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立川シネマシティの極上音響上映 [オーディオ]

自分はもちろん映画は昔から大好きなのだが、最近ご無沙汰で、いまは映画1本、最初から最後まで観る体力がない。

映画館の音響は、昔からあまり好きなほうではなく、PA(拡声装置)を通すことが前提のサウンドで、なんかこう電気的な音で、大音量、爆音になるとシステムのDレンジがオーバーになる感じで歪む、というイメージがつきまとって、ちょっと苦手意識が昔からあった。

だったら、映画公開のときはガマンして、Blu-rayやDVDになってから、買うなりレンタルするなりして、ウチで観たほうがずっと安心できる音だと思っていた。

そこに立川シネマシティの「極上音響上映」や「極上爆音上映」という笑える(失礼)キャッチフレーズを知って興味が湧いた。

それもそれだけではなく、小澤サイトウキネンのNHKエンタープライズから出ているBD「幻想&巨人」を上映するというからさらにそれに惹かれた。ゴローさんの渾身作である。

昔、ゴローさんが編集制作用のスタジオとして、二子玉川のマンションの1室を借り切って、そこにオーディオシステムをセッティングしていた。

そこにはじめてお邪魔した時に、まずオフ会の前に、近くのレストランでランチでもしよう、ということで、サシで食べながらお話をした。その中に、この「幻想&巨人」の話が出たのを思い出した。

確かに小澤さんのBDでは、「悲愴」が圧倒的に有名でエポックメイキングだったかもしれないけれど、じつは自分のこれは!、と思う渾身作としては、「幻想&巨人」なんだよね。だから、ノンノンさんにも、ぜひ「幻想&巨人」を観て、聴いてもらいたいと思っているんだよ。

と、かなり強力にプッシュされたことを思い出した。もちろん、その後購入した。

これは、あくまでいま考えた自分の推測なのだけれど、「悲愴」というのは、業界ではじめてBDでオーケストラコンサートを収録するというビッグイベントで、オケはベルリンフィル、映像はNHKが担当して、音声はDGのエミール・ベルリナー・スタジオが担当して、トーンマイスターはライナー・マイヤール氏だった。だからまず成功することが必須だった。

でも「幻想&巨人」は、小澤さん手兵のサイトウ・キネン・オーケストラで、映像、音声ともNHKの自分たちのスタッフで作り上げたものだった。だから本当に自分たちの力だけで作り上げた、ゴローさんが本当の意味で自分の渾身作と力説していたのは、そういうところにあるんじゃないかな、と今考えると思うのだ。

立川市というのは小澤さんと縁のある土地だそうで、その小澤さん生誕80周年を記念して、立川シネマシティで、その「幻想&巨人」を極上音響上映で放映する、ということになった。

なんか、偶然とはいえ、ゴローさんから誘われている気がしてならない。

これは絶対行かないといけない。

ようやく時間を作って、今日実行。

立川シネマシティというのは。立川シネマシティと立川シネマシティ2と二つの映画館からなる。

立川シネマシティ
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立川シネマシティ2
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小澤さん映画を上映するのは、立川シネマシティ2のほうである。

チケット売り場。
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上映フロアであるCフロア。
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やはり自分の最大の関心は、「極上音響上映」と堂々と唄う限り、映画館サウンドとしてどのレベルなのか、いじわる試験じゃないけれど確認したかったのである。

小澤映画は「極上音響上映」で、「極上爆音上映」ではない。

ドキドキしながら入ってみた。
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入ってみて、驚いたのはこれ!
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天井SPじゃないけれど、側面にはサラウンド用のSPが壁に貼りつけられていた。

昨今の3次元立体音響の走りですね。もちろんSP配置自体、Dolby Atmosでもなければ、Auro-3Dでもない。思わず笑ってしまった。

自分は全く知らなかったのであるが、立川シネマシティはふつうの映画館フロアもたくさんあるのだけれど(映画館としては規模はかなり大きい。)、この「極上音響上映」をするフロアは、映画館というよりは音楽ライブ用のSPを備えた音響設備だそうで、さらに日本を代表する音響家によって、この小澤BDを放映するために、綿密な調整をしたそうで(驚)、これまでの映画館の音響の概念を変えるクオリティを実現したのだそうだ。

