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京都大好き [国内音楽鑑賞旅行]

2日目。今回の京都ツアーの真の目的は、15:30からのコンサート。これには絶対遅れる訳にはいかない。よって初日含め、それまでの間に計画していたスポットは制覇しておかないといけない。

初日終わって、スケジュールはいっぱいいっぱいに押していた。
正直結構プレッシャーはあった。

2日目最初のスポットは、宇治の平等院を目指した。
京都からかなり離れている郊外で、京都より奈良線で、結構の時間がかかる。
宇治に着いてから、駅から平等院に行くまでが、これまた結構時間がかかる。
(徒歩で10分くらい。)

宇治はお茶の街。街の景観を楽しみながら、平等院を目指した。

平等院

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圧巻だった。これは美しい。
京都に残る数少ない平安建築の色彩。平等院の中でもこの写真の鳳凰堂は、とても有名。
あの10円玉に刻まれている建築物こそ、この鳳凰堂なのだ。鳳凰堂には、阿弥陀如来像が設置されていて、信仰の場だけが持ちうる厳粛な空気が漂っていた。圧巻の一言。


この後、当初の予定にはなかったのであるが、奈良線で宇治に行くまでの途中に、稲荷という駅があって、ここには伏見稲荷大社があることを知っていて、ここも有名スポットだったので、ぜひ、ということで途中下車した。

駅前が、すぐに伏見稲荷大社の門。

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伏見稲荷大社

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商売繁盛の神を祀る稲荷社の総本宮。境内は、朱色の社殿や鳥居が立ち並び、特に千本鳥居は有名。立ち寄ったきっかけも、この千本鳥居を体験したかったからだった。

自分の今年の祈願も商売繁盛。願ってもみない絶好のチャンス。
ちなみに、この伏見稲荷大社は、外国人観光客の人気観光スポット 3年連続第1位であるほど超人気なんだそうだ。

お目当ての千本鳥居。

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中にいると、目が回る~。(笑)

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奉納すると、このように柱1本1本に名前を刻んでもらえて、このように立ててもらえる。日々増えているそうだが。。。



スケジュールが押していたので、急いで、京都駅に着いてから、市バスで金閣寺方面へ。
目指すは、有名な石庭がある龍安寺へ。

地図を見ると、金閣寺の傍にあるように見えるのだが、実際行ってみると、なんと徒歩20分もかかるところにあった。時間が押していて、焦っているところに、この徒歩20分は相当堪えた。徒歩20分って相当歩きますよ。(笑)歩いても歩いても、辿り着かない。不安で途中で街に人に聞いたりして確認。足がかなり棒になった。

なんと龍安寺の前にはバス停があって、バスで行けばもっと適切なアクセスになったようだ。

ようやく龍安寺。

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そして有名な石庭。

室町中期に細川勝元が創建した龍安寺。砂紋の描かれた白砂に15個の石が置かれただけの石庭。いろいろなことを連想させる底の深い芸術品。あのエリザベス女王も絶賛していた!

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石庭が目標なので、達成したら、即座に退散。(笑)目指すは、逆に戻って金閣寺。このまた戻るときの徒歩20分がキツかったな。たぶん今回の京都ツアーの中で一番ツライと思った瞬間だった。

京都に来たら、やはり金閣寺、銀閣寺はどうしても寄っておきたい。ご挨拶みたいなもの。
この日は快晴で、休日ということもあって、大変な混雑。過去3回訪問の中で一番混んでいた。

もう相変わらず外国人観光客だらけ。あまりの混雑ぶりに外人さん、切れていました。(笑)このやり場のない、どうしようもない状況にストレスいっぱいだったんでしょう。


やはり京都観光の大本命、金閣寺。圧倒的な美しさですね。

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最後ラストは、銀閣寺。市バスで向かう。
バス停を降りたら、まず、これもおなじみ京都銀閣寺ますたにラーメンの総本山である、京都の中華そば「ますたに」北白川本店へ。

まさに京都ラーメンの聖地巡礼ですね。

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もう店内に入るだけで、すごいクセのある臭みの匂いが漂っている。
そう!この匂い。日本橋本店にはない、この臭み。この匂いこそ、ますたにラーメンの真髄。

さっそく本場のますたにラーメンをいただく。メン固め、ネギ多めで、ごはんもつけて、男らしい!

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そして銀閣寺へ。

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何度も申し上げているが、自分的好みからすると、落ち着いた感じの和の様式美というセンスからすると、金閣寺より銀閣寺のほうが風情があるような気がするのだが、いかがであろうか?


これにて、予定していたスポットはめでたく、全部廻ることが出来た。時間ぎりぎりセーフ。
銀閣寺は交通のアクセスがあまりよくないので、このようにタクシーがスタンバイしてくれている。

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京都来た時は、いつも銀閣寺を最後に持っていき、最後はタクシーで、京都コンサートホールへ向かう、という感じなのだ。


これはさか戻って、初日の夜のことだが、京都タワーにある大浴場も体験。(笑)
初日も本当に歩き回って足が棒になった。湯船で筋肉十分ほぐすことができた。なかなか中規模に豪勢でいいお風呂であった。

写真撮影は、ここまで。裸族が写ってしまい、盗撮行為と間違われるので。(男の裸体でも)
でも、京都タワーでお風呂入る人っていないよね。(^^;

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春の桜の京都劇場、これにてお終まい。お馴染みの京都駅構内にある「京都茶寮」というお店で抹茶セット。去年から3回京都を訪問して、大体のところは網羅できた、と思います。なんか、とりあえずの征服感あり。これで、しっかり自分の街になったような気分です。やはり日本のイメージを国内外に表現できる最高の街だと思いますね。

これですっかり京都大好き、京都フリークになりました。
またチャンスがあれば、訪問したいです。


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桜の春の京都のはずが・・・ [国内音楽鑑賞旅行]

夏と秋の紅葉、そして春の桜の京都を体験する、と目論んだのだけれど、そうはうまくいかないんだな。今年は寒いようで、開花宣言が1週間遅れになるそうで、今週末が4月上旬に満開になるそうだ。

去年2回も京都を訪れたけれど、もうひとつ行きそびれたスポットが、何か所かあり、今回行くことで、全部制覇したいという目論見。

もちろん、本来の目的は、広上淳一指揮京都市交響楽団の演奏会にあった。

今年は、武家政権終焉の大政奉還150周年ということで、元離宮二条城がスポットのようだったので、まず最初にそこを狙った。


今年は大政奉還150周年。

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この季節の二条城は、二条城桜まつりということだったらしのだが、残念ながら桜は咲いていなかった。

元離宮二条城

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門をくぐると、かの有名な二の丸御殿

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さっそく御殿の中へ。やはり京都観光は、圧倒的に外国人観光客に占められますね。80~90%くらいがそうではないでしょうか?さらに中国、韓国のアジア勢が多いこと。話し声で一発でわかる。

二の丸御殿の中は、こんなに薄暗い。床がミシミシと鳴きます。
基本的に城内は、撮影禁止だったようなのだが、まったく気づかず、バシャバシャ撮っていました。(笑)

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そして、ここが大広間。あの15代将軍徳川慶喜が、大政奉還を告げた広間である。

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歴史の教科書で何回観てきたことであろう。
感動したが、思っていたより狭い印象だった。(教科書の絵だと本当に大広間という感じ。)



次に訪れたところが、京都御所。(京都御苑)

二条城と地理的に近いので、ぜひ寄ろうと思った。

首都が東京に遷都する前は、古来からずっと、天皇陛下は、この京都御所に住まわれていたのだ。

これがもう驚くぐらいスゴイ広い敷地なのだ。圧倒されるのと同時に、その中を徒歩で移動するのが相当つらかった。それくらい広い。外は普通の街の喧騒なのだが、敷地内に入るとその趣きというか空気が全然違う。さすがにセキュリティが厳しく、カバン中身チェックをやっていたし、宮内庁の職員スタッフが所々に立っていた。

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まず御殿に入る前がこんな感じで果てしない。(笑)

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これが紫宸殿。

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京都御所において最も格式の高い正殿。即位礼などの重要な儀式がここでおこなわれた。
明治、大正、昭和の三代の天皇の即位礼は、この建物内で行われたそうだ。

その周りは朱肉色のこのような塀で囲まれており、この紫宸殿がものすごく権威のある建物に見える。

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実際天皇が住まわれていた住居として使われていた御殿。

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驚いたのは、この天皇のお住まいの御殿の前に造られていた庭園(御内庭)。あまりの美しさに言葉も出なかった。こんな美しい和の雅を感じる様式美の庭園は観たことがない!

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とにかくとても厳粛な気持ちになった。

つぎに、場所は京都の端のほうにある嵐山まで行くことにした。
地下鉄を乗り継いで、こ~んなレトロな電車(笑)、嵐電線だ。

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私が乗った車両には、偶然にも天井に桜の飾りが!

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なんとも長閑な雰囲気で揺られながら、嵐山駅に到着。

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これはなんだろう???とても日本風で面白い。

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なんとホームの上には足湯があるのだ。和だねぇ。(^^)

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まず目指したところは、渡月橋。

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もうこれはとても有名なところですね。駅を出たら左折して歩いていたらすぐに到着する。

これで、つぎの嵐山の観光名所である竹林の道、竹林の小径を訪れることにした。
今度は駅を出て右折する反対方向にあり、10分位歩くだろうか?

最初、プロの写真で観ると、もうとても幻想的で、感動もんなのだ。
これにつられて、自分はぜひ行ってみたいと思ってしまった。

これがプロの図。

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で、いざ自分が直接行ってみると、確かに感動。写真と違って観光客が多いけれど。でも自分が写真を撮ると、これが全然ダメなんだな。(笑)プロのような幻想的な雰囲気が出せない。もちろん人っ子一人いない現場を作るのだけれど、プロはやっぱりスゴイと思った。

私の撮った図。

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もうこの頃になると足がかなり棒状態。相当疲れていた。京都御所がキツかった。



ついでに、この竹林の小径の隣にある天龍寺の有名な庭園を観ておこうと思った。
天龍寺というのは足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために建立されたお寺だそうである。

そこに有名な庭園があって、嵐山の雄大な眺めと曹源池が一体になったこのアングル。超有名だそうだ。美しい!

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ここまで来ると、足はもう棒状態で限界。空腹の極致だったので、休憩がてら、京都名物であるとうふと湯葉を使った精進料理をいただくことに。


「嵯峨とうふ福」というお店

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湯豆腐と湯葉のいろいろなメニューがあるのだが、私は嵯峨御膳という主に湯葉をメインにした精進料理を選んだ。

嵯峨御膳

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美しい京料理の代表的な感じですね。

一番左下にあるご飯に醤油の餡がたっぷりかかっていて、それに黄身絡み(?)の豆腐と湯葉が絡んだものが、信じられないくらい美味しかった。




初日はこんな感じ。トータル2日間の滞在であったが、本当によく歩いて移動した。
ひとつの場所でじっくりと時間をかけて、ではなく、なるべく有名なところを短時間でたくさん観て回るという貧乏性な性格なもんで、お恥ずかしい限りです。

もし伴侶がいっしょに居たなら、「あなたといると疲れるわ」と言われそうな旅程であった。(笑)


広上淳一さんが京都市交響楽団を振る。 [国内音楽鑑賞旅行]

京都市交響楽団(京響)の創立60周年を締めくくる第610回定期演奏会が京都コンサートホールで行われた。

25/26日の両日行われ、自分は25日に参加。

マーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」という大曲で、合唱を含む総勢411人が壮大な音楽絵巻を繰り広げた。

自分はかねてより、「広上さんが京響を振る」という絵柄をどうしても見ておくことが、自分の音楽人生にとって避けられない運命のように感じて、機会を狙っていたのであるが、創立60周年を締めくくる定期公演のラスト、そして千人の交響曲という滅多に演奏される機会が少ない大曲、という願ってもなかった大舞台で、それを実現することができた。

広上淳一さんは、まさに2017年度で京響常任指揮者としては最長の在任期間である10年目を迎える。 


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広上さんが常任指揮者に就任してからの京都市交響楽団は驚異的な能力の向上を遂げたとして、京都市交響楽団とともに「第46回(2014年度)サントリー音楽賞」を受賞している。

まさに、いまの京響サウンド&演奏スタイルを築き上げてきたのは、広上さんであり、団員からも絶大の信頼を得ているのだ。



自分が拘る理由がもうひとつある。

SNSで交友のある演奏家の方々が、広上さん門下生というか、教えを請うた者が多く、なにかこれも不思議なひとつの縁なのか、と自分で思うところがあった。

広上さんは、1958年生まれ。意外や自分とそんなに歳も離れていない。東京音楽大学出身。
日本デビューは、1985年のN響公演。その後、日本フィルの正指揮者にも就任。

海外オケとの客演では、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、バイエルン放送交響楽団など他多数客演。

2007年には、サイトウ・キネン・フェスティバル松本にも客演している。
群馬交響楽団、札幌交響楽団の友情客演指揮者にも就任。

そんな輝かしい来歴の中でも、やはり京響の占める割合が多く、充実と蜜月の日々を過ごしてきていて、まさに広上さんの分身ともいえるオーケストラなのだろう、と思う。

去年の夏と秋に、京響の演奏は、この京都コンサートホールで堪能できたが、いずれも客演指揮で、やはり「広上さんが振る京響」という図をどうしても観ておかないといけないという想いが強かった。


念願は成就した。願ってもいなかった大舞台のコンサートという形で。


今回の座席は、なんと最前列のスーパーかぶりつき。(笑)

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どうしても、京響&京都コンサートホールの公演でチケットを購入すると、いずれも前方かぶりつきの座席になるのが不思議だ。マラ8の千人の交響曲なので、ステージ後方座席は、合唱団で占有される。


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京響にとって、千人の交響曲を演奏するのは、じつに22年ぶり。

ステージに独唱の声楽家たち(指揮者の前)と約120人編成のオーケストラ、その後方には京都市少年合唱団と、一般公募を含む混声合唱団(後方座席)が陣取った。


この大曲に相応しい壮大なスケール感、合唱のハーモニーの美しさなど圧倒的な公演だった。
特に合唱のハーモニーの美しさは絶品で、音の厚みと和声感のある気持ちよさと言おうか。

いつも思うことなのだが、合唱を聴くとき、どうして人の声ってこんなにドキッとするほど、神聖な感じの美しさで重なり合ってホール内を響き渡るのだろう。楽器の響きにはけっして負けていない、というか根本的に違った魅力の人の声だけが持つ美しさがある。

一般公募も含む、ということだが、かなり高水準の域のように感じた。

広上さんの指揮は、過去2~3回拝聴したことがあるが、こんな間近で観るのは初めて。
汗が飛んできそうな感じだ。(笑)

過去のイメージと変わらず、相変わらずの広上節ともいえる指揮振りだった。
指揮台をピョンピョンと跳ね飛んで、まさに体いっぱい使って表現するエネルギッシュなその指揮法。

指揮者という稼業は、年齢が若い時は、それなりに体全体を使うダイナミックな指揮振りであっても、それが経年とともに、体が言うことを聞かず、年相応の動きの小さな指揮振りに変化せざるを得なくなっていくもの。

あのカラヤンがそうだった。

でも広上さんは御年の割には、まったくそのような心配が要らない、逆を言うと観ている自分たちが心配してしまうほど、躍動的でエネルギッシュそのもの。マラ8という大曲ということもあるが、まさに全身を使って、オーケストラから見事な躍動的なサウンドを引き出していた。

音のうねりやグルーヴ感を捻りだすところなんて見事であった。




今回は独唱の声楽家陣に不運が重なった。


当初予定されていた内外声楽家など、公演間近に続々とキャンセルが相次いだ。
急遽ピンチヒッターが任命された。

以前、堀米ゆず子さんのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のことを日記で触れたが、ヴァイオリン協奏曲でおよそこれだけの難曲を、直前のキャンセルでピンチヒッターで弾かなければいけなかった堀米さんの当時のプレッシャーと、それを見事に演奏しきったことには本当に敬服するばかり。

ゴローさんの日記で、この件と併せて、ピンチヒッターについて、もう2例取り上げられていたことがあったので、紹介しておこう。


35年ぐらい前に、ヴァイオリニストで芸大教授の海野義雄さんが、いわゆるグァダニーニ事件で検挙され ブラームスのヴァイオリン協奏曲をほとんど本番前日にキャンセル。

当時コンサートマスターに就任したばかりの徳永二男さんが、ピンチヒッターに立ち、オーケストラともども火を吹く様に激烈な演奏を展開し、男を上げたことがあった。



さらに、もう15年以上前のことになるが、ゴローさんがN響の番組を担当していたときに同じような状況で ピアノのソリストがキャンセル、 清水和音さんが ブラームスのピアノ協奏曲第2番のピンチヒッターを努めたことがあった。

本番前日のオーケストラとの練習にあらわれた清水さんは、充血した目に牛乳瓶のふたのような眼鏡をかけて 憔悴した受験生のようにすら見えた。 徹夜で練習したのに違いない。そんな姿を 彼が見せたのは初めてで、ゴローさんはとても驚いたそうだ。

なぜなら清水和音さんといえば いつも自信たっぷりで、歯にモノを着せぬ物言いで、その頃、しばしば物議をかもしていたからだそうだ。(真偽は不明ですが?)

