景観、絵になるショットだ。


松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)

DSC00998.JPG


DSC01000.JPG


エントランス

DSC01003.JPG


DSC01007.JPG


DSC01010.JPG


メインホール(室内楽ホール)と小ホールの施設がある。
こちらは小ホール入り口

DSC01005.JPG


ホワイエ

DSC01027.JPG


DSC01026.JPG



いよいよメインホールに潜入。

DSC01013.JPG


最後尾から前側方を撮ったアングル。

DSC01015.JPG


ステージから最後尾を撮ったアングル。
座席には傾斜がついていて、かなり急勾配。

DSC01018.JPG


ステージから、後側方を撮ったアングル。

DSC01019.JPG



天井

DSC01017.JPG


ステージ(今日は室内楽コンサート)

DSC01020.JPG



パイプオルガン(ベッケラート社(ドイツ)製オルガン設置)

DSC01024.JPG


自分の今回の座席。(前方3列目のかぶりつき。(笑))

DSC01022.JPG



693席の室内楽ホール。
シューボックス型のホールである。
天井が教会のように、三角形の形である。天井の高さはかなり高い。

全体にコンクリートの石造りのホールである。

とにかくすごいライブな空間。残響時間は、2.2秒。(満席時で、2.0秒)石造りのホール独特の硬質でクリスタルなサウンドで、あまりに響きが豊富なので、真っ先に思い浮かんだのは、ヨーロッパの教会の中で演奏を聴いている感じで、自分の周りが響きで囲まれているかのような錯覚に陥る、あのイメージだった。

やっぱりシューボックスなので、ステージからの音が四方面で反射を繰り返し、音が濃くて、響きに囲まれている感じになるのだろう。音の広がりを感じさせる要因の側方反射音も、この構造なら、簡単に実現できる。

前方かぶりつきにも関わらず、ホールの響きがこれだけ豊富に聴こえたら本物。

あと天井が高いので、ホールの容積も室内楽ホールにしては大きいほうの部類に入り、広い空間で音が伝搬するときに感じるような”スケール感”みたいなものが快感だった。

音色の芯が濃くて太く(特にフルートの音色)、がっちり安定して聴こえて、音像もキリッと鮮明。響きが豊富なので、ピアノは混濁寸前。(笑)

でも響きが豊富なホールにありがちな「響きに音像が埋没する」という現象はなかったと思う。音像と響きはきちんと分離して聴こえていた。

もう言うことなし、という感じで、これだけのサウンド・パフィーマンスであれば、どんな方が聴いても、音がいい!とわかるんじゃないかなぁ。(^^)

とにかく脅威の音響だった。そしてなによりも自分好み。

この音響を聴いたとき、1番先にイメージに湧いたのが、石橋メモリアルホールの音響イメージに近いな、と思ったこと。すごいライブな空間といい、なんか自分の耳に聴こえてくるイメージが、石橋メモリアルホールの雰囲気とすごい近いと感じたのだ。

いやぁ、何回も通いたいなぁと思ったが、松本は遠すぎ。(笑)

さて、今回は、ここで室内楽コンサートを堪能した。

DSC01004.JPG




佐藤俊介&小菅優&L.コッポラ トリオ
20世紀の作品群 ヴァイオリン、ピアノ、クラリネット三重奏


ミヨー、ラヴェル、ベルク、ハチャトリアン、ストラヴィンスキーの三重奏を、素晴らしい音響下のもと、思う存分楽しんだ。途中、佐藤俊介さんのMCでのレクチャー入りで、見識深い背景なども拝聴しながらのコンサートだった。

自分は、音響がいいと、本当にうっとりする感じで、演奏も文句なく満点を与えてしまうような傾向にあるのだが(笑)、でもそういう環境抜きにしても、お世辞ではなく、質の高い演奏だったと思う。

前方かぶりつきで聴く室内楽は、フレージングや演奏者の息遣い、お互いのあ・うんの連携感がリアルにわかる妙があって、これがたまらなく生々しかった。



小菅優ちゃんは久しぶり。

ずっと応援してきている演奏家で、しばらくご無沙汰だったのだが、まったく外見、演奏も変わらないイメージで安堵した。昔、小澤さん&水戸室とのメンデルスゾーンのピアノ協奏曲のBlu-rayを、もう擦り切れるほどよく繰り返して観ていたものだった。

これからも機会があれば、演奏会に足を運びたい。

早朝5時に家を出て、帰京したのが23時という強硬日帰り日程だったが、終わってみれば素晴らしい室内楽ホールとの出会い、そして室内楽コンサートを楽しめたこと、まったく疲労はなかった。


ぜひチャンスがあれば、またこのホール、体験してみたいものだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。