まさに、「音響のシネマシティ」としてクラシック音楽に挑戦!だそう。

この作品のために、そこまで準備されていたとは!そのことを知って、考えすぎの自惚れかもしれないが、映画サウンドにいいイメージを抱いていなかった自分に、映画館でもここまでできるんですよ!ということをゴローさんの渾身作「幻想&巨人」で証明してくれる、ということなのか、と勝手に思い込み、涙した。

やはり今日来てよかった!

そのSP配置なのだが、

スクリーン下にセンターSP。
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そしてフロントL,Rに相当するのが、スクリーン横の真ん中のポジションに設置されたSP。(写真が暗すぎて、ちょっとSPの存在がわかりにくいですね。)
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家庭用のサラウンドのポジショニングとほぼ同等で違和感はない。


そして、左右両側の壁に3ch分の側面SPが配置されているのだ。
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天井はこんな感じ。
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リアにSPがあったかどうかは、オフの時も館内は暗いので、わからなかった。たぶんあるでしょう。


館内前方の左右の下方側面にはルームチューニング用の調音パネルが設置されていた。デッドニング(吸音)目的なのだろうか。(それともこれもSP?暗くてよくわかりませんでした。)

左前方側面
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右前方側面
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さっそく本編のサウンドの印象について述べよう。

結論からすると、確かにいままでの概念とは違う(いわゆる自分の映画館サウンドのイメージとは違う)垢抜けたサウンドだったと思う。

電気的で滲んでいるようないままでのイメージよりもずっとピュアで、澄んでいる音だと思った。
映画館なのだからPAを通すことは仕方がないにしろ、ロックコンサートで経験するPAサウンドの幻滅さ(ピアノの音色なんて電気を通すと幻滅。)とは縁遠い素晴らしいサウンドだった。

歪曲されず、ちゃんと各々の楽器のイメージに適した音色が出ていたし、オーケストラサウンドとして立派であった。

弦楽器の艶感とか、低弦のゾリゾリ感や拡がりと音としてのボディー感、木管の艶やかさ、金管の圧倒的な咆哮、打楽器の炸裂感など、きちんとオケサウンドに必須の表現ができていた。


昔ゴローさんが、ベルリンフィルのヴァルトビューネを観に行ったとき、野外のPAとは思えない本当にベルリンフィルハーモニーで聴いているかのようなサウンドで、PAエンジニアが優秀だとこうも違うんだなぁ、と感想を言っていたのを思い出した。

自分は中央より数席前方のど真ん中センターで聴いたのだが、やはり左右側面のサラウンドSPの影響もあるのか、全体の包囲感が抜群に素晴らしい。生演奏では、絶対こうは聴こえないオーディオライクなアプローチ。

自分は生は生、オーディオはオーディオという考えの持ち主なので、こういう快感は大歓迎。(生演奏では絶対こういう風~包囲感~には聴こえない。)

いま話題の3次元立体音響も映画館や家庭内で成功すれば、こんな感じなのかなぁというイメージが抱けた。


もうひとつ考えさせられたのは、映画館の音響とはまた別問題で、このソフトの収録技術というか、いわゆるゴロースタッフの卓越した収録。映画館で聴くと新たな発見があるのだ。

まず、今日聴いたサウンドには、自分のウチでは聴こえない音がたくさん聴こえたのだ。(笑)