結果は 見事だった。これぞ超一流のプロ!という立派な演奏で、ゴローさんの清水和音さんに対する見方が 大きく変わるきっかけとなったそうだ。




この3つのケースを書いてきた曲目が 

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、
ブラームスのヴァイオリン協奏曲
ブラームスのピアノ協奏曲第2番

とそれぞれのジャンルでも指折りの名曲・大曲揃いで、そのことが やはり演奏家のチャレンジ根性を引き出すのだろう。

厳しい見方かもしれないが こういう時にこそ演奏家の真価が問われるのかもしれない。



この日の独唱の声楽家たちは、見事にその重責を果たしていたと思う。マラ8という声楽が占める割合の多い曲で、ものの見事に代役の役割を完遂し、これを聴いていた自分は、まさにこのピンチヒッターという日記を思い出して、彼らを讃えるとともに、このことをぜひ日記に書こうと思った次第なのである。





京都市交響楽団 第610回定期演奏会
2017/3/25(土)15:30~ 京都コンサートホール

マーラー交響曲第3番変ホ長調「千人の交響曲」

指揮:広上淳一

髙橋絵理(ソプラノ)
田崎 尚美(ソプラノ)
石橋 栄実(ソプラノ)
清水 華澄(メゾソプラノ)
富岡 明子(メゾソプラノ)

福井 敬(テノール)
小森 輝彦(バリトン)
ジョン・ハオ(バス)

京響コーラス、京都市少年合唱団 ほか

管弦楽:京都市交響楽団


秋の京都の紅葉散策 そのさん [国内音楽鑑賞旅行]

コンサートがもちろん主の目的なのだが、もちろんこの秋の季節の京都の紅葉を楽しむのも大きな目的でもあったので、最終日の月曜日、1日休みを取って、紅葉鑑賞の日にあてがった。

まず、目指すは平授庵。
ここは最高に楽しみにしていた。

ここもJR東海の「そうだ 京都、行こう。」のキャンペーンで採用された紅葉スポットで、これが実に素晴らしい絵柄で、ガイドブックの写真を観たときは、絶対ここにいくっ!という感じで楽しみにしていたところであった。

建物の室内から外の紅葉を撮影するのが、ひとつのポイントになっていた。

本来であれば、こんな素晴らしいショットが撮影できるはずであった。

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ところが実際行ってみると、こんなん感じであった。(笑)

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紅葉は完全に盛りを過ぎているようだった。あと、入り口の門のところのおばさんに聞いたところ、室内には入れないそうで、そうすると、例の室内からの紅葉の撮影はできないことになる。詐欺だ。(笑)

でも盛りが過ぎたいまの時期だから、そうなのであって、紅葉真っ盛りのときは、室内からの撮影も許可されるのかもしれない。

この平授庵では、こんな庭園もあって、それなりに和の風情があって素敵だと思った。

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また、ここ平授庵では、こんな人力車が大変多く、京都にいたときに感じたのだけれど、結構観光客って、こういう人力車に乗ってみたい、というニーズがあるみたいですね。あちらこちらで、散見されました。

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つぎに目指したのが醍醐寺。豊臣秀吉ゆかりの大寺院で、ここの入り口から入った1番奥にある弁天堂というエリアの紅葉が、ガイドブックにも乗っている最高の紅葉スポットになる。


さっそく、そこに到着。

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う~ん、確かにガイドブックの写真と比べると、盛りは過ぎている感じなのだけれど、紅葉の自然と、全体のフレーム内での構図のセンスの良さは抜群で、これは絵になるショットだと思いました。素晴らしい絶景だと思う。




次に向かったところは、高台寺。

まずは、ここにも人力車がスタンバイされていました。京都では、この人力車に乗ってみたい、というビジネスが盛んなんですね。

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ここはどちらかというと、約1300個もの照明を使う大規模なライトアップが評判で、紅葉の木々が夜の水面に浮かび上がる幻想的な臥龍池が超有名で、このお寺での一番有名なスポットでもある。

どちらかというと夜のライトニングのほうがいい感じですね。

でも、この臥龍池の存在がわからなかった。(大泣)
スタッフの人に聞いても、池はここにありますけど・・・?う~ん?という感じで、心もとない。
結局場所を特定できず、とりあえず、美しいな、絵になるな、というショットを撮影してきました。

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ここは、この時間帯は逆光になってしまったけれど、石&砂の庭園と紅葉が妙にマッチした、とても絵になるフレーム構図だと思いました。

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こんな青竹の森林のような場所もあって幻想的。

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敢えて言えば、このショットが1番絵になるかな?という自分の印象。

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そして最終章の訪問先は、北野天満宮のもみじ苑。
ここは永観堂についで、最高に素晴らしい紅葉スポットだと思いました。

かなりの庭園の広さで、もみじでいっぱい!
樹齢400年以上の楓、豊臣秀吉ゆかりの史跡でもあり、昼間に訪れましたが、やはりここも夜の
ライトアップがいいですかね。

とにかく紅葉したもみじでいっぱい。

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ここの1番の紅葉スポットは、たぶんここ。

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なんとプロのモデルさんによる撮影が行われている最中で、結婚式の記念撮影は、このスポットで撮影しましょう!というプロモ的な写真を撮影しているのだと思う。

ご覧のように照明機材があります。ディレクター、照明係、衣装係、撮影スタッフなど、かなりのスタッフ陣で物々しい感じで撮影がおこなわれていました。

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ショット最終形は、こんな感じなのでしょうか・・・?

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帰りの路すがら、紅葉の落ち葉が川沿いに集まって幻想的。

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紅葉散策の最終地を、この北野天満宮のもみじ苑にしてホントに良かった。
最後を締めくくる最高の紅葉スポットだと思いました。


これにて京都ツアー全日程終了。
自分に、まずご苦労様と言いたい。(笑)

日本の和のテイストを味わう旅行として、京都を選択するのは、至極当然だし、海外旅行とは違った、本当に素敵な体験ができた。まっ自分は、食生活だけでなく、基本、和党の人間なので、大変満足のいく音楽旅行だと思いました。


秋の京都の紅葉散策 そのに [国内音楽鑑賞旅行]

京都に来たら、ベタだけれど、金閣寺、銀閣寺はどうしても寄りたいと思っている。

9月に訪問した時は、とても感動した。特に金閣寺は、入り口から長々歩いていると、突然あの風景が現れるときは、心臓にドキッとするくらい感動するのだ。

紅葉時期を迎えて、綺麗に色づいていると、さらに映えて見えるだろうな、と思い、訪問してみることにした。

まず金閣寺。
意外や、ほとんど色づいていなかった。
でも、この荘厳なお姿は、相変わらず圧倒される。

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どうしても紅葉の金閣寺を撮影したい自分は、スポットを探った。

そうすると、ここからのフレームが、秋の紅葉の金閣寺を連想できて、素敵だと思った。

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つぎに銀閣寺。
こちらのほうが色づきはよいように思えた。

この日は、あいにく1日中雨が降っていて、写真を撮影しても、フォーカスや輪郭が甘いというか、ぼやけているように見えるのだが、でも色づいた銀閣寺は美しい。

まっ、これは自分の嗜好の問題だが、金閣寺も素敵だけれど、銀閣寺のほうが、庭園などの和の様式美が整っている感じがして美しい気がする。

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そして京都市交響楽団の素晴らしいコンサートに大感動して、一気にボルテージが上がり、雨が降っているけれど、遠征して出向いているので、これは行かなきゃ損ということで、この晩も秋の紅葉狩りに出かける。


選んだのは永観堂。

これが大正解だった!

たぶん今回の紅葉散策の中で、1番最高の紅葉スポットだと思えた。

永観堂は、京都屈指の紅葉名所で、平安時代にその紅葉が和歌に詠まれるほど歴史は古く、いつしか「もみじの永観堂」と呼ばれるようになったそうだ。

境内には、もみじが3000本以上と京都で最多!
中心部より寒いので、色づきの良さでも評判が高い。
伽藍や池など、秋の境内は絶景ビューが目白押し。

とにかく、秋の京都の紅葉散策をするなら、敢えて1箇所を選ぶなら、迷わず、この永観堂をお勧めします!

とにかく入り口からこんな絶景な通りが現れる。いやが上でもかなり期待させられる。

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このフレームが現れた時点で、もう永観堂は間違いなし!と確信が持てた。

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以下、庭園内をいろいろ散策して、アンテナにビビッときたショットを撮影してきたので、ご覧ください。境内は、かなり広いです。そして色づいたもみじで一杯!

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たぶん、このフレームが、この永観堂の中で最高のスポットだと思われる。
ガイドブックに載っているのは、このショットだと思います。
美しすぎる!

なんと庭園内には、雅楽の旋律が流れていました。

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ほかにも、帰りの道すがら。。。

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とにかくこの永観堂は最高の紅葉スポットだと、つくづく実感したし、2日目にして、これだけ堪能できたのなら、今回の秋の京都の紅葉ツアーは大成功だと確信できたのでした。


秋の京都の紅葉散策 そのいち [国内音楽鑑賞旅行]

JR東海が、1993年からやっているキャンペーン「そうだ 京都、行こう。」。

そんな昔からやっていたんだ?(笑)

自分は今年になって京都を強く意識したので、このキャッチフレーズも今年になって、はじめて耳にするような感じがした。

なにせ普段TV観ない(少なくとも音声は聴かない)人なので。(笑)

まさに京都には世界文化遺産の寺院が集中していて、「日本&和」を意識する絶景の景色が集中している。

特に秋の京都の紅葉は、大変な人気で、この時期はまず宿泊が取れない。
何か月も前から予約しないといけない。

以前、この時期に宿を取ろうとしたら、東は名古屋付近、西は岡山あたりまで、びっしり予約満杯で取れなかった経験がある。「理由は秋の京都の紅葉は、毎年こんな感じなんですよ。」という旅行会社のお姉さん。

今回、京都のツアーで11月下旬にコンサートに行くので、この時期は紅葉真っ盛りだな、ということで早めに予約しておいた。

紅葉鑑賞はやはり、昼間もキレイだけれど、夜のライトニングのほうが、ずっと感動しますね。
あの衝撃の美しさは、間違いなく夜のほうが感動する。

秋の紅葉の鑑賞の時期のタイミングって難しい。

ガイドブックに載っているような絶景の写真は、もちろん撮影用で、年間の中で最高の瞬間を撮影した写真。自分のように、限られた日程で、いろいろな寺院を廻るとなると、どうしても当たりはずれが出てしまうのだ。

まだ色づいていない、紅葉真っ盛り、盛りが過ぎた、この3種類のどれか。
全部の寺院が揃うということはまずない。

今回行って大正解だと思ったのは、永観堂、清水寺、そして北野天満宮だと思った。
前者2つの寺院は、夜のライトニング。やっぱり夜のほうが感動する。

では、実際の旅行では、3日に分けて、紅葉狩りをしたので、それに合わせて3部構成の日記で紹介したいと思う。



1番最初に行こうと思ったのは、毘沙門堂。
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」の初年度のキャッチコピーのときに使われた紅葉スポットで、


こんな目の覚めるような素晴らしい絶景の写真を期待していた。

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でも実際行ってみたらこんなんだった。(爆笑)

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もうがっくり、の極致。

そのときガイドブックの写真って、絶景の最高のタイミングで撮影しているから、実際はこんなもんかもよ、という友人のコメントもあり、はぁ~、今回の秋の京都の紅葉ツアーって意気込んで楽しみにしていたけれど、実際はこんなもんで、過度の期待はしないほうがいいのかなぁ、という気持ちになった。

申し訳ないが、嫌な運気が漂っている感じがした。

それを見事にぶっ飛ばしてくれたのが、京都市交響楽団のコンサートであった。

大変素晴らしかったので、よっしゃ、夜の紅葉を観に行こうと思い、9月の時は、絶景の撮影ポイントである「奥の院」が工事中で、いい写真が撮れなかった清水寺に行くことにした。


今回学んだことは、やっぱり「秋の京都の紅葉鑑賞」は、人混みとの闘いである、ということ。
ある意味当たり前だよね。みんな考えることは同じなんだから。

とにかく時間に余裕をもって、行列を待つ覚悟でないといけない。

もちろんお寺によって人混みのバラツキはあるのだけれど、特に大激混みだったのが清水寺。

清水寺は、平成20年に開始した平成の大改修工事の真っ只中で修理している箇所がたくさんある。

この大改修は、安全に工事を進める必要と、美しい景観をできるだけ保つため、少しずつ行われてきたのだが、いよいよ「清水の舞台」で知られている本堂が、早ければ来年2017年の春、改修のため素屋根で覆われることになるそうだ。

素屋根で覆われることになる期間は、清水の舞台を過ぎてすぐの高台(いわゆる奥の院)から普段であれば眺めることができる「右に清水の舞台、左に京都の街並み」というおなじみの景色が見れなくなってしまうことを意味している。

その直前ということは、いいタイミングで拝観できると思った。

でも行ったら、地獄が待っていた。(笑)

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この大行列を観て、このまま帰っちゃおうか?と思ってしまった。(笑)
気が遠くなる。


えっつらえっつら、ようやく清水寺の境内に入ったはいいものの、中も大変な人混みで身動きが取れない。もう中でスタッフの方が交通整理をやっているのだ。

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もうこんな状態で、絶景を撮影するポイントである「奥の院」までは、あと1時間かかりそうです、というアナウンス。なんか雨も降ってきた。。。


そして待つこと1時間超、ようやく絶景の撮影ポイントに到着。

おぉぉぉ~!これでオレは十分報われたか???
嬉しかった!

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さらにもう少し離れたところから。左に京都の街並みが見えるようなポイント、つまりを「右に清水の舞台、左に京都の街並み」を探って、こんな感じ。

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ありがとう!もう思い残すことはないよ。



雨は降っていたけれど、足取りは軽かった。
秋の京都の紅葉が、ちゃんと美しいところもある、ということがわかったので、今晩のショットだけでも充分救われた。

大切なものが撮れたので、あとは、帰路の最中、ビビッとアンテナに引っ掛かったポイントを撮影。

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素晴らしかった!

コンサートをきっかけに嫌な運気を一気にぶっ飛ばした!
疲れたけれど、最高の1日となった。




京都市交響楽団定期演奏会 11/26 & 11/27 [国内音楽鑑賞旅行]

前回9月の公演の時は、オーケストラ、コンサートホールすべてにおいて、はじめてづくしだったので、なにか試験を受けさせられているような気分で、心臓が痛くなるくらい緊張したし、まずはオケの技量やホールの音響などを確認するというところから入っていった。

でも今回は、すでに素性がわかっているので、本当にリラックスできて楽しめた。
そしてなによりも、楽曲の素晴らしさ、純粋にこれだけに専念でき感動できた。



メシアン トゥーランガリラ交響曲。



今回のコンサートの感動は、この楽曲に尽きると思う。

もちろん指揮者、ソリスト、オーケストラのみなさんのすべてが素晴らしいのはもちろんなのだけれど、この曲のとてもユニークでちょっと不思議な調性の旋律が、自分の心を鷲掴みにした。

メシアンは、20世紀を代表する作曲家で、ジャンルとしては現代音楽なのだが、現代音楽のような”前衛的”な要素よりも、もう少し万人に受け入れやすいような親しみやすさがある。

今回この曲が、自分の心を動かしたのも、そんなところに要因があるのだと思う。

調べてみると、このトゥーランガリラ交響曲の日本での初演は、1962年、小澤征爾さん指揮&NHK交響楽団によるものであった。

小澤さんは、メシアンの生前とも交流があったようで、このトゥーランガリラ交響曲の録音を捜してみたのだが、意外や数が少なく、その中でも小澤さんは積極的に録音をしている。


そして現代クラシック界で、メシアンの演奏家として第一人者なのが、児玉桃さん。
オクタヴィア時代から、メシアンの作品をずっと録り続け、メシアンの演奏に関しては、彼女の右に出る者はいないと思う。

このトゥーランガリラ交響曲の中で、大活躍なのが、オンド・マルトノという古楽器。この楽器の演奏の第一人者である原田節さん。この曲を演奏するだけでも300回は下らない、という。

そして指揮者が、京都市交響楽団の首席客演指揮者の高関健さん。自分の中では、若き頃にカラヤン指揮コンクール・ジャパンの優勝者というイメージがどうしても強いのだが、児玉桃さんのデビュー以来、ずっと彼女をサポートしてきた恩師のようでもあるそうだ。


こうしてみると、このようなバックグランド&布陣で、京都コンサートホールで、京都市交響楽団の演奏で、この演目を聴くのは、やはり自分の運命のような気がしてならない。


今回の座席は、

初日は、こちら、1階席1列10番目。
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2日目は、1階席3列17番目。
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なんと!驚いたことに、9月のアラベラさんのときの座席と、両日とも全く同じなのである!
こんなことってあるのだろうか!(驚)

神様の誘いんですね。きっと。。。


このトゥーランガリラ交響曲の編成は、最前列に、ピアノをはじめ、鍵盤の古楽器がずらっと並び、その後ろに大編成のオーケストラが陣取るというまさに大編成そのもの。


最前列は真ん中にピアノがあるのだが、その左側に、チェレスタ、ジュ・ドゥ・タンブル、ビブラトンという古楽器が並ぶ。

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右側にオンド・マルトノ。

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ステージ全体を俯瞰してみると、こんな感じの大編成なのである。

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特に、自分の中では今回大活躍というか、曲全体に山椒にピリッという感じで、素晴らしいアクセントを加えていたのが、オンド・マルトノであった。

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オンド・マルトノという楽器自体は初体験ではなく、以前にサイトウキネン松本で、「火刑台上のジャンヌ・ダルク」で使用されていたことで、記憶にあったのだが(このときの演奏も原田節さんだと思う)、こんな至近距離で聴くのははじめてであった。


オンド・マルトノというのは、いわゆるシンセサイザーの原型ともいえる古楽器で、上の写真のように、鍵盤そのものの以外にスピーカーが何個も立てられている。20世紀前半に誕生・発展した電子楽器で♪ピュオ~ンというグリッサンドのかかったいかにも電子音的なサウンドが印象的。

非現実的な宇宙サウンドと言ってもいいのではないか?(笑)

クラシック音楽の世界では、今回のメシアンのトゥランガリラ交響曲がオンド・マルトノを効果的に用いた楽曲として 最も有名かつ成功作だと言えると思う。

ゴローさんが、その昔、サイトウキネンの「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の撮影で、現地から、このオンド・マルトのことを日記にして発信していたことを覚えていた。

