ベルギー・フラワーカーペット、日本に初上陸! [雑感]
その年に応じて、テーマが設けられて、それに因んだデザイン画に応じて、色とりどりの花(ベゴニアなど)で、グランプラスの広場を飾る”花の絨毯”を作るのだ。
これがじつに美しい!
こうやって100人くらいの人が地道に作業をやっている訳です。
(ネットからランダムに拝借しております。)
1970年代後半から始められて、今年で20回目を迎えるそうで、今年のテーマはなんと日本。
今年は、日本・ベルギー友好150周年にあたるそうで、日本にまつわるデザインの花の絨毯がグランプラスに展開される。
今年の本場ベルギーでのフラワーカーペットは、グランプラス広場で、2016年8月12日から15日までの4日間、開催されるそうだ。
いまヨーロッパに在住の方はぜひ行かれるべきだと思う。
また音楽鑑賞旅行、ホール三昧とかに拘っていないで(笑)、このフラワーカーペットを見に行くだけで、ベルギーに行くのも、自分はありだと思う。
日本をテーマにするんだから、絶対行くべき。そうそう何回もあるもんではない、と思う。
自分は、1994年頃にベルギー・ブリュッセルに住んでいたことがあって、このフラワーカーペットを偶然体験したことがある。
フラワーカーペットという名前、イベントを知ったのがつい数年前のことなので(笑)、大昔の1990年代にそんなイベントがあるなんて、もちろん知る由もない。
グランプラスに、ちょいとベルギービールを飲みに行きたい、と夜に思って、行ってみたら、ビックリ!
広場一面に花が飾られていて、うわぁ~なんてキレイなんだろう!と、あのときの衝撃は20年以上経ったいまでも、鮮明に頭に中に刻まれている。
特に黄色の花が圧倒的なエリアを確保していたような覚えがある。一面、黄色のイメージが頭にこびりついている。ずっと、数時間その場にいても全く飽きなかった。
そして翌日の昼間も行ったが、やはり、そこに花の絨毯はあった。
そこで、ひとつ言えることは、やっぱり観るんなら夜が絶対いいと思うことだ。
広場で夜分にライトニングされた花の絨毯は、その場で体験すると、昼間よりもずっと興奮するし、感動すること間違いない!自分の体験も最初、夜だった。
いまのようにデジカメ、スマホを常時携帯して、すぐさま感動を切り取って、SNSやブログに保管するなんて文化はなかった時代なので、フィルムカメラや、写ルンです、で最初から意識して撮りに行く、という感じ。だからその感動は自分の頭の中にあるだけ。
あと、そのときに体験できなかったのは、絨毯全体の模様のデザインを上から俯瞰する、ということ。
これは近くの建物の中に入って、屋上や上階の部屋から、撮影するしかない。
日本ならともかく、ブリュッセルのグランプラスで、そんな都合よくどこがいい、というのを瞬時にわかるわけがない。(笑)旅行で行かれる方は、事前に調べておいたほうがいいと思う。
今年のブリュッセル・フラワーカーペットは日本がテーマで、「花鳥風月」のテーマに決定したそうだ。その「花鳥風月」をモチーフにした絨毯のデザイン画が発表された。
和だねぇ。(^^)
美しい!
乃村工藝社の鈴木不二絵デザイナーによるデザインである。
この和のテイストの模様の絨毯が、あのグランプラス広場一面に展開されると思い浮かべるだけで、日本人として興奮ものだ!だから日本人なら、絶対今回行くべきなのだ!
じつは、これだけに収まらない。
日本・ベルギー友好150周年を記念して、このフラワーカーペットが日本にも初上陸するのだ。
それを昨日と今日で見学してきて、日記にしようとずっと計画していた。
日本初上陸のほうは、日本でブリュッセルの魅力を発信する「ブリュッセル・デイズ」と題した期間を設けて、東京の「ブリュッセル・フラワーカーペット」を実現させる、という感じ。
ヴィクトール・オルタに代表されるベルギーのアールヌーボーがテーマ。 つまり、ベルギーは日本をテーマにして、日本はベルギーをテーマにしたフラワーカーペットを作る、ということだと思いました。
デザイン画はこんな感じ。
六本木ヒルズアリーナ 会場:2016年5月18日~21日 250平方メートル
東京スカイツリータウン 会場:2016年5月18日~22日 450平方メートル
おっ!六本木のほうが1日早く終わる。。。六本木のほうを先に行かなきゃな、とそのときわかっていた。でもエリアの広さを見ると、東京スカイツリーのほうが大きいので、それが妙に頭に残っていて、当日になったらすっかり忘れて、最初に東京スカイツリーに行ってしまいました。(笑)
いよいよ本題の東京でのフラワーカーペットの報告。
まず東京スカイツリー。
開業して4周年らしいが、灯台下暗で自分は訪問したことがなかった。
目の前にして、おぉぉぉ~スゴイという感じ。
フラワーカーペットはこのスカイツリーのすぐ下にあった。
混むと嫌なので、早朝1番乗り(10時スタート)で行って撮影した。
地上での自分目線から。ちっちゃいけど、十分に美しい!