現場の臨場感を醸し出す、生々しいホール内の暗騒音。

ゴローさんは完全な暗騒音派だった。

ホールの暗騒音が静かに部屋に溶け込むように鳴ってそれから音楽が立ちあがる方が リラックスして音楽に入っていける。

音が空間で混じり合う響きを美味しく捉えるにはある程度マイクを離して 暗騒音が入ってもやむをえない、それより自然な響きを大切にしよう。

そういった考えを重視していて、ゴローソフトには、かなり暗騒音がたっぷり入っているものが多い。

暗騒音や演奏ノイズは 臨場感を高める働きがあって、ピアノ録音でもペダルノイズが入ったものを結構好んで聴いていた。

もうひとつ収録技術で驚いたのは、各楽器の佇まい、定位の問題。

第1/2ヴァイオリンの音色は、きちんと左側のほうから聴こえて、チェロやコントラバスの低弦はきちんと右側から聴こえる。そして打楽器、木管などの遠近感も曇りなく見渡せて、らしく聴こえる。

要はオーケストラの配置にピッタリ合うように編集時できちんと各チャンネルに音が振り分けられているのだ。生演奏で聴いているのと変わらないように。

昔、第1ヴァイオリンはどこから聴こえるべきなのか?というテーマに挑んでおられて、木管を綺麗に浮かび上がらせるために目の前にいる大群の弦楽器群をどうさばいてマイクアレンジをするか、話されていた。

そういうのを感じながら、映像を観ていたら、ゴロースタッフのサイトウキネンを録るときのマイクアレンジは、相当なマルチマイクだということもわかった。(笑)

おびただしい立脚式のピックアップに、天井もふつうのワンポイントではなくて、かなり多数のマイクがぶらさがっていた。

おびただしいマルチマイクで録って、編集時にオケの実際の配置に沿った編集は、なかなか大変だろう、と思った。


これらの問題は、今日映画館の大空間で聴いてみて、はじめて気づかされたことで、驚きだった。

新鮮だった。

敢えて不満を言えば、映像かなぁ。
やはりBDの2K HDの画像を、200~300インチはあろうか、というスクリーン大画面に映すこと自体に無理がある。

解像度が悪くて、画面がざらついていてあきらかにS/Nが悪い。

これは仕方がない。

とにかく今日この映画館に来てよかった。確かに映画館サウンドのイメージが変わった。

ゴローさんからの誘いのように思えた。

終わるときに、スクリーン下部にスタッフの名前が流れるのだが、1番最後に、
”Director Goro Kobayashi”で終わった時は、さすがに泣けた。


世界一美味しい朝食を食べさせてくれる「bills」のリコッタパンケーキ [グルメ]

去年北海道の友人を東京でおもてなしをしたときに、世界一美味しい朝食を食べさせてくれるお店である「bills」に連れていった。

「世界中のセレブに愛される、“世界一の朝食”が食べられるお店。」というキャッチフレーズ。

本店のお台場店まで連れていった。

その他にも横浜店、表参道店、七里ヶ浜店、二子玉川店など合計5店舗あるみたい。

その「おもてなし」のときに私が頼んだのが、「オーガニックスクランブルエッグ w/トースト」。ニューヨークタイムズをはじめとする様々なメディアで、“世界一の卵料理”と評された一品らしくて素晴らしく美味しかった。

友人が頼んだのが、「リコッタパンケーキ w/フレッシュバナナ,ハニーコームバター」。
じつはこれがホントに美味しそうで、友人もウマイ、ウマイを連発していた。自分の頼んだ卵料理より、ずっと、ずっと美味しそうに見えたので、それが忘れられず「よし、後日また食べにこよう!」とそのとき誓ったのであった。

あれから1年経ってしまった。

意を決して、リベンジでこのリコッタパンケーキを食べに、またお台場までやってきた、という訳だ。(笑)

お台場本店は、新橋発のゆりかもめ線で、「お台場海浜公園」で下車。東京湾の絶景を望めるデックス東京ビーチの3階にあり、開放的で明るい雰囲気のお店。

このお店、超人気店らしく都内の店舗だと行列必須なのだそうだが、その他店舗と比較すると、ここ本店は圧倒的に店内が広くて、並ぶことはまずない。行列を避けたいなら、遠いけどこの本店がいいかも。


お台場本店
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朝早い時刻に行ったので、まだお客があまりいません。
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念願のリベンジであるリコッタパンケーキを注文。
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美味しそう~♪

じつは私はアホなので、これにシロップをかけて食べるのだが、その存在を忘れて、そのままシロップをかけずに食べて、う~ん、なにか味がしないパンケーキで、トッピングでついているバナナと上に乗っかっているバターでかろうじて美味しいと思えるかなぁ、などという印象であった。(アホだねぇ。(^^;;)

家に帰ってからその失敗に気づいて、再度チャレンジ来店をして、今度はシロップをかけたら、これこそホントにウマイ!