その日記の中で、「SACDの初期にDECCAからリリースされたシャイー指揮RCOのトゥランガリラ交響曲では、5.0サラウンドで まさに部屋を縦横無尽に駆け巡り非常に印象的な効果をかもしだしていた。」と書いてあって、うっ欲しい~と思い、捜してみたのだが、廃盤のようで見つからなかった。いつか中古市場で、必ず!(笑)



トゥランガリラ交響曲を聴いての全体の印象。

とにかく不思議な調性の旋律が魅力的で、自分が一番感じたのは、音数が多いな、ということだった。(笑)

古楽器含め、これだけの大編成で演奏される曲なのであるから、ある意味、”音数が多い”のは当たり前なのかもしれないが、座席もかぶりつきということもあって、かなりの迫力で自分に迫ってくる感じで、たいそう気に入ってしまった。

とにかく一番大変なのは、ピアノの桃さん。

まさに80分の大曲で、交響曲という名前だけれども、ピアノはずっと弾きっぱなし。ある意味、すべての楽器を従え、ピアノがぐんぐん引っ張っていっているような”ピアノ協奏曲”で、まさに全身全霊の熱演に、観ているほうが魂を何回も吸い取られそうな感じになった。

交響曲といっても全10楽章からなる変則の構成で、1楽章づついろいろなバリエーションの表現が要求される。静謐な美しい調べから狂喜乱舞の和音の連打に至るまで・・・いろいろな表情を見事演じ切っていた。


京響のオーケストラサウンドも申し分なかった。やはりこのオケは、ホントに弦が極めて優秀。音にしっかりした厚みがある。

そして先日の日記でも書いたけれど、ヴァイオリンが奏でる帯域、ヴィオラが奏でる帯域、チェロが奏でる帯域、コントラバスが奏でる帯域、弦楽器だけでも高域から低域にかけて様々に異なる周波数帯域を持つ楽器の合奏なのがオーケストラ。

この日の合奏は、オーディオ的なアプローチでいうところの見事な周波数領域上での”和声感”を感じるサウンドだった、ように思う。


指揮者の高関さんは、素人の自分がいうのは大変恐縮なのだが、指揮の振りが非常に美しくてレガートな印象だった。特に指揮棒を持たない左手の表情が豊かで美しく感じる。

今は亡き、クラシック写真家の木之下晃さんが、仰っていたことなのだが、カラヤンの指揮の美しさは、指揮棒を持つ右手ではなく、その左手の表情の美しさにある、という言葉を思い出した。

とにかくいままで聴いたのないとてもユニークな楽曲で、演奏の出来含め、今年1年を締めくくるイヴェントとして相応しい素晴らしい演奏だったと思う。

前回の9月、そして紅葉が美しかった今回の11月と、京都ツアーと題して、京都市交響楽団&京都コンサートホールを体験したが、海外音楽鑑賞旅行に決して負けない同等、いやそれ以上のレヴェルの質の高さと充実した音楽旅行だったと、いま回想してみていえるのではないだろうか。


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(左が児玉桃さん、右が原田節さん)





京都市交響楽団第607回定期演奏会
2016/11/26 & 2016/11/27 14:30~
京都コンサートホール

指揮:高関健
独奏:児玉桃(ピアノ)
   原田節(オンド・マルトノ)

管弦楽:京都市交響楽団

メシアン:トゥーランガリラ交響曲(80分)




京都のきめ細やかな和のセンスを楽しみました。 [国内音楽鑑賞旅行]

京都を3日間歩いて感じた印象は、とにかく繊細、きめ細やかな感じというか、”和”てきなもの、日本が古からずっと持ってきたいいものを全て凝縮したような街である、という感じだった。

自分は京都に住んでいたことがある訳ではないし、本来の京都のことを知らないのかもしれないが、でも表面的なことしか知らなくてもいいではないか、と思えるほど、素敵な印象であった。

(数か月前にTV番組かなにかで、表面向きは柔らかいけれど、結構内面は皮肉、陰湿で裏があるとか、京都を揶揄しているのを見て、あまりいい思いをしなかったのであるが。。。)

話しかけると、その応対がとても親切ということ。いつも過ごしている日常空間より強く感じる。みんなすごい笑顔で親切。”おおきに~”という言葉がとても新鮮なアクセントだった。普段、自分の周りでは、まったく聞いたことのない言葉、アクセントだったので、かなり衝撃だった。


今回宿泊したホテルの部屋(シングル)も、素晴らしく和のセンスで素敵だった。

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ホテルに帰ったら、鶴を折って、部屋の清掃担当者名。なんか細やかな心遣いだなぁ、という感じですごい和を感じる。

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こういう素敵な空間にいると、もちろんパソコンを持ち込んでWiFiでネットしていた訳だが、筆がすすむ、すすむ。(笑)普段の自分の汚い部屋で書いているのと違って、こういう京都のホテルで書くと、とても素晴らしい日記が書けるに違いない。(笑)


個室のお風呂とは別に共用の浴場もある。
こんなに和の雰囲気。京都してるー。心地よい疲労感をさっぱり流す。極楽とはこのこと。

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このような京都の寺院巡りを含め、3日間でできるだけ和のセンスを楽しんでこようと思った。しかし、太平洋戦争終結のときに、アメリカが原爆投下の候補都市として京都が入っていたという事実は信じられない驚きと怒り心頭。


京都は、日本古来よりの首都、まさに世界文化遺産の集まりのような街。それを一気に死の灰の景色と化す、破壊するなどとは、考えたくもない暴挙。

京都の寺院巡りをするときの方法は、ずばり”市バス”を使うこと。東京やロンドンは地下鉄が発達していて、地下鉄の最寄り駅に観光地もあってスイスイ乗り継いでいく。京都で、それに相当するのが市バスなのだ。

JR京都駅

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中はすごい近代的なオブジェみたい。

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この京都駅前に京都タワーがある。

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このJR京都駅と京都タワーの間に、市バスの停留所が集中しているのだ。

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ご覧のように、もう観光名所の寺院が行先になって、その寺院をぐるぐる回って巡回するように、市バスのコースって決まっているのだ。だから自分が、どの方面の寺院を巡りたいか、この市バスの掲示板を見て、そのバスに乗ればいいだけなのである。


まずは、金閣寺に行くことにした。

その昔小学生の頃に、実家の九州佐賀県へ家族旅行した時、京都に寄った。そのとき京都寺院巡りをしたとき、銀閣寺は行ったのだが、金閣寺は遠く離れているので、やめようということになって、それ以来変なコンプレックスがある。(笑)

そのコンプレックスを跳ね返すべく、20年前くらいに1人で京都旅行をして、金閣寺に行ったのだがそれ以来。金閣寺&銀閣寺と両方いっぺんに行くのは今回がはじめて。

「金閣寺道」が最寄の停留所。

入り口の正門。

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このお札が入場チケットに相当するもの。

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そして、この景色が一面に現れたとき!もうなんともいえない大感動!美し過ぎる。まさに日本が誇る世界遺産。まさに京都観光の大本命といえるところだろう。

見よ!湖面に金閣寺がそのまま映り込んでいるのがわかるだろう!(水面に映る逆さ金閣)これは、11月の紅葉のときは、もっと感動するだろうな。

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金閣寺は正式名は、臨済宗相国寺派鹿苑寺。室町3代将軍足利義満によって建てられた。まさに公家+武家+禅のコラボ、北山文化の金字塔ともいえる。

金閣寺の前の池である鏡湖池。

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グルリと回って、その荘厳なるお姿を四方から撮影する。

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大体入門して、一通りの拝観コースを歩いたら所要時間1時間くらい。


つぎに目指すは、銀閣寺。既述のように、もう京都市内は、観光地寺院巡りがしやすいように市バスが、その循環をしてくれるのでその行先を見て乗ればいいのである。

金閣寺の前の市バスの停留所では、もう銀閣寺行の市バスが走っているので、それで、そのまま銀閣寺へ直行したわけだ。

フットワーク軽い。(^^)

「銀閣寺道」が最寄りの停留所。

なんと、この向かいに京都銀閣寺ますたにがある。(笑)初日あれだけ苦労して歩いて捜したのに、市バスを使ったらあっという間。(笑)もうスルスルと誘われるように、店に入ってしまい、至極の1杯を。。。

さて、銀閣寺に向かう訳だが、ここはバス停留所から、かなり歩く。ひたすらまっすぐ直進なのだが、結構な距離歩くのだ。

そしていよいよ入り口の正門。

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このお札が銀閣寺の入場チケットに相当するもの。

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さっそく本堂に向かうべき歩いていると、前に和服の女性2人。京都やね~。(^^)

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そして銀閣寺現る。

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銀閣寺と、その周辺の庭園のありよう、だとかを見ていると、いわゆる和の洋式感というか、和のテイストというか、心に染み入ってくる深いものがあるのは、金閣寺よりも銀閣寺のほうかなぁという自分の意見。

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銀閣寺は、室町幕府8代将軍足利義政が建てたもので、正式名称は慈照寺。
義政の美的センスが光る名庭と名建築の競演といったところだろうか。

これも11月の紅葉のときは、ホントに楽しみ!



さて翌日、京都観光のために1日フリーで空けておいた。たくさん寺院を廻ろうとも思ったけれど、結構疲れていて、2つほど廻ったらもういいや、という感じになった。(笑)

まずは、平安神宮。FBへのアラベラさんの投稿を見ていると、この平安神宮を観に行った写真があったので、これは自分も観に行かねば、と急遽決めた。(ミーハー(^^;;)

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これは美しい。早朝に行ったので、人はまったくいなかったのであるが、その美しい姿に言葉が出なかった。明治時代に平安京を造営した垣武天皇を祀って創建された。


この平安神宮の近くに、ロームシアター京都があるんですね。そのとき気づきました。

京都府内唯一の2,000人規模のホールとして、コンサートを中心に講演会や映画の上映会などの開催を通じて(多目的なんでしょうかね?)、「文化の殿堂」として親しまれてきた「京都会館」が、2016年1月10日に「ロームシアター京都」として生まれ変わったとのことでした。

この話は、FBで知っていたので、ここがそうかぁということで感慨深くなりました。
いつか機会があれば、体験してみたいですね。



そしてつぎに向かったのは、清水寺。あの「清水の舞台から飛び降りる」で有名な寺院。

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これが、市バス停留所で降りてからが地獄のような思い。(笑)心臓破りの上り坂が延々と続くという感じで、登っていくのが本当にしんどかった。相当つらいです。

やっとの思いで辿り着く。清水寺では、どうしても撮りたいアングルの写真があった。
それは、とても、とても有名なアングルで、清水寺を向かって右側横の上方から撮るアングル。

ところが、なんと、その日から工事中になってその撮影の境内には行けなかったのでした。
残念極まりない!

打ちひしがれた自分は、仕方なく、下のほうから清水寺を撮るアングルにトライ。
これはなんなく成功。

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このお寺は、釘を1本も使わずに造った(いわゆる懸造という建築様式)冴えわたる職人技で、一度はめたら、決して外れない手法は地獄組みと呼ばれるそうだ。凄すぎる。




これで、もう体力的にも、また市バスでどこかの寺院を廻るという体力はなかったので、これで打ち止め。JR京都駅に戻って、待合室で少し休憩。

元気が少し出てきて、最後として、やはり京都と言えば、祇園だよなぁ、と。舞妓さんが歩く姿を撮影したい、そして京料理というのに舌鼓を打ちたい、という要望が出てきて、急遽、市バスで、祇園へ。


祇園の構造というか見所は、大きく2つに分けられると思う。

それは、いわゆる祇園商店街と呼ばれる四条通り沿いを歩くことと、あと、そこから枝道で、花見小路という通りがあって、これが昔からの京の面影を残す通り。舞妓さんが歩いているのは、この花見小路である。

まず四条通り。”おこしやす”というのが京らしい。

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こんな感じで祇園商店街が立ち並ぶ。風情あります。

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この四条通りを歩いていくと、歌舞伎の南座がありました。

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そしてここが四条通りからの枝道である「花見小路」の入り口。

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ここが花見小路。両サイドにぶらさがっている提灯が風情ある。
くぅぅぅ~残念、舞妓さんは、歩いていなかった。

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この花見小路にある京料理の料亭はたくさんあるのだが、ここで1軒見繕って入ってみる。

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こんな間に通された。畳の部屋なのにテーブルと椅子だ。(笑)

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さっそく、ランチメニューの京料理のフルコースを頼む。4000円です。
全品載せたら大変なので、抜粋で。

いやぁ京料理は、見た目、もう芸術というか、繊細な和のテイストいっぱいで、美しいし、もちろん美味しい。小品の集まりなのだけれど、結構フルコース食べたらおなか一杯になります。

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花見小路には、ほんとうに魅力的な京料理の料亭がいっぱい。
祇園に来たら、舞妓さんを見るという目的は達成できなかったけれど、十分満足でした。



そしてふたたびJR京都駅に戻って、あとはひたすら夜20時の帰京の新幹線まで時間潰し。

今回、京都に旅行するということで、いろいろガイドブックを買い込んで、予習したのであるが、ある疑問があった。

それは、やたらと抹茶関連の食が充実していること。抹茶そのものや抹茶パフェ、抹茶スィーツ、抹茶カフェラテ、などたくさん。紙面をかなりのページ割いて宣伝している。

なんで抹茶なの?抹茶って京都の名産なの?という疑問が湧いてきたのだ。

JR京都駅内にある抹茶専門のカフェ発見。
さっそく入ってみる。

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そこで、抹茶と白菊(という餡子入りの饅頭)のセットを注文。

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大変美味でございました。

そのとき、そのいままでの疑問を店員さんに尋ねてみた。そうしたら、京都の下のほうに宇治という街があって、そこがお茶の名産地なのだ、ということ。つまり、あの有名な宇治茶ですね。なので、抹茶もその宇治茶を使ってのもので、それで、有名なのです、というお答えでした。

私の謎は一気に解決してすっきり。(笑)


いい歳なので、体力的にこれらを廻るだけで精いっぱい。(でも限られた時間で、よく廻っているほうでは?)

11月下旬の紅葉シーズン真っ盛りでは、これらの美景にさらに紅葉が加わる。
相当絵になる、と思います。

さらに京都になると紅葉シーズンでは、単に寺院だけではなく、その紅葉独特の名シーンと言われるようなスポットがたくさんあって、寺院巡り以外にもそのような紅葉スポットを巡るという楽しみがあります。

国内旅行業界でも、毎年、この京都の紅葉シーズンは、大変な大稼ぎ・荒稼ぎの時期で、宿泊ホテルはどこも満席。旅行業界では1番盛り上がる時期ですかね。

東は名古屋、西は岡山に至るまで宿は、びっちり埋まっていて取れないと聞きます。
そんなことも予想していて、11月下旬の京都行きでは、もう宿泊ホテルをしっかり確保してあるのです。

11月下旬の京都は相当絵になる、というか写真映えするシーンがいっぱい撮れそう。
もう一大イヴェントというか、かなり盛り上がりそうです。本番のコンサートとともに昇天したいですね。

今回の京都ツアーでだいぶ京都の仕組みがわかってきたので、11月ではだいぶ楽になるのでは、と。

自分は食事も和党ですが、和のテイスト大好きです!




 


京都市交響楽団 定期演奏会 9/24 & 9/25 [国内音楽鑑賞旅行]

初日の公演を聴くときは、相当緊張したのだった。京都市交響楽団の生演奏を聴くのは、人生ではじめて。深くは言及しないが、自分の音楽人生で必ず通らないといけない公演で、素晴らしくあってほしい!もしそうでなかったらどうしよう?という邪気な考えもあり、かなり緊張していた。

この公演の独奏(ヴァイオリン)は、アラベラ・美歩・シュタインバッハー。

この公演のチケットは、座席指定ができず、カテゴリーだけの選択で、コンピューター側で自動計算されて選ばれるのだが、なんと2日とも前方超かぶりつき!


初日:最前列左側

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2日目:3列目中央

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やはり音楽の神様は、自分に救いの手を差し伸べてくれた。
アラベラさんを至近距離で見たいと思っていたところに、願ってもみなかった音響よりもヴィジュアル優先の座席。(笑)

まず驚いたのは、京響メンバーは女性団員が圧倒的に多いこと。
初日の自分の座席の目の前は、第1ヴァイオリンなのだが、ほとんどと言っていいほど女性団員だったような気がする。

1曲目は、ヴェルディの歌劇「ナブッコ」序曲。
最初の出音を聴いて、びっくり!