全体を見るとキレイなんだけれど、それを構築している花びらってどんな感じなのか、ズームしてみると。。。
う~ん、地道なんだなぁ。
そして1番大事なのは、これらの絨毯模様を上から俯瞰して写真を撮ること。ツィッターでの投稿を見ると、結構上からアングルのいい写真の投稿が見られたので、自分もさっそく周辺の建物を物色。
その場で係員か、警備員のような人に聴いてみたら、ショッピングビルとスカイツリーとの連絡通路からが、いいのではないか、とのこと。少し暗色入ったガラス越しだ。
ガラス越しでも結構綺麗に撮れることがわかった。
これが最終版!
花畑の中に緑色の通路みたいなものがあるのがわかるだろう。これは、実は係の人が花にホースで水を上げるための通路になっているのだ。
ミッション・コンプリート。
つぎに、これまた自分の人生とは程遠い存在である六本木ヒルズ。(笑)
朝1番でかけつけて、係に人に聴いたら、「昨日で終わちゃったよ。撤収しました。」
が~ん。(^^;;
そのときにさっきのことを思い出したのだ。
このときの落胆と言ったら。。。
このままでは引き下がれなく、いろいろ思案を巡っていたら、前の晩に偶然、FBの自分のタイムラインに流れてきたベルギー料理レストラン、ベルジアン・ブラッスリー・コート(Belgian Brasserie Court)さんが投稿した六本木ヒルズでのフラワーカーペットの写真を思い出した。
それをお借りしたい、と思うと同時に、そのお店で、ベルギービールとベルギー料理を堪能したいと思ったのだ。
というのも、その投稿を見ると、そのお店のスタッフたちが、六本木ヒルズに出張サービスで出向いて、フラワーカーペットのお祭りとともにベルギービール&料理を楽しんでもらおうという試みのように自分には思えたから。
だから当初は、六本木ヒルズ会場で、それを楽しめる、と思っていたのだけれど、それがダメになったんだったら、じゃあそのお店まで行っちゃって、じかに楽しんじゃおうと考えた訳である。(笑)
まず六本木ヒルズ会場でのフラワーカーペット。
やっぱり夜のほうが興奮するんだよね。
なんと!小便小僧もある!ベルギーいっぱい。
つぎにベルギー料理レストランに行く。銀座店、新宿店など数店舗あるのだが、地理的に詳しい新宿店を選ぶ。
このお店、面白くて、銀座店はアントワープ、新宿店はブルージュ、大手町店がゲント、というようにベルギーのブリュッセル近郊の街の名前が店名に使われているのだ。
新宿店は、新南口の改札を出たところのタカシマヤ・タイムズスクエアの14Fにある。
どうもでいいけど、このタカシマヤに入る前のところの、この”お入り口”というのがうける。いいセンスだ。(笑)
お店の外観、内装は、結構雰囲気があって、すごくイイ。
なんか店内にいると、本場のベルギーで食事しているみたいな感じ。
店員さんは、必ず、語尾にメルシー、とシルブプレをつけていた。
ベルギーは多国籍言語の国なんだけれど、自分の遠い経験からすると、レストランのメニューは、大概がフランス語で書かれていたことを思い出した。
さっそくベルギービール。ビール大国ベルギーの地ビールと言ったら800種類くらいあるらしいけれど、まずは有名どころの4つのビールなら、
ステラ・アルトワ
ヒューガルデン・ホワイト
レフ・ブラウン
ベルビュー・クリーク
だそうだ。
さっそく、いきなりステラ・アルトワとヒューガルデン・ホワイトを連発で頼む。
アルコールに弱いので、もうこれだけで頭ガンガンでクラクラ。でもウマい!
そしてつぎつぎとベルギー伝統料理をオーダーしていく。
まずムール貝の白ワイン蒸し
ベルギー料理の定番ですね。20ピースくらい入っている。コツは、ムール貝を全部食べ終わった後の、スープをいただくこと。貝のエキスがたくさん溶け込んでいて、さらにワインの香りが混ざって極上の味!