リコッタチーズがたっぷりと練り込まれたふわふわの生地と、ハニーコームバターの組み合わせ、さらにバナナとの相性も抜群で、セレブを魅了するのもうなずける美味しさである。

シロップで全体に甘みが加えられて、ふわふわのパンケーキの食感が気持ちよく美味しい。それで上に載っているバターが香ばしくて、そして横に備わっているバナナの味とこれがよく合うんだなぁ。

メチャウマ!これは本当に美味しい。

レオナルド・ディカプリオや他のハリウッドスターたちが、撮影の合間に毎日のように足繁くこれを食べたいがために訪れたそうなのだ。

でもそんな逸話もこれを食べた瞬間に納得いくというか、一度食べたら、何回も通って食べたくなるクセになるような美味しさですね。

ここでこれだけ素敵な想いをすると、他店舗はどうなのだろう?と思ってしまい、よし、他店舗も数店行ってみて、これは取材日記にしてみようと思ったのだ。 (笑)

横浜店と表参道店を選んだ。

横浜店は横浜馬車道駅の赤レンガ倉庫内にあるお店である。
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建物の1番端にある。
さすがに横浜だけあって、ここは並ぶ。

横浜店
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ここでもリコッタパンケーキを注文。
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まぁ同じはずなんだけれど、気のせいか、お台場店よりパンケーキの大きさが小さいような感じが.......

やっぱりウマイんだなぁ、ここも。
あっという間に平らげてしまう。

さらに表参道店にも出没。

ここはもう都心中の都心だけあって1番激混みです。長蛇の列で、最低でも20分は待つ。

東京メトロの明治神宮駅前で下車して、地上に上がったところの東急プラザの7Fにある。
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やっぱりここの店内が1番雰囲気があってお洒落ですね。

表参道店
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ここでもリコッタパンケーキを注文。
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もちろん美味しゅうございました、です。


この世界一の朝食レストランのオーナーがビル・グレンジャー氏。 
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「朝食は1日の中で大切な時間でもあります。朝食の時間は、体もマインドも準備したり、リラックスしたり、よく食べて前向きな気持ちで1日をスタートできたりする時間なのです。」

というのが彼の朝食に対するポリシー。

19歳のときにメルボルンからシドニーに移って、食への探求心から研磨の後、1993年にシドニーに1号店、1996年にサリーヒルズに2号店、そして日本のお台場が3号店。瞬く間にどんどん店舗が増えていく。

もちろんリコッタパンケーキやスクランブルエッグだけではなく、その他にも彼独自のいろいろな創作朝食メニューがある。

またこれらの朝食メニューのレシピ本もあるみたい。家庭でも簡単に作れるますよ~、という感じでしょうか。

2000年の頃には、日本にもあったのだから、随分有名だったのでしょうけど、自分が知ったのは、去年友人をおもてなしするときにネットで調べて、はじめてその存在を知った、ぐらいなので、ようやく世間に追いつきました。(笑)

ただ!言えることは、客層が圧倒的に若者中心で、中年の方は全くいませんね。
しかも女性比率が多い。女性同士のカップルか、若い男女カップルのどちらか、です。
あまり1人で行くところではありませんね。(笑)

次回友人をまた、おもてなしするときに、また使わせてもらうことにしよう~♪



生で聴く「のだめカンタービレ」の音楽会 [国内クラシックコンサート・レビュー]