とにかく弦の音色が厚くて大音量。とても圧倒的な女性団員で占められている弦の音色とは思えず、男性並み、いやそれ以上のパワフルな音色なのだ。弦合奏の音色が、とても分厚くて、ハーモニーもじつに綺麗に揃っている。聴いていてバランスがいい。分厚く聴こえるということは、低弦などの低音がしっかり土台を築いていて、その上に中高音域がきちんと乗っているのだが、その豊かな低音に見合っただけの量の中高音域が出ていて、その全体のバランスがよいということ。

ヴァイオリン、ヴィオラからチェロ、コントラバスなどの低弦に至るまでフルに出し切っている、どれかひとつでも出し切っていないと、この全体のバランスが崩れて、聴いていて、すぐにわかってしまうものなのだ。

ホールの音響の良さも相まって、とにかく素晴らしいの一言に尽きるオーケストラ・サウンド。

自分は、この最初のつかみがよかったことに、どれだけ安堵したことか、おわかりになるだろうか。(笑)

ナブッコ序曲は、オケの合奏で聴くには、弦を中心にたくさんの楽器が参加する音数の多い曲。なによりも旋律が軽やかで聴いていて、とても気持ちがいい。あっという間の短い曲だけれど、このオケの実力の高さを感じ取るには十分であった。


そして2曲目。ベルクのヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」。
アラベラさん、いよいよ登場。

じつは2年前の2014年に、N響とアラベラさんがこの曲を演奏したのをNHKホールに聴きに行ったことがある。そのときと比べると、やはり女性演奏家って2年も経つとずいぶん変わるものだなぁと感じたことだった。

とにかくいまのほうが遥かに洗練されて垢抜けているし、妖艶さも加わって女性らしくなった。
雲泥の差である。去年に比べ、若干痩せているんじゃないか、とも感じた。

2年前も感じたことだが、やはりベルクの曲は難しい。新ウィーン楽派の礎の1人で、現代音楽の基礎になる無調音楽。普通のクラシック音楽ファンには理解し難い曲だろうな。

やっぱり調性のない曲を楽しむにはコツがいる。

この曲は、オケは伴奏に回って、ヴァイオリン独奏が前に出る曲。

隙間だらけの寒色系の音空間で、彼女の引き裂くような衝撃音というか弓と弦との摩擦音というか、そんな生々しい音がじかに聴こえてくるような感じでリアル感たっぷり。なにか尖った感覚というか、この恐怖の鋭利な世界といおうか。

彼女の演奏も2年前と比べると、随分、演奏の表現に余裕・幅が出てきて大人の装いがした。
いまのほうが断然いいし、やはり成長していると思う。

最後の音色は消え行くような感じで、弓の上げ下げで、息の長いフレーズが続く。そして音が消え去った後、アラベラさんはピクリともせず、沈黙が続く。その間、観客席は咳ひとつせず、息を呑んでその沈黙をずっと見守っている。

どれくらい時間が経ったであろうか。

かなり長く感じた。

フライングブラボーが問題視される昨今、この沈黙をずっと守り続けたこのホールの観客のマナーの良さには、ものすごく感動。なんと素晴らしいんだろう。このマナーは、彼女の演奏に華を添えたと思う。




そして後半。シューマンの交響曲第3番「ライン」。
ようやく京響の演奏に集中できる。(笑)

交響曲にしては、珍しい5楽章構成。
全体のイメージとしては、暖かい感じに聴こえるこの曲。楽章間で、緩急が結構あってドラマの筋書を見ているかのようなストーリー性も感じとれた。

この曲から耳を凝らして京響の演奏に集中してみる。

やはり弦の音色、演奏にとても秀逸なものを感じて、弦楽器間のバランス感覚もすごくいいし、揃っているし、いいオケだな、心底に思う。

ただ、自分的に思うところもないことはなかった。

それは、やや金管が弱いかな、と感じたこと。

たまたま、その曲のその部分的な演奏の出来の良し悪しではなく、2日間フルで聴いていて、やや思ったこと。音色に安定感がないかな、という思いはあった。

人によってオケの演奏を聴く基準が違うと思う。演奏のテンポ、抑揚などの演奏解釈にこだわる人、自分はオーディオマニアなので、バランスにこだわる。座席が悪いと、聴こえてくるバランスが崩れて楽しめない。バランスは、逆に言うと、演奏する側にも起因することで、どこかウィークポイントな楽器があると、全体のバランスを崩す。


でもそれ以外は、ほとんど不満なところはなく自分にとって肯定的な面が多く、素晴らしいと思うところばかりだった。

指揮者のガエタノ・デスピノーサは、若手の有望株で、N響をはじめ、日本でも活躍しているようだが、彼の指揮を見る限り、とてもメリハリの効いたはっきりとした指揮をする人で、とてもわかりやすい棒だと思う。指揮に躍動感があって、曲のリズム、抑揚に彼の動きがぴったり合っている感じで、見ていてとても小気味がいいし、気持ちがいい。オケ側も追従しやすい指揮者なのではないだろうか。



初日は相当緊張したが、想像以上に素晴らしく、2日目は本当にリラックスして聴けた。

「自分の音楽人生で必ず通らないといけない公演」、と大きな見栄を張ってまで宣言したが、でも偽りない気持ちだし、京都まで遠征してきた甲斐があった。

オケのみなさん、ソリスト&指揮者にご苦労様と言いたいし、なによりも自分にお疲れさまと言いたい。(笑)

紅葉真っ盛りの11月下旬に、このホール、このオケで再訪する予定。たぶん紅葉で観光もさらに盛り上がると同時に、公演の方も今年の集大成ということで、自分の今年の大きな事の仕切りごとになるのでは、と期待しているのだ。


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京都市交響楽団 第650回定期演奏会
2016/9/24,9/25 14:30~  京都コンサートホール

指揮:ガエタノ・デスピノーサ
独奏:アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)
管弦楽:京都市交響楽団


前半

ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」序曲
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」

~アンコール
J.S.バッハ無伴奏のヴァイオリンのためのソナタ 第2番からアンダンテ

後半

シューマン:交響曲第3番変ホ長調「ライン」op.97


体験!京都コンサートホール [国内音楽鑑賞旅行]

京都市交響楽団のホームグランドである京都コンサートホールを初体験してきた。
JR京都駅から地下鉄烏山線で、北山駅下車。所要時間30分もしないうちにホールにたどり着く。

自分は、2日とも午前中観光で遠方に出ていたので、そこから、また京都駅に戻るのが大変だったので結局両日とも観光先から直接タクシーだったりした。(笑)

京都コンサートホールは、京都市の世界文化自由都市宣言の理念を具現化するとともに、平安建都1200年を記念して建設された音楽施設で、1995年にオープンした。


京都コンサートホール

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ホール前は、かなり広い広場になっている。

そして写真の立方体の建物がいわゆるフロント空間で、実際のホールは写真左に少し写っている円形の建物のさらに先の上階にあるといったらいいだろうか?

入ったところのフロント空間。

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そこを突き抜けると、円形のこのような素敵な空間が現れる。

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なにかアート的な素敵な空間にデザインされていて、かなり芸術的な雰囲気。

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じつは、ここは通路がらせん状になっていて、ぐるぐると周囲を回りながら上に昇っていくのだ。
ホールの入り口は、この上のほうにある。

そして、このらせん状の通路を歩いていると、その壁の側壁には、なんと、このホールの過去の首席指揮者、客演指揮者、そして、このホールに出演した往年の演奏家や歌手たちのパネルが飾られているのだ。

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現在の首席指揮者の広上淳一さんを始め、小澤征爾さん、ムーティ、メータ、仲道郁代さん、そして、グルヴェローヴァも!じつに蒼々たるメンバーのパネルがかけられている。


大ホールと小ホールがある。
今回は大ホールなので、入り口から中のホワイエ空間を臨むと、こんな空間が現れる。

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そして、ホールに潜入。

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あれ?オルガンが右に寄ってる。。。(笑)


正面の面構えが、左右非対称で、とてもユニーク。
でもアシンメトリーなのは、この面構えの部分だけで、ステージから後方に至っては、きっちりと左右対称。

ホール形状は、拡張型シューボックス。

ステージ背面の座席、側壁の上階や、後方の上階などに座席が申し訳なさそうなレベルで存在して、きっちり厳密なシューボックスというより、いわゆる拡張型。(横浜みなとみらいホールのような感じです。)

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キャパは1839席。かなり容積的につつましやかな感じで、音響的にもかなり良さそうな印象を受けた。1階メインフロアは後方にいくにつれて緩やかなスロープ傾斜がある。このメインフロアはサイドバルコニーによる被りがなくて、拡張型とはいえ、結構シューボックスに近い理想の音響になるような配慮が見受けられた。


肝心の音響なのだが、これがじつに素晴らしい!

ものすごいライブ!


自分は最前列および3列目という超かぶりつきであったにもかかわらず、ものすごく響きが豊富で、響きに囲まれているかのような感覚になった。京響はものすごく弦が秀逸で、音が分厚くて、重心も低い。かなりの音の迫力が自分に襲い掛かってきた。


腹にズシンと響いてくる、という感じだろうか。

直接音主体で、響きが感じづらいかぶりつきの席でも、このように感じるのだから、すごいな、と思ったところだ。

やはり容積が小さくて、シューボックスだと原理的に音が濃い、というかロスするところも少ないので、このように聴こえるのも当然なのかな、と感じた。

いろいろ周りを見回してみると、特に高音域の拡散を狙った仕掛けが随所にあるのが即座にわかった。

まず驚いたのは、この天井に張り巡らされている拡散の仕掛け。

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斜めに切断された2000個(らしい)の立方体がこのように天井の中心全面を覆っているのだ!

これは、かなり強烈な拡散の仕掛け。

なにか天井からいっせいに高域の煌びやかな響きが降り注いでくるような感じがするのは、この仕掛けによるものだろう。ウィーン楽友協会の天井の張り巡らされている華麗な天井画の凹凸と同じ役割・効果ですね。

あと、メインフロアと第1バルコニーのコンクリート側壁にも、人工木材が接着されていて、このパネルの表面には、人工木材の木片がランダムな間隔で固定されているのだ。

波長の長い低域のコントロールは、ほぼホールの寸法比で決まってくるものに対し、波長の短い中域から高域にかけてのコントロールは、このように側壁や天井に凹凸を作って拡散させることで実現するというのが大体コンサートホール設計の常套手段ですね。

スペックによると、満席時の中音残響時間は2.0秒。

まさに響きのいいホールの前提条件である残響時間2.0秒。

ヨーロッパの優秀な音響といわれるホールを片っ端から測定していったら不思議と、どのホールも残響時間2.0秒だった、というミステリーな話を聞いたことがあるが、まさにその神の値である”2.0秒 ”。

どうりで音響がいいホールに聴こえるはずだ。

とにかく音が濃くて、響きが豊富なホールと感じて(大音量を出せる京響の力もありますが。)、素晴らしいホールという印象であった。


ご覧のように、この京都コンサートホールでは、「京都の秋 音楽祭」ということで、この芸術の秋に、たくさんの魅力的なコンサートが開かれる模様である。ダニエル・ハーディング率いるパリ管弦楽団の凱旋ツアー、そして、諏訪内晶子さんをソリスト独奏に迎え、ブロムシュテット指揮によるバンベルグ交響楽団演奏会などなど。

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自分も11月下旬の紅葉真っ盛りに、このホールを再訪する予定。
素晴らしいホールであることがわかったので、次回は緊張せずに安心して聴けそうだ。(笑)



小さな街の素敵な音楽祭  木曽音楽祭 [国内音楽鑑賞旅行]

先週末木曽福島→松本と遠征してきた。木曽福島では、かねてからの念願であった木曽音楽祭を初体験。今年で40周年という伝統ある音楽祭なのだが、不思議といままで縁がなく、今日に至っていた。

大自然の中で、とても上質な室内楽を経験できる、ということで、ちょっと他では類を見ない感じのクオリティーの高い音楽祭に常日頃思っていて、今年こそ、ぜひに、と気合が入っていたわけである。

新宿から特急あずさで塩尻まで行き、そこで乗り換え、木曽福島まで行くのであるが、塩尻からの予定の電車がなんと運休。仕方がなく、塩尻駅で切符を変更してもらうのだが、まぁ、いかにも田舎ののんびりした風情で、怒るとは程遠い世界。予定もかなり余裕を持って立てていたので、テイク・イット・イージーで行こうよ、という感じで、旅のゆったりした気分を楽しんだ。

そうすると木曽福島に到着。

駅前にこのような景観が現れる。

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木曽福島は駅に降り立った途端、大気中に檜の香りが漂っているのを鼻腔に感じる、というコメントをいただくほど絶好の街の景観。

毎年、音楽祭関連の宿泊客で宿が中々取れないらしく、木曽福島駅近辺の宿をあきらめて、電車で近接の街に宿を取るというのが常のようだ。この音楽祭期間に、木曽福島に宿泊しようと思うなら、日程が発表になってからでは遅いので、事前にお宿に当たりを付けて置いた方がいい、ということである。

私は、木曽福島に宿泊するつもりはなく、コンサートが終了したら、そのまま木曽福島から松本まで移動して、松本で宿泊するつもりであった。

ネットの地図を見た限りでは、駅の近くに会場があるのか、という錯覚をしていて、トコトコ歩いて行こうかな、とも思ったのだが、音楽祭の送迎バスがある、ということを事前に聴いていたので、そのバスを利用したところ、駅からスゴイ距離があることが判明。よかった、歩きださなくて....(^^;;)

そして会場の木曽文化公園文化ホールに到着。

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木曽文化公園文化ホールに到着したとき、建物の前に一面に広がるその大自然の美しさに、只々呆然。「小さな街の素敵な音楽祭」というキャッチフレーズが本当によく似合う、こんな大自然の中で聴く室内楽は本当に最高だよなぁという感じでアルファ波出まくり、じつに素敵な佇まいの空間であった。


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そして如何にも大自然の中の音楽祭らしい、木曽音楽祭名物の催しが......


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よくヨーロッパのアルプスの中で見るこの長~い楽器、なんと言うんだっけ?

いきなり会場前の草原で、3人で吹き始める。あぁぁ~いいなぁ。
なんか、これだけでも普段の都会の喧騒からは程遠い別次元の世界。本当に素敵。

この他にも、コンサートの開始のときにもステージの上で3人で吹くのである。

このコンサートの開始を告げるホルンはそのまま、”アルペン・ホルン”と言うらしく、木曽音楽祭名物。これを吹くのは結構難しく、吹く方々は事務局ボランティアの方々で大体、毎年固定メンバーらしいのだが、練習もかなりなさっている、とのこと。

そして開演前には、ホルンの4重奏も!

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開場とともに、まずホワイエ。

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そしてホールの中に潜入。


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ホールは地上の高さから地下に穴を掘って作ったような感じで、キャパは想像していた以上に広かった。座席の傾斜は、かなり急で視認性をよくしてあって、ステージから開口扇形状に広がる多目的ホールのような感じの趣。

地方のホールと言えども、そのホール形状などは、いかにも都心のホールと全く同じようような音響上の工夫が見られる。

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座席が吸音性抜群の布生地で全部覆われているのが音楽ホールとしては珍しいと思った。音響は中庸。響き過ぎでもなければドライでもない、帯域バランスも偏りがない、クセのない、いいホールだと思う。

音色を聴いていて、普通に感動できる、というか違和感はまったく感じなかった。

敢えて、リクエストを出すなら、ステージ前の前方席中央に座ったのであるが、もっとサウンドが前に来てほしい、というか、音量が控えめに感じた。でもこれは楽曲の演奏によるものなのかもしれない。

そして公演は、もうこれはホントに素敵の一言。
この大自然の中で聴いているんだ、という意識も大きいせいか、脳内リラクゼーション状態で聴くこの室内楽のじつに優雅なこと。じつに素晴らしい演奏であった。やっぱり室内楽は素敵。

この「木曽音楽祭」は、亡くなった数住岸子さんが中心になっていた木曽で開かれている音楽祭。
東京のオーケストラの首席奏者を中心に普段聞けない作品が演奏される。
15年前までNHKで中継していたようであるが、できれば再び放映を希望したいところ。

有難くもFBで友人になっていただいている演奏家の方々も数名出演されており、しっかりとその雄姿を拝見させていただきました。

本当に、感動をどうもありがとうございます。

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第40回木曽音楽祭
2014/8/23(土)17:00~ 木曽文化公園文化ホール

コープランド
アパラチアの春(室内楽版)

フルート 佐久間由美子
クラリネット 山本正治
ファゴット 岡本正之
ヴァイオリン 白井 圭・漆原啓子・水谷
晃・村上祥子
ヴィオラ 佐々木亮・桐原宗生
チェロ 伝田正則・花崎 薫
コントラバス 星 秀樹
ピアノ 寺嶋陸也

R.シュトラウス
弦楽四重奏曲 イ長調 Op.2

ヴァイオリン 漆原啓子・水谷 晃
ヴィオラ
大島 亮
チェロ 伝田正則

ラインベルガ―
九重奏曲 変ホ長調 Op.139

フルート 佐久間由美子
オーボエ 古部賢一
クラリネット 山本正治
ファゴット 河村幹子
ホルン 日高 剛
ヴァイオリン 加藤知子
ヴィオラ 安藤裕子
チェロ 山崎伸子
コントラバス 星 秀樹


体験!ザ・シンフォニーホール [国内音楽鑑賞旅行]

1982年の開館以来、去年までずっと朝日放送が運営してきたザ・シンフォニーホール。今年に入って、滋慶学園グループが立ち上げた子会社「株式会社ザ・シンフォニーホール」に完全移管、現在に至っている。

建設、開館当時は、「世界一美しい響き」を目標に、満席時残響2秒となる先進音響技術を導入して設計・建設された。

日本初のクラシックコンサート専用ホールであり、その後につぎつぎとコンサートホールが建設されていった、その先駆け的存在となった記念すべき音楽建造物なのだ。

このコンサートホールの存在を強く意識したのは、1984年にカラヤン・ベルリンフィルが来日して、このシンフォニーホールで公演をおこなったことだ。

当時、その公演の模様は、テレビ朝日で放映されている。
 
やっぱり当時ののカラヤン・ベルリンフィルというのは、映像メディアが発達していなかった時代、いわゆるレコードの世界の中の人たちで、レコードを聴きながら、その演奏姿を頭で空想しながら聴いていた、そういう偶像対象だったのだと思う。 
 
この公演の模様は、著作権の問題なのか、なかなかパッケージソフトにならなくて、不思議だったのだが、最近、カラヤンの遺産シリーズでライブイン大阪1984として発売された。

当時のカラヤンは、このホールをまさに世界最高の音響と絶賛した。

そんな日本のクラシックコンサートホールの草分け的存在であるこのホールに不思議と縁がなく、現在に至る。

そしてついに今回初体験となった。

ザ・シンフォニーホール
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外観は1982年の建造物とは思えないくらい非常にモダンな建物だった。

フロント玄関のところでチケットをチェックして入場する。
入場するととても鮮やかな色彩感覚を持ったホワイエの空間が現れる。

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朝日放送からの完全移管に備えてリニューアル工事をおこなっていて、階段をのぼった2階はティーラウンジになっていたり、オリジナルグッズを販売するショップなどがある。

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そして、いよいよホール内に侵入。

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キャパは音響のことを考えて1704席とあるからさほど大きくない。ホールの形状タイプは、ステージを観客席が取り囲むアリーナ型なのだが、かといって両脇、背面の座席数はほんのわずかで、ワインヤードとは言えない、いわゆる拡張型シューボックスというのが一番妥当な表現だと思う。横浜のみなとみらいホールに雰囲気が似ている。

気になったのは、そのホールの奥行きの狭さ。本当に奥行きが浅いホールという印象をいだいた。

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ステージ天井の反響板もかなりの枚数ぶらさがっている。椀方さんの話しでは、昔はそんなに枚数はなくて、つい最近になってどんどん増設されたのだという。

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そしてもうひとつの驚きは、やはり天井が異常に高いと感じることであった。オーディオルームと同じで、やっぱりいい音響を生み出すには、この天井の高さはキーポイントになっていると思う。

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そして、ここが今回の私たちの座席。
ステージ間近の最前列右の方であった。

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ここからステージを俯瞰すると、まず目に付いたのは、床に立脚型のマイクであろう。今回の公演は収録しているとあって、カメラもあるがマイクもこのようにセッティングされていた。

いまどきのホールは、みんな天井に穴が開いていて、その屋根裏部屋から紐でマイクをぶらさげて収録するタイプがほとんどだ。(あの超最悪の音響のNHKホールでもそうなっている!)