つぎにシュパーゲル(白アスパラ)。
いま旬なので、もちろんオーダー。仕事の関係上、4~6月にはヨーロッパには行けそうにないので、日本で堪能するしかない。
だが正直、写真を見ての通り、がっかり。たった2本しかなくて、なんかふにゃふにゃで美味しくない。本場もんは、もっと太くて、食べ応えがあるもんです。
牛ホホ肉のビール煮込み。
これは最高にウマかったねぇ。今日のメインディッシュと言ってもよかった。
最高でした。じつはこれでハーフサイズ。相当量があるので、フルサイズは気をつけたほうがいい。
ベルギー産フライドポテト。
定番ですね。ふつうに美味しかったです。
ボイルソーセージ盛り合わせ。
これもふつうにウマいし、食べ応えがある。
デザートにベルギーワッフル。
以上、ちょっと食べすぎでしょうか。。。?(^^;;
店内も雰囲気があって、料理もベルギー伝統料理が食べられるし、美味しいと思うので、おススメなのだが、難は、ちょっと値段がお高いところでしょうか。(諭吉さんが飛んでしまいました。)
1品あたりの単価が結構高いので、普段の食事処として使うというよりは、たまにベルギー料理を食べて贅沢したい、というような使い方が最適でしょうかね。
自分は、今日はベルギーいっぱいで、想い出に浸れて楽しかった。
生きている間に、もう1回は必ずベルギーの地を踏みたいと思う。
あの頃、市内に存在した日本料理屋さん、たとえばラーメン屋の「やまと」とか、お寿司屋さんの「三辰」とか、日本食材店とか、いまも存在しているんだろうか。。。
ベルギー・フラワーカーペット http://allaboutbelgium.com/flower-carpet-2014-2016/
ベルジアン・ブラッスリー・コート(Belgian Brasserie Court) http://www.belgianbrasseriecourt.jp/
エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル [国内クラシックコンサート・レビュー]
彼女の自叙伝を読んだことで、とても不思議な魅力を持つピアニストだとわかって、自分の日記でも力を入れて特集してみた。
いままでは、知っていてCDも数枚持っているにも関わらず、意外とスルーだったのが、こうやって彼女自身のことを深く知ると、俄然興味が湧いてくる。
やはりクラシック鑑賞は、演奏家、アーティストのことを、よく知ると興味の持ち方が全然違ってくるのだなぁ、ということが、よくわかった一例だった。
前半は新譜から。後半が彼女が敬愛するブラームスのソナタ2番。
前半と後半とでは、全くの別世界だった。(笑)
前半の新譜は、本当に美しいアンビエントな環境音楽のインストゥルメンタルを聴いているみたいで、8曲ノンストップの凄い集中力だった。ラヴェル、リスト、ドビュッシー、ヤナーチェク、べリオ、武満などなど。
確かに、一連の流れを聴いていると、今回の新譜のテーマ「水」のイメージが湧いてきそうな清廉・潔白な感じがする。せせらぎから激流に至るまで、結構、抑揚があるドラマになっていた。
直前になって、前半の曲順を大幅に変更してきたので、最後の最後まで、全体の流れ、シナリオを徹底的に、こだわり抜いたのだと思う。
この前半は、かなり聴いていて美しかった。
後半のブラームスは、彼女の世界ですね。(笑)
ブラームス独特の感性や個性と言ったらいいのか、難しい曲だった。
前半の美しい調べの数々と違い、かなり求道的な旋律で、奏法もダイナミックで、前半とまったく別世界の彼女を観れた感じ。
アンコールは3曲も演奏してくれたが、コンサートを通して感じたことは、どの曲も彼女のイメージカラーにぴったりの選曲をしていて、コンサートの色を自分のカラーで染めていたこと。自分の色をきちんと知っていて、そういうコンサート自体のプロデュースができるのは大事なことだと思う。
グリモーを生で鑑賞した印象。。。
この日は、上が皮のレーザーのようなジャケットと、下が黒のスラックス、というスポーティーなスタイル。
技術的にも安定していて、高度なテクニシャン。ノーミスタッチで完璧な演奏だった。弱音、強打の使い分けが明確で、結構演奏自体に抑揚というかメリハリをつけるタイプのように思えた。
演奏スタイルは、動的というより,むしろ静的な感じで、オーバーアクションなしの正統派スタイル。(ぺダリングも。)
それ以上に、やっぱり、なんと言っても雰囲気がある。
普通の人生とは違う苦労人だけあって、単なる美形ピアニストで収まらない、妖気というか、なんかオーラがあって、”深い” 魅力を持ったアーティストですね。