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のだめカンタービレ。

女性漫画誌「Kiss」で連載され大ヒットして、2006年でフジテレビで放映されて、さらに火がついて日本中、クラシックブームの大フィーバー。

さらにテレビの続編として、ヨーロッパ編を描いたバージョンを、映画(実写)で前・後編として放映してこれまた大成功。

クラシックファンの自分は、もちろん全部観てましたとも!(笑)

さすがに漫画誌連載のときは、その存在は知らなかったけれど、フジテレビ放映の時、はじめて観たとき、クラシックを素材にしていたこと自体、すごいびっくりで新鮮だった。

かなり夢中になった。

クラシック音楽は、どちらかというと敷居の高いジャンルで、お高く留まっているとも思われがちなイメージだったのに、この番組のおかげで、ずいぶん市民権を得られたんではないか、と思ったほどだ。

この原作がなぜここまで成功したかというと、自分が思うに、やはりクラシックを一般人の等身大の目線から描いていて、いままでマニア的な存在だったクラシックファンを一気にメジャーなところに連れてきてくれた感じになれたことなのではないか、と思う。

そして原作者の二ノ宮知子さんの作画の前の情報収集、大勉強にもよるところも大きいクラシック音楽の専門性、描画の正確性もきちんと作品に備わっている......

そんなところに大成功の秘密があるのだと思う。


また、このテレビ番組が放映されたのが2006年10月~12月で、自分が前職を退職したのが、2006年3月。

ちょうど1年間無職で浪人していたころで、毎日サンデーの先行きが見えない暗い日々を過ごしていた時期だったので、尚更タイムリーな衝撃で、自分の一生のメモリアルな番組に思えたほどだ。

テレビ番組、映画のDVDは、全部揃えた。
そして、のだめオーケストラによるCDベスト集も買った。

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存在は知らなかったけれど、このテレビ番組で存在を知って、漫画のほうも後追いで揃える。(笑)

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じつは、この”のだめ”に関するイベントで、生で聴く「のだめカンタービレ」の音楽会、というコンサートがあるのだ。

大変失礼な話であるが、自分は存在を知らなかった。(^^;;

当時の”のだめ”の番組作りで、いわゆる取材協力、監修という形で、プロの立場から作者の二ノ宮さんや俳優たちに指導していたNHK交響楽団の首席オーボエ奏者の茂木大輔さんが主導でおこなっているイベントで、漫画“のだめカンタービレ”の大ファンだった、愛知県春日井市にある「かすがい市民文化財団」のスタッフが、漫画巻末に“取材協力”として名前があった茂木さんに、“のだめ”のコンサート が春日井で出来ないか相談したところから、この音楽会の発端は生まれたのだそうだ。

茂木さんの指揮で、愛知が誇る三大オーケストラ、セントラル愛知交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団などで、のだめの曲を、その春日井市民会館で演奏する、というもの。(もちろん全国の各地にも遠征するようです。)

さらに、単なるオーケストラの演奏に終わらず、ステージ背面にスクリーンで、演奏中に、その曲に相当するのだめのシーン描画をすることで効果を高める、という演出もあるらしい。

もう10年も続いているようで、今年が10周年記念公演にあたる。

今回、愛知県春日井市まで、この公演を聴きに行こうと思ったのは、「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」を演奏する、ということなので。

このラフ3は、自分にとっての勝負曲なのだ。

これは聴きに行くしかあるまい。(^^)

原作では、のだめのライバルのRuiが、千秋の指揮で、この曲を弾いている。(自分の記憶では、Ruiは山田優さんが演技していて、赤いドレス着て弾いていましたね。)

今回、このラフマニノフの3番を演奏してくれるピアニストは高橋多佳子さん。

1990年に、あのショパンコンクールで第5位入賞という輝かしい経歴を持ち、今なお第1線で活躍している素晴らしいピアニストである。

今回の演奏会は、のだめのライバル、Ruiが演奏した曲を中心に送る「Rui's Edition」と呼ばれるもので、このラフマニノフのピアノ協奏曲第3番のほかに、ラヴェルのピアノ協奏曲、ラヴェルのボレロなど、とても魅力的なプログラムだ。

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じつは、このラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番をテーマに、読み切り版限定ということで、漫画のほうの”のだめカンタービレ”も一夜限りの復活をしているのだ!