ここのホールは草分け時ということもあって、いまでもこういう床に立脚型なのだと思った。


当時の世界最強の音響は、いまの私たちの耳にはどのように感じたのか?

まず、ステージからの直接音は、輪郭がくっきりしていて、実に明瞭。真横にいる我々の観客席のほうにもしっかりと届く好印象であった。かなりの大音量で、それでいて各々の楽器がクリアに分離して聴こえる。

音像はじつに明瞭だ。その反面、間接音の響きのほうは、残響2秒を唄っている割には、その響きの残像というか漂う余韻というのがあまり感じられず、ドライな乾燥質の響きに聴こえた。

対抗配置のVnの音色を聴いていて、それを強く感じた。もうこれは何度も言っている事だが、最前列だと壁や天井から離れすぎているので、反射音のブレンド感覚を感じるには不向き。もっと後方座席でホール固有の響きであるホールトーン全体が堪能できる座席でないと。

ホール空間のS/Nはいいと感じる。そのための大事なパラメータである無音時のホールの静寂さというのが優れている、と思うからだ。澄んだ空気の感覚でいい印象であった。座席は右端だったので、オケの発音を指向性を感じて聴こえるかな、とも思ったが、そんな心配もなかった。

まぁ全体の印象としては、当時としては最強の音響だったかもしれないが、最新のホールが乱立するいまの日本のホールの中では、まあスタンダードレベルかなぁ、という印象。

コンサートは、飯森範親/日本センチュリー管弦楽団の演奏会で、飯森の首席指揮者・音楽監督就任記念コンサートであった。

プレトークで、テレビ東京の元WBSワールドビジネスサテライトのニュースキャスターであった小谷真生子さんと飯森とでトークを広げていた。

小谷さんの好感の持てるクラシックに関するインテリ感覚が素敵だった。

演目はブラ2とブラ4。前半のブラ2は正直こじんまりとしていて、不完全燃焼のイマイチの感があったが、ブラ4の力演は素晴しく圧倒される素晴しい出来だと思った。

こうして日本のクラシック専用ホールの草分け的存在のホールを体験できて、感無量であった。自分的にも想い入れの深いホールで、積年の想いがあったので、体験できて、すべてがすっきりした感じで、今回の大阪遠征の最大の目的を達成できてミッション遂行というところだった。

コンサート終了後、コンサートゴアで、コンサートホール通の椀方さんの話しだと、いま大阪ではフェスティヴァルホールというのが去年リニューアル改装オープンされ最も旬なホールのようだ。オペラハウス&コンサートホールを兼ねた大ホールで、コンテンツの招聘も素晴しいものがある。ぜひ次回行ってみたいホールだ。

今回行ってみたかった「いずみホール」だが、このシンフォニーホールよりも小さい容積で音響はかなり優れているようなのだが、なにぶんコンテンツの運営がいまいちで、いい公演がない。今回もこれが原因で断念。でも次回から日本センチュリー管弦楽団のホームとして使用されるようなので、期待は持てそうだ。

その他、京都コンサートホールや、そして、椀方さんのお気に入りの兵庫県立芸術文化センターなど、とても魅力的なホールが大阪には存在する。京都コンサートホールや兵庫県立芸術文化センターに関しては収容能力で、シンフォニーホールよりも上回っていること等から、関西圏に於ける来日公演の会場として海外演奏家に利用されることが多いようだ。

あと、もうひとつ気になるのが、滋賀県が3年をかけて建設した4面舞台をもつオペラ専用ホールであるびわ湖ホール。

関西でオペラを観る場合は、大体この滋賀県のびわ湖ホールまで出かけることになる。最近話題だった日本初演のコルンゴルドの「死の都」もこのびわ湖ホールが新国立劇場よりも先に初演された。(演出も違う!)

そこにフェスティヴァルホールという器が大きい最新のオペラハウスが大阪に出来たものだから、関西方面でのオペラ鑑賞もますます現実味を帯びてきて、軌道に乗ってきたのだそうだ。

いやぁ~関西のハコ(ホール)情勢も熱い!次回へのお楽しみに、として取っておこう~!

番外編:八ヶ岳高原ロッジ [国内音楽鑑賞旅行]

今回の旅程の目的は、八ヶ岳高原音楽堂でのサロンコンサート。ところがこの音楽堂というのは、八ヶ岳高原ロッジの付属施設のような関係なのだ。音楽堂でのコンサートを鑑賞した後に、高原ロッジのほうで宿泊、もしくは自分の別荘で宿泊、というブルジュワな図式。

八ヶ岳高原ロッジの場合、”コンサート付き宿泊セット”というプランがあり、コンサート終了後に宿泊する、というのが定番コース。あるいは自分で別荘を持っている人は、高原ロッジのレストランでディナーを取った後に、自分の別荘に帰るという感じなのだ。

ところが八ヶ岳高原ロッジの場合、なにせ八ヶ岳の超高級リゾートホテルだけあって、1名で宿泊しようとすると、コンサート+ブッフェディナー+ご宿泊・ご朝食で1番安いランクでも4万円以上はする。なので、現実問題、私のように音楽堂のコンサートだけを堪能して、日帰りする、という人も多いらしい。

まず最寄駅の野辺山駅で下車した後に、ホテルの送迎バスに乗り込む。ホテルは、山間部の山奥にあって、かなりの距離がある。そして八ヶ岳高原ロッジに到着。

最初に目にした感覚は、ずいぶん小さい外観だな、という感じ。

八ヶ岳高原ロッジ
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公式HPの写真を見ると、かなり映えて見えるのだが、実際目にした感想は、ずいぶんと古い建物、つまり使用感がある、というそんな印象だった。天井、柱の部分で木材が使われていているのだが一目瞭然でわかった。でもホテルの顔であるロビーを見ると、とても素敵な空間だと思った。

ロビー
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廊下
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客室
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サロンコンサートの時間まで、まだ余裕があるので、このホテル内のレストランで昼食を取ろうと最初から予定していた。「レストラン花暦」とピンポイントで決めていた。

これもまた公式HPの写真では店内がすごい映えて見えるので、とても1人では入れないな、と思っていたのだが、実際入ってみるとなんのその凄い古い感じで使用感があって、全然豪華でない。(笑)

普通のちょっとしたレストランみたいな感じでまったくの拍子抜け。ちょうどランチタイムも終了間近だったので、客もほとんどいなくて閑散とした状態だった。だから1人で入るのも全く問題ない。たぶんある程度混んでいてもまったく気にならない、と思う。取り越し苦労だった。あせあせ(飛び散る汗)

レストラン花暦
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さて、どのようなものをオーダーするか?

メニューを見ると、「幸せを呼ぶ青い鳥ランチ」というのが1番売りなのがわかった。このホテルの売店に売っている「幸せを呼ぶ青い鳥チョコレート」というのがあって、このホテルの名物おみあげなのだそうだ。このランチもそれにちなんでいる。その中に入っている青いシートを持っていると幸せになれるという噂があるそうだ。実際に結婚できた人や、病気が治ったなど、色々な報告があるのだそう。

さっそく後で、売店で購入。

これが「幸せを呼ぶ青い鳥チョコレート」。 

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とても小さなパッケージで、中は普通の板状のクリームチョコレートが12個入っている。もちろん青いシートも入っていた。これで私も幸せになれるだろうか......?(笑)

さて、話をランチに戻して、さっそくこの「幸せを呼ぶ青い鳥ランチ」をオーダー。運ばれてきたのは、盛り付けなどフランス料理のように芸術作品だ。でも普段、ガッツリ系の体に良くない独身食生活を送っている(笑)自分にとっては、なんか食べ応えがないお子ちゃまランチだよなぁ~と不謹慎なことを想う。(笑)

前菜:オードブル盛り合わせ
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スープ:本日のスープ

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魚料理:千曲川サーモンのポアレ グリーンピースソース 

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肉料理:信州アルプス牛ロースの角切りステーキ 香味野菜和え 

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本日のデザートと有機栽培コーヒーと青い鳥チョコレートのおすそわけ 

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これでしめて4000円なり。安いかもね。
腹ごしらえが出来たら、ホテル内を散策。

このホテルのフロントのロビーにバードウォッチングができるところがあった。ホテルの窓の外は一面の森林の中で、ホテルの中から双眼鏡で眺めるのだ。なんか自然豊かな環境の中で微笑ましいと思いました。 

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音楽堂のコンサートの時間まで、まだ余裕があるので、ホテル内の喫茶店でブレイク。まぁ、ここもレストランと同じで、公式HPの写真で見ると映えるのだが、実際見るとそうでもない。(笑) 

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でも総じてこのホテルは古い建物だが、ホテル内装は雰囲気があって、まさに山奥の自然の中にあるだけあって、とてものどかで心が静まる感じがするところが素敵だ。

家族持ちの方は、ぜひ奥さん同伴で、この宿泊込みで、サロンコンサートを楽しまれることをお勧めします♪

さて、コンサートが終わった後、送迎バスで音楽堂からホテルまで戻ってきた後、野辺山駅まで行かないといけない。ここはこの夜の時間は、もう送迎バスは運行していないので、タクシーしかない。 (3500円もかかりましたげっそり

その前にひとつアドバイスは、この八ヶ岳高原ロッジ、八ヶ岳高原音楽堂のサロンコンサートに行く場合、送迎バスの時間をホテルに確認して、行きも帰りも電車の時間をピンポイントで決めることをお勧めする。特に小淵沢から野辺山までの小海線は本数が少ないので、帰京するときノープランだと往生する。

タクシーを頼んでホテルから野辺山駅まで送ってもらう。そのときに先の日記で述べたが、この運ちゃん、じつに経験豊富でこの音楽堂が出来たいきさつから、武満さんのこの音楽堂での音楽監督時代のエピソードなど、それこそ盛り沢山の話を聞かせてもらった。

やっぱりタクシーの運ちゃんの話は地元に根付いたかなり泥臭い運営面などの話など参考になる。ネットで調べても、こういう話は、なかなか知ることができない。

もうひとつ面白かったのは、音楽堂、高原ロッジから野辺山駅まで、タクシーを使うと、山間部の中の道を通るわけだが、ここには凄い鹿が生息しているのだ。なので、40~50km以上のスピードで走っていると、鹿が飛び出してきて衝突することは頻繁なのだそうだ。だから常に40~50km以下のスピードで走ることが重要。今回もその話をしながら、運ちゃん急に減速して、「ほら!そこにいるでしょう?」と言われて、道路の横を見ると、確かに野生の鹿が2匹いた。鹿の繁殖というのはすごいらしくて、毎年何千頭という感じの凄い繁殖力なのだそうだ。毎年おこなう鹿狩りの処分が大変なのだそうだ。

無事野辺山駅まで送ってもらって、そのときに、運ちゃん、「この駅は夜は無人駅なので、注意してね。整理券を自販機で発券して、到着の駅で清算という仕組み。そしてホームは向かい側だよ。」と教えてもらった。

切符はあからかじめ、事前に購入していたので、問題なしだったが、ホームはなにか標識がある訳でなく、どちらのホームが上り、下りなのかまったくわからない。聞く人も周りに全くいない。ちょっと怖くなった。これは運ちゃんの一言があってホントに助かった。無人駅は恐ろしい。

そして古淵駅に到着。そこで後は特急あずさに乗り込むだけだ。あとは新宿まで一直線。安堵感が溢れる。

ところが待てども、まったく電車が来ない。構内アナウンスがあって、鹿と衝突した、という。(苦笑)いま鹿を搬出している最中ですので、お忙しいところ申し訳ありませんが、もう少しお待ちください、とのことだった。やっぱり鹿.......やはりこういう山麓ならではだなぁと思った。

ちなみにホームで待っているとき、私の世代の囲碁棋士の大竹英雄さんがいらっしゃいました。(たぶん間違いない。)すごい若い美人の方と同伴でした。(あまりに美しい方なので驚きました。)娘さんでしょうか?やっぱり同じく音楽堂コンサートにいらしていたのかしら?

そういう訳で待つこと1時間弱。ようやく特急あずさに乗り込むことができて、自宅に着いたのは夜中0時を廻っていました。やっぱり日帰りはきついですね。

体験!八ヶ岳高原音楽堂 [国内音楽鑑賞旅行]

世界的なピアニストであるリヒテルと日本を代表する世界的作曲家の武満徹のアドバイスにより設計された究極の木造ホール。じつは、この音楽堂、単独の施設というより、八ヶ岳高原ロッジという超高級リゾートホテルの付属施設のような位置づけだ。音楽堂で開催される室内楽は、「八ヶ岳高原サロンコンサート」という呼称で、クラシックに限らず、いろんなジャンルのコンサートが開催される。有名アーティストによる公演も年間10公演くらいあるようだ。

”コンサート付き宿泊セット”というプランがあり、コンサート終了後に八ヶ岳高原ロッジに宿泊する、というのが定番コースのよう。

ところが、なにせ八ヶ岳の超高級リゾートホテルだけあって、凄い高い。1名で宿泊しようとすると、コンサート+ブッフェディナー+ご宿泊・ご朝食で1番安いランクでも4万円以上はする。助かったのは、”コンサートのみ”という日帰りプランもあるのだ。なんとお値段8000円!これしかない。まさに自分の目的にぴったり。さっそく実行。 

1年前から行きたくて行きたくて、ずっと温めてきたプランだった。実現できて感無量だった。

最寄駅の野辺山駅から、八ヶ岳高原ロッジに行く送迎バスがあって、それに乗ってホテルまで行く。駅から山間部をどんどん入っていく感じで、距離的にかなり離れている。(タクシーの運ちゃんに後で聞いた話では、音楽堂まで含めると12kmくらい離れているんだそう。)

途中の景色は、植林されたカラマツの樹木が綺麗に立ち並んでいて森林の中を進んでいく感じで、すこぶる美しい。さすが、軽井沢と並んで、日本で屈指の別荘地帯である八ヶ岳。晴れていて八ヶ岳の山麓も綺麗にそびえ立っているのが見えるし、その景観は圧倒される。なんか別世界に来た感じだ。まさしく和の美的センス。

八ヶ岳高原ロッジは、そのような森林の山奥にある。ホテルにバスが到着し、まずはホテル内のレストランでランチ。そしてホテル内を散策。ここら辺は明日の日記で書こう。

八ヶ岳高原音楽堂は、この八ヶ岳高原ロッジから、さらに送迎バスで、これまたかなり離れた山奥にある。

到着して、バスを降りると、そこに八ヶ岳高原音楽堂が現れた。
避暑地の美しい自然の中に佇む素敵な施設という趣の外観ですごい洒落ている。

八ヶ岳高原音楽堂
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さっそくホワイエに入ってみる。
自慢の木造建築ということもあって、ホワイエも木目調のデザインが美しいしっとり感のある落ち着いた感じだ。ここの椅子は特徴があって、ホール内、ホワイエと、この椅子が共通に使われているのだ。

ホワイエ
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さっそく受付をする。ここで開催されるサロンコンサートのチケットは事前に電話で予約する。支払、発券は、当日のホール内で行うのだ。さらに座席番号は、そのホールで抽選でおこなう。私はクレジットカード決済をして、いよいよ座席抽選。なんと最前列の右側だった。はっきり言って青ざめた。 音響的にいわゆる”かぶりつき”の最前列は自分の好みではないし、せっかくはるばる遠方から来ているのだから、ホールの響きを堪能したい、という想いもあって中央から後方席を望んでいたのだ。後述するが、この座席が後で感じる物足りなさを感じる原因のひとつだったように思う。

さて、いよいよホールの中に入る。

 ホール 背面からステージを撮った場合(逆光で見えにくくて申し訳ない。)
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 ステージ側から背面を撮った場合。koTKG8GjyKZ_CiJ1370067777[1].jpg
 
そして圧巻の天井。
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ホールの入り口を撮った場合。
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ホワイエ、ホールで共通に使われている椅子。
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カラマツやツガなど4種類の木材を組み合わせて作られているそうで、ホールは六角形の独特の形状をしている。このホール独特の仕掛けとして、ホールの側面がすべてガラス張りになっていて、外の緑の大自然の風景が視覚に入るというようになっている。

音の反射などを考えると、そこだけガラスというのもマイナス材料にも思うのだが、それを差し引いてでも、いわゆるコンサートを鑑賞しながら、外の自然が見える、といういわゆるセレブ感を醸し出すパフォーマンスに重きを置いているのだろう。