それが彼女の最大の魅力だと思います。
演奏終了後の聴衆への挨拶も、このホールの観客席全部に行き渡るように、1回転~4方向すべてに丁寧に挨拶していた。
なにより、その細やかな心配りに驚かされたのは、
アンコール曲のレターリングを自分の直筆で書いていることだった。
(今回の招聘元のFBページから拝借しております。)
今回は座席も計画犯的に、指の見える、ど真ん中の中後方席にしたら、ダイレクト音と響きのマージ具合が素晴らしくて、全体のイメージを俯瞰できる感じで大成功だと思った。シンフォニーホールは、いままで、前方席ばかりだったが、こちらのほうが正解だと思った。
このホールは、”音響がデッド”という話もあるようだが、自分は関西のホールをあまり経験していないし、このホールも数回しか経験がないので、断言はできないが、決して、そんなに音響が悪いホールとは思えない。
デッドだったら、演奏前にホールに入った暗騒音の瞬間に分かるし、数回の経験しかないけれど、聴いていて、そんなに極端に違和感を感じることもない。これは、関西のホール巡りをしないとあかんな、という感じだろうか。(笑)
あと、残されたのは、東京公演と、Vn/Pfのソナタ形式の公演と2公演。
グリモーの魅力満載になるに違いない。楽しみだ。
エム5邸訪問........そしてオーディオオフ [オーディオ]
NHKにも編集スタジオはたくさんあるのだが、やはり機材の品質や、モニター室としての広さ、グレードに限界があって、やはり世の中に出す前に、1度、一般家庭の大画面、高音質環境でどう映るのかを確認したい、という意向があって、エム5邸オーディオルームは、その用途に使われていた。(ゴローさんは毎週エム5邸に通っていたときもあったらしい。)
そこでエム5さんのスゴ耳(ゴールデンイヤー)のチェックを受けるのだそうだ。(笑)
ボクも1回だけ、そういう場面に出くわしたことがある。ゴローさんがかなり入れ込んでいたエベーヌ四重奏楽団の番組を作っていたときで、そのデモBD-Rをエム5邸で3人で観て評価した。
そんなエム5邸だが、フロント3本を観ると、L,RがN801なのに、センターが802Dと、センターが1ランク落ちているSPを使っていることに気づくだろう。
ポリヒムニア・スタジオもまったく同じ布陣で、両サイドがN801なのに、センターがN802と1ランク落としている。これには訳がある。
映画ではなく、音楽のサラウンドをやる場合、5本のSPは全部同じSPを使うことがサラウンドの原則。
そうしないと製作者側がスタジオで意図して作った空間表現を、家庭側で同一条件で聴かないと、それを再現できないから。
でも、このサラウンドシステムは、5.0chサラウンドだけを再生するのではなく、もちろん2chステレオも再生する。そうすると、5.0サラウンドで広大な音場で再生していたものを、2.0ステレオに切り替えたときに、フロント3本が、全部同じランクだと、2.0chにしたときに、ガクッと音場感が落ちてしまう。
なので、2.0ステレオ再生で使うL,Rは少しランクを上のものを使って、Cに1ランク落としたものを使うのだ、とゴローさんに教えてもらったことがある。
エム5邸の場合、さらに2.0ch再生のときに、L,RのSPから音場が広がるため、センターの位置にSPがあるとその妨げになってしまい、そうならないために、ちょっとセンターSPをL,Rに対して、後方に下げていたりするのだ。
同一システムで、5.0サラウンドと2.0ステレオの両立って難しい。(ゴローさんのように全く別のシステムで組む、という考え方もあるけどね。)
でもじつは、もっと迫真に満ちた、ある意味こっちが本音じゃないの?という理由もある。
それは、フロント前方に、801が3本並ぶことのほうが、観た目、スゴイ暑苦しい(笑)というか、そういう美観のセンスの問題のほうが大きいようだ。
でもボクは見つけてしまっただ。(笑)
O Ganho Do Somというミキシング&マスタリングを専門に行う会社のスタジオ。
確かに、801がずらっと3本は暑苦しいかな。(笑)
でも慣れてくると、それなりに....思えてしまうから、フシギだ。
アビーロード・スタジオの800のフロント3本は、スマートさがあって、こちらのほうがよさげですね。
さて、ようやく本題のオーディオオフの模様。
ボクは大きく3つのお題をエム5邸に持っていった。
①DG SACDの再生。
②3次元立体音響 Auro-3Dの効果。
③ベルリンフィル自主制作レーベルの再生。