例の女性漫画誌「Kiss」で掲載されて、さっそく読んだ。

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5年の時を経て、アラサーになったのだめと千秋。2人はまだ”アレ”をしていないんだそうだ.....(^^;;

茂木さんと高橋さんとはFBで友人になっていただいていることもあって、その応援をしに行く、という意味合いも強い。


ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番は、ピアノ協奏曲の中では、最も技巧的に難しい曲と言われていて、これを高橋さんがどのように魅せてくれるか、ホントに楽しみである。

.............。


そして、今日、その、のだめコンサート(生で聴く「のだめカンタービレ」の音楽会)を聴きに、愛知県の春日井市まで行ってきました。

新横浜から名古屋まで2時間くらい。そこからJR中央線で春日井まで出て、そこからバス。
春日井市役所の建物の一角として、春日井市民会館は存在していた。

春日井市民会館

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驚いたのは、客層がすごい若いこと。普段コンサートゴアーである自分の経験からすると、クラシックのコンサートに来る年齢層って大体想像できる。でも今日の客層を観て、ちょっと驚きと言うか、ものすごい若いのだ。しかも女性が多かったような気がする。やはりここら辺はのだめ効果なんですね。

ホワイエ

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今回の公演が10周年を祝う記念公演で、作者の二ノ宮知子さんから花束が届いていました。

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そして過去10年の歩みを表すパネルの展示。
このパネル群を見て、このコンサートの存在を知らなかった自分は、勿体ないというか恥ずかしい限り。(でも近くにいた女の子も、いままで知らなかった、と言っているのが聴こえてきました。)

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ホール内装

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上階席なしで、1階席のみで傾斜がついている。ちょっと気になったのが、ステージの奥行きが狭いこと。大型のオケを入れるには、窮屈そうな感じがしました。

音響は違和感を感じることはなかった。普通にニュートラルです。


まず茂木大輔さんが、MCで、のだめとの関わり、そして今回のRui's Edition/ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番を取り扱うまでの経緯、そしてこの音楽会の歴史(もちろん中心は春日井市だけど、全国に展開していて、北海道、四国、沖縄以外は全部遠征したとのこと。)の説明をされていた。

茂木さん、なかなかスピーチ上手で、観客を笑わすツボを持っていると思います。(笑)

そして、いきなりのメインイベントであるラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番が始まる。

高橋多佳子さん登場。

FB友人の演奏家のコンサートっていつも大緊張。こっちの心臓がバクバクする感じになってしまう。

演奏は、こちらのドキドキしていた心配が無用だったように、素晴らしかった、と思う。
全体的にゆったりとしたテンポで、女性的なアプローチ、雰囲気を持った3番だと思いました。

激しく、しかも叩く鍵盤の数が多いところなど、無理せず、しっかりと着実にという感じのアプローチで、小山実稚恵さんに似ているな、と思った。

難所、見せ場がたくさんあるこの曲は、もちろんその箇所、ツボを自分は熟知しているので、しっかり拝見しましたが、難なくクリアされていて、自分もその部分でのエクスタシーを感じ取れた。

特に第1楽章のカデンツァのところは、いきなり山場という感じで、シビレル感じだったなぁ。

そして最大の自分のツボはコーダに向けてのグルーブ感と、一気加勢に盛り上がり、その頂点で派手な軍楽調の終止に全曲を閉じる部分。もうここを味わいたいがために、いままでのドラマもこの瞬間のためにある、と言ってもいいところで、そこもバッチリ決めてくれた。

本当によかった。終わった後、胸をなでおろした。

今回はラフ3という激しい曲だったのでマスクされているところもありますが、高橋さんは根本は繊細で女性的なタッチのピアニストだと思いました。手の動き、表情を見ていたらそれを感じます。

じつは、この最初の曲のときに、もうひとつの大事な発見があった。

それはステージ背面にあるスクリーンでの描画効果。
自分が、ネットで調べていた時は、単にのだめの漫画のシーンを映す、というくらいの認識であったのだが、これがじつはとんでもない!大変巧妙な心理効果で、もうびっくりしてしまったのである。

のだめの漫画シーンだけでなく、演奏者からのこの曲に対するメッセージ、ラフ3の歴史、そして曲の構造など、これが実に巧妙なのだ。

単に順番に並べて映すんじゃんなくて、ちゃんと曲の進行、旋律に合わせて、どのタイミングで、どのような内容のものを映し出すか、が相当練られているというか、要は演奏者の曲をBGMにしながら、聴衆者が感動できるようにストーリー性を持った挿絵になっているのだ。この挿絵のシナリオを作っている人は、完璧なプロですね。

ラフ3を聴きながら、この一連の挿絵を見ていたら、ふつうのコンサートの演奏を聴いている以上にスゴイ心象効果が増幅されて、自分のこの勝負曲を聴きながら、思わず涙腺が弱くなり、涙が出そうになった。

この演出は素晴らしいですね。

特許出願したほうがいいですよ。(笑)それも自社技術を保護するための特許ではなく、他社から収入を得るための特許戦略として。(笑)

10年前からこの音楽会はやっているのだから、ずっとやっていることなのかもしれませんが、自分は今日はじめて拝見してその心象効果に相当驚きました。今回の演奏会の中で1番印象的だったかもしれない。

後半は、パリ在住でパリ コンセルヴァトワール(パリ音楽院)在学中の岡田奏さんによるラヴェルのピアノ協奏曲。

素晴らしかったですね。

驚いたのは、全身細身の美人にもかかわらず、かなり打鍵が強くパワフルで、男性的な演奏をすること。もちろんラヴェルのコンチェルトということもあるのでしょうが、圧倒されました。

なんかふっとユジャ・ワンのことを思い出してしまいました。
でも第2楽章の情感あふれる美しい旋律は、繊細に歌い上げる。そのあまりに恍惚の美しさで、息を呑む、とはまさにこのことだった。

きちんと両面を持ってますね。将来期待のホープになると確信しました。

最後はボレロで堂々フィナーレ。

中部フィルは、弦楽器がほとんど女性団員というのが相当驚きましたが(前方席の自分から見ると、女性ばかりのオケに見える。(笑))、実力はかなりしっかりしていると思い、在京楽団に決して負けていないと思いました。(mixiの友人も絶賛していた。)


ここまでアットホームでレベルの高い演奏会であるならば、尚更、その知名度をどんどん上げるというところに自分の感心は行ってしまうんだなぁ。(笑)

10年もやっているのだから、自分が知らなかっただけで、有名なのかもしれないけれど.....
ネットで検索すると、きちんと詳しく情報が展開されている。

でもネットってその存在を知らないと、自分から能動的に探しに行かない限り、ヒットしない訳で、できればもっとプッシュサービス的に、もともと存在を知らない人に知らしめる方法を考えると、もっと知名度があがるのに、と思いました。のだめなんだから。(現に自分はのだめファンでもあるにも関わらず、まったく知らなかったので。)

でもふつうのクラシックコンサートとは一味も二味も違う、素晴らしい、楽しいコンサートをありがとう、と言いたいです。


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高橋多佳子さんと茂木大輔さん(指揮)


生で聴く「のだめカンタービレ」の音楽会
2016.3.13 15:00~ 春日井市民会館

指揮:茂木大輔
ピアノ独奏:高橋多佳子、岡田奏
管弦楽:中部フィルハーモニー管弦楽団

ドヴォルザーク チェコ組曲ニ長調作品39より第2曲ポルカ
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ニ短調作品30
~ピアノ:高橋多佳子

ガーシュイン 「アイ・ガット・リズム」
       ~ピアノ:高橋多佳子、岡田奏

ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調
     ~ピアノ:岡田奏

ミョー  スカラムーシュよりブラジレイラ
     サックス:片田景子 ピアノ:岡田奏

ラヴェル ボレロ