実際、客席に座りながら、このガラス越しに晴れているときは富士山が見えるように設計されているのだという。

夕方になると陽が落ちてきてくるのだが、そうするとステージ上方の照明でステージの演奏者のところだけがライトアップされる。その薄暗い外の自然風景との対比で、そのライトアップされたステージがじつに視覚的に映えるというかヴィヴィッドな感覚なのだ。

木造空間の音色の素晴らしさは、その視覚効果もあるのだと思っている。木材を見ていると自然と心が和むし人間の五感に優しい感じがする。そういう中で自然の緑との調和も含めて、視覚効果から豊かな気分にさせる、そういった仕掛けがこのホールの1番の特徴なのだと感じた。

音響面では主に室内楽の演奏を想定していて、小ホールという佇まいで、理想的な残響1.6秒を達成ということ。キャパは250名。写真でもわかるように本当にこじんまりとした小空間で、室内楽を楽しむには、広すぎず、狭すぎずのフィットした音響を得られる最適空間だと思う。

また木のホールならではの耳に心地よい柔らかで自然な響き、そんな素晴らしい世界だった。吉村順三設計事務所が建築で、音響はヤマハ音響研究所が担当している。

ここで、前橋汀子さんのヴァイオリンリサイタルを聴くことができた。このホールのサロンコンサートでは、それこそいろんなジャンルのコンサートが開催されるのだが、ぜひクラシックを聴きたかったし、弦とピアノの音色を聴けるのは嬉しかったし、そのためにピンポイントでこの日程にしたのだ。

実際自分で聴いた印象。まずライブでもないしデッドでもない中庸、ニュートラルな響き具合だ。帯域バランスがどちらかに寄っているなどというアホなこともない。

ピアノの音色はいい。問題はヴァイオリンだ。予想していたほど綺麗な音色に思えない。このときは正直青ざめた。

演奏中いろいろ考えたのだが、自分にとってヴァイオリンの独奏をこんな至近距離で聴くなんて、いままで経験がなかった。ボーイングや弓使いなどの細やかなニュアンス、息遣いなどが感覚的なのだが全部聴こえてしまう感じで、美しくない。こういうのってある程度マスクされていたほうがいい。

先日ヒラリー・ハーンをみなとみらいで聴いたばかりなので、そのときはまったく感じなかったものが、今回聴こえてしまう感じだった。ヴァイオリンの音色を至近距離で聴くことの難しさだと思った。あとヴァイオリンを弾いているときの音色の余韻というか響きがあまり感じられなかった。

思うに、やはり最前列というのが問題かと。最前列はステージから発せられる直接音はしっかり聴こえるけど、壁や天井からの反射音は聴こえずらい。響きを堪能するなら、中後方がベストだ。やはり人間の耳に心地よい音色で聴こえる仕組みは、この直接音と反射音がブレンドされて聴こえてくるところにある。

そんな不満を開始時から抱いていたのだが、それも3曲目のブラームスのソナタから、あまり気にならなくなってきたというか、いま発せられている音色で演奏に集中できるようになった。今回の演目はどれも聴きやすい珠玉の名選曲で、コンサートが後半になればなるほど、どんどん盛り上がっていく、そんな心使いがあるようだった。特にブラームスのソナタは大好きな曲なので最高に酔いしれることができた。

前橋さんは、前半は黄色のドレス、後半は赤いドレスという衣装替えで、華やかなそのもの。

今回このホールを経験して思ったことは、この八ヶ岳高原音楽堂でのサロンコンサートというのは、木造ホールの柔らかい質感の音色と同時に自然を取り込んだ視覚効果抜群の内装空間の美しさの双方で、観客の気持ちを高揚させるそんなセレブ感溢れる演出がとても素敵なのだと思う。

いつも経験している都内のホールでは到底味わえない、ゴージャスで自然の和みのセンス、セレブご用達のホールなのだ。過去にはリヒテルはもちろん、アシュケナージ、ミーシャ・マイスキー、ブーニンなどがこのホールで演奏している。

帰りの最寄りの野辺山駅までタクシーを使ったのだが、この運ちゃんがじつに物知りでいろいろなことを知っていた。この音楽堂が完成したころ、武満徹さんが音楽監督をずっと勤めていて、よく昔は10日連続で、この音楽堂で音楽祭が開催されていて業界の有名人などがよく招待されていたということ。実際、武満さんは軽井沢に別荘を持っていて、その武満さんをよく送った、という経験があるそうだ。

客層は品位が高く、音楽堂のコンサートが終わったら、そのまま高原ロッジで宿泊と同時に、この八ヶ岳に別荘を持っている人が、音楽堂のコンサート終了後に、自分の別荘で宿泊する、というそんな感覚なのだそうだ。

いまの自分とは別世界のそんなブルジュワな世界を垣間見たそんな感じがする体験でした。xEeS2lGhG7dlwmB1370067983[1].jpg


八ヶ岳高原音楽堂サロンコンサート
2013年5月25日 17:00~19:00
八ヶ岳高原音楽堂

J.S.バッハ:G線上のアリア
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 K.296
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 作品78 『雨の歌』

【休憩】

パガニーニ(クライスラー編):ラ・カンパネラ
フィビヒ(ジャムリー/バツェヴィッチ編):<夏の夕べ>作品41-6~『詩曲』
シマノフスキ:<神話-3つの詩> 作品30より『アレトゥーザの泉』
シャミナード(クライスラー編):スペインのセレナード
サラサーテ:アンダルシアのロマンス
ドヴォルザーク(クライスラー編):ユーモレスク
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリツィオーソ 作品28
バルトーク(セーケイ編):ルーマニア民族舞曲
モンティ:チャールダーシュ

ヴァイオリン:前橋汀子
ピアノ:松本知将


体験! 札幌コンサートホール Kitara [国内音楽鑑賞旅行]

このホールは1997年に開館された、という。ずいぶん前のことだ。お恥ずかしい話ながら北海道民としてその存在すらまったく知らなかった。そもそも知ったきっかけというのは北海道の実家でTVを観ていると、そのローカルCMで、このKitaraのCMが随分頻繁に流れるのだ。

北海道の実家への帰省は、それこそ大学を卒業して上京以来、ほぼ毎年おこなっているので、25年以上も経過する。それなのに、KitaraのCMを観るようになったのは、ここ2~3年のことだ、と思う。

ものすごい頻度でCMが流れる。CMの内容は、コンサートの告知だ。
首都圏に住んでいる自分にとって、クラシックのコンサート告知がこんな頻繁にTVに流れる、というのは、首都圏では絶対あり得ない、ことだと思った。プロ野球の日本ハムのCMもすごい。

やっぱりアーティスト招致のためのスポンサーを地元ローカル企業などで支援していることもあり、そのための集客のための宣伝活動というのをメディアを媒体に北海道あげて応援するというのは当然のことなのだろう。

コンサートを運営する基盤がすでに長い経験でインフラとして整備されている首都圏とは根本的に違う、地域ローカル型の仕組みなのだと思う。

ホールフェチの自分にとって、実家の北海道にこんな立派なコンサートホールがあるならぜひ行ってみたい、と思うようになるのは必然だろう。ここ2~3年の間で、すごく気になるコンサートホールになっていった。

さっそく今回の帰省の機会に体験することにした。
場所は、札幌の地下鉄南北線の中島公園駅で下車、3番出口から徒歩7分だ。
3番出口を出ると、右に曲がっていくと、すぐに「札幌コンサートホール」という案内掲示板が出ていて、その方向にただ進んでいけばよく、迷うことはほとんどあり得ない。

そしてついに現れた。すごい巨大なドームだ。外観はコンサートホールというよりも企業の展示会を開くドーム会場のような感じだ。

札幌コンサートホール Kitara
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ガラス張りのエントランスホールは、ゆるやかな曲線をもって構成されている。開演前の待ち時間を快適に過ごせるように、広い空間を確保している、という感じだ。写真の先のほうにある階段を登りきったところに、小ホールのエントランスがある。写真を撮影している私の後ろのほうが大ホールのエントランス。
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大ホールのホワイエは、オペラ階段をあしらった吹抜け空間となっており、カフェコーナー、クロークなどがある。なかなか近代的なデザインだ。ちなみにドリンクコーナーは、ソフトドリンクは300円だ。都内のホールだと600円はする。さすが北海道は安い!
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そしていよいよホール内に入る。このときが1番興奮する。ホールフェチの自分にとって、はじめて経験するホールは、ホワイエで待っているときからドキドキしていて、そしていよいよ開場というところで、ホール内に入ったときに目の前に一面に現れる、そのホールの内装空間。

このときは、いつも自分は逝ってしまう。(笑)やはりこういう趣味を持っている人間にとって、この瞬間が最高のひとときなのだ。

夢中で写真を撮る。

3階席から俯瞰したホール
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私の座席~1階3列目の真正面
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ステージから後方席を撮影。
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側方の木造のモコモコのインテリア
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このホールはアリーナ型のワインヤード形式のホール。
このホールを俯瞰すると、その全体が持っている雰囲気、色調のデザインなどサントリーホールにそっくり。特に天井の造り、ぶらさがっているシャンデリア風の照明などサントリーの忠実なデッドコピーと言っても過言ではない。結構サントリーを意識してデザインされている感じを抱く。

ステージ前から客席全般を撮ると、後方になるにつれ、観客席の勾配が小さく、なぜか天井との間隔が狭く閉塞感を感じる造りだ。また、この内装デザインの一番の特徴は、階上席の客席の縁取りが曲線状になっているところだろう。このデザインがホール全体のイメージを作り出している。

キャパは2008席ということだから、サントリーやみなとみらいと同じくらいだ。
建物の外観からするともっと大きいと思っていた。

事前にマイミクさんに情報としてもらっていたのだが、このホールは木造ホールである。北海道の木材を使っているらしい。曲線状になっている客席の壁の表面だとか、ホールの左右側面上の不思議なモコモコのデザインなんかの塗装表面を観ると確かに木目調で、木造である。この側面上のモコモコのデザイン、音の反射などの音響を意識しての形状な
のだろうか?それともただのインテリア感覚?

もうひとつ気になったことは、ステージ上方に反響板がなかったこと。
ワインヤード形式の場合、ステージが観客席に囲まれているため、ステージから発せられる直接音が反射するための壁が遠くて、音が拡散気味で薄くなる、という欠点がある。それを少しでも緩和するためにステージ上方に反響板がある。

シューボックスのホールであれば、ステージからの直接音は側方、後方の壁ですぐに反射され(間接音:響き)、それがステージからの直接音といっしょに混じることで客席の方の耳に心地よい音響となる仕組みなのだ。側面の壁からの反射音が大きいほど音源の広がりや、音に包まれた感じがする訳である。つまり音が濃いのである。

でもシューボックスだと中、後方席の人がよくステージを見れない、視認性が悪いという問題もあって、視認性改善のためにステージを観客席が取り巻くというワインヤード型が考案された、という経緯がある。

でもそれが原因でこのワインヤード形式の永遠の音の欠点が課題として残ってしまった。

でもミューザ川崎も反響板は見当たらない。最近の新しいワインヤード形式のホールには反響板はないみたい。なくても問題ないようにどこかで音響上の工夫がされているのであろうか?

さて、肝心の音響はどうであったか?
今回の公演はオケではなかった。本当は札響(札幌交響楽団)の演奏をこのホールで聴きたかったのだが、カレンダーの都合により無理だった。そしてオルガンコンサートにした。後述するがオルガンはそれはそれで素晴らしいのであるが、ホール全般の音響の印象を感じ取るには、やはりオケが1番自分にはわかりやすい。いままでもずっとそうしてきたからだ。

そういうことで正直、今回の経験だけでは、このホールの音響の印象を捉えることは出来なかった。

スマン、申し訳ない。

ただ、コンサート開演前の観客席のざわめき、話し声の響き方を聴いているだけでも参考になる。それによるとそんなに響くという感じでもなく、どちらかというとデッドな印象を受けた。

木造ホールなので、響きがやわらかい暖色系の質感という印象を抱く。
それを確かめるために、ぜひここで弦の音色を聴いてみたかった。
ヨーロッパでは、よく木造コンサートホールに音響上の失敗は少ないと言われていて、その原因が木材は低音域をほとんど反射し、高音域を程よく 吸収するため、残響時間に高音、低音でばらつきが少なく平坦になりやすいことにある、という理論がある。全帯域において時間差なく耳に届くというのは、聴感バランスが良いのだ。

ヨーロッパの木造ホールで音響が素晴らしい代表的なホールが、アムステルダムのコンセルトヘボウ。
じつにやわらかい質感の音色で素晴らしかった。

ここKitaraでもきっとそのような素晴らしい音響が期待できると確信する。

でも思うにこのホールでオケを聴くのはスケジュールさえ合えば結構簡単なことかもしれないけど、ここの自慢のオルガンの音色だけを満喫するという経験ってなかなかできないのではないだろうか?そういった意味で、今回の経験はよかったと思っている。

オケは近いうち絶対経験する。


さて、今回経験したのは、オルガンコンサート。

これがKitara自慢のパイプオルガン
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大ホール正面に立つオルガンは、アルフレッド・ケルン社が、Kitaraのために2年の歳月を費やして製作したもの。パイプの数は4976本。およそ70ストップから生まれる豊潤な響きは聴衆の心をゆさぶる。日本の数多あるコンサートホールに存在するパイプオルガンの中でも、このKitaraのオルガンは大きいほうで有名なのだ。(サントリーやミューザ、芸劇など上には上があるが。)まさに壮大な音色だった。

重厚なオルガンの音色がホール一杯に広がっていく”音のさま”は、まさに圧巻。重厚な響きなんだけど音色はすごい多彩というか色彩感豊富な感じだ。また奥行きや深みも感じられる。特にオルガン特有のあの重低音、ホール全体に響き渡っていると聴いているとなんかクラクラめまいがするというか、酔う感じなのだ。

文字通りそのままだとオルガニストの背中しか見えないため、側方にカメラを用意して、横から見た様子をステージ上に設置されたスクリーンで映し出す、という工夫をしていた。
これだとオルガニストの演奏風景が良く見える。

そうするとスクリーンで見ると、この大オルガン、手鍵盤4段と足鍵盤の2種類を巧みに使って演奏しているのがよくわかる。特に足鍵盤で操作してもきちんと音色が奏でていて、ピアノのペダルとはちょっと役割の意味合いが違うのがよくわかった。

Kitaraの有名なパイプオルガンの音色を聴く、というのはとても貴重な経験だった。

近々にアンネ・ゾフィー・ムターがこのホールでリサイタルをするそうでCMが頻繁に流れていた。行きたかったなぁ。
弦の音色を確認する上では申し分ない。

これを機会に、今後北海道に帰省したときは、必ずこのKitaraでコンサートを聴くことに決めた!
CMを観ていると、札幌交響楽団の定期公演は当然にしても、外国有名演奏家を結構招致したりしていて、順調なご様子。楽しみなホールが、またひとつ見つかった、という感じだ。


オルガン名曲コンサート

2013/5/3 15:00~17:00
札幌コンサートホール Kitara

J.S.バッハ トッカータとフーガ ニ短調BWV565
フーガ ト短調BWV578「小フーガ」
ルフェビュール=ヴェリー ソルティー
アラン   リタニーJA 119

(休憩)

J.S.バッハ 前奏曲とフーガ ニ長調BWV532
リスト    バッハの名による前奏曲とフーガ
ワーグナー/リスト編曲 楽劇「タンホイザー」より巡礼の合唱Ⅱ
ヴィドール オルガン交響曲 第5番 ヘ短調 作品42-1より
       第5楽章 トッカータ

オルガニスト:椎名 雄一郎
         マリア・マグダレナ・カチョル (Kitara専属オルガニスト)


水戸芸術館で水戸室内楽定期公演 [国内音楽鑑賞旅行]

首都圏の大雪で散々だった水戸遠征。でも今年の年初の聴き初めのコンサートにふさわしい素晴らしいコンサートでした。去年秋に、はじめて水戸芸術館に出かけて、水戸室内楽を聴いてきて、室内楽に適した容積のホールで聴く豊潤な濃い音色がする室内楽を堪能して感動しました。

そして今回は、大野和士さんが、水戸室の指揮台に初登場ということで、この演奏会を今年の聴き初めとするべく楽しみにしていたのです。

まず、その前に水戸芸術館のホールの印象について述べてみたいと思います。
水戸と言うと首都圏から遠い感じがしますが、じつは上野から電車で1時間くらいで行けるのです。なので日帰りで行ける。(特急~常磐線・特急スーパーひたち(上野~水戸)でですが....でも自由席往復で7000円台もする。)これだけ素晴らしいアンサンブルを音響のいい室内楽専用ホールで聴けるんだから、ぜひみなさんも足を運こばれては、と思います。

もうご存知だと思うが、故・吉田秀和さん提唱のもと、小澤征爾さん中心に水戸室内管弦楽団が結成され、水戸芸術館という室内楽専用ホールを始めとする芸術の複合施設も建設されたのです。

水戸室内管弦楽団は1990年に創立された「水戸芸術館」の専属の室内管弦楽団。館長だった吉田秀和さんから相談を受けた小澤征爾さんが、その頃毎年ヨーロッパ演奏旅行をともに行っていたサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーを中心に自ら慎重に人選を行い、水戸室内管弦楽団が生まれたのです。

この管弦楽団は、指揮者のいる演奏はもちろん行うが、また入念なリハーサルを積み重ね、指揮者なしのアンサンブルを演奏することで有名。年間の半分は指揮者なしで公演をおこないます。室内楽団の細やかさとオーケストラのスケール感ある響きとを兼ね備えた音楽を聴かせてくれる希有な管弦楽団だと思います。