エム5さんは、もちろん新進の高音質レーベルから、メジャーレーベルまで万遍なく聴かれるが、とりわけ本人が大好きなレーベルなのがDG(ドイツグラモフォン)。
エム5さんのレーベルのサウンドの好みって、ずばりガチっと骨太というか肉厚というか芯のある「骨格感」のあるサウンドが好きなのだ。エム5さんって男っぽいので、やはりなんかそういう好みってわかるなぁ、という感じ。(笑)
まさにそういうサウンドなのがDG。エム5さんの「DG愛」は、それは、それは、大変深いものがあって、拙宅に来ていただいたときも、そこら辺の話をたくさんしていただいた。
この日のオフ会でも、「PENTATONEも確かにいいんだけれど、温度感が高いというか、全体に柔ら過ぎなんだよね。やっぱりガッシリ実在感のある硬質のサウンドのDGがいいよね。」という話をした。
ボクがDGのSACDを集めようと思ったのも、そこにある。
じつに苦心して集めてきたDG SACDたち。どのトラックをかけるかのセットリストも作成した。
そうやって万全を期して、乗り込んだんだけれど、ボクが苦労して集めたDG SACDは、結構エム5さん、持ってたりした。(爆笑)
いろいろかけたんだけれど、やっぱり音楽的というより、オーディオ的にエンタメ性があるというか、驚かせる要素があるのは、やっぱりサロネンの「中国の不思議な役人」。
これはやっぱり来るね~。冒頭の曲の低音のグイグイ彫深い音色で押し迫るように鳴ってくる、その迫力。そして「中国の~」での何とも言えないアングラというかアバンギャルドな旋律。こういうのって音楽的というより、やっぱりオーディオ的に来るものがある、という感じ。
あと、いろいろかけました。オッターのシューベルト歌曲集もよかった。あとエム5さんに録音がイイと評判がよかったのは、ガーディナー&フィルハーモニア管の「惑星」の木星(ジュピター)のトラック。これもホントにいい録音です。
DG SACDは、万遍なくかけて楽しんだ。ホントに素晴らしいサウンドでした。
このときに感じたサラウンドの鳴り方で面白かったのは、リアの効果。これはエム5さんに言われてみて、初めて気づいたのだけれど、リアって単に包囲感が出るだけなくて、このリアが加わることで、フロントの3本の鳴り方に厚みが出るというか、フロントに影響が出るもんなんだよ、ということ。
リアの前に立って音を遮ったり、逆に音を通したりすることで、フロント3本の鳴り方がずいぶん違うのが実験でわかったのだ。
これは拙宅じゃあまり意識しなかったんだけれど、エム5邸では、それがよく認識できた。
目から鱗というか、ちょっと驚きました。
お次に、3次元立体音響のAuro-3Dの再生。
チャイコフスキー:組曲『白鳥の湖』、ショスタコーヴィチ:組曲『黄金時代』、
ストラヴィンスキー:サーカス・ポルカ、他
山田和樹&スイス・ロマンド管
http://goo.gl/9Vrd41
じつは、これには伏線があった。
いま考えると、その前に、長時間ずっとDG SACDでいわゆる普通のSACDサラウンドを聴いていたから、そしてその直後にこのAuro-3Dを再生したから、その違いがはっきり認識できたんだと思う。
ある意味ラッキーだったかも?
とにかく再生して出てきた出音の一発目を聴いた瞬間、エム5さんが、「(高さが)ある、ある!」。
ボクが聴いていても、ものすごくハッキリわかった。驚きとともにホッとしたというか、肩の荷が下りた感じ。
ふつうのSACDサラウンドだと、大体SPのツィーターより音場のエリアも含めたちょっと上部辺りを中心に水平に取り巻くように鳴るんだけれど、このAuro-3Dを再生した途端、その高さが、天井に向かって部屋の上位のほうから、そして下端は、いままでの水平エリアに至るまでの、幅広い上下感覚の感じで鳴るのだ。
あきらかに高さがある。
悔しいかな、拙宅ではここまではっきり認識できなくて、高さというより深さ、空間が広いのはわかる、そしてエネルギッシュに鳴ることが両立している、というところまで、だった。それがエム5邸では高さもしっかり認識できるのだ。
やはりある程度再生環境のレベルの差はありますね。
その後、メディア含めて、誰もこのことを話題にした記事を観たことがなかったので、正直持論や自分の印象に自信がなくなってきた訳だ。
1番のキモは、天井SPや対応AVアンプを使って、9.1/11.1/13.1chとかやれば、それは効果あるの当たり前でしょ?(笑)
でも映画館ならともかく、それを(特に天井SP)一般家庭に強いるのは無理があるんじゃないの?ということだった。