日本での定期演奏会は春と秋の2回。そのたびに独奏、合奏ともに多くの経験を積み、高い技術と音楽性を身につけた音楽家達が、演奏会のたびに世界各地から水戸に集結。1週間という入念なリハーサルを経て臨みます。

基本的に全奏者が一流のため、コンサートマスターや首席奏者制度はありませんが、コンマス(コンミス)は潮田益子、安芸晶子、豊嶋泰嗣等がほとんどを切り回しているようです。またヴァイオリンに1st,2ndの区別を付けず、配置は曲に応じて毎度変わるのも特徴。

小澤征爾さんを強く意識している私にとって、室内楽と言えば、この水戸室内楽を避けて通ることは絶対できず、ぜひ水戸芸術館で鑑賞したい、と思っていたのです。でも水戸というと首都圏から遠い感じがして、マイカーがないといけない、という地理感があり、なかなか実現できずにいたのが現状でした。ところが水戸まで特急で1時間で行ける、という情報を去年の秋、入手して、それではじめて重い腰を上げた、という次第なのです。

水戸芸術館は、水戸駅からバスに乗り継ぎ、下車停留所から数分徒歩のところにあります。

水戸芸術館(去年の秋に訪れたときの写真です。)
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水戸芸術館は、この変わった塔が印象的。この塔、水戸市政100周年を記念 して高さ100mの高さで建てられ、無限に発展する水戸市をイメージしているんだそうです。
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ロビー
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ホールの中に入ると、さすがに室内楽専用コンサートホールだけあって、ステージの広さや客席数、ホール容積も室内楽の規模に適した空間の佇まいです。ステージの側方、後方にも客席があるが、これは申し訳なさ程度のものであって、客席の大半は前方側にあります。このように側方や後方が狭いのは、ステージからの音が拡散しないように、側方や後方の壁ですぐに反射して響きとして前方に伝える初期の側方反射音を得るためだと思われます。

ホール
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ステージ側から見た客席
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素敵なデザインの天井
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いい音響を兼ね備えるコンサートホールの条件として、その容積というのはすごい重要なパラメータだと思います。程よい残響時間を得るにはそれに適した容積というのがあって、広すぎれば音は拡散気味で薄くなり、その空気を音で埋めるのが難しくなるし、狭すぎれば響き過多でわんわんうるさくなってしまう。ここのホールは室内楽という音数の少ない情報を響き渡らせるのには、適切な空間の広さだと思うし、これくらいの狭さだと、その時点ですでに気分的に音がいい感じがします。

実際聴いた音の印象は、硬質、軟質、どちらなのか、ちょっと判断に迷う感じのどちらとも言えない中間色の質感の印象で、響き具合は結構ライブ(響き多め)な感じ。ライブなんだけど響きに埋没することなく、音像は明確で輪郭がくっきりしている。もちろんまだ2回しか経験していないので、座席の位置によってクリチカルな音響なのかもしれないが、そこはよくわかりません。やっぱり室内楽でそれに相応した空間というだけで、その先入観だけで、なにか音が濃い感じがします。このホールの音響は、かなり私好み。 水戸室という最高の室内楽を聴くには、都内の大型ホールではなくて,やはりここ水戸芸術館で聴くのが本筋なのでしょう。なんか都内にある大ホールに付随している室内楽ホールとは一味違うんだぞ、という感じの一種独特のセンスがあってとても素敵です。

さて、コンサート。大野和士さんがはじめて水戸室を振る、ということで話題でした。大野さんは、小澤さんと同じで国内というより、どちらかというと海 外の荒波にもまれて育ってきた指揮者。特に世界中のオペラハウスにおける彼の活躍は目覚ましいものがあります。見た目イケメンで、それでいてどこかカリスマ性のある切れ味鋭い風格があって、女性ファンに人気があるのがよくわかる感じがします。なんか知将という表現がぴったりです。

大野和士さん
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大野さんの指揮は、なにか奏者との間にちょっとした遠近感を感じさせるスケールの大きな指揮振りのような感じを抱きます。作曲者の意図とか、音楽を音に具現化する表現力、そしてオケへの統制においては演奏者の自主性と技量を弾き出すのがうまい感じで、大げさな身振り手振りはあまりしないという印象。

演奏者が自分の自然でやりやすい方法で最も素晴らしい音をださせることが彼の理想のようです。指揮者なしでもどんどんやってしまう猛者達の水戸室のメンバーとガチンコで格闘する感じではなくて、大野さんが水戸室のメンバーをうまく誘導して音楽の幅や深さを引きだすというか、水戸室から明確な音の表現を引き出す、そんな柔軟な指揮振りだったように思います。 

曲の方は、ドヴォルザークの弦楽セレナーデは、去年の春、上野の奏楽堂コンサートで、演奏者として出演したゴローさんを応援しに行った思い出のある曲。確かにチャイコフスキーのものと比べると、それほど盛り上がったり、劇的な展開があったり......、 という訳ではないが、しなやかな弦楽器の特徴を活かしたじっくりと聴ける一曲だと思う。弦楽器が特に秀逸な水戸室にとっては、まさにツボにはまるはずだった。......でもいまいちでした。(笑)

私は最初、自分の座席による音響のせいだ、とずっと思っていました。それだけ水戸室の弦には信頼を置いていたし、疑う気持ちは毛頭なかった。でも帰宅して、次々アップされるマイミクさんの日記で、水戸室の弦楽器が原因だ、ということが言及されていて、そのときにあっ!そうなのか!とはじめて気が付いた。(大笑)それだけ信頼していたし、そういうこともあるんだなぁ、と思いました。原因は大野さんのスケジュールが非常にタイトで練習時間が足りなく、全3曲のうち、この曲だけが十分な練習時間を取れなかったそうです。

ブリテンのノクターンは、自然の美しさを賛える詩に牧歌的な美しいメロディーのついた素晴らしい曲で、近代の美しいオーケストラ付歌曲。特にブリテンという作曲家は、小編成のアンサンブルで鮮やかな色彩に彩られた空間表現を描き出す人なので、まずこの曲を水戸室のために選曲した大野さんの選曲センスの良さを感じざるを得ませんでした。テノール・管楽・弦楽の掛け合いが素晴らしかった。管楽器がつぎつぎとステージ前に現れて、テノールと弦と協奏する。

テノールの西村悟の声質は、十分甘美な艶があって、声量も十分で、繊細な歌唱を伴った美しい音楽に仕上がっていました。この曲を聴くチャンスは、なかなかない稀少な曲なので、素晴らしい経験でした。

最後のシューベルト交響曲第6番、あの未完成の前に書かれた作品で、この曲、正直あまり記憶に残っていない曲で、予習もしなかったし、初めて聞く ような感覚で楽しんでみました。冒頭がベートーヴェンとも思えるような雰囲気で、この作品を作曲していた時期シューベルトはベートーヴェンの音楽に相当傾倒していた、とのことなので、なるほど確かに、と思える厳格さがあります。全体的に柔らかな旋律が印象的なのですが、第4楽章はいままでのドイツ風からイタリア音楽のようになってしまう。4楽章構成の交響曲なのに30分程度の小曲。シューベルトの交響曲って、やはり演奏機会が圧倒的に多いのは「未完成」と「ザ・グレート」で、他の曲を生演奏で聴く機会ってあまりない。この曲もなかなか演奏機会に恵まれないようで、この曲を取り上げた大野さんの意図はどこにあるのだろうか?これをトリに持ってくるこのセンス、なかなかだと思いました。

なかなか重い腰を上げられなくて、水戸まで公演を聴きに行く、という気になれなかったのですが、これで定期公演を2回経験して、まさに上質な室内楽を堪能するには、この水戸芸術館まで足を運ぶべき、という印象を持てた感じがします。また水戸まで通って聴くだけの価値のあるクオリティの高さなのです。

サイトウキネンを振る小澤さんを観たくて長野県松本市に通うようになって2年経つが、いまだにその夢は実現できていません。でも一足先に、水戸で水戸室を振る小澤さんを観るのもぜひ実現してみたい、と思うようになりました。水戸室の定期公演は、そんなに頻繁に行われるものではないので負担も少なく、この水戸通い、自分のレパートリーに入れてみたい、と思った次第なのです。

大野和士さん(右)と西村悟さん(左)、コンマスは豊嶋さん
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水戸室内管弦楽団 第86回定期演奏会

・ドヴォルザーク:弦楽セレナード ホ長調 作品22
・ブリテン:ノクターン 作品60
  テノール独唱:西村 悟
・シューベルト:交響曲 第6番 ハ長調 D589

~アンコール~
フォーレ:組曲<ドリー>から第1曲 子守歌

水戸室内管弦楽団
指揮:大野和士
テノール:西村悟

2013/1/14 水戸芸術館コンサートホールATM


松本の魅力 [国内音楽鑑賞旅行]

サイトウ・キネン・フェスティバル松本が開催される長野県松本市。とても狭い街なのですが、歴史ある城下町で過去2回ほど訪れましたが、いろいろ散策をしてまいりました。と言っても私の場合、食中心の散策なのですが.......(笑)

長野県松本市は、都内から行く場合、新宿から特急あずさに乗って3時間、松本で下車です。決して近くはありませんね。

松本駅
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宿泊先のホテルは、この松本駅のすぐ横にあるホテルニューステーション松本というビジネスホテルです。このホテルに荷物だけ預けて(チェックインは15時からなので)さっそく街をぶらぶら。

小澤さんのオペラ収録のために早くから松本入りしているゴローさんにご挨拶代わりに昼食をご一緒にすることに。この日をはじめ、丸々2日間、この松本でゴローさんと過ごした日々は一生忘れられません。

紹介していただいたお店は、県文(長野県松本文化会館)のすぐ傍にある洋食屋さんGARAGEというお店です。ここのお店は県文の近くにあるということで、サイトウキネンのオケのメンバーがよく休憩に食事に来る馴染みのお店だそうです。
私達が居た時もオケのメンバーが入ってきたりしていました。(ゴローさんはメンバーの方に挨拶に行かれていました。)

GARAGE
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入口
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店内はとてもお洒落で雰囲気のあるお店ですね。
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私はデミグラスソースのオムライスを注文しました。
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いろいろ勉強になるお話を聞かせていただき、楽しいひととき。とても素敵なお店を紹介していただきました。この後、分かれて、私は主だったところの松本散策をしました。

さて、ここからどうするか?今回松本を訪れることでどこが名所なのか事前にガイドブックで調べて、
・国宝松本城
・中町通り
・ナワテ通り
この3か所を散策することに決めていました。松本を訪れるならこの3か所でしょう。400余年の風雪に耐えた天守閣を中心に広がる松本は、まさに信州の文化発信地。女鳥羽川という川の両側に中町通りとナワテ通りという2大通りがあるのです。城下町風情が満喫でき、レトロな散策が楽しめるのです。

まず松本城に向けてスタート。
松本市は結構小さい街ですね。地図どおりでわかりやすい街で歩くとすぐに目的地に到着する感じでした。

松本城到着!
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現存する5重6階の天守閣は日本最古を誇り、姫路城、彦根城、犬山城とともに国宝城郭のひとつだそうです。実際目の前にしたとき、壮大な感じで感動。でも良く観るとやはり古さが随所に感じられますね。
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つぎに女鳥羽川という川沿いにある中町通りを散策します。松本城からそんなに離れていません。

女鳥羽川
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ここが中町通りです。とても城下町の名残りがあるレトロの感じがありますね。
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2大通りのもうひとつの通りであるナワテ通りを散策です。
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城下町の風情がよく現れていてとても素敵な景観だと思いませんか?

さて、松本での生活では、毎朝の朝食はホテルで摂っていた訳ではなかったのです。毎朝の朝食は、「珈琲美学アベ」でのモーニングサービスを朝食としていたのです。このお店はゴローさんがサイトウキネンのメンバーのブログで知ったお店らしく、コーヒーが素晴らしく美味しいだけでなく、モーニングサービスの朝食も抜群にいける。あがたの森通り沿いにあって、奥手に引き下がったところにあり、いったん通っただけでは存在に気がつかないのですが、ようやく見つけました。

珈琲美学アベ
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店内
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モーニングサービス
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私はコーヒーにはあまりうるさくないほうなのだが、それにしてもここのコーヒーは正直美味しい。コーヒーの香りが芳醇で、味が濃いのです。普段の飲んでいるコーヒーがいかに薄くて水っぽいか身にしみてわかってしまった。モーニングもとても美味しい。

このお店の面白いのは、コーヒーカップを置く皿の部分に、このお店の珈琲の哲学が書いてあるのです。

悪魔のように黒く
天使のように優しく
恋のように甘い
珈琲のひととき・・・ 

また、メニューやコーヒーのソーサには、「疲れをいやすひととき、悪魔のように黒く、恋のように甘いコーヒーを!!」とか、「水ばかり飲んでコーヒーを飲まないなんて人生に生きがいがあるだろうか?疲れをいやす一時に悪魔のように黒く恋のように甘いコーヒーを!」 なんてメッセージが書き込まれている。とても素敵な珈琲専門店です。松本に滞在した時は、必ず朝食はここのモーニングサービスを摂ることにしたいと思います。

さて、この喫茶店の隣の方向には松本唯一のオーディオショップのロイヤル・オーディオがあります。
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なかなかの規模のお店で、すぐ店長さんとも仲良くなれました。視聴室にも通され、数枚のCDを聴かしてくれました。特にアルゲリッチのガラスCDを聴かせてくれたりしました。なかなかの美音でした。
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このお店には小澤征爾さんやソニー元会長の出井さんなどが寄っているらしく記念写真が置いてありました。出井さんの時期でしかも小澤さんの風貌から随分昔の写真だと思います。このオーディオショップにゴローさんと寄った時に、なんと偶然にもあのAV評論家の麻倉怜士さんとばったり出会ったのです。ゴローさんと麻倉さんはその場で世間話に華を咲かせていました。そしてゴローさんは私を麻倉さんに紹介してくれて、店長含めて、4人で私のカメラで記念撮影しました。いまでは私の宝物の写真になっています。

ゴローさんは、よくこのロイヤル・オーディオの2Fの視聴室で、BD-Rに焼いた収録画像を、ここで観てみるために使っていたみたいです。私と一緒に行ったときも、昨晩の「青ひげ公の城」の収録BD-Rをこの視聴室で、ゴローさん、麻倉さん、店長、そして私で観てチェックして、ここはどうだ、こうだ、という感じで話が盛り上がったのでした。このこともゴローさんから言うなよ、と言われたのですが(笑)、いまでは時効でしょう。(笑)

さて、松本と言えば蕎麦でしょう。松本市内にはそれこそ歩いていたら、至る所に蕎麦やさんがあります。 この信州蕎麦を体験するために取っておきのお店にゴローさんに連れていってもらいました。これも県文(長野県松本文化会館)の傍にあるんですが、小澤さんがとてもひいきにしているお店ということで、毎年夏に来るとき、小澤さんは必ずこの蕎麦屋さんに寄るんだそうです。

「かどや」というお店です。

確かに県文の近くなんですが、住宅の中を迷路のように行く感じでなんか隠れ家のお店のような感じがしました。

かどや
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店内は本当に純和風という感じです。
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小澤さんはこの蕎麦屋に寄った時には、必ずここにサイン色紙を書いていくのだそうです。私達が行った時も、「いつもありがとう 小澤征爾 2011.8.16」という色紙が貼ってありました。
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そしていよいよお蕎麦の登場!128.JPG

これが信州蕎麦です。1人前頼むんですが、ざるが2皿なんですね。なかなかの量です。あと野沢菜ごはんもいただきました。 いや~本場の蕎麦だけあってさすがに腰があってとても美味しいです。あとわさびがかなり本格的!蕎麦の独特の香りが芳醇で関東で食べているのとは全然違いました。やっぱり本場の味です。

なんか満足です。松本に来たらぜひ蕎麦を食べないと、と思っていたので、とても達成感がありました。

さて、あと信州といえば、もうひとつ体験したいものがあります。それは信州牛のステーキです。これは今回は経験できなかったのですが、次回行くときはぜひ経験したいと思っています。

さて、松本にはもうひとつマニアックなお店があります。これもゴローさんが日記で紹介してくれたお店なのですが、それが信州大学の正門前にあるエスニックカレー屋さんの「メーヤウ」。信州大学の正門前とは言っても正確には正門の真正面にある訳ではなくて、正門前から右に少し歩いたところにある。じつはこのメーヤウ、2店舗あって、桐店と信大前店とがある。ここの名物が「4色カレー」。この4色カレーが置いてあるのが信大前店のほう。私は最初、信大前店がわからず、間違って桐店のほうに行ってしまって、4色カレーが置いてなかった。2回目の正直でようやく信大前店に辿り着き、この4色カレーを食することができました。

エスニックカレー屋「メーヤウ」信大前店
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店内
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これが4色カレー。
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イエロー (デリー風イキン・カレー)
レッド  (タイ風ビーフ・カレー)
グリーン (タイ風チキン・カレー)
ブラック (カシミール風ビーフ・カレー)

といった具合に この店ではカレーの種類が「色」で示されます。4色カレーは、大皿なので 特大盛りという印象を与えるかもしれませんがご飯の量は トータルで 単品カレーの一人前と同じ。カレーは、4種類合わせて 単品の2倍くらいの量でしょうか。大食漢の私は、ペロリと苦もなく平らげてしまい、満足したのでした。

詳しいお店情報のリンクはこちら。(↓) 
エスニックカレー屋さんの「メーヤウ」 

松本に行ったときは、必ず朝食に珈琲美学アベのモーニングサービス、そして信州蕎麦、そしてこの4色カレー、そして夕食に信州牛のステーキは制覇したいですね。なんか食いしん坊の話ばかりですね。(笑)

さて松本の魅力、伝わりましたでしょうか?とても狭い街ですので、あっという間に散策できてしまいます。サイトウ・キネン・フェスティバル松本が開催されている時期は、かならずゴローさんがこの松本に収録のために滞在していますが、今年からはそういうこともなし、なんか主なき松本という感じがしていますが、もし今度、またこの松本の音楽祭に訪れることができるチャンスがあったら、ゴローさんに紹介してもらったこれらのお店を、想い出巡りという感じでもう一度ひとつひとつ訪問し直したい、と思っているところなのです。


サイトウ・キネン・フェスティバル松本 [国内音楽鑑賞旅行]

みなさまあけましておめでとうございます。本年もよろしくご愛読の程をお願い申し上げます。さて本年度一発目の記事は、毎年夏休みに長野県松本市で開催される音楽祭であるサイトウ・キネン・フェスティバル松本(略称SKF松本)について。

ご存じ小澤征爾さんを総監督として、世界のオケや、日本の在京楽団のスター達が年に1回この音楽祭のためにこの松本市に集まるのです。桐朋学園の創始者である故・齋藤秀雄先生の没後10年にあたる1984年に、世界各地に散る同門の志が一堂に集いメモリアルコンサートを行ったことから生まれたサイトウキネンオーケストラ(SKO)。そのSKOが母体になるオーケストラとオペラの2本の柱を中心とする音楽祭:サイトウキネンフェスティヴァル松本が、小澤征爾総監督の下、1992年に長野県松本市で始まりました。

小澤征爾さん
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クラシックの源地:西洋に比べて日本にはまだクラシックの伝統、歴史が全くなかった時代に、齋藤秀雄先生がまさになにもない状態から日本人の指揮者、演奏家達を育て上げた訳で、日本のクラシック界の礎を築いた人でもあります。

その1番弟子だった小澤さんが先頭に立ち、同士に呼びかけ故・齋藤秀雄先生を偲びその意志を受け継いでいくことを再確認しよう、ということで年に1回このように集まり現在に至っている訳です。

小澤さんが最も大事に思っているオケ、音楽祭と言えます。 若い頃から世界で活躍していた小澤さんにとって日本に確固たる活動の場というのがなかった、というのが実情で、そんな小澤さんにとってこのサイトウ・キネンは自分の日本における活動の基礎となる場であった訳です。

NHKの音楽ディレクターである小林悟朗さんと知り合えたことで、小澤征爾さんを強く意識するようになり、同時に悟朗さんのライフワークであったサイトウ・キネンを経験したい、と思うようになりました。毎年この夏のシーズンになると収録のために松本に長期滞在する悟朗さん。はじめて松本を訪問した時は、いろいろ松本を案内してくれて、丸一日一緒に過ごした思い出は一生忘れられないでしょう。やはり自分のクラシック人生の中で、サイトウ・キネンを振る小澤さんの生の姿を観ておくというのは、絶対に経験しないといけないハードル。2011年と2012年にこの松本の音楽祭に通っていますが、小澤さんの体調問題で、いまだにこの夢を叶えていません。普段、私は在京楽団の定期会員になっている訳でもなく、日本でのクラシックコンサート鑑賞もきちんとした軸のある活動をしている訳ではありません。でもその中で自分のカラーを出すのなら、このサイトウ・キネンと心に決めているのです。そんな訳で国内音楽鑑賞旅行としては、私にとってこの音楽祭が最大のイベントでもあるのです。

新宿から特急あずさで揺られて3時間、、松本で下車です。決して近い距離ではありません。
サイトウ・キネン・フェスティバル松本は、大きくオーケストラ・コンサートとオペラの2本立てで構成されています。(室内楽もありますが、その紹介はまた次の機会に。)まずオーケストラ・コンサートのほうの紹介から。コンサートホールはキッセイ文化ホール。去年までは長野県松本文化会館と呼ばれていたホールです。

キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
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2011年にはじめて松本を訪問した時に、まだ長野県松本文化会館だった頃、小澤征爾/サイトウキネンオーケストラ(SKO)と言えば、この会場でのシンフォニー 演奏というイメージが圧倒的に強い。したがって私にとってSKF松本というのはまさしくこの会場のことなのです。

松本入りしてから、地元の人はしきりにこの会場のことを「ケンブン」と言う。(笑) 私は「ケ、ケンブン?」(笑)

そう「長野県松本文化会館」のことを地元松本では、「県文」というのです。タクシーで、「サイトウキネンフェスティバル松本の長野県松本文化会館まで。」と丁寧に言うとタクシーの運転手さんは、「あ~県文ね。」とあっさり(笑)。そしてカーナビを見ると、なんと「県文」というアイコンがきちんとあるんです。(笑) まさに1992年の創設以来20年間地元松本市民に慣れしたんだ、この愛称である「県文」。それが2012年からキッセイ文化ホールに改名。これはどうなんだろう?それこそ「県文」(長野県松本文化会館)という名称で、長年松本市民に定着していただけにこの改名、残念というか違和感があるのは私だけだろうか?地元のタクシーのカーナビにも県文というアイコンが元々地図データにあるくらいだし.....

タクシーの運転手さんに改名の理由を聞くと、こういうことだった。

キッセイ文化ホールのキッセイというのはキッセイ薬品という薬品会社の名前をそのままホールの名前に使っているのだそうだ。正確なことはわからないけど、このホールの維持費のためのスポンサーとして、このキッセイ薬品が金を出しているのではないか?その代替として、キッセイの名前をホールに入れろ、という要求があった、とのこと。しかも期限は5年契約とのこと。5年後にスポンサーが変わって、またホールの名前が変わるかもしれない、と言っていました。

確かに松本という田舎で、年に1回のSKF松本だけでは、年間の維持費は厳しいものがある。(首都圏と違ってコンテンツを集めるのが大変)いままで長野県松本市の金で運営していたのを、民間会社の金の力を借りよう、ということなのだろう。今年で20周年、苦しいホールの経営方針にひとつの区切りの裁断なのかもしれない。

でも松本に滞在していた時に、周りから聴こえてきたのは「県文」という言葉で、誰ひとり新しい名前を言っている人はいなかった。スポンサーが変わるたびにホール名を頻繁に変えるようであれば、これからも新しい名前が定着することはまずないだろうと思うし、松本市民にとってはこれからもずっと「県文」と呼ぶんだと思う。
20年間かけて慣れ親しんだ愛称はそんな簡単には変えられないはずです。

以前はこのように長野県松本文化会館でした。(↓)
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1992年に開催の始まったSKF松本のために作られたコンサートホールです。この県文も、コンテンツの確保、維持費が大変です。松本市はSKF松本のときが1年で最大の集客力を誇りますが、それ以外の期間は地道にいろいろなジャンルの公演招致で賄います。 ロケーションは駅からはかなり離れていますので、交通手段はタクシーで行くしかありません。

ロビー
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エントランスを入ったら広いロビー空間が現れます。ここにグッズ関係も売ってます。大ホールに行くには、ここからさらに階段を上がってホール入口があります。そこを入ると直接ホールに入るためのロビーがあります。あまり広くないですね。ホールに入るための入口はここしかありません。

ホール

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ここがNHKのTV放送やBlu-ray/DVDで御馴染みのホールだ!思わずじ~ん!と来てしまいました。座席数は2000席くらいで、1階と2階に分かれています。ちょうど松本に来ていたオーディオ仲間から、このホールは残響少なめでマッシブな音響だよ、と聞いていたので、どんな感じなのかな、と思っていました。後日データを調べると、県文の残響時間は空席時で2.2秒、サントリーホールで空席時で2.6秒くらいだから、確かに言っていることは正しい。

でもいざSKOのシンフォニーを聴いていた分にはあんまりそんなに響きが少ないとは感じませんでした。SKOが奏でる音が凄い分厚い音で密度感が豊富だったので、デッドな響きはほとんど気にならなかった感じです。あと感じたのは、ステージからの直接音がかなりしっかり客席に届くこと。

ここで聴くSKOの音楽は、まさに日本から発信する世界級レベルの音楽祭を代表する素晴らしいものでした。首都圏の在京ホールで聴くオケの音とは一味違う自分にとっては特別の音がするのです。

2012年のオーケストラ・コンサートでダニエル・ハーディング指揮でアルプス交響曲終演後のカーテンコール
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さて次にオペラの会場となるのが、「まつもと市民芸術館」。松本駅を出てすぐ正面に「あがたの森通り」という大きな通りがあり、そこをまっすぐ20分ほど歩くと右手側にホールは見えてきます。地理的に非常に恵まれた立地条件にあると思います。

まつもと市民芸術館

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さっそくホールのロビーに入った印象。建物自体が縦に長いので、幅はないけどひょろ長いという感じです。まつもと市民芸術館は地上7階地下2階の建物で、長いエスカレーターを昇ってかなり高いフロアまで上がります。

ロビーはこんな感じです。

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そして開場時間になり、ホールの中に入るとびっくり!凄いホールですね。事前にネットのHPの写真で最新鋭のホールであることを知っていましたが、実際入って中を見るともう唖然です。素晴らしいホールです。

ホール

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ステージ

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ピット

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2012年のオペラ(オラトリオ):「火刑台上のジャンヌ・ダルク」の舞台装置。

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まつもと市民芸術館は地上7階地下2階建てで、内部には約1,800席の主ホール、240席の小ホールのほか、主ホールの舞台を利用した約400席の実験劇場、リハーサル室やレストランなども完備しています。1800席ということですから、東京の新国立劇場とほぼ同じくらいです。ただ新国立劇場はオペラ劇場、中劇場、小劇場といろいろあり、劇場としての規模は、新国立劇場のほうが大きいかもしれませんが、でもこのまつもと市民芸術館も本当に凄い規模のホールだと思いました。

ちょっと意地の悪い見方をしてしまって、長野県松本市という決して大きくない街にこんな凄いホールを建築して維持費とかどうしているんだろうか?集客のための公演招致など大変じゃないか、と思いました。要はどんなに優れたホールであってもコンテンツをうまく確保することが運営の成否を決めると思うからです。

後日タクシーを利用したときに運転手さんと世間話をしたのですが、やはり同じことを言っていました。このホールを建設するとき、都市の規模からコンサートも頻繁に開かれるものではなくて、このため、新施設の設備は過剰であり、その建設は税金の浪費にすぎないと捉える向きも多かったそうです。

長野県松本市もSKF松本のときは、1年のうち最も盛況となる時期で全国から観客が押し寄せる凄い集客力ですが、普段はなかなか厳しいのが現状。最近では歌舞伎とか、公演招致に血眼で維持費を確保しているんだそうです。

2012年のオペラ(オラトリオ)の「火刑台上のジャンヌ・ダルク」終演後のイザベル・カラヤン(指揮者カラヤンの長女)のカーテンコール

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でも日本の夏の音楽祭としては最大規模と思われるこの小澤征爾さんのサイトウ・キネン・フェスティバル松本を演出するにふさわしい、このオーケストラ・コンサートの会場であるキッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)とオペラの会場である、まつもと市民芸術館、どちらも本当に素晴らしいホールで日本から世界へ発信する音楽祭にふさわしいホールと実感しました。

みなさんも、この松本の音楽祭、ぜひ経験してみませんか? 


体験!軽井沢大賀ホール [国内音楽鑑賞旅行]

国内のクラシックのコンサートホールはそれこそ首都圏にたくさん存在しますが、私にとってとても、こだわり、思い入れのあるコンサートホールが軽井沢にあるのです。それは軽井沢大賀ホール。

元ソニー会長/社長の大賀典雄さんが、自分の退職金16億をすべてをつぎ込んで、当時クラシックのコンサートホールがなかった軽井沢に寄贈したホールであります。それ以前の軽井沢は音楽会の演奏をするときは、軽井沢市内にたくさん存在する教会で演奏することが多かったようです。ところがこの軽井沢大賀ホールが建立されるようになってから、まさに軽井沢でのコンサート活動の本流となり現在に至っています。

ソニーの会長/社長であった大賀典雄さんは音楽の勉強をし、その道を志していたんですが、自分の意志とは全く予想もしなかった会社の経営者の道を歩むことになり、その間、常に音楽に携わりたいという自己内部での葛藤が常にあったそうで、ついに晩年指揮者デビューします。そして、その音楽活動の集大成として自分の退職金16億円をすべてつぎ込んでこの軽井沢大賀ホールを軽井沢市に寄贈したのです。

大賀典雄さん
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大賀典雄さんは私が1987年に入社したときにはソニーの社長でした。(会長は盛田昭夫さん)入社式のときに訓示のお言葉をいただいたのをいまでも記憶しています。

大賀さんは東京芸術大学を経て欧州のベルリン音楽芸術大学で声楽を学ばれているのです。(確かバリトン、話し声も凄い低音が素晴らしいです)そういう経歴で、井深さん、盛田さんとの親交で家電メーカーの経営者になるという異色の経歴の持ち主でした。

カラヤンとも蜜月の関係で、お互い飛行機の操縦の趣味、自動車の趣味、またカラヤンは機械ものに強く、ザルツブルグの自宅の地下の編集室にソニーの機材一式を購入して大賀さんに見せて自慢したなどのエピソード、CDフォーマットの記録時間決定の際のカラヤンのアドバイスなど非常にお互い公私ともに友好な関係でした。

あとカラヤンと大賀さんが、カラヤンのザルツブルグの自宅で会談しているとき、心臓発作でそのままカラヤンが倒れるように亡くなったのです。いわばカラヤンのご臨終を看取った人が大賀さんでもありました。私が大賀さんの偉大さを強く認識したのはずっと後年でしたが、家電機器を開発すると言う立場にいながら、クラシックに造詣が深い大賀さんはまさに私の尊敬する人で人生の鏡でもあったのです。なんか普通の会社経営者と違って「異色」なんですよね。

そんな大賀さんも2011年4月にご逝去なされました。まさにソニーの黄金時代を支えた経営者であり、一時代が去ったとも思える感があります。大賀さんの遺志が受け継がれているこのホールで演奏を聴くことが今の自分のできること。できれば大賀さんの指揮姿をこのホールで観ておきたかった。 少なくとも大賀さんの下で働いていた人間にとって、毎年1回は、このホールに通うことで、大賀さんの意志を受け継いでいきたいと思うのです。大きなイベントとしては、GWに開催される大賀典雄メモリアル・春の音楽祭と夏休みに開催される軽井沢国際音楽祭があります。今回はこの軽井沢大賀ホールの魅力について紹介していきたい、と思います。現在はこのホールの芸術監督にダニエル・ハーディングが就任しています。

東京上野から長野新幹線で1時間、軽井沢で下車。軽井沢駅から徒歩7分という非常に地の利がよいところにあります。

軽井沢大賀ホール
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大賀ホール、思っていたより小さめな建物でした。とても美しい建築美を伴った建物で外観が本当に美しいと思いました。玄関から横のほうに行くとカフェテラスがあってドリンク休憩ができるようになっています。大賀ホールの周りは緑の芝生、そして湖と、とても自然色豊かな環境で和みますね。

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開場時間になって、中に入ってみると、ロビーが物凄く狭い。確かに五角形の建物なんですが、入口は片側からしか入れないようになっているのです。だからロビーも五角形ホールの片側しか存在しないんです。

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第1印象。狭い。(笑)思っていた以上に狭いホールでした。都内のホールと比較すると小ホールの部類に入ると思います。データによると客席数は784席。大半を1階席が占めており、ホールの2階席は横木に腰掛ける立ち見席のみだった ようですが、利用者の要望により椅子を取り付けられたそうです。しかし立見席はホールを町に寄贈した大賀さんの「若者が良質の音楽に安い価格で触れることができるように」との意向で設けられたこともあり、一部はそのまま残されている、というのが現状です。

こういった背景もあるのか、コンサートのチケットも安いし、カフェのドリンク代 (なんと400円)ももの凄い安いです。いかに安価に音楽を楽しんでもらうか、の大賀さんのモットーなのでしょう。

ホール

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五角形の天井。(反響板がすごく大きい)

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ホールの中はステージがあって、確かに2階席はあるのですが、大半は1階席が主流。後方や真横に客席はなくてワインヤードでもない。かと言ってシューボックスでもない、独自のホール形式です。要はステージがあって、基本は前方席しかない訳で、それでいてホール全体が五角形なのです。

これがホール内のどの席へも音が均一に届くように建物の形状を五角形にした秘密なのでしょうね。ユニークなホールの形状だと思いました。

音響のほうはかなり残響リッチな音響です。かと言って音像がぼやける感はなく、明確な隈取りでしっかりした定位感があります。かなり濃い音ですね。オケの音は、響きが豊富なので非常にスケール感の大きい雄大な感じに聴こえ、ステージのちょうど上方にサウンドステージが浮かぶ感覚がするほどじつに素晴らしい感があります。またピアノリサイタルも聴いたのですが、1打鍵ごとの響きが長いので、強打鍵の連打の場面になると、混濁感一歩手前のレベルまでいくほど響き豊かです。基本的にこのホール、ライブ(響き多め)なんですね。響きの質感は、硬質、軟質というより、どちらかというと中間色な感じで非常に明晰で素晴らしい響きです。もうひとつこのホールの不思議なところは、通常この席は音響の素晴らしい席で、ランクが落ちていくにつれて音響が悪くなる、というのがコンサートホールの常なのですが、このホールはそういう常識は当てはまらず、ホール内のどこでも全く均一の音響を得られるというのが売りなのです。本当にそうなのかどうかは、そう何回も経験している訳ではないので立証できませんが、この独特のホール形状にその秘密が隠されているような気がします。

開演開始の合図は通常のコンサートホールですとベルなどを使用しますが、この大賀ホールでは、小型スピーカーから川のせせらぎが聴こえて、小鳥の鳴き声がして、最後に教会の鐘の音が鳴るのです。本当に緑の避暑地の軽井沢ならではの、なんとも小洒落たセンスではないですか!いずれにせよ、軽井沢というセレブな避暑地にぴったりのお洒落感覚に溢れた魅力あるホールであることは間違いないところです。

正面玄関を入ったところにある大賀典雄さんの銅像パネル
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