だから自分が知りたいのは、ロスレスで、9.1→5.1→2.0に変換できるんなら、その5.1で聴いたとき、つまりいまのふつうのサラウンドシステムで聴いたら、ちゃんと効果がある、高さがあるんですか?ということだった。
これに言及した記事は観たことがない。開発者のインタビューで、「5.1にダウンスケールするときに、高さ情報をどのくらい付加するかは、技術者に任される」、というコメントだけだった。これだと、ふつうのシステムでも効果がある、と読めるのだ。
それを確かめたかった。そして、それが見事に立証された。
ちなみに、2.0ステレオでの効果もtomoさんに確認してもらったところ、きちんと効果があるようだ。
ある意味、この結果は影響は大きい。世の中は、2.0ステレオのマーケットのほうが圧倒的なのだから、2chでも高さを感じ取れるとなると、この録音方法が浸透してこれば、2.0ステレオの音質でも高さを感じ取れる3Dオーディオが可能になる、ということだ。
なんかワクワクしてきた。
そして1番最後は、ベルリンフィルの自主制作レーベルのシューマン交響曲全集。
じつは、このCDはウチでは全く鳴らない。
購入当時、自主制作レーベル発足ということで、かなり期待していたのだが、期待を裏切られた感じで、かっ~と頭に血が上り、逆切れ状態の感じで怒りの日記を投稿してしまった。
その後、そのSACDが日本ファン向けということで、発売されたが、確かにCDよりも若干良さげだが、あまり印象は変わらなかった。
これをエム5邸で確認してみたかった。
事前に、エム5さんと、「もし、これで鳴っちゃったら、どうする?(笑)」という感じで笑っていた。
.....が現実となってしまった。(>_<)
なんとエム5邸の2chでは、かなりいい塩梅で鳴ってしまうのだ。
もうこのときの私の青ざめた、冷や汗タラタラと言ったら.......
もちろん万全にすべてが優秀録音という訳でもなく、若干、いままでの印象通り、音場感がやや少なくて、音像型の録音というイメージは、エム5邸でもそうだった。
でもそのつぎにかけたSACDのほうが、ものの見事にその欠点を克服すべく、見違えるように、音場感が豊かになり、潤いのある響きのあるホール感漂う相当いい録音となって化けていた。
SACDのほうが遥かに優れた録音に化けていたのだ。
もうこれには弁解の余地はない。
あえて言い訳をする訳ではないが、拙宅の2chシステムでも、きちんと鳴ってくれる2chソフトは多いのだ。だから、今回鳴らなかったときは、すぐにソフトの録音が悪いせい、と決めつけてしまった。
オーディオマニアの陥りやすい罠として、鳴らなかった場合、それをソフトの録音が悪いせい、にして、自分のシステムを疑うことをしない、ということ。大きな反省点である。
「まず自分のシステムを疑うこと。」
逆切れの投稿を、自分のブログに投稿したのが、2014年7月であるから、ほぼ2年間もの間、ベルリンフィル自主制作レーベルに対して、負のイメージを自分がずっと抱き続け、それがトラウマにもなっていた。
この罪をどうやって償っていこう.....せめての償いとして、「黙秘権を使って、聴かなかったことにしよう」ではなく、きちんとカミングアウトする、ということ。
いみしくも今週末、ベルリンフィルが来日して、彼らの最後の大仕事であるベートーヴェンの交響曲全曲演奏会がサントリーホールで開催される。これよりも前に、きちんとパブリックにしておく、というのが自分の使命だと思った。
もちろん彼ら自主制作レーベルのベートーヴェン交響曲全集も購入している。
最後にオマケとして、映像のほうも楽しんだ。
150インチのスクリーンの大画面で、持参したアラベラ・美歩・シュタインバッハー&NDRの公演の様子を楽しませてもらった。
彼女の演奏姿の映像作品としては、この公演がベストの作品だと思っている。
麗しき、愛しのアラベラ・美歩ちゃんのお姿を、150インチの大スクリーンで、しかもサラウンドで観れたことは最高の幸せでした。
以上が、エム5邸オーディオオフの全貌。ホントに楽しかったし、深い議論も多く勉強になりました。
ありがとうございます。
エム5邸オーディオオフをきちんと自分の日記で書くというケジメをつけられて、本当に安堵しました。
最後に、その昔、ゆうあん邸オーディオオフ直後の食事の時に、ゆうあんさんと話をしたことを......
日本全国で、超金持ちで、目が飛び出る様な超ウルトラハイエンドなオーディオ機器を買いそろえているオーディオマニアの人は、結構いるかも、だけど、その中できちんとそれらを調教して、鳴らしきって素晴らしいサウンドを出している人って、はたしてどれくらいいるのかね???
エム5さんのように、オーディオ機器、そして部屋全体を使いながら、サウンドを追い込んでいってあれだけのサウンドを出している人って日本でもほとんどいないんじゃないの?たぶん日本の3本の指の中に入ると思うよ。
.....と話していたことを思い出しました。
エム5邸訪問 [オーディオ]
「○町においしいトンカツを食べに行きませんか?」といういつもの定型文が携帯メールで来て、ゴローさんの金魚のふんのように、後ろについていった、という感じである。
だからオフ会の主導は、いつもゴローさん&エム5さんで、ボクは見習いADで横にいる感じ(笑)。
そしてそのオフ会の様子は大半がゴローさんが日記に書いていたので自分が書くこともなかった。
残り1回は、ゴローさんが亡くなった後、偲ぶ会を兼ねてエム5邸でオフをやろう、という企画があがって、マイミクさん(Dolonさん、たくみ@深川さん、gfyさん)とで訪問した。
でも、このときも日記は書かなかった。
結局、恐れ多くも、エム5邸に7回も訪問して、1回もオフ会日記を書いたことがない。
今回は、ぜひサシで乗り込んで、じっくりエム5サウンドを堪能、そしていろいろ勉強させてもらって、ぜひ自分の日記にしたい、というのが大きな目的だったのだ。
それが、いつもお世話になっている人への礼儀というものであろう。
前回、訪問させていただいてから、たぶん2年くらいは経つ。
エム5邸も大きく変わった。
リアにB&W N801の導入(ゴローさんの遺言)。そしてGPSクロックの導入。
自分が前回聴いたサウンドからは予想もつかない進化を遂げているはずだ。
エム5さんのサウンドの作り方というのは、ふだんの日記の投稿を読んでもわかるように、第1前提にまずSPから完全に100%の出音を出し尽くす。
(SPからちゃんと音が出ていないのに、ルームアコースティックもあったもんじゃなくて、まずこちらが最優先。)
そして、その後に、SPのポジショニング調整、壁からの1次、2次反射、吸音など、オーディオ機器だけでなく部屋全体を使いながら部屋トータルで自分のサウンドを作り出す、追い込んでいく、というやり方が、エム5さんのやり方なんじゃないかな、と思うのだ。
これって簡単に言うけど、専用のリスニングルームを持っているから、できることで、地方ならいざ知らず、土地代がバカにならない首都圏でこういう素晴らしい環境で聴けるオーディオマニアなんて、どれくらいいるだろう?
みんなマンションのリビングだったり、厳しい制約条件の中でオーディオやっている訳で、ボクは、エム5さんの最大の魅力は、その持っている超弩級の機器群もスゴイけれど、やっぱり部屋なんじゃないかな、というのが自分の意見。
(もちろん全部トータルでマネジメントできる本人の能力が1番なのは当然ですが。)
ゴローさんのオーディオ部屋も、魅力的だけれど、でもある意味、ルームアコースティックという考え方を、最初から切って捨てている考え方のような部屋だった。片側に大きなラックがあるし、ピアノも入っているし。。。
でもこれはゴローさんの考え方・主義なんだよね。
それでいて、奏でる音色が信じられないくらい凄かったりするから、ホントにフシギな人だった。。。
でもエム5さんのオーディオルームは、そのルームアコースティックも完璧なのだ。
きちんとした室内音響理論のもと、エム5さんも、ここにはかなり敏感というか、きちんとした専門的知識を持っていて拘る。実際のところ、エム5邸オーディオルームは、かなりライブな響きで、なにをやっても相当敏感に反応する部屋のように思える。
フロント3本(L,R=B&W N801,C=B&W 802D)色も黒で統一されていて、まさに和製ポリヒムニア・スタジオ!(ソファに座っていて、このフロント3本の絵ズラを見ているとホントにカッコいいんだ!)
ゴローさんの遺言で、リアもB&W801Dで揃える。
エム5邸オーディオルームは、故瀬川冬樹先生のIEC規格の室内音響理論(当日その理論が書かれた雑誌を見せてもらいました!)に基づいた設計で、24畳で、高さ3.2m。高さがある部屋を作るために、地面を深く掘って高さを稼いでいる。
ふつうの家庭用のホームシアタールームだと、センターSPが横型なので、スクリーンを視聴目線に下げられるけれど、エム5邸はセンターSPにふつうのフロントSPを使うので、スクリーン(150インチ)を下げたときに、センターSPが隠れないように、上方に吊るす感じになるんですよね。やや上向き目線。そのために天井が高い。
これが究極のサラウンド音声を楽しめて、映像も楽しめるという感じでかなりカッコいい。
(ゴロー邸では、もう天井の高さがふつうなので、スクリーンを下げたときに、もうセンターSPを全部隠しちゃって、最初から4chサラウンドで映像重視というように割り切っていた。)
壁は漆喰塗り。ウィーン楽友協会の壁も漆喰ですね。響きが広帯域に均一で、どこかでピークを持つなどの強調される帯域がないことが特徴。室内音響としては理想の壁質ですかね。実際近くて触ってみたけれど、もっとザラついた肌触りと思ったけれど、意外やツルツルしていた。色はベージュで品格があって部屋全体が明るい感じでいいですね。
天井も相当に頑丈に作っているらしい。
なんか首都圏だったら、この広さなら、ここに人が住めちゃうというか生活できちゃいますよね。(笑)
なんでも過去に2~3回くらい専用オーディオルームを作り直して、3回目にして、ようやくこの現在の部屋に落ちついたのだそうだ。
もしも、もしもだよ、宝くじにでも当たって、ボクも専用リスニングルームを作れるような幸運に恵まれたら、このエム5邸オーディオルームをデッドコピーだな!(笑)
機器群は、送出系は、メインはEMM Labsで、サブにSONYのAVアンプソリューションという布陣。
やはりDSDマルチチャンネルの権威としては、EMMは世界一だろう。エム5さんの話では、やはりEMMは音が厚いというか肉食系サウンドで、自分の趣向に合う感じなのだそう。
それに対して、国産の機器はどうしても音が薄いというか、草食系サウンドで欲求不満でいまひとつ物足りないという感じなのだそうだ。
でもその中でもこのSONYのAVアンプソリューションは、なかなかのサウンドを出してくれて、サブとしては気にっているとのことでした。(実際は、AVアンプをDACとして使っていて、そのアナログ出力をプリに入力する。)
(ボク自身はサラウンドの送出系としてSONYのAVアンプソリューションをメインに使っています。かないまるさんこと金井さんが渾身をこめて設計した物量投入型の初期の頃のAVアンプを使っていて、自分の5.0chサウンドつくりの基軸になっています。)
GPSクロックは、EMMのほうに注入されている。今回は、EMMメインで聴かせてもらった。
そしてエム5さんのパワーはクラッセ。フロント3本にモノ3台、リアにステレオ1台。
ポリヒムニア・スタジオは、同じクラッセでも1台の筐体の中に、5ch分のユニットが入っている特注品なのだそうだ。やはり電源供給の関係(?)もあり、モノでバラバラで調整するより、こういう1台の筐体のほうが理想だ、とポリヒムニアスタッフは言っていたそうである。
そしてオーディオルームではお馴染みの光景である、SPの前の絨毯によるSPの出音の床からの反射(低音域の全体に対する相対量が多すぎてしまう)対策のための吸音。
結構絨毯の生地にもいろいろ拘って整音のさじ加減を調整している。
面白い話を聞かせてもらったのは、ポリヒムニア・スタジオには、こういう床に絨毯という整音スタイルはないんだそうだ。
.....理由は、目の前に、調整卓があるから。
その代わり、両サイドの壁にそのような調音の仕掛けをしていて、それが絨毯の代わりをしているのではないか、ということでした。
さて、前置きが長くなった。
ずばり今回聴いたエム5サウンドの印象のアウトラインは、まず言えるのは、
①この広いキャンバスなのに、サウンド全体に抜群の定位感があること。がっちりこのエアボ リュームを音で埋め尽くしていたこと。
②音像も明晰だけど、やっぱりエム5サウンドの特徴は、部屋全体を使ったグラデーション豊かな空間表現に魅力があること。
③残響の滞空時間、音の空間への消え行くさまが非常に美しいこと。
この3つにまとめられるんじゃないかな、と感じた。
特に②は、ボク対策として(笑)、普段より、かなり内振りセッティングにしていて、直接音が、2次反射音より早くリスポジに到達するようなSPセッティングをしてくれていたようだけれど、なにせ2年ぶりなので、前がどうだったか、覚えていなくて(笑)、昔と比べると、音像編重なのかもしれないけれど、でもボクには、やはり②のようなイメージが大きく印象深かった。
音像も音場もものの見事に両立していた、ということですかね?
あと①では、なんというのかなぁ.....音のエネルギー感がハンパじゃないというか、なんか根本的に拙宅とは大きく電源事情が違うんではないか、と思えるほど、音の迫力が素晴らしかった。これだけエネルギー感が大きくて、定位感抜群、というのもエム5サウンドの大きな特徴ですね。
やっぱりエム5サウンドはスゴイと思いました。
今回、ボクから下記の大きな課題を持っていった。
①DG SACDの再生。
②3次元立体音響 Auro-3Dの効果。
③ベルリンフィル自主制作レーベルの再生。
スマン!(^^;;
今回のオフ会日記は、相当リキを入れて書こうと思っていたので、思わずエム5邸紹介から書き出してしまい、予想を超えて、長文になってしまった。肝心のオフ会日記はここからなのだが。。。
申し訳ないが2部構成に分けさせてくれ!(